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星の降る丘へ
第9話 燃え盛る河
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第9話 燃え盛る河
☆前回のあらすじ
誰もいないはずなのに笛の音が聞こえる峠にたどり着いた一行
その音は今は亡き魔法使いミドーの魔力の残滓が奏でる音だった
ミドーの思念に問いかけたアミィはミドーの魔力をルナに与え、その証となるサファイアのブローチを作った
峠を越えしばらく歩いたところで私はあることに気づいた
「ねぇアミィ」
「ん~?」
「アミィとはじめて会った時、お母さんの場所をきいたじゃない?」
「そうだね」
「その時あなた、もう星の降る丘にいる、みたいなこといったじゃない?」
「わかった!なんでこんな何日も歩いてるのに夜明けにいなくなったお母さんに追いつけないのかって言ってるんでしょ?!」
「察しが良くて助かるわ」
「それはねぇ
簡単な話なんだけど
キミのお母さんは、魔法使いだったんだよ」
「お母さんが?!」
「そうだよ
ボクはアミィ・ユノンの名を継いでるって話は前にしたでしょ?
そんな感じで一族が魔力を引き継いでいるケースが多いんだ
それでもボクみたいに名前まで継ぐのは珍しいけど…」
「じゃあ私も魔法使いの一族だったのね…」
「本当だったらその血は希少だから親から子にしっかり説明して受け継がれるはずなんだけどね
キミのお母さんはよっぽどの決意があって何かを隠しているのかもしれないね」
「もしかしてお父さんがいないのも…」
「きっと一族の問題があったんだろうね」
「でもお母さんがそんな移動する魔法が使えるなら私も使えるんじゃ…?」
「お母さんがしっかり教えてくれていればね」
「私をまくために教えなかったのかしら…」
「理由のひとつにはありそうだね」
「しょうがない!僕たちはしっかり歩いて進もう!」
「そうね!」
「ところでアミィ、目的地はまだかな?」
「なんだか暑くなってきたよ…」
「う~ん、そろそろだよ
それにしても本当に暑い…」
「なんか異常な暑さだね…」
やけに暑い
なんだか道の先が歪んでいるような…
「どうしてかしら…私なんだか、道がぐにゃぐにゃに見えるわ…」
「ルナもかい…?
僕もだよ」
「ん~…相当な暑さだね……
何か理由があるのかも…」
「もしかして…また魔法…?」
「この流れからするとそうなるよね…」
「とりあえずアミィセンサーの導く先に急ごう…!」
私たちはしばらくグダグダと歩いた後に、アミィセンサーの示す場所にたどり着いた
「これは…」
目の前には、河があった
大きな大きな河が
「なんで…?」
その河に流れてるのは水じゃなかった
「暑い…暑いよ…!」
その河は、燃えていた
「ちょっとアミィ!
これは一体どういうこと…?!」
「結論から言おう…
これは…
魔法ではない…!」
「えっ?!」
「だだ…だってこれ!!」
「この惑星の終わりの始まりなんだ…
あらゆる河がこうなって…この惑星はまた水色じゃなくなってく…」
「みんな燃えちゃうの…?」
「…ちょっと違う
この流れてる熱~いやつが冷えて固まると、地面になるんだよ
それが増えてくと…惑星から川や湖がなくなるんだ」
「そんな…」
「更に悪いことにこの惑星は緑が増えすぎたせいで植物が水を蓄えすぎちゃうんだ
雨が降っても水溜まりはできない…
つまりもう川はできないし例の、海、なんてものはとっくの昔に小さく小さくなってどこかへいっちゃったよ」
「じゃあこの河はなんでアミィセンサーにひっかかったんだろう」
「伝えたかったのかもしれないね」
「何を?」
「知らなかったんでしょう?この惑星がどうして滅ぶのか」
「そうね…」
「多分最後の審判の時にためらわないように、みたいな感じじゃないかな?キミがやらなきゃこうなる、みたいなね」
「わかってるわ…私はやらなきゃ…
ユリィズもミドーも…約束したんだ…」
広い広い大河を、ドロドロと、ゆっくりゆっくり流れていく赤い水
私は毛皮が燃えてしまいそうに熱いのも忘れて
しばらくその河を眺めていた
「ね…ねぇルナ…
そろそろ…」
「…あっごめん!
行こっか!暑いよね!」
「ルナ…頼むね…」
「わかってるよ…アミィ…」
私はこの景色を変えなければならない
この命が尽きても
☆前回のあらすじ
誰もいないはずなのに笛の音が聞こえる峠にたどり着いた一行
その音は今は亡き魔法使いミドーの魔力の残滓が奏でる音だった
ミドーの思念に問いかけたアミィはミドーの魔力をルナに与え、その証となるサファイアのブローチを作った
峠を越えしばらく歩いたところで私はあることに気づいた
「ねぇアミィ」
「ん~?」
「アミィとはじめて会った時、お母さんの場所をきいたじゃない?」
「そうだね」
「その時あなた、もう星の降る丘にいる、みたいなこといったじゃない?」
「わかった!なんでこんな何日も歩いてるのに夜明けにいなくなったお母さんに追いつけないのかって言ってるんでしょ?!」
「察しが良くて助かるわ」
「それはねぇ
簡単な話なんだけど
キミのお母さんは、魔法使いだったんだよ」
「お母さんが?!」
「そうだよ
ボクはアミィ・ユノンの名を継いでるって話は前にしたでしょ?
そんな感じで一族が魔力を引き継いでいるケースが多いんだ
それでもボクみたいに名前まで継ぐのは珍しいけど…」
「じゃあ私も魔法使いの一族だったのね…」
「本当だったらその血は希少だから親から子にしっかり説明して受け継がれるはずなんだけどね
キミのお母さんはよっぽどの決意があって何かを隠しているのかもしれないね」
「もしかしてお父さんがいないのも…」
「きっと一族の問題があったんだろうね」
「でもお母さんがそんな移動する魔法が使えるなら私も使えるんじゃ…?」
「お母さんがしっかり教えてくれていればね」
「私をまくために教えなかったのかしら…」
「理由のひとつにはありそうだね」
「しょうがない!僕たちはしっかり歩いて進もう!」
「そうね!」
「ところでアミィ、目的地はまだかな?」
「なんだか暑くなってきたよ…」
「う~ん、そろそろだよ
それにしても本当に暑い…」
「なんか異常な暑さだね…」
やけに暑い
なんだか道の先が歪んでいるような…
「どうしてかしら…私なんだか、道がぐにゃぐにゃに見えるわ…」
「ルナもかい…?
僕もだよ」
「ん~…相当な暑さだね……
何か理由があるのかも…」
「もしかして…また魔法…?」
「この流れからするとそうなるよね…」
「とりあえずアミィセンサーの導く先に急ごう…!」
私たちはしばらくグダグダと歩いた後に、アミィセンサーの示す場所にたどり着いた
「これは…」
目の前には、河があった
大きな大きな河が
「なんで…?」
その河に流れてるのは水じゃなかった
「暑い…暑いよ…!」
その河は、燃えていた
「ちょっとアミィ!
これは一体どういうこと…?!」
「結論から言おう…
これは…
魔法ではない…!」
「えっ?!」
「だだ…だってこれ!!」
「この惑星の終わりの始まりなんだ…
あらゆる河がこうなって…この惑星はまた水色じゃなくなってく…」
「みんな燃えちゃうの…?」
「…ちょっと違う
この流れてる熱~いやつが冷えて固まると、地面になるんだよ
それが増えてくと…惑星から川や湖がなくなるんだ」
「そんな…」
「更に悪いことにこの惑星は緑が増えすぎたせいで植物が水を蓄えすぎちゃうんだ
雨が降っても水溜まりはできない…
つまりもう川はできないし例の、海、なんてものはとっくの昔に小さく小さくなってどこかへいっちゃったよ」
「じゃあこの河はなんでアミィセンサーにひっかかったんだろう」
「伝えたかったのかもしれないね」
「何を?」
「知らなかったんでしょう?この惑星がどうして滅ぶのか」
「そうね…」
「多分最後の審判の時にためらわないように、みたいな感じじゃないかな?キミがやらなきゃこうなる、みたいなね」
「わかってるわ…私はやらなきゃ…
ユリィズもミドーも…約束したんだ…」
広い広い大河を、ドロドロと、ゆっくりゆっくり流れていく赤い水
私は毛皮が燃えてしまいそうに熱いのも忘れて
しばらくその河を眺めていた
「ね…ねぇルナ…
そろそろ…」
「…あっごめん!
行こっか!暑いよね!」
「ルナ…頼むね…」
「わかってるよ…アミィ…」
私はこの景色を変えなければならない
この命が尽きても
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