復讐のために転生先を異世界にするのはおかしなことですか?

マスクメロン

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すべての始まり

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昔、天界にルシファーという天界で唯一魔法を使うことの許された女神がいました。
ルシファーは人の心を見透かす「天使の囁きエンジェルボイス」という魔法のせいで幼き頃から誰一人として人を信じることができませんでした。
人間とはなんと醜く自分勝手な生き物なのか。幼き頃からそう思っていたルシファーには仲間といえる者はおらずいつも1人きりでした。
ですが仕事の腕は良く、ゼウスに気に入られていたルシファーはすぐさま地位をあげ四大女神となりました。
そんなある年、ゼウスにより異世界で悪魔たちの調査をするよう命じられます。
異世界へ来てもやはり人間の心は醜く、酷く幻滅していた時のこと、ルシファーは1人の少年と出会いました。
その少年は生まれつき魔力がなく、魔力を持つのが当たり前の世界で魔力がない者は落ちこぼれと呼ばれ、その少年も例外なく皆から酷い扱いを受け今にも死にそうな状態でした。
ルシファーはこの少年を助け、自分が借りていた小屋へ案内しました。
目が覚めた少年は自分を助けてくれたルシファーに初めて受けた恩恵にとても感謝し、その身が尽きるまでルシファーの身を守ることを誓いました。
当然、魔力もなく弱々しい少年に何ができるのかとルシファーは問いましたが少年は嘘偽りのない言葉で
「僕は弱くて何もできないかもしれない、だけど僕はあなたを守りたい。何かできるならなんだってする。」
と言い真っ直ぐとルシファを見つめました。初めて聞く嘘偽りのないその言葉にルシファーは戸惑いながらも二つ返事で了承し、初めて人を信じることにしました。
天界には調査の延長と長期休暇を取り異世界へ来て2年が経ったある日のこと、少年はルシファーへ婚約の申し出をします。ルシファーはこの少年となら自分は生涯を共にできるかもしれない。自分の全てを知ってなお、自分のそばにいてくれるこの少年こそ、自分にとって一番大切で愛する人だと自分の思いも打ち明け、2人は婚約することとなりました。
ですが、そんな矢先ルシファーの正体が魔族にばれ、身代わりとなった少年は魔界の王の呪いにより殺されてしまいます。
怒り、悲しみ、ひどく嘆いたルシファーはもう一度その少年と会うため死神と呼ばれる大魔導士と悪魔の契約をしたのです。
その契約は2つの魔法と引き換えに自身の魔法を捨て、己の身を天界を裏切り堕天使として永遠に死ねない体として生きるというものでした。
こうして契約を結び、魔法を手に入れたルシファーは天界から追放され、今度はその少年の弟として転生したのです。
しかし、この魔法には能力の副作用というものがありました。それは記憶操作を行った場合、一時的に愛する者への干渉を遮断されるというものでした。
この副作用が切れるのは生まれてから16年経つか、一年に一度のクリスマスの日のみだったルシファーはまたしても少年を救うことができず、そして三度目の転生を今度は記憶操作をせず行ったのでした。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「つまり、その少年の生まれ変わりっていうのが僕、なのか?」

「そうだよ、勇希。ごめんね助けられなくて。でももう大丈夫だから、二度とあんな目には合わせないから。だから、こんなダメな私を許してくれませんか。」

ルシファーからは今にも涙が出そうなほどその顔は悲しみに満ち溢れている。

「僕は君の知る前世の僕じゃない。だから僕が言える立場じゃないかもしれないけどきっと前世のの僕も君に感謝し、そして愛していたんだと思う。だからもうそんなに自分を責めなくていいんだよ。咲希。」

そういうと咲希は崩れさり、目からは大粒の涙を流していた。
あまりにも悲しく辛い話に勇希たちはだんまりとしていたがヤクミの意見によりとりあえず今日はもう寝ようということになった。
勇希は最後に咲希の兄として一緒に寝ようと提案しそれにみんなも賛成して恥ずかしがるルシファーと一緒の布団へ入った。
そして今までできなかった色々な話をした。辛かったことも少しだけ幸せだったこともたくさん、たくさん話した。

「咲希、ダメなお兄ちゃんでごめんね。でも僕の妹でいてくれてありがとう。
これからはルシファーって呼んだ方がいいのかな?」

「ううん。いいの。
私ももう前世の頃の勇希の名前は呼んでないから私のことも変わらず咲希って呼んでほしいな。だけど、今夜だけは最後に妹でいさせてね。お兄ちゃん。」

朝になると咲希はいなくなっていて、置手紙が1つ、机の上に置いてあった。


『勇希へ、私は天界を裏切ったとして罰を受けなければなりません。短い時間だったけどたくさんのことを話せて、勇希の妹になれて本当に幸せでした。
いつになるかはわからないけどいつか絶対戻ってくるから、それまで待っていてください。      咲希』

後からヤクミさんに聞いた話によると、咲希は天界を裏切った罪と無許可の転生によりゼウスより直接審判が下されるとのことらしい。
俺たちは咲希が帰ってきたら、その時は笑顔で迎えようと決め、ミリナに全てを話した。
魔王を討伐すること。
自分が転生していること。
別の世界から来たこと。
ミリナはこのことを聞くと『なら私も強くならないといけませんね。』と優しく微笑み俺たちと魔王を討伐することを誓った。

そして本当の旅が始まった。





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