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「ん?何だろうこれ。」
暇過ぎて大掃除でもしようと思い立った今日。
いつもはやらない棚の後ろまで掃除をしようと、小さい棚は一生懸命一人で動かして箒で掃いた。
そうして掃除していない棚の後ろは最後の1つとなった。
自分の背の2倍近くはあるであろうこの棚。
この棚の後ろも掃除がしたいけれど、生憎私1人では棚を動かすことなんてできない。
テラに手伝ってもらおうかと思ったけれど、面倒くさそうな顔をされて終わりだろうと容易に想像できたのでやめておいた。
そこで、ロボットのリラなら少しは力があるんじゃないかと思い付き、手を引いて1階まで来て貰って棚を動かすのを手伝ってくれないか問うた。
その瞬間、目の前の棚が大きく動いた。
え?
何が起こったのか分からず唖然としていると、これでいいかと聞かれた。
ギギギ、と音がつきそうな感じでリラを見遣ると、彼女はいつもの無表情で。
その両手は棚にかけられていた。
彼女は相当の力持ちらしい。
ありがとうと言いながらも、リラを怒らせたら大変なことになりそうだから気をつけようと心に誓った。
怒ることがあるかは知らないけど。
リラを部屋へ返し、掃除の続きをしようとそこを見ると、何か小さなものがおちていた。
拾って見るとそれは指輪で、小さなダイヤモンドのようなものが嵌め込まれていた。
誰の指輪だろう。
ここにはテラしか住んでいないはずだ。
けれど、この指輪は私の指より少し大きいくらいだから、絶対テラの指には入らない。
なら誰のだろう。
もしかして、テラの恋人とか?
いやでもそんな人出入りしている様子ない…というかそもそもこの家に私たちが出入りしているところを見たことはない。
不思議に思っていると、階段から誰かが降りてくる音がした。
言わずもがなテラだ。
「げ、何してんだ…。」
テラは、リラが動かした棚を見て怪訝そうに呟いた。
「何って。どう見ても掃除じゃん。」
「ンなところまでしろなんて言ってねぇよ。」
「だって暇だったから。それより、ここにこんな物落ちてたけど、これってテラの?」
そう言ってテラに見つけた指輪を見せると、彼は思い切り目を見開いた。
「な…それ…どこに…」
「だから、この棚の後ろだって。」
テラは、リラが動いたのを初めて見たときのように、信じられないものを見るような目をしてフラフラとこちらへ近づいて来た。
そんな彼に指輪を差し出せば、恐る恐るといった風に、壊れ物を扱うように指輪を持った。
「ど、どうしたの。そんなに大事なものだったの?」
「…」
テラは私の問いかけも聞こえていないようだ。ただただずってその指輪を見つめている。
私はどうしたらいいかも分からず、その様子を眺めていることしかできなかった。
「これは…」
「え?」
「これは…もう、無くしちまったと思ってたんだ。もう絶対手元にもどってこないだろうって…」
そう言いながら指環をそっと撫でた。
「…ありがとう。」
「え…えぇ⁈」
あ、ありがとうって言った…。
テラ、そんな言葉知ってたんだ…。
そう思ったなんて、口には出さないけれど。
「…そんなに大事なら、もう無くさないようにどこか仕舞うか、チェーンでもつけて首にかけておいたら?」
誰の指輪か知りたかったけれど、何故だかそれを聞くのが憚られて。
そこに触れることはできなかった。
「…あぁ。そうだな…。」
私の助言に上の空、という感じで返事をしたテラは、その指輪を愛おしそうに、まるで大切な人を見るかのような目で見つめていた。
暇過ぎて大掃除でもしようと思い立った今日。
いつもはやらない棚の後ろまで掃除をしようと、小さい棚は一生懸命一人で動かして箒で掃いた。
そうして掃除していない棚の後ろは最後の1つとなった。
自分の背の2倍近くはあるであろうこの棚。
この棚の後ろも掃除がしたいけれど、生憎私1人では棚を動かすことなんてできない。
テラに手伝ってもらおうかと思ったけれど、面倒くさそうな顔をされて終わりだろうと容易に想像できたのでやめておいた。
そこで、ロボットのリラなら少しは力があるんじゃないかと思い付き、手を引いて1階まで来て貰って棚を動かすのを手伝ってくれないか問うた。
その瞬間、目の前の棚が大きく動いた。
え?
何が起こったのか分からず唖然としていると、これでいいかと聞かれた。
ギギギ、と音がつきそうな感じでリラを見遣ると、彼女はいつもの無表情で。
その両手は棚にかけられていた。
彼女は相当の力持ちらしい。
ありがとうと言いながらも、リラを怒らせたら大変なことになりそうだから気をつけようと心に誓った。
怒ることがあるかは知らないけど。
リラを部屋へ返し、掃除の続きをしようとそこを見ると、何か小さなものがおちていた。
拾って見るとそれは指輪で、小さなダイヤモンドのようなものが嵌め込まれていた。
誰の指輪だろう。
ここにはテラしか住んでいないはずだ。
けれど、この指輪は私の指より少し大きいくらいだから、絶対テラの指には入らない。
なら誰のだろう。
もしかして、テラの恋人とか?
いやでもそんな人出入りしている様子ない…というかそもそもこの家に私たちが出入りしているところを見たことはない。
不思議に思っていると、階段から誰かが降りてくる音がした。
言わずもがなテラだ。
「げ、何してんだ…。」
テラは、リラが動かした棚を見て怪訝そうに呟いた。
「何って。どう見ても掃除じゃん。」
「ンなところまでしろなんて言ってねぇよ。」
「だって暇だったから。それより、ここにこんな物落ちてたけど、これってテラの?」
そう言ってテラに見つけた指輪を見せると、彼は思い切り目を見開いた。
「な…それ…どこに…」
「だから、この棚の後ろだって。」
テラは、リラが動いたのを初めて見たときのように、信じられないものを見るような目をしてフラフラとこちらへ近づいて来た。
そんな彼に指輪を差し出せば、恐る恐るといった風に、壊れ物を扱うように指輪を持った。
「ど、どうしたの。そんなに大事なものだったの?」
「…」
テラは私の問いかけも聞こえていないようだ。ただただずってその指輪を見つめている。
私はどうしたらいいかも分からず、その様子を眺めていることしかできなかった。
「これは…」
「え?」
「これは…もう、無くしちまったと思ってたんだ。もう絶対手元にもどってこないだろうって…」
そう言いながら指環をそっと撫でた。
「…ありがとう。」
「え…えぇ⁈」
あ、ありがとうって言った…。
テラ、そんな言葉知ってたんだ…。
そう思ったなんて、口には出さないけれど。
「…そんなに大事なら、もう無くさないようにどこか仕舞うか、チェーンでもつけて首にかけておいたら?」
誰の指輪か知りたかったけれど、何故だかそれを聞くのが憚られて。
そこに触れることはできなかった。
「…あぁ。そうだな…。」
私の助言に上の空、という感じで返事をしたテラは、その指輪を愛おしそうに、まるで大切な人を見るかのような目で見つめていた。
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