129 / 132
File.11
緊急事態
しおりを挟む
そんなやり取りをしていると、さっきまでだんまりを決め込んでいたスッキーが俺達の方へやってきて、テーブルに地図を広げながら口を開く。
「クククッ、大変な事になっているようですねぇ。転移の座標を皆さんでバラバラにして各自対応するというのは如何でしょうか?」
「それは効率が良いだろうねしかし、戦力の分散か……」
「じゃあどうすんのさwwwwどどどどwwwwどーすんのwwwwどーすんのwwwwレッツゴーwwwwwwww」
「トレセン音頭やめろ」
「転移にかかる魔力は気にする事はねェ。だから一度ギルドと騎士団とで連携を取ったほうが良いだろうなァ。それから各自バラで送る方が確実だろ」
何だか真面目な話になってきたおwwwwそれにしても一月もしない内にまた侵攻とか忙しすぎんだろwwwwwwww
「はかせ、どーしたの?」
「イヴ、残りの人数を至急呼んできてくれたまえ。緊急事態という奴だ」
「らじゃ!きんきゅーじたい!」
状況にそぐわない可愛い仕草で敬礼をすると、間もなくして全員が集まった。
「……と、まずはこの動き方で各自対処に当たるようにしてくれ」
「オーケーwwww我が命に変えてもwwwww」
「ホント緊張感の欠片もない奴です……」
「リリィ、気にしたら負けだ。んじゃァ転移するぞ」
全員が床に広がった魔法陣の上に立つと視界が一瞬白く塗り潰され、次の瞬間には王都エルダーに到着していた。
「ギルドと騎士団、分けて行くんだよなwwww皆死ぬなよwwwww」
「俺が送ってやるから、お前らは行き先が決まったら城に来い」
「ん、了解」
「タカトさん、いきましょう!」
「承知した。さあ、行くぞルキ」
「分かったよ、お姉ちゃん!」
「私も後ほど合流させてもらうよ」
俺達が城に着くと、兵士の皆さんが忙しそうに各方面に列を成していくのが見えた。その後ろから、騎士団長の……何だっけ名前忘れた。ナントカさんがフル装備で残りの人間に指示を出している。
「おお、勇者殿に闇帝殿……皆、無事なようで何よりだ」
「団長さんやwwww今どうなってんのか三行でよろwwwwwwww」
「戦力が足りないところがあれば、私達が出向きます!」
「イヴも!」
「クックックッ、他の帝の方たちも既に出払っているようですねぇ。マリーさん、前回の襲撃に引き続きこれも修行としましょうか」
「は、はいっ」
騎士団長のナントカさんから状況を聴くと、エルダーの領地内へ帝を含む騎士団を分散して進軍させ、近隣国の軍と国境付近で合流して対処にあたるという流れらしい。
三行じゃ収まらなかったおwwwwwwww
西大陸全域を巻き込む魔族の大侵攻を受け、俺達は各地にヴァンの転移で向かうことにした。
ギルドに向かった面々と合流し、現在は配置の相談をしておりますwwwww
「俺は王都の付近の平原でひたすら迎撃でいいんすかwwwwww」
「シャルもご主人様をサポートするよ♡」
「王都内はおじさんの選りすぐりギルメン集団で固めるから、多少の撃ち漏らしは気にするな。とにかく数を減らせ。その代わり全方位丸投げだから頑張れ」
バビさんはエルダー領地の地図に名前を書いてそう言うと、煙草に火を着けた。
市街戦ならば、騎士団よりも各々の個性が突出している冒険者のほうに分がある。その代わりに大規模な軍隊とのぶつかり合いは騎士団に回せるのだ、とは騎士団長談である。
「私とオルガくん、ルキくんは別荘に戻って籠城させてもらうよ。侵入者が来ないとも限らないし、機材やサンプルを荒らされては困るからね」
そして残りのメンバーは、魔族が出現する地点で迎撃する流れとなった。偵察部隊の情報によれば、エルダー周辺を囲むように現れた特殊な魔法陣から魔族が湧き出ており、大陸での被害はエルダーが一番酷いらしい。
「じゃあ、早速行きましょ。転移お願い、ヴァン」
「あァ。七刃将が出てくる可能性が高いから、お前ら気を付けろよ」
「イヴもがんばる」
次々と転移で出発していく皆を他所に、リンドウがイヴっちに歩み寄った。
「前回の活性剤の改良品だ、困ったら使うといい。だが、無理は禁物だ」
「ありがと、はかせ。がんばる」
「イヴっち、ホントに無理すんなよ。危なかったら帰っていいんだからなwwww」
こくり、と頷いたイヴっちも転移で移動していく。
それを見送ったリンドウは、突然思い出したように俺に向き直った。
「そうだカルラくん。ランバットくんのところへ寄ってみるといい。彼の作業スピードを考えれば恐らく、外付けデバイスの弐号機が完成している頃だろう」
「ホントかよwwwwまぁ心配だしちょっと顔見てくるべwwwwシャルは街の防衛をメインによろしく頼むぞよwwwww」
「りょーかい♡」
これで全員が出発したので、まずは急いでデミウルゲインへ向かった。
内部に紛れ込んだ魔物を処理しながら到着すると、大槌を担いだランバット氏が仁王立ちしておられた。何事もなくっていうか絶対防御感すげぇwwwwww
「お?カルラか。何しに来た」
「ランバット氏wwww戦えるの凄くねwwww」
「テメェで造った武器が使えねぇなんてマヌケな鍛冶師が、何処に居るかってんだ。で?何だ?」
「カッケェwwwwwwww
いや、もしかしたら俺が頼んだヤツ出来てたりしないかなってwwww」
とはいえ、普段から戦闘に勤しんでいる訳では無いランバット氏は、魔族の対処に疲弊しているのは間違いなく、若干機嫌悪そうにしてるので恐る恐るそう聞いてみた。
「おう、アレか。待ってろ」
のしのしと店の中へ引っ込んで、すぐに戻ってきた。手には赤いベースカラーに銀の彫金が施された円盤型の外付けデバイスが握られていた。
コイツなら今の俺の役割にうってつけなのであるwwwwwwwwテンション上がってきたwwwwwwww
「さすがランバット氏だぜwwwwwwこれで街の周囲に押し寄せてる奴ら一掃してくるおwwwwwwww」
「おう、しっかり働いてこい。勇者」
俺は跳躍しながら魔装具を装着すると同時に、デバイスに魔力を流して上空に躍り出た。
「お掃除ですのwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」
「クククッ、大変な事になっているようですねぇ。転移の座標を皆さんでバラバラにして各自対応するというのは如何でしょうか?」
「それは効率が良いだろうねしかし、戦力の分散か……」
「じゃあどうすんのさwwwwどどどどwwwwどーすんのwwwwどーすんのwwwwレッツゴーwwwwwwww」
「トレセン音頭やめろ」
「転移にかかる魔力は気にする事はねェ。だから一度ギルドと騎士団とで連携を取ったほうが良いだろうなァ。それから各自バラで送る方が確実だろ」
何だか真面目な話になってきたおwwwwそれにしても一月もしない内にまた侵攻とか忙しすぎんだろwwwwwwww
「はかせ、どーしたの?」
「イヴ、残りの人数を至急呼んできてくれたまえ。緊急事態という奴だ」
「らじゃ!きんきゅーじたい!」
状況にそぐわない可愛い仕草で敬礼をすると、間もなくして全員が集まった。
「……と、まずはこの動き方で各自対処に当たるようにしてくれ」
「オーケーwwww我が命に変えてもwwwww」
「ホント緊張感の欠片もない奴です……」
「リリィ、気にしたら負けだ。んじゃァ転移するぞ」
全員が床に広がった魔法陣の上に立つと視界が一瞬白く塗り潰され、次の瞬間には王都エルダーに到着していた。
「ギルドと騎士団、分けて行くんだよなwwww皆死ぬなよwwwww」
「俺が送ってやるから、お前らは行き先が決まったら城に来い」
「ん、了解」
「タカトさん、いきましょう!」
「承知した。さあ、行くぞルキ」
「分かったよ、お姉ちゃん!」
「私も後ほど合流させてもらうよ」
俺達が城に着くと、兵士の皆さんが忙しそうに各方面に列を成していくのが見えた。その後ろから、騎士団長の……何だっけ名前忘れた。ナントカさんがフル装備で残りの人間に指示を出している。
「おお、勇者殿に闇帝殿……皆、無事なようで何よりだ」
「団長さんやwwww今どうなってんのか三行でよろwwwwwwww」
「戦力が足りないところがあれば、私達が出向きます!」
「イヴも!」
「クックックッ、他の帝の方たちも既に出払っているようですねぇ。マリーさん、前回の襲撃に引き続きこれも修行としましょうか」
「は、はいっ」
騎士団長のナントカさんから状況を聴くと、エルダーの領地内へ帝を含む騎士団を分散して進軍させ、近隣国の軍と国境付近で合流して対処にあたるという流れらしい。
三行じゃ収まらなかったおwwwwwwww
西大陸全域を巻き込む魔族の大侵攻を受け、俺達は各地にヴァンの転移で向かうことにした。
ギルドに向かった面々と合流し、現在は配置の相談をしておりますwwwww
「俺は王都の付近の平原でひたすら迎撃でいいんすかwwwwww」
「シャルもご主人様をサポートするよ♡」
「王都内はおじさんの選りすぐりギルメン集団で固めるから、多少の撃ち漏らしは気にするな。とにかく数を減らせ。その代わり全方位丸投げだから頑張れ」
バビさんはエルダー領地の地図に名前を書いてそう言うと、煙草に火を着けた。
市街戦ならば、騎士団よりも各々の個性が突出している冒険者のほうに分がある。その代わりに大規模な軍隊とのぶつかり合いは騎士団に回せるのだ、とは騎士団長談である。
「私とオルガくん、ルキくんは別荘に戻って籠城させてもらうよ。侵入者が来ないとも限らないし、機材やサンプルを荒らされては困るからね」
そして残りのメンバーは、魔族が出現する地点で迎撃する流れとなった。偵察部隊の情報によれば、エルダー周辺を囲むように現れた特殊な魔法陣から魔族が湧き出ており、大陸での被害はエルダーが一番酷いらしい。
「じゃあ、早速行きましょ。転移お願い、ヴァン」
「あァ。七刃将が出てくる可能性が高いから、お前ら気を付けろよ」
「イヴもがんばる」
次々と転移で出発していく皆を他所に、リンドウがイヴっちに歩み寄った。
「前回の活性剤の改良品だ、困ったら使うといい。だが、無理は禁物だ」
「ありがと、はかせ。がんばる」
「イヴっち、ホントに無理すんなよ。危なかったら帰っていいんだからなwwww」
こくり、と頷いたイヴっちも転移で移動していく。
それを見送ったリンドウは、突然思い出したように俺に向き直った。
「そうだカルラくん。ランバットくんのところへ寄ってみるといい。彼の作業スピードを考えれば恐らく、外付けデバイスの弐号機が完成している頃だろう」
「ホントかよwwwwまぁ心配だしちょっと顔見てくるべwwwwシャルは街の防衛をメインによろしく頼むぞよwwwww」
「りょーかい♡」
これで全員が出発したので、まずは急いでデミウルゲインへ向かった。
内部に紛れ込んだ魔物を処理しながら到着すると、大槌を担いだランバット氏が仁王立ちしておられた。何事もなくっていうか絶対防御感すげぇwwwwww
「お?カルラか。何しに来た」
「ランバット氏wwww戦えるの凄くねwwww」
「テメェで造った武器が使えねぇなんてマヌケな鍛冶師が、何処に居るかってんだ。で?何だ?」
「カッケェwwwwwwww
いや、もしかしたら俺が頼んだヤツ出来てたりしないかなってwwww」
とはいえ、普段から戦闘に勤しんでいる訳では無いランバット氏は、魔族の対処に疲弊しているのは間違いなく、若干機嫌悪そうにしてるので恐る恐るそう聞いてみた。
「おう、アレか。待ってろ」
のしのしと店の中へ引っ込んで、すぐに戻ってきた。手には赤いベースカラーに銀の彫金が施された円盤型の外付けデバイスが握られていた。
コイツなら今の俺の役割にうってつけなのであるwwwwwwwwテンション上がってきたwwwwwwww
「さすがランバット氏だぜwwwwwwこれで街の周囲に押し寄せてる奴ら一掃してくるおwwwwwwww」
「おう、しっかり働いてこい。勇者」
俺は跳躍しながら魔装具を装着すると同時に、デバイスに魔力を流して上空に躍り出た。
「お掃除ですのwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
美人四天王の妹とシテいるけど、僕は学校を卒業するまでモブに徹する、はずだった
ぐうのすけ
恋愛
【カクヨムでラブコメ週間2位】ありがとうございます!
僕【山田集】は高校3年生のモブとして何事もなく高校を卒業するはずだった。でも、義理の妹である【山田芽以】とシテいる現場をお母さんに目撃され、家族会議が開かれた。家族会議の結果隠蔽し、何事も無く高校を卒業する事が決まる。ある時学校の美人四天王の一角である【夏空日葵】に僕と芽以がベッドでシテいる所を目撃されたところからドタバタが始まる。僕の完璧なモブメッキは剥がれ、ヒマリに観察され、他の美人四天王にもメッキを剥され、何かを嗅ぎつけられていく。僕は、平穏無事に学校を卒業できるのだろうか?
『この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません』
セクスカリバーをヌキました!
桂
ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。
国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。
ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……
ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話
桜井正宗
青春
――結婚しています!
それは二人だけの秘密。
高校二年の遙と遥は結婚した。
近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。
キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。
ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。
*結婚要素あり
*ヤンデレ要素あり
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。
最強無敗の少年は影を従え全てを制す
ユースケ
ファンタジー
不慮の事故により死んでしまった大学生のカズトは、異世界に転生した。
産まれ落ちた家は田舎に位置する辺境伯。
カズトもといリュートはその家系の長男として、日々貴族としての教養と常識を身に付けていく。
しかし彼の力は生まれながらにして最強。
そんな彼が巻き起こす騒動は、常識を越えたものばかりで……。
クラス全員で転移したけど俺のステータスは使役スキルが異常で出会った人全員を使役してしまいました
髙橋ルイ
ファンタジー
「クラス全員で転移したけど俺のステータスは使役スキルが異常で出会った人全員を使役してしまいました」
気がつけば、クラスごと異世界に転移していた――。
しかし俺のステータスは“雑魚”と判定され、クラスメイトからは置き去りにされる。
「どうせ役立たずだろ」と笑われ、迫害され、孤独になった俺。
だが……一人きりになったとき、俺は気づく。
唯一与えられた“使役スキル”が 異常すぎる力 を秘めていることに。
出会った人間も、魔物も、精霊すら――すべて俺の配下になってしまう。
雑魚と蔑まれたはずの俺は、気づけば誰よりも強大な軍勢を率いる存在へ。
これは、クラスで孤立していた少年が「異常な使役スキル」で異世界を歩む物語。
裏切ったクラスメイトを見返すのか、それとも新たな仲間とスローライフを選ぶのか――
運命を決めるのは、すべて“使役”の先にある。
毎朝7時更新中です。⭐お気に入りで応援いただけると励みになります!
期間限定で10時と17時と21時も投稿予定
※表紙のイラストはAIによるイメージです
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる