敵でも何でもない俺が毎回パーティから命を狙われている件

donguri

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第一章

過去のお話(前編)

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俺は、気絶から目を覚ますことが出来た。
あれからどのくらい時間経ったのか..

「痛ってぇ…」

ソノクから強く頭を蹴られ、その間に
気絶し倒れたのか、
体に痛みがまだ残っている。
だが自分で立つことを出来た。
視界はまだ霞んでいるが、物を認識できるまでは視力が回復していた。

しかし、歩いて少し時間経った時、
俺は、今いる場所が、ソノクとアリスが
戦っている場所では無いと認識することが
出来た。
煙で黒ずんだ、木材、ガラスなどが散らばっている中、俺は、一人の少女を発見する。

「助けて…助けてよ、ママ!!…ママぁぁぁ!!」

燃えている焼け野原で少女は、膝から崩れ落ち建物の瓦礫の上で泣いていた。
建物も周りの自然も全て炎で焼き尽くされていた。

周りに、討伐隊の人たちが倒れている中
少女は、必死に小さな手で
倒れている大人の女性
らしき人を起こそうとしている。
その人は、ピクリとも動いていないが、
少女は泣きながら呼びかけている。
きっと少女の母親なのだろう。

黒い煙で視界がボヤけているが少女は、
肩まで伸びた茶色の汚れた髪に、
服の裾が、ボロボロに黒く変色し破けた、
白いドレスを着ていることに薄らと
気づく。

「アリスなのか!?」

まだ確信は、持てないが
どこかアリスに似ている少女だった。
雰囲気、髪型、着ている服の色、
全てが、アリスにそっくりだった。

俺は、散らばった瓦礫を手で退かしながら進み、少女を助けようと近づくが、周りは火に囲まれ助けることは愚か近づくことさえ出来なかった。

「おい!…ここは危ない!…この手に捕まって!」

亡骸を抱き、俯く少女の背中に、
俺は、必死に呼びかけ、手を少女の方に伸ばす。
しかし、少女は、泣きくずれ
呼びかけに気づいてくれなかった。


「大丈夫ですよアリス!私がついていますから」

泣きくずれている少女、アリスの横に
ソノクに似た人物が立っていた。

肩まであった黒髪ロングは、軽くポニーテールのように結ばれ、体付きは今よりも痩せていた。装備は、しておらず
今よりもどこか、優しい雰囲気があることに気づく。

「アリス..ここは、危ないですよ!
さぁ、この町から出ましょう!」

「ソノクお姉ちゃん..ぐすっ..で、でもママが…」
少女は、涙目を擦りながら
ソノクに似た少女を見上げる。
どうやら、アリスの横に立っている少女は、ソノクで間違いないようだった。

「あなたは、この町の王女なのです
いつか、町に戻った時に、この醜い争い
を止めてください!そう願っているはずですお母様もきっと…」

そう言ってソノクは、表情を曇らせながらも急いで、幼いアリスを抱きしめ、この場から立ち去った。

「ママぁ、ママぁー!!!」

アリスの泣き叫ぶ声が、多くの瓦礫が飛び交う、火の海から響き渡った。
この思い出は、きっと、
幼いアリスの心の傷としては、
あまりにも重く、切なかった。
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