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第37話
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由井浜海水浴場から歩いて五分もかからない場所に、リゾートホテル月下はあった。
フロントは海が一望できる大きな窓硝子がずらりと嵌められている。明るい日射しが入り、開放感があった。
海水浴場が近いことが売りのため、大人も子どもも浮き輪を持った人がうろついていた。
サキたちは海に行く前に一度、部屋に入っていた。
海が見えるオーシャンビューのツインルームだ。部屋も広々としていて贅沢極まりない。
ハイシーズンである夏の時季にも関わらず、サキたちは無料で宿泊させてもらうことになっている。
人気のある景観の良い部屋を三室も手配してくれたのは、ユタカだった。
「おれの親戚がこのホテルの関係者でさ。就職祝いになにかくれるっていうから、だったら月下に泊まらせてほしいって冗談で言ったら、ほんとに用意してくれた」
ユタカは来年の春、社会人になる。就職活動は今年の五月に終わっていた。
サキたちが礼を言うと、ユタカは笑った。
「気に入ってくれたら、今度は自分のお金で泊まりに来てよ。友達いっぱい連れてさ!」
人懐こい笑顔だ。サキは、いつかまた来ようと思ったのだった。
思う存分、海で遊んだあとはお待ちかねの夕食である。メニューは洋食のビュッフェだ。
パーティー会場のようにシャンデリアが光る中、数々の並んだ食事に、みなの目が輝いた。
ローストビーフ、パスタ、ピザ、ピラフなど様々あったが、サキが気に入ったのはロブスターのグラタンだった。
手の平サイズのエビが半分に割られ、黄色く焼き目がついている。
白身にかかっていたチーズが絶妙な味を出していた。皆は思い思いに食事を楽しんだ。
サキは腹いっぱい食べ、食後のコーヒーを飲んでいると、仲間たちはデザートを取りに行った。
戻ってきた人の皿には、三つ四つのミニケーキが乗っている。
レイはオレンジジュレと、杏仁豆腐を皿に乗せていた。
レイと一緒に戻ってきたアミの皿にはティラミスとクリームブリュレだった。アミはブリュレの小鉢をひとつサキにくれた。
「サキくんもどうぞ」
「あ、ありがとう」
サキはにこっと笑う。受け取って二口で食べ切った。それを見ていたレイが吹き出した。
「もっと味わいなよ」
にんまりするので、知ってるくせに、と思いながら、コーヒーで口直しをした。
それぞれが食事を満喫し、夕食会場を後にした。エレベーターに向かって歩いていると、アミがレイを呼び止めた。
サキは振り返らずに、皆とエレベーターに向かう。
前を歩くのはユタカとアミの連れのユウコ。その後ろにダイチがいた。ダイチはサキと同じくらいの身長だ。人見知りなのか、ユタカの傍を離れなかった。
四人が十階でエレベーターを降りると、熟年夫婦が乗り込んで行った。
ユタカとダイチ、アミとユウコの部屋はそれぞれが少しずつ離れている。
一番先にユタカが「それじゃ」と言い、次はサキだったが、ユウコはすたすたと歩いて行った。
カードキーを使って部屋に入ると、自動的に明かりが点いた。
窓の外は暗闇だったが、街の灯りが眼下に広がり、宝石のように美しく煌めいている。
サキは少し眺めたあと、重い遮光カーテンを閉めた。ベッドにダイブする。
同室者のいないホテルの部屋は静かだった。時刻は夜八時を回っている。
テレビを点ける気にもならず、大浴場にでも行ってこようかなと思ったとき、携帯にチャットが入った。
レイかな? と画面を見ると、思わぬ人物からだった。
フロントは海が一望できる大きな窓硝子がずらりと嵌められている。明るい日射しが入り、開放感があった。
海水浴場が近いことが売りのため、大人も子どもも浮き輪を持った人がうろついていた。
サキたちは海に行く前に一度、部屋に入っていた。
海が見えるオーシャンビューのツインルームだ。部屋も広々としていて贅沢極まりない。
ハイシーズンである夏の時季にも関わらず、サキたちは無料で宿泊させてもらうことになっている。
人気のある景観の良い部屋を三室も手配してくれたのは、ユタカだった。
「おれの親戚がこのホテルの関係者でさ。就職祝いになにかくれるっていうから、だったら月下に泊まらせてほしいって冗談で言ったら、ほんとに用意してくれた」
ユタカは来年の春、社会人になる。就職活動は今年の五月に終わっていた。
サキたちが礼を言うと、ユタカは笑った。
「気に入ってくれたら、今度は自分のお金で泊まりに来てよ。友達いっぱい連れてさ!」
人懐こい笑顔だ。サキは、いつかまた来ようと思ったのだった。
思う存分、海で遊んだあとはお待ちかねの夕食である。メニューは洋食のビュッフェだ。
パーティー会場のようにシャンデリアが光る中、数々の並んだ食事に、みなの目が輝いた。
ローストビーフ、パスタ、ピザ、ピラフなど様々あったが、サキが気に入ったのはロブスターのグラタンだった。
手の平サイズのエビが半分に割られ、黄色く焼き目がついている。
白身にかかっていたチーズが絶妙な味を出していた。皆は思い思いに食事を楽しんだ。
サキは腹いっぱい食べ、食後のコーヒーを飲んでいると、仲間たちはデザートを取りに行った。
戻ってきた人の皿には、三つ四つのミニケーキが乗っている。
レイはオレンジジュレと、杏仁豆腐を皿に乗せていた。
レイと一緒に戻ってきたアミの皿にはティラミスとクリームブリュレだった。アミはブリュレの小鉢をひとつサキにくれた。
「サキくんもどうぞ」
「あ、ありがとう」
サキはにこっと笑う。受け取って二口で食べ切った。それを見ていたレイが吹き出した。
「もっと味わいなよ」
にんまりするので、知ってるくせに、と思いながら、コーヒーで口直しをした。
それぞれが食事を満喫し、夕食会場を後にした。エレベーターに向かって歩いていると、アミがレイを呼び止めた。
サキは振り返らずに、皆とエレベーターに向かう。
前を歩くのはユタカとアミの連れのユウコ。その後ろにダイチがいた。ダイチはサキと同じくらいの身長だ。人見知りなのか、ユタカの傍を離れなかった。
四人が十階でエレベーターを降りると、熟年夫婦が乗り込んで行った。
ユタカとダイチ、アミとユウコの部屋はそれぞれが少しずつ離れている。
一番先にユタカが「それじゃ」と言い、次はサキだったが、ユウコはすたすたと歩いて行った。
カードキーを使って部屋に入ると、自動的に明かりが点いた。
窓の外は暗闇だったが、街の灯りが眼下に広がり、宝石のように美しく煌めいている。
サキは少し眺めたあと、重い遮光カーテンを閉めた。ベッドにダイブする。
同室者のいないホテルの部屋は静かだった。時刻は夜八時を回っている。
テレビを点ける気にもならず、大浴場にでも行ってこようかなと思ったとき、携帯にチャットが入った。
レイかな? と画面を見ると、思わぬ人物からだった。
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