異世界転生補佐官になったけど担当女神が幼すぎる

瀬戸森羅

文字の大きさ
264 / 285
にかいめりざると!

うおうりゃあ!

しおりを挟む
「遅いぞお前たちッ!」
 そこには既に先輩が居たのだが……。
「な、なんで着替えてるんですか!?」
「運動するのだから着替えるだろう!」
 先程まで制服姿だった先輩は体操服に着替えている。
「そんながっつりやるんですか……」
「そう言っている! さぁ、お前たちも着替えくらい用意してあるんだろうな!」
「いや……ないですよそんなの。仕事終わって直行なんすよ」
「なんだとおおおぉぉお!!」
 うっるさ……。
「じゃ、いいか。エリン、お前は持ってるの知ってるからな」
「ひっ!」
 先輩に指摘されてエリンが跳ねる。
「ほら早く着替えてこい! 猶予は三分だ! 三分間待ってやる!」
「そんなはやくできないですって!」
「弱気なことを言っていると40秒で支度させるぞ! ほら行った行った!」
「もおぉ……!」
 ぼやきながらもエリンは校舎へと駆けていった。
 体操服を持っていたばかりに、哀れな奴よ……。
「さ、それじゃあ私たちは訓練をするぞ!」
「え、俺たち参加なんですか?」
「当たり前だ! 制服だろうが素振りはできる! 制服だろうが汗は書ける! 違うか!」
「ち……違わないですけど……」
「ならばよし! さぁまずはこの竹刀! これを100回だけ振るんだ!」
 既に用意されていた竹刀を手渡され、先輩も渡してすぐに素振りを開始する。
「100回だけって……も、ですよ」
「だけだぁッ!」
 先輩はものすごいスピードで素振りをしながら答える。
 いやそのスピードでなら100回はすぐだろうけども……。
「やるしかないよ」
 なぜかララの方はやる気があるらしく、竹刀を握りしめて鼻息を荒くしている。
「ほう! ララは立派だな! それに比べて……シエル! 男らしくないぞ!」
「そう言われちゃやらないわけにいかないですよ……仕方ない!」
 俺は竹刀を構える。
「せいっ!」
 力の限り竹刀を振るう。
「お、いいな! だが力を入れすぎだ! ケガのもとだし疲れやすいぞ!」
「は、はい!」
「うおうりゃあ!」
 その隣でララが竹刀を振るう。
 俺の隣で縦に振り始めたはずの竹刀は、奇妙な軌跡を描き俺のケツをぶっ叩いた。
「うわぎゃん!」
 唐突に襲い来る衝撃的な痛みに飛び上がってしまった。
「んぁ?」
「おい! 当たってる!」
「えい!」
「ふぎゃびっ!」
 またララが縦に振ったはずの竹刀が俺のケツに当たる。
「わざとだろ!」
「ちがうもん!」
 ララはムッとしたように返す。
「不思議なものだな……ララ、少しいいか」
「えぇ?」
 先輩はララと俺の間に立った。
「これでやってくれ」
「せ、先輩! ケツをやられますよ!」
「その太刀筋を受けて、見えてくるものもあるだろう。……さ! やってくれ、ララ!」
「とおぅりゃあっ!」
「くぎゅうっ!!」
 ララの振るった竹刀が勢いよくケツを鳴らす。
 そして飛び上がったのは、先輩ではなくこの俺だった。
「なんでだよっ!!」
「わかんないよぉ!」
「ははは! 信頼しているからじゃないのか?」
「適当にまとめないでくださいよ……」
 まだヒリヒリと痛むケツをさそりながらボヤいた。
「何か楽しそうだな」
 ようやく着替え終えたらしくエリンが帰ってきた。
「お、エリン。……おかえり」
「な……なんか今、視線を感じた気がするぞ。おい! 見ただろお前!」
「み、見てない!」
 運動系の授業の時にはもちろんみんな体操服になるわけだが……あまりそれをマジマジと近くで見る機会などない。
 こいつの中身や性格のことを知りながらも、やはり視線はその珍しさに惹かれてしまうことも……あるよそりゃ。
「なんか気持ち悪いこと考えてないだろうなぁ?」
「み、微塵も? なぁララ」
「あたしわかんないよ」
「そうだよなぁ」
「うん」
「……弁明は?」
「ないです!」
「はぁ……まぁいい。とにかく今は訓練だ。お前に見られたところで今更もう何も言いはしない。授業中にも見てるだろうし……」
「そ、そんなすごい見てるわけじゃねぇし?」
 余計怪しい反応をしてしまったが、訓練に集中だ!
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

神様の忘れ物

mizuno sei
ファンタジー
 仕事中に急死した三十二歳の独身OLが、前世の記憶を持ったまま異世界に転生した。  わりとお気楽で、ポジティブな主人公が、異世界で懸命に生きる中で巻き起こされる、笑いあり、涙あり(?)の珍騒動記。

【完結】婚約者なんて眼中にありません

らんか
恋愛
 あー、気が抜ける。  婚約者とのお茶会なのにときめかない……  私は若いお子様には興味ないんだってば。  やだ、あの騎士団長様、素敵! 確か、お子さんはもう成人してるし、奥様が亡くなってからずっと、独り身だったような?    大人の哀愁が滲み出ているわぁ。  それに強くて守ってもらえそう。  男はやっぱり包容力よね!  私も守ってもらいたいわぁ!    これは、そんな事を考えているおじ様好きの婚約者と、その婚約者を何とか振り向かせたい王子が奮闘する物語…… 短めのお話です。 サクッと、読み終えてしまえます。

帰国した王子の受難

ユウキ
恋愛
庶子である第二王子は、立場や情勢やら諸々を鑑みて早々に隣国へと無期限遊学に出た。そうして年月が経ち、そろそろ兄(第一王子)が立太子する頃かと、感慨深く想っていた頃に突然届いた帰還命令。 取り急ぎ舞い戻った祖国で見たのは、修羅場であった。

異世界転生~チート魔法でスローライフ

玲央
ファンタジー
【あらすじ⠀】都会で産まれ育ち、学生時代を過ごし 社会人になって早20年。 43歳になった主人公。趣味はアニメや漫画、スポーツ等 多岐に渡る。 その中でも最近嵌ってるのは「ソロキャンプ」 大型連休を利用して、 穴場スポットへやってきた! テントを建て、BBQコンロに テーブル等用意して……。 近くの川まで散歩しに来たら、 何やら動物か?の気配が…… 木の影からこっそり覗くとそこには…… キラキラと光注ぐように発光した 「え!オオカミ!」 3メートルはありそうな巨大なオオカミが!! 急いでテントまで戻ってくると 「え!ここどこだ??」 都会の生活に疲れた主人公が、 異世界へ転生して 冒険者になって 魔物を倒したり、現代知識で商売したり…… 。 恋愛は多分ありません。 基本スローライフを目指してます(笑) ※挿絵有りますが、自作です。 無断転載はしてません。 イラストは、あくまで私のイメージです ※当初恋愛無しで進めようと書いていましたが 少し趣向を変えて、 若干ですが恋愛有りになります。 ※カクヨム、なろうでも公開しています

おっさん料理人と押しかけ弟子達のまったり田舎ライフ

双葉 鳴
ファンタジー
真面目だけが取り柄の料理人、本宝治洋一。 彼は能力の低さから不当な労働を強いられていた。 そんな彼を救い出してくれたのが友人の藤本要。 洋一は要と一緒に現代ダンジョンで気ままなセカンドライフを始めたのだが……気がつけば森の中。 さっきまで一緒に居た要の行方も知れず、洋一は途方に暮れた……のも束の間。腹が減っては戦はできぬ。 持ち前のサバイバル能力で見敵必殺! 赤い毛皮の大きなクマを非常食に、洋一はいつもの要領で食事の準備を始めたのだった。 そこで見慣れぬ騎士姿の少女を助けたことから洋一は面倒ごとに巻き込まれていく事になる。 人々との出会い。 そして貴族や平民との格差社会。 ファンタジーな世界観に飛び交う魔法。 牙を剥く魔獣を美味しく料理して食べる男とその弟子達の田舎での生活。 うるさい権力者達とは争わず、田舎でのんびりとした時間を過ごしたい! そんな人のための物語。 5/6_18:00完結!

最底辺の転生者──2匹の捨て子を育む赤ん坊!?の異世界修行の旅

散歩道 猫ノ子
ファンタジー
捨てられてしまった2匹の神獣と育む異世界育成ファンタジー 2匹のねこのこを育む、ほのぼの育成異世界生活です。 人間の汚さを知る主人公が、動物のように純粋で無垢な女の子2人に振り回されつつ、振り回すそんな物語です。 主人公は最強ですが、基本的に最強しませんのでご了承くださいm(*_ _)m

異世界に転生したら?(改)

まさ
ファンタジー
事故で死んでしまった主人公のマサムネ(奥田 政宗)は41歳、独身、彼女無し、最近の楽しみと言えば、従兄弟から借りて読んだラノベにハマり、今ではアパートの部屋に数十冊の『転生』系小説、通称『ラノベ』がところ狭しと重なっていた。 そして今日も残業の帰り道、脳内で転生したら、あーしよ、こーしよと現実逃避よろしくで想像しながら歩いていた。 物語はまさに、その時に起きる! 横断歩道を歩き目的他のアパートまで、もうすぐ、、、だったのに居眠り運転のトラックに轢かれ、意識を失った。 そして再び意識を取り戻した時、目の前に女神がいた。 ◇ 5年前の作品の改稿板になります。 少し(?)年数があって文章がおかしい所があるかもですが、素人の作品。 生暖かい目で見て下されば幸いです。

SSSレア・スライムに転生した魚屋さん ~戦うつもりはないけど、どんどん強くなる~

草笛あたる(乱暴)
ファンタジー
転生したらスライムの突然変異だった。 レアらしくて、成長が異常に早いよ。 せっかくだから、自分の特技を活かして、日本の魚屋技術を異世界に広めたいな。 出刃包丁がない世界だったので、スライムの体内で作ったら、名刀に仕上がっちゃった。

処理中です...