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第二章 魔の森と力の目覚め
episode23.5 旧くからの因縁
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ギルダインとは旧知の仲じゃった、妾は魔人族として生まれ幼き頃から人族との争いが絶えない戦乱の日々を生きておった。
互いに助け合いながらも人族を押し返そうと躍起になっておったが、ある日突然に姿を消したかと思えば人族を率いて妾達に攻め入ってきた。そこから戦況は一気に覆り妾達は逃げるしか手段が残されていなかった、その時の奴が上げた高笑いは今でも忘れない。
そうして様々な事が起こり、妾が原初の魔王として覚醒を果たし人族の進行を食い止めることに成功する。
「はははっ、やっぱり原初の魔王が君に宿るんだ」
「なんじゃ……これを知っていおるのか…」
「知ってるも何も、その為にこの戦争を引き起こしたからね」
「何を言っておるんじゃ貴様は」
「知らなくていいよ、僕は間違っていなかったと証明されたからね。ありがとう」
そうして互いにぶつかり合う激しい戦闘の最中、妾とキルダインは周りを寄せ付けない攻防の末にこの手で討ち取る事を果たした。今でもはっきりとこの手で覚えている、確かに心臓を貫き握りつぶした生暖かい感触を。そうして消耗した隙を狙い、集まった他の人族が妾を取り囲みこの地への封印を施した。
それなのに、奴は今目の前にいる。牢の上に達高笑いを上げながらエレナの感情を揺さぶり逆撫でようとしている、目的や生きている理由は何であれこのまま野放しにしておくには危険過ぎる。そう思いながらエレナを守るように立ち塞がる。
「ギルダイン!お主がまた何か企んでいるようじゃが、今回も思い通りにはさせんぞ」
「やめてよその名は、もう捨てたんだから。今は”ザンラ”だから」
「どっちでもよいわ……何故生きておるのかは知らんがもう一度この手で」
「こいよ原初の魔王。あの時と同じと思うなよ」
そうして妾は奴に飛び込んでいき魔法を唱えるが、奴も同じくしてこちらに手をかざし魔法を唱える。
《幽影槍黒穿》
《光輪護陣》
宙に数本の黒い槍を創造、展開させながら放つ。それらは音を立てながら襲いかかるが、光の盾によって全て防がれ激しい衝突音と共に砕け散っていく。
「腕は衰えておらんようじゃのお」
「それはこっちの台詞ですよ」
ギルダインは後退りしながらも森の中を縦横無尽に駆け回る、それを追い掛けるようにして先ほどの槍を連射していくが決定打とはなりえない。エレナとは引き離すことが出来たが、上手く木々に隠れるようにして動き回るので追いかけるのでも精一杯になる。
このまま長期戦に持ち込まれると分が悪い、今の妾には原初の魔王たり得る力は残されていない。今こうして戦っているのも通常の魔力と、魔王の残滓によるもの。奴にそれが悟られるわけにもいかなく、こうして全力の戦闘を続けるしか無い。
「逃げ回ってばかりとは、情けないのぉ」
「はははっ、そんな挑発には乗りませんよ!」
と言いながらも防戦一方から攻撃に転じていた、走り回りながらも周囲に展開される光の剣をこちらに向かって放ってくる。そうして激化する魔法の撃ち合いに食らいつくようにして使い続ける魔力は次第に底が見え始めていた。辺りの木々は薙ぎ倒され、月明かりが広く照らされていたと気づいた時には遅かった。
「しまったっ」
「抜かりましたね、原初の魔王」
こうして動き回っていたのも、一定の距離を保ち続けていたのも全て奴の策略。起こることを理解しているが故に焦り、誤った選択をしてしまった。無謀にもそれを止めようと向かっていくという。
「月光照ラサレ我ガ元ヘト集イタシ、耀ハ眼前ヲ屠リシ一筋ノ破矢ト成リテ」
月の光より集められた粒子は三日月型の弓矢を形成し、威圧感のある矢を生み出しながらそれを引き絞っていく。過去の戦場でも幾度となく目にしてきた奴の得意魔法、それがまたしても妾に向けられる事となろうとは。だが時既に遅し、今の体勢では逃げるも避けるも叶わない。
《月弓煌破閃》
告げられた魔法名と共に放たれる一筋の矢。光の煌めきと共に私を目掛け、なすすべも無く襲いかかり全身を引き裂くような痛みが駆け巡っていく。その勢いは少しも衰えること無く私の体を吹き飛ばしていき、激しい衝突音と土煙を上げながら小屋へと叩き込まれた。
爆散したかのように瓦礫は辺りへと飛び散り、小屋は完全に崩壊していた。指先まで満足に動かすことも出来ずに、その場に横たわる。
「こりゃ、厳しいのぉ……」
「ま、魔王様っご無事ですか…」
「セブンスか、何をしておったのじゃ」
瓦礫の中から這い出るようにセブンスが姿を表していた、その状態はお世辞にも無事とは言えず全身を切り刻まれたかのように傷だらけになっていた。
「不覚を取りました、風の牢に閉じ込められこの有様です」
「あぁ、あやつのせいじゃな」
「それよりもこれは一体」
「ぐぅっ……はぁ、はぁ。詳しく話してる暇はない、体を動かせ」
そうして自分にも言い聞かせるように体を起こす、体中が軋みながら悲鳴を上げながら思わず口から血を吐き出す。口の中に広がる血の味、満足に動かせない体、尽きかけている魔力。まさに絶対絶望といったところだろうか、ざわつく木々が嘲笑っているようにも思える。
それでもこうして立ち上がることが出来る、前を向くことができる。
「それだけで十分じゃ、まだ手はある」
「お供しますぞ、魔王様」
そう言いながら音を立てセブンスの体が膨張していく、来ていた服は引き裂かれ全身から白銀の体毛が生えてくる。それだけに留まらず、顔は変化し牙も生え鋭い爪も伸びていく。その姿はまさに狼、セブンスは魔族の中でも”魔獣族”となり、獣と人を混ぜたような姿をしている。
「先に行っておる…「敵はこの先ですな」
「ははっ、久しいのその姿は」
「もうよいでしょう、エレナ様に晒しても」
「仕方あるまい、緊急事態じゃ。ギルダインを殺すぞ」
そうして妾はセブンスの背中に乗りしがみつく、その瞬間。激しく蹴り上げた地面とともにエレナの方へと駆け走っていく。流れるような景色とともに風の音だけが聞こえてくる、そうして方向を指示していくとエレナ姿が直ぐに目に入っていたが、何やら様子がおかしい。
「エレナ様っ!!!」
「ギルダイン貴様ぁっ、何をしたぁ!!!」
妾は背から勢いよく飛び降りエレナの側へと駆け寄る、セブンスはその大きい手と肉を抉るような鋭い爪でギルダインに襲いかかっていた。長くは持たないだろうが、その隙に何度もエレナに声をかけるが何も反応がない。体を揺らしてみたり頬を叩いたりしても反応がなく、目は虚ろにまるで抜け殻のようで生きているのか死んでいるのか分からない。
「おいエレナ、返事をするのじゃ」
「………」
「何があったのじゃっ」
「………」
状態を調べるために以前にやったようにエレナの胸に手を当て、手の平に意識を集中させ体の奥深くまで潜り込んでいく。体内に問題があるようには思えなく精神魔法の汚染による心配もなさそうだが、これといった原因が見つからないでいた。
「無駄だよ、原初の魔王様っ」
思わず振り返るとギルダインがこちらに向かって歩いてきた、やはりそう長くは持たなかったようでセブンスがうめき声を上げながら横たわっていた。
「一体何をしおった」
「さてさて、どうなったのでしょうか」
「そういえば端からエレナを狙っておったの、何が目的じゃ」
「えぇーっ、知りたいですか?知りたい?知りたい?」
あいも変わらず精神を逆なでするような言動を繰り返している、ここで怒りに我を失えば救えるものも救えなくなる。今は時間を稼ぐことと、少しでも情報を引なき出すことが必要になる。さっきまでの妾は正気でなかった、なかったからこそこのような結果を招いてしまった
ギルダインは深く息を吐き、鋭く突き刺すような視線をこちらに向け先程とは違う重たい口調で話す。
「原初の魔王……いや、オルタナ。お前が俺の力を奪ったからだ」
「なんじゃ、何を言って……」
「俺が魔王となるはずだった、その力は俺の中に宿るはずだった。それをお前はすべて奪っていった」
「そういえば、その為に戦争を起こしたなどと言っておったの」
「あぁ、そうさ。お前の中に〝魔王の力の種子〟が宿っていると気づいた時には絶望したよ!」
言っている意味が理解できなかった、そもそも妾が魔王の力に目覚めたのは戦乱の最中で、ギルダインが人族に紛れ襲い掛かってきてからの事。それに、この力も誰に授けられたわけでもなくいつの間にか生まれ出でたものでしかない。
「それならと俺は覚醒を促した!!」
「その為の戦争じゃったというわけか」
「だから俺はお前を殺す、殺してその力を奪う。昔は失敗したが今回は」
「何を言っているのじゃ、それなら奪われたとか関係なかろうて」
「うるっせぇんだよっ!前の準備には足りないものが多すぎた、だこらオルタナを封印させ弱体化させようと計画を変更した。自分を死んだように見せかけながら」
「どうやら正気じゃないようじゃの」
その目は視点が合わなくなり先程までとは違う説明口調のようなものにもなり、頭を抱えるようにしてその場にうずくまる。その様子はエレナのお祖母様が苦しんでいる時とに何処か似ているようにも思えた。
「ははっ、なーんてね。僕にこんな感じは合わないね」
「お主、操られておるのか」
「僕が?ないないないない、だって本心だもん」
「そうか、残念じゃ」
「だからさ、原初の魔王。エレナちゃんを渡して?」
先程までのふざけた様子にまた戻っていた、嘘を言っているようにも思えず全てが本気なのじゃろう。本気で妾の魔王の力を求めて以前は大戦を起こし、今回はこうして様々な人間を巻き込んで自身の私欲の為に。
「大事な〝■■■■■〟の一角を担ってもらうし」
「なっ、お主……まさか大戦時の」
「うんそうだよ、原初の魔王を殺す礎としてね」
これは一人の青年と七人の戦士が反旗を翻し立ち上がった物語に関係する。古き原初の魔王との大戦の最中、戦況を決定づけた人族の中から現れた存在の…いや、一人と青年によって生み出されたと言うべきか。今の話を聞く限りその時の青年、ギルダインの手によって。
互いに助け合いながらも人族を押し返そうと躍起になっておったが、ある日突然に姿を消したかと思えば人族を率いて妾達に攻め入ってきた。そこから戦況は一気に覆り妾達は逃げるしか手段が残されていなかった、その時の奴が上げた高笑いは今でも忘れない。
そうして様々な事が起こり、妾が原初の魔王として覚醒を果たし人族の進行を食い止めることに成功する。
「はははっ、やっぱり原初の魔王が君に宿るんだ」
「なんじゃ……これを知っていおるのか…」
「知ってるも何も、その為にこの戦争を引き起こしたからね」
「何を言っておるんじゃ貴様は」
「知らなくていいよ、僕は間違っていなかったと証明されたからね。ありがとう」
そうして互いにぶつかり合う激しい戦闘の最中、妾とキルダインは周りを寄せ付けない攻防の末にこの手で討ち取る事を果たした。今でもはっきりとこの手で覚えている、確かに心臓を貫き握りつぶした生暖かい感触を。そうして消耗した隙を狙い、集まった他の人族が妾を取り囲みこの地への封印を施した。
それなのに、奴は今目の前にいる。牢の上に達高笑いを上げながらエレナの感情を揺さぶり逆撫でようとしている、目的や生きている理由は何であれこのまま野放しにしておくには危険過ぎる。そう思いながらエレナを守るように立ち塞がる。
「ギルダイン!お主がまた何か企んでいるようじゃが、今回も思い通りにはさせんぞ」
「やめてよその名は、もう捨てたんだから。今は”ザンラ”だから」
「どっちでもよいわ……何故生きておるのかは知らんがもう一度この手で」
「こいよ原初の魔王。あの時と同じと思うなよ」
そうして妾は奴に飛び込んでいき魔法を唱えるが、奴も同じくしてこちらに手をかざし魔法を唱える。
《幽影槍黒穿》
《光輪護陣》
宙に数本の黒い槍を創造、展開させながら放つ。それらは音を立てながら襲いかかるが、光の盾によって全て防がれ激しい衝突音と共に砕け散っていく。
「腕は衰えておらんようじゃのお」
「それはこっちの台詞ですよ」
ギルダインは後退りしながらも森の中を縦横無尽に駆け回る、それを追い掛けるようにして先ほどの槍を連射していくが決定打とはなりえない。エレナとは引き離すことが出来たが、上手く木々に隠れるようにして動き回るので追いかけるのでも精一杯になる。
このまま長期戦に持ち込まれると分が悪い、今の妾には原初の魔王たり得る力は残されていない。今こうして戦っているのも通常の魔力と、魔王の残滓によるもの。奴にそれが悟られるわけにもいかなく、こうして全力の戦闘を続けるしか無い。
「逃げ回ってばかりとは、情けないのぉ」
「はははっ、そんな挑発には乗りませんよ!」
と言いながらも防戦一方から攻撃に転じていた、走り回りながらも周囲に展開される光の剣をこちらに向かって放ってくる。そうして激化する魔法の撃ち合いに食らいつくようにして使い続ける魔力は次第に底が見え始めていた。辺りの木々は薙ぎ倒され、月明かりが広く照らされていたと気づいた時には遅かった。
「しまったっ」
「抜かりましたね、原初の魔王」
こうして動き回っていたのも、一定の距離を保ち続けていたのも全て奴の策略。起こることを理解しているが故に焦り、誤った選択をしてしまった。無謀にもそれを止めようと向かっていくという。
「月光照ラサレ我ガ元ヘト集イタシ、耀ハ眼前ヲ屠リシ一筋ノ破矢ト成リテ」
月の光より集められた粒子は三日月型の弓矢を形成し、威圧感のある矢を生み出しながらそれを引き絞っていく。過去の戦場でも幾度となく目にしてきた奴の得意魔法、それがまたしても妾に向けられる事となろうとは。だが時既に遅し、今の体勢では逃げるも避けるも叶わない。
《月弓煌破閃》
告げられた魔法名と共に放たれる一筋の矢。光の煌めきと共に私を目掛け、なすすべも無く襲いかかり全身を引き裂くような痛みが駆け巡っていく。その勢いは少しも衰えること無く私の体を吹き飛ばしていき、激しい衝突音と土煙を上げながら小屋へと叩き込まれた。
爆散したかのように瓦礫は辺りへと飛び散り、小屋は完全に崩壊していた。指先まで満足に動かすことも出来ずに、その場に横たわる。
「こりゃ、厳しいのぉ……」
「ま、魔王様っご無事ですか…」
「セブンスか、何をしておったのじゃ」
瓦礫の中から這い出るようにセブンスが姿を表していた、その状態はお世辞にも無事とは言えず全身を切り刻まれたかのように傷だらけになっていた。
「不覚を取りました、風の牢に閉じ込められこの有様です」
「あぁ、あやつのせいじゃな」
「それよりもこれは一体」
「ぐぅっ……はぁ、はぁ。詳しく話してる暇はない、体を動かせ」
そうして自分にも言い聞かせるように体を起こす、体中が軋みながら悲鳴を上げながら思わず口から血を吐き出す。口の中に広がる血の味、満足に動かせない体、尽きかけている魔力。まさに絶対絶望といったところだろうか、ざわつく木々が嘲笑っているようにも思える。
それでもこうして立ち上がることが出来る、前を向くことができる。
「それだけで十分じゃ、まだ手はある」
「お供しますぞ、魔王様」
そう言いながら音を立てセブンスの体が膨張していく、来ていた服は引き裂かれ全身から白銀の体毛が生えてくる。それだけに留まらず、顔は変化し牙も生え鋭い爪も伸びていく。その姿はまさに狼、セブンスは魔族の中でも”魔獣族”となり、獣と人を混ぜたような姿をしている。
「先に行っておる…「敵はこの先ですな」
「ははっ、久しいのその姿は」
「もうよいでしょう、エレナ様に晒しても」
「仕方あるまい、緊急事態じゃ。ギルダインを殺すぞ」
そうして妾はセブンスの背中に乗りしがみつく、その瞬間。激しく蹴り上げた地面とともにエレナの方へと駆け走っていく。流れるような景色とともに風の音だけが聞こえてくる、そうして方向を指示していくとエレナ姿が直ぐに目に入っていたが、何やら様子がおかしい。
「エレナ様っ!!!」
「ギルダイン貴様ぁっ、何をしたぁ!!!」
妾は背から勢いよく飛び降りエレナの側へと駆け寄る、セブンスはその大きい手と肉を抉るような鋭い爪でギルダインに襲いかかっていた。長くは持たないだろうが、その隙に何度もエレナに声をかけるが何も反応がない。体を揺らしてみたり頬を叩いたりしても反応がなく、目は虚ろにまるで抜け殻のようで生きているのか死んでいるのか分からない。
「おいエレナ、返事をするのじゃ」
「………」
「何があったのじゃっ」
「………」
状態を調べるために以前にやったようにエレナの胸に手を当て、手の平に意識を集中させ体の奥深くまで潜り込んでいく。体内に問題があるようには思えなく精神魔法の汚染による心配もなさそうだが、これといった原因が見つからないでいた。
「無駄だよ、原初の魔王様っ」
思わず振り返るとギルダインがこちらに向かって歩いてきた、やはりそう長くは持たなかったようでセブンスがうめき声を上げながら横たわっていた。
「一体何をしおった」
「さてさて、どうなったのでしょうか」
「そういえば端からエレナを狙っておったの、何が目的じゃ」
「えぇーっ、知りたいですか?知りたい?知りたい?」
あいも変わらず精神を逆なでするような言動を繰り返している、ここで怒りに我を失えば救えるものも救えなくなる。今は時間を稼ぐことと、少しでも情報を引なき出すことが必要になる。さっきまでの妾は正気でなかった、なかったからこそこのような結果を招いてしまった
ギルダインは深く息を吐き、鋭く突き刺すような視線をこちらに向け先程とは違う重たい口調で話す。
「原初の魔王……いや、オルタナ。お前が俺の力を奪ったからだ」
「なんじゃ、何を言って……」
「俺が魔王となるはずだった、その力は俺の中に宿るはずだった。それをお前はすべて奪っていった」
「そういえば、その為に戦争を起こしたなどと言っておったの」
「あぁ、そうさ。お前の中に〝魔王の力の種子〟が宿っていると気づいた時には絶望したよ!」
言っている意味が理解できなかった、そもそも妾が魔王の力に目覚めたのは戦乱の最中で、ギルダインが人族に紛れ襲い掛かってきてからの事。それに、この力も誰に授けられたわけでもなくいつの間にか生まれ出でたものでしかない。
「それならと俺は覚醒を促した!!」
「その為の戦争じゃったというわけか」
「だから俺はお前を殺す、殺してその力を奪う。昔は失敗したが今回は」
「何を言っているのじゃ、それなら奪われたとか関係なかろうて」
「うるっせぇんだよっ!前の準備には足りないものが多すぎた、だこらオルタナを封印させ弱体化させようと計画を変更した。自分を死んだように見せかけながら」
「どうやら正気じゃないようじゃの」
その目は視点が合わなくなり先程までとは違う説明口調のようなものにもなり、頭を抱えるようにしてその場にうずくまる。その様子はエレナのお祖母様が苦しんでいる時とに何処か似ているようにも思えた。
「ははっ、なーんてね。僕にこんな感じは合わないね」
「お主、操られておるのか」
「僕が?ないないないない、だって本心だもん」
「そうか、残念じゃ」
「だからさ、原初の魔王。エレナちゃんを渡して?」
先程までのふざけた様子にまた戻っていた、嘘を言っているようにも思えず全てが本気なのじゃろう。本気で妾の魔王の力を求めて以前は大戦を起こし、今回はこうして様々な人間を巻き込んで自身の私欲の為に。
「大事な〝■■■■■〟の一角を担ってもらうし」
「なっ、お主……まさか大戦時の」
「うんそうだよ、原初の魔王を殺す礎としてね」
これは一人の青年と七人の戦士が反旗を翻し立ち上がった物語に関係する。古き原初の魔王との大戦の最中、戦況を決定づけた人族の中から現れた存在の…いや、一人と青年によって生み出されたと言うべきか。今の話を聞く限りその時の青年、ギルダインの手によって。
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