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本編
第10話 久しぶりの逢瀬
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確かに、昨日も今日もたくさん動き回った。それに、昨日はソファで寝てしまって、しかも嫌な夢を見て、充分に睡眠を取れていなかった。
だからといって、またやらかしてしまう理由にはならないだろう。
私は、フォールスが来ると分かっていたのに、またまた睡魔に負けてしまったのだ。
私は、昨日今日とはしゃぎ過ぎてしまった事を告白すると、フォールスに思い切り笑われてしまった。
「めいっぱい遊んで、疲れて昼寝なんて、子供みたいだな」
「……だって……楽しくって……」
とても恥ずかしくなって、彼の隣で座っていた私は、膝を抱えて顔を埋める。そんな私の頭を、フォールスの手が優しく撫でていく。
「そんな姿、いつもの君からは想像つかないな」
「そう……?」
「見てみたかったな、君がはしゃいでるところ」
私が顔を上げてフォールスを見ると、彼は本当に残念そうな表情をしていた。そんなに残念がる事かと不思議に思うが、以前から、スクルと私で何かすると彼が拗ねたようになるのを思い出す。
「もう、仲間外れにされたとでも思ったの?じゃあいつか機会があれば、一緒に行きましょうか」
とは言ったものの、フォールスが子供達と遊んでいる様子が想像できない。一緒に遊ぶというより、子供達に振り回されていそうな気さえしてくる。そんな想像の中の彼に、思わずクスッと笑ってしまう。そんな私の頬を、頭を撫でていたフォールスの手の平が触れる。
「仲間外れって、そりゃスクルに先を越されたのは悔しいけどさ……君が楽しそうにしている傍に僕がいれないなんて、そんなの寂しいじゃないか」
「そうなの?でも、楽しい事を一緒にできないのは、たしかに寂しいわよね……あなたが一緒だと、もっと楽しいと思うわ。それに、スクルやログさん、フラスさんも一緒だったら、もっともっと……」
私が話している間も頬を撫でるフォールスの指がくすぐったくて、首をすくませながら、ふふっと笑い声が出てしまう。
「なんだ、僕とだけじゃないの?残念」
「残念、なの?だってフォールス……私だけだったらつまらなくならない?」
「つまらなかったら、こうやってわざわざ君の部屋まで来ないって。というか、君の方こそ、僕とじゃつまらないなんて思ってたりしない?」
「そんな事……ないわ」
私は、彼にもたれかかるように、体を寄せる。
「私、こうしてあなたの隣でいるだけで、すごく満たされた気持ちになる。あなたの体温を感じて、あなたの声を聞いて、ああ、やっぱり私はフォールスがいないとだめなんだわって、今とても思ってる」
私がそう言うと、フォールスから息を呑むような音が聞こえ、それから私は急に抱きしめられる。耳元で、彼の声が私に囁く。
「君は、僕を喜ばせる天才だよ……。僕も、君がいないとだめだ」
そして、彼は私の耳に口付けをする。それだけでなぜか私の体は震え、目尻に涙が溜まる。
「僕の話をちゃんと聞いてくれる君の耳が好きだ」
次に彼は、両手で私の頬を包み込むと、指で私の涙を拭う。
「僕を優しく見つめる瞳も好きだ」
そして、唇に軽く口付けられる。
「僕を求めてくれる唇も好きだ。君の全部が愛おしくてたまらない」
少し顔を赤くしたフォールスの、真剣な眼差しが私を捉える。彼から与えられたいくつもの好きという言葉が、喜びと同時に、不安が私の胸を締め付ける。
(本当に……私でいいの?)
フォールスと思いを通わせるようになっても、いまだ私の中には、自分など愛されなくて当たり前、愛されるわけがないという思い込みが染み付いている。何度洗っても、落としきれない、うっすらとした染みのように。
(私……色気もない、おしゃれも知らない)
ふと、パイラさんの言葉が蘇る。フォールスは気を遣って言わないだけで、実はそういうのを求めているのかもしれない……という考えが頭を占領していく。
そんな私の顔を、フォールスは心配そうに覗き込んでくる。そんな彼の顔を見た瞬間、ただただ愛おしくて、私の後ろ向きな心が、まっすぐ前を向く。
(フォールスは、駄目だと思った事は、ちゃんと私に言ってきてくれたじゃない。私に気を遣って言わないとか、そんな事、きっとない……)
「浮かない顔してる」
「……私の悪い癖ね。たくさん好きと言ってもらえて嬉しいのに、本当に私でいいのって、そんな事を考えてしまったの。でも……」
私は、フォールスの胸にしがみつくように体を寄せた。
「そんなの、あなたを信じていないっていうのと同じだもの。私は、大好きなあなたの言葉を信じる」
フォールスにだけではなく、自分自身にも言い聞かせるように、決意を込めて私は言った。
そんな私を、フォールスは優しく抱きしめて、頭を撫でてくれる。それはまるでよくできたと言ってくれているようで、こそばゆい気持ちになる。私は、顔を上げて彼を見る。
「ふふ……もしかして、褒めてくれてるの?」
「そうだよ。僕のアステは、会うたびに成長してるな、偉いなって」
「そう?嬉しい……。褒めてほしいひとに褒めてもらえるのって、とても幸せね……」
幼い頃から、褒めてほしいと求めるのはよくない事だと思っていた。できるのが当たり前なのだ、と。でも本当は母に、よくやったと言ってもらいたかったのだ。
でも今は、愛するひとが私を褒めて、肯定してくれる。それがとても幸せで、幸せで、たまらない。
「なら、これからもたくさん褒めるよ。君はもっと、自分に自信を持っていいんだから」
「ありがとう……フォールス。たくさん褒めてもらえるよう、私、もっと頑張る」
それから私達は、どちらからともなく自然に唇を重ね合わせる。軽く触れる程度から、少しずつ、深く、長く。久しぶりの口付けに、私は喜びに震え、頭の中がドロドロに溶けたような感覚にわけが分からなくなっていく。
彼の唇が離れる頃には、私はすっかり息が荒くなっていた。そんな私を見て、フォールスはクスッと笑う。
「もう何度もしてるのに、初めてしたみたいな顔してる」
「そ……そう?でも……初めての時より、今の方がもっとわけがわからなくなってるの……ちゃんとあなたの事を好きって自覚してから、どんどんこうなってる……いやだわ……口に出したら、とても恥ずかしくなってきた」
あまりの恥ずかしさに、フォールスの顔を見れず、彼の胸に顔を埋める。彼は、そのまま私を両手で抱きしめると、嬉しそうに言った。
「全く……君はどれだけ僕を喜ばせるの?はあ……今日は君を抱くの我慢しようと思ってたのに、我慢できなくなりそう」
「そう……だったの?」
「たくさんはしゃいで疲れてるだろ?それなのにこれ以上無理させたら、明日に響くと思って」
確かに、今の私の状態では、確実に明日の仕事に影響が出てしまうだろう。しかも、一度始めてしまうと、我を忘れてしまうくらいに夢中になってしまう。軽く済ませる、などというのは絶対にできないと思う。
「ええ……きっと明日、起きられないくらいになってしまうと思う……でも、フォールスはそれで大丈夫なの?」
「別に僕は、君の体目当てで付き合ってるわけじゃないんだから、大丈夫だよ」
「……本当に?」
「本当だよ。……でも」
そう言うとフォールスは、何か企んでいるような笑顔で私を見て、言葉を続けた。
「これ以上この話題が続いたら……我慢できなくなりそうだけど?」
「わ、わかったわ!この話はこれでおしまいにするわから!」
慌てる私に、フォールスは楽しそうに笑って、それから一度だけ、軽く口付けられる。
「まずは夕食にしよう。一緒に美味しいものを食べて、それからまたこうやって、会ってない間の事をたくさん聞かせて」
「うん……分かった」
だからといって、またやらかしてしまう理由にはならないだろう。
私は、フォールスが来ると分かっていたのに、またまた睡魔に負けてしまったのだ。
私は、昨日今日とはしゃぎ過ぎてしまった事を告白すると、フォールスに思い切り笑われてしまった。
「めいっぱい遊んで、疲れて昼寝なんて、子供みたいだな」
「……だって……楽しくって……」
とても恥ずかしくなって、彼の隣で座っていた私は、膝を抱えて顔を埋める。そんな私の頭を、フォールスの手が優しく撫でていく。
「そんな姿、いつもの君からは想像つかないな」
「そう……?」
「見てみたかったな、君がはしゃいでるところ」
私が顔を上げてフォールスを見ると、彼は本当に残念そうな表情をしていた。そんなに残念がる事かと不思議に思うが、以前から、スクルと私で何かすると彼が拗ねたようになるのを思い出す。
「もう、仲間外れにされたとでも思ったの?じゃあいつか機会があれば、一緒に行きましょうか」
とは言ったものの、フォールスが子供達と遊んでいる様子が想像できない。一緒に遊ぶというより、子供達に振り回されていそうな気さえしてくる。そんな想像の中の彼に、思わずクスッと笑ってしまう。そんな私の頬を、頭を撫でていたフォールスの手の平が触れる。
「仲間外れって、そりゃスクルに先を越されたのは悔しいけどさ……君が楽しそうにしている傍に僕がいれないなんて、そんなの寂しいじゃないか」
「そうなの?でも、楽しい事を一緒にできないのは、たしかに寂しいわよね……あなたが一緒だと、もっと楽しいと思うわ。それに、スクルやログさん、フラスさんも一緒だったら、もっともっと……」
私が話している間も頬を撫でるフォールスの指がくすぐったくて、首をすくませながら、ふふっと笑い声が出てしまう。
「なんだ、僕とだけじゃないの?残念」
「残念、なの?だってフォールス……私だけだったらつまらなくならない?」
「つまらなかったら、こうやってわざわざ君の部屋まで来ないって。というか、君の方こそ、僕とじゃつまらないなんて思ってたりしない?」
「そんな事……ないわ」
私は、彼にもたれかかるように、体を寄せる。
「私、こうしてあなたの隣でいるだけで、すごく満たされた気持ちになる。あなたの体温を感じて、あなたの声を聞いて、ああ、やっぱり私はフォールスがいないとだめなんだわって、今とても思ってる」
私がそう言うと、フォールスから息を呑むような音が聞こえ、それから私は急に抱きしめられる。耳元で、彼の声が私に囁く。
「君は、僕を喜ばせる天才だよ……。僕も、君がいないとだめだ」
そして、彼は私の耳に口付けをする。それだけでなぜか私の体は震え、目尻に涙が溜まる。
「僕の話をちゃんと聞いてくれる君の耳が好きだ」
次に彼は、両手で私の頬を包み込むと、指で私の涙を拭う。
「僕を優しく見つめる瞳も好きだ」
そして、唇に軽く口付けられる。
「僕を求めてくれる唇も好きだ。君の全部が愛おしくてたまらない」
少し顔を赤くしたフォールスの、真剣な眼差しが私を捉える。彼から与えられたいくつもの好きという言葉が、喜びと同時に、不安が私の胸を締め付ける。
(本当に……私でいいの?)
フォールスと思いを通わせるようになっても、いまだ私の中には、自分など愛されなくて当たり前、愛されるわけがないという思い込みが染み付いている。何度洗っても、落としきれない、うっすらとした染みのように。
(私……色気もない、おしゃれも知らない)
ふと、パイラさんの言葉が蘇る。フォールスは気を遣って言わないだけで、実はそういうのを求めているのかもしれない……という考えが頭を占領していく。
そんな私の顔を、フォールスは心配そうに覗き込んでくる。そんな彼の顔を見た瞬間、ただただ愛おしくて、私の後ろ向きな心が、まっすぐ前を向く。
(フォールスは、駄目だと思った事は、ちゃんと私に言ってきてくれたじゃない。私に気を遣って言わないとか、そんな事、きっとない……)
「浮かない顔してる」
「……私の悪い癖ね。たくさん好きと言ってもらえて嬉しいのに、本当に私でいいのって、そんな事を考えてしまったの。でも……」
私は、フォールスの胸にしがみつくように体を寄せた。
「そんなの、あなたを信じていないっていうのと同じだもの。私は、大好きなあなたの言葉を信じる」
フォールスにだけではなく、自分自身にも言い聞かせるように、決意を込めて私は言った。
そんな私を、フォールスは優しく抱きしめて、頭を撫でてくれる。それはまるでよくできたと言ってくれているようで、こそばゆい気持ちになる。私は、顔を上げて彼を見る。
「ふふ……もしかして、褒めてくれてるの?」
「そうだよ。僕のアステは、会うたびに成長してるな、偉いなって」
「そう?嬉しい……。褒めてほしいひとに褒めてもらえるのって、とても幸せね……」
幼い頃から、褒めてほしいと求めるのはよくない事だと思っていた。できるのが当たり前なのだ、と。でも本当は母に、よくやったと言ってもらいたかったのだ。
でも今は、愛するひとが私を褒めて、肯定してくれる。それがとても幸せで、幸せで、たまらない。
「なら、これからもたくさん褒めるよ。君はもっと、自分に自信を持っていいんだから」
「ありがとう……フォールス。たくさん褒めてもらえるよう、私、もっと頑張る」
それから私達は、どちらからともなく自然に唇を重ね合わせる。軽く触れる程度から、少しずつ、深く、長く。久しぶりの口付けに、私は喜びに震え、頭の中がドロドロに溶けたような感覚にわけが分からなくなっていく。
彼の唇が離れる頃には、私はすっかり息が荒くなっていた。そんな私を見て、フォールスはクスッと笑う。
「もう何度もしてるのに、初めてしたみたいな顔してる」
「そ……そう?でも……初めての時より、今の方がもっとわけがわからなくなってるの……ちゃんとあなたの事を好きって自覚してから、どんどんこうなってる……いやだわ……口に出したら、とても恥ずかしくなってきた」
あまりの恥ずかしさに、フォールスの顔を見れず、彼の胸に顔を埋める。彼は、そのまま私を両手で抱きしめると、嬉しそうに言った。
「全く……君はどれだけ僕を喜ばせるの?はあ……今日は君を抱くの我慢しようと思ってたのに、我慢できなくなりそう」
「そう……だったの?」
「たくさんはしゃいで疲れてるだろ?それなのにこれ以上無理させたら、明日に響くと思って」
確かに、今の私の状態では、確実に明日の仕事に影響が出てしまうだろう。しかも、一度始めてしまうと、我を忘れてしまうくらいに夢中になってしまう。軽く済ませる、などというのは絶対にできないと思う。
「ええ……きっと明日、起きられないくらいになってしまうと思う……でも、フォールスはそれで大丈夫なの?」
「別に僕は、君の体目当てで付き合ってるわけじゃないんだから、大丈夫だよ」
「……本当に?」
「本当だよ。……でも」
そう言うとフォールスは、何か企んでいるような笑顔で私を見て、言葉を続けた。
「これ以上この話題が続いたら……我慢できなくなりそうだけど?」
「わ、わかったわ!この話はこれでおしまいにするわから!」
慌てる私に、フォールスは楽しそうに笑って、それから一度だけ、軽く口付けられる。
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