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メルトペンギンのおはなし
無鉄砲なチョコレート味
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「さあ今日はどこまでいけるかなっ!」
空から街を見下ろす。
俺はコレット。
さすらいのメルトペンギンを自称している。
誰よりも勇敢で無鉄砲なメルトペンギン…そう、それこそがこのコレット様なのだ。
太陽なんて怖くねぇ!
だから俺はなるべく風の強い場所を見つけては街の外を目指している。
まあ、街の外まで行く頃には意識はなくなってしまうわけだが…。
その限界を超えることができる日を、俺は待ちわびている。
日照、風向き、そして運。
これらが揃った時、俺はこのクソッタレた世界の外に行くことが出来る。
…その先にあるものに価値があるわけじゃないだろうが…。
ただ悠久を落ちたり溶けたりして過ごしてきた俺には今この刺激がブームなんだ。
っと、お喋りはここまでだ。
風が来た。
ひょおぉぅっ!
…!今日はツイてるぜ!
いつもよりかなり強い風。
それにキンキンに冷えた温度。
更には太陽も全く見えない。
今日こそは…今日こそは行けるかもしれない。
「よっしゃあ!いくぜぇ!」
俺は風に身を任せとにかく遠くへ行けるように身体の方角を調整する。
しばらくすると風は止んだが、まだその速度は落ちることは無い。
だが当然の事ながら俺の身体は小さいため、街の外までの距離はあまりに遠すぎた。
徐々に勢いも落ち、真下へ向かい始める。
「くっ…これでもだめか…」
諦めかけたその時…。
「キュイー」
「この声は!」
凍てつく翼を持った鳥。
レイチョウのお出ましだ。
こいつに乗ることが出来れば高速移動に加え、こいつの冷気でさらに溶解を遅れさせることができる!
「おいレイチョウ!俺にチカラを貸してくれ!」
「キュイ!」
レイチョウが俺に向かって鳴いた。
「サンキューレイチョウ!」
俺はレイチョウの背にがっちりと捕まった。
「さあ行こうぜ!この街の果てによう!」
シューッ!
さっきとは全く比べ物にならない速さで空を翔けていく!
「いいぞレイチョウ!もっと!もっとだ!」
レイチョウはすごい速さで飛ぶ。
だが…高度もどんどん上がっていく!
「はは…おいレイチョウ…すごいけどお前これ…」
ついにレイチョウは雲を越えてしまった!
「うわあぁあ!太陽だ!」
分厚い雲を越えたレイチョウと俺は太陽に照らされる。
レイチョウの身体は太陽に照らされキラキラと輝いている。
その日差しに目を細め、嬉しそうな顔をしているのだが…。
俺はギブアップだ!太陽に照らされては街の外までもつわけがない!
「ありがとなレイチョウ!だが俺はここまでだ!」
俺はレイチョウから飛び降りまた風に乗る
ヒューッ!
レイチョウの協力もあってかなり遠くまでやってきた俺は、遂に街の果てを目にした!
「あれを越えれば隣街…!」
ついに俺は悲願を達成出来る…かもしれない!
風だけではまだ街の果てには届かないが、まだ身体は溶けていない。
俺はふわふわと地面に落ちていった。
「街の果てはあっちだ!歩き続ければ必ず辿り着ける!」
俺は走った。
ペタペタと身体を引きずりながら。
振り続けた腕は溶けて落ちた。
足はもう半分しか残っていない。
「まだ…まだ……」
意識が朦朧としだした。
雲間から日が差し俺を照らしている。
じわじわと溶けていく身体。
もう歩けない。
「くそ…くそ……あと少しなのに…!」
だめだ…気が遠くなる……。
「おや?この街にもメルトペンギンが?!」
声が聞こえた。
…ん?"この街にも"…?
「まさかゼレフにしかいないメルトペンギンがこのレイドにも現れるなんて!」
溶けていく俺の横で嫌に騒ぎ立てるニンゲンがいる…。
…いや、そんなことより……俺は…街を越えていたんだな…。
それさえわかれば俺は十分だった。
頭がぼたりと落ちる。
「あーやっぱ溶けちゃったかぁ。いやしかし、有給を取ってまで見ることの出来なかったメルトペンギンに会えた!私はきっとメルトペンギンに縁があるんだ!そうだこれを機に………」
ニンゲンの声が遠くなっていく…。
俺はすっかり、溶けてしまった。
「ようお前ら!俺の武勇伝、聴きたいかい?」
俺はコレット。
勇猛果敢に街を飛び出し、世界にその名を轟かせるメルトペンギン。
…たかが隣町に行っただけだろって?
言ってろ!俺はきっと遥か彼方にあるっていう太陽の国までも行ってやらァ!
空から街を見下ろす。
俺はコレット。
さすらいのメルトペンギンを自称している。
誰よりも勇敢で無鉄砲なメルトペンギン…そう、それこそがこのコレット様なのだ。
太陽なんて怖くねぇ!
だから俺はなるべく風の強い場所を見つけては街の外を目指している。
まあ、街の外まで行く頃には意識はなくなってしまうわけだが…。
その限界を超えることができる日を、俺は待ちわびている。
日照、風向き、そして運。
これらが揃った時、俺はこのクソッタレた世界の外に行くことが出来る。
…その先にあるものに価値があるわけじゃないだろうが…。
ただ悠久を落ちたり溶けたりして過ごしてきた俺には今この刺激がブームなんだ。
っと、お喋りはここまでだ。
風が来た。
ひょおぉぅっ!
…!今日はツイてるぜ!
いつもよりかなり強い風。
それにキンキンに冷えた温度。
更には太陽も全く見えない。
今日こそは…今日こそは行けるかもしれない。
「よっしゃあ!いくぜぇ!」
俺は風に身を任せとにかく遠くへ行けるように身体の方角を調整する。
しばらくすると風は止んだが、まだその速度は落ちることは無い。
だが当然の事ながら俺の身体は小さいため、街の外までの距離はあまりに遠すぎた。
徐々に勢いも落ち、真下へ向かい始める。
「くっ…これでもだめか…」
諦めかけたその時…。
「キュイー」
「この声は!」
凍てつく翼を持った鳥。
レイチョウのお出ましだ。
こいつに乗ることが出来れば高速移動に加え、こいつの冷気でさらに溶解を遅れさせることができる!
「おいレイチョウ!俺にチカラを貸してくれ!」
「キュイ!」
レイチョウが俺に向かって鳴いた。
「サンキューレイチョウ!」
俺はレイチョウの背にがっちりと捕まった。
「さあ行こうぜ!この街の果てによう!」
シューッ!
さっきとは全く比べ物にならない速さで空を翔けていく!
「いいぞレイチョウ!もっと!もっとだ!」
レイチョウはすごい速さで飛ぶ。
だが…高度もどんどん上がっていく!
「はは…おいレイチョウ…すごいけどお前これ…」
ついにレイチョウは雲を越えてしまった!
「うわあぁあ!太陽だ!」
分厚い雲を越えたレイチョウと俺は太陽に照らされる。
レイチョウの身体は太陽に照らされキラキラと輝いている。
その日差しに目を細め、嬉しそうな顔をしているのだが…。
俺はギブアップだ!太陽に照らされては街の外までもつわけがない!
「ありがとなレイチョウ!だが俺はここまでだ!」
俺はレイチョウから飛び降りまた風に乗る
ヒューッ!
レイチョウの協力もあってかなり遠くまでやってきた俺は、遂に街の果てを目にした!
「あれを越えれば隣街…!」
ついに俺は悲願を達成出来る…かもしれない!
風だけではまだ街の果てには届かないが、まだ身体は溶けていない。
俺はふわふわと地面に落ちていった。
「街の果てはあっちだ!歩き続ければ必ず辿り着ける!」
俺は走った。
ペタペタと身体を引きずりながら。
振り続けた腕は溶けて落ちた。
足はもう半分しか残っていない。
「まだ…まだ……」
意識が朦朧としだした。
雲間から日が差し俺を照らしている。
じわじわと溶けていく身体。
もう歩けない。
「くそ…くそ……あと少しなのに…!」
だめだ…気が遠くなる……。
「おや?この街にもメルトペンギンが?!」
声が聞こえた。
…ん?"この街にも"…?
「まさかゼレフにしかいないメルトペンギンがこのレイドにも現れるなんて!」
溶けていく俺の横で嫌に騒ぎ立てるニンゲンがいる…。
…いや、そんなことより……俺は…街を越えていたんだな…。
それさえわかれば俺は十分だった。
頭がぼたりと落ちる。
「あーやっぱ溶けちゃったかぁ。いやしかし、有給を取ってまで見ることの出来なかったメルトペンギンに会えた!私はきっとメルトペンギンに縁があるんだ!そうだこれを機に………」
ニンゲンの声が遠くなっていく…。
俺はすっかり、溶けてしまった。
「ようお前ら!俺の武勇伝、聴きたいかい?」
俺はコレット。
勇猛果敢に街を飛び出し、世界にその名を轟かせるメルトペンギン。
…たかが隣町に行っただけだろって?
言ってろ!俺はきっと遥か彼方にあるっていう太陽の国までも行ってやらァ!
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