呪いに抗うは秘めた誉れと知らず捧がれていた愛

七天八狂

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26.深夜の訪問

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 レオニードは気づいてしまったのだろうか。
 アンドレイがアレクセイであることに気がついたから、皇太子が騎士に対してするはずのない行為をしたのだろうか。
 その可能性が高い、とアンドレイは項垂れた。
 最期にレオニードと交わした会話をまるでなぞったかのような返答をしたうえに、自らキスをしてしまったのだ。
 悔悟を思い出し、情欲を抑えきれなかったとはいえ、アレクセイへと立ち戻ってしまうとは失態である。

 それともレオニードは、アンドレイ・ボルネフェルトに対して、そういった感情を抱き始めていたのだろうか。
 まさか、とアンドレイは項垂れていた額に手を置いた。
 そもそもレオニードは二人目の皇太子妃を迎えたばかりの新婚だ。政略結婚かもしれないが、愛情深いレオニードはたとえ仮初めでも相手を愛そうとするだろう。
 だからあれは、アレクセイであると気づいたことで、敬うべき従兄弟からの求めに応じなければという、親愛の情からだったのだろう。愛は忘れるよう頼んだのだから、レオニードが望んだことであるはずはない。

 ──護衛騎士として、従兄弟を護り、姉を助けること。

 それだけに集中してきたというのに、レオニードと触れ合ってしまうとは、思ってもみない事態だった。
 自身の欲望など表に出すべきではないという皇族としての矜持は今も健在で、妻のある身に横恋慕するなどあり得ないとする高潔さも元より生まれ持っていた。だから、これまでは微塵も表に出すことなくレオニードを前にしていられたのである。
 そのはずが、と羞恥のあまり、アンドレイは両手で顔を覆った。
 死の間際に芽生え、この十八年の間に育まれていた彼への愛情が表に出てしまうとは、失態という他ない。
 悔やんでも後の祭りだが、なんとかして取り繕わねばならない。
 
 アンドレイは歯噛みしながらも、動揺を無理に押さえつけ、テキパキと湯を借りて身体を拭いたあと、レオニードの部屋を後にした。
 どれほど悔やもうが、今一番の気がかりは、生死をさまよっていた仲間の安否である。自分のことなど、後回しにするべきことだ。
 
 騎士たちに宛てがわれた部屋へと到着したアンドレイは、音を立てないよう、そっとドアを開けた。
 カンテラを掲げて中を見てみると、さすがに夜半だからか寝静まっている。人数を数えて、一人足りないことに気づき、もしやエルモライが?と青ざめ、一つずつベッドを確認することにした。

「アンドレイか?」

 カンテラの灯りでイリヤを起こしてしまったらしい。

「ああ。……エルモライは?」
「別の部屋にいる」
「……容態は?」
「クラルヴァインは凄い魔術師だな。喋れるくらい回復していたぞ」
「本当か?」

 よかった、とアンドレイは胸を撫で下ろした。

「あれって回復魔法だろ? あんな凄いものなんだな」
「ボリスは?」
「ボリスも大丈夫だ。振る舞われた酒を誰よりも呑んでいたくらい良くなっていたぞ」

 それも朗報だ。本当によかった。心底安堵したアンドレイは、ベッドを下りたイリヤに促され、ともにテーブルのほうへと向かった。

「護ったはずのおまえに無理させたって、何度も嘆いていたから、やけ酒だったのかもしれないな」
「はは。元気なら安心だ」
「笑ってんじゃねえよ。エルモライたちが重症だっていうのにおまえまで気を失って、どうなったのかみんな心配していたんだぞ」

 テーブルの上にはポットとカップが置かれてあり、長椅子へと腰をかけたあと、イリヤはお茶を淹れてくれた。そういえばと、アンドレイはカップを受け取りながら頭に手をやった。
 
「……おまえが巻いてくれたのか?」

 頭に巻かれてあったのは、包帯というよりも大判の布で、アンドレイが就寝時に巻いていたものに似ていた。

「クラルヴァインの魔法に目が向いてなかったら、やつら全員に自己紹介してたところだ」
「……ありがとう」

 やはりイリヤだったらしい。魔力が尽きるとはつまり、髪にかけていた魔法が解けてしまうことになる。巻いてもらえなければ青い髪が顕になってしまっていたところだった。
 これで一安心と気分が落ち着いてきたアンドレイは、カップに口をつけたら、喉の渇きを自覚して一気に飲み干した。見ていたイリヤがポットを手にして、二杯目を注ぎ入れてくれた。感謝を伝えて受け取ると、イリヤは急に真面目な顔つきになった。

「……行くのか?」
「行くって、エルモライのところか?」
「違う。セリーヌ王女のところへだ」

 イリヤの言葉でアンドレイは壁にかかっていた時計に目をやった。約束の時間はまだ来ていない。こんな騒ぎが起きてしまっては、無効となっただろうと考えていたが、試しに行ってみることはできそうだ。

「……行くなら、俺も行く」

 有無を言わさぬ決意の顔で言われて、問答は無駄のようだと判断し、アンドレイはありがたくもその提案を受け入れることにした。
 イリヤの着替えが済んだあと、静かに二人で部屋を出て、セリーヌ王女の応接室へと足を向けた。途中でダルタンの近衛騎士を見かけて遠回りをしたり、こそこそと気づかれぬよう身を潜めたりしながら向かったのだが、あんな事件が起きたあととしては驚くほど警備が手薄い。何度かは咎め立てられるだろうと覚悟をしていたはずが、そんな機会はいっさいなくたどり着いてしまった。
 応接室のまえにいた二人の護衛騎士が、アンドレイを見て目礼し、ドアをノックした。

「セリーヌ様、いらっしゃいました」

 どうぞ、と聞こえて騎士が開けてくれたドアの向こうに、セリーヌ王女と昼間にもいた二人の侍女の姿があった。

「お時間を取らせて申し訳ありません」
「構いません。どうぞ、こちらへおかけになって」
「……ありがとうございます」

 セリーヌ王女に促され、アンドレイは長椅子へと腰を下ろした。イリヤは固辞の姿勢を示し、数歩離れた場所に位置を定めたらしい。

「さっそくですけれど、あなたは何度目なのかしら?」

 侍女がまだお茶の用意をしている途中で、セリーヌ王女がいきなり切り出してきた。単刀直入過ぎるが、確かに時間が時間である。のんびりと挨拶を交わしている状況ではない。

「わたしは三度目です。最初は二十二年で、次は生まれてすぐに……」
「そうなの。わたしも三度目よ。最初は九十八まで生きたの」

 アンドレイは目を見張った。しかしすぐに得心して、セリーヌ王女のにこにことした微笑につられて口元をほころばせた。あの落ち着いた所作と孫を見るような眼差しは、実際にそこまで年齢を重ねたがゆえのものだったようだ。

「次は四十三だったかしら? どちらも山奥の村で平民をしていたのだけれど、野盗に殺されてしまったの」
「そうでしたか……」
「平民の間じゃ加護なんて伝説みたいなものだったから、生まれ変わるまでは持っていたことすら知らなかったわ。二回目のときに、なぜ前世の記憶を持っているのかを調べてようやく気づいたの。それでも、三度目の今になるまでは、この呪いを解く方法までは知らなかった」
「呪い、でありますか……」
「ええ。寿命が尽きるまでやり直すなんて、呪いと言う他ないでしょう?」

 まさしくだ。生まれ変わってなお皇族の証である青い髪が引き継がれることも然りだが、転生することそれ自体も呪いに違いない。
 
「……おっしゃるとおりです」

 アンドレイが神妙に言うと、セリーヌ王女はそばへ来て、力づけるようにアンドレイの肩に手を置いた。

「……同じ立場だからこのままの言葉遣いで失礼するわ。あなた、アフガーヤの皇室の方ね?」

 まさかと息を飲む。動揺を顕にしたアンドレイに、セリーヌ王女は微笑を浮かべたままうんうんと頷き返した。

「ド・フォンテーヌ公爵夫人のお身内の方かしら? 助けるために皇太子殿下の騎士としていらっしゃったのでしょう?」

 なぜそこまでお見通しなのだろう。アンドレイが絶句していると、セリーヌ王女は指を一本立ててアンドレイに向けてきた。

「レオニード皇太子のあなたを見る目には敬愛の念しか宿っていないわ。老婆心だけれど、お隠しになるおつもりなら、おそばから離れたほうがよろしいと助言させていただきます。他にも騎士の中に、あなたを仲間として見ていない方がいらしたわ」

 顔が熱くなり、アンドレイはうつむいた。
 王女の言う通りである。同じ加護を持っているからとはいえ、初対面の王女に見破られてしまうほど明らかなのはまずい。態度に出るかなどの懸念で収まるどころか、徹底させねばならないレベルだ。

「おっしゃるとおりであります。わたしはアフガーヤ国前皇太子ミハイル・ヴォリーノフが子息のアレクセイと申します」
「アレクセイ皇子……ということは、ド・フォンテーヌ公爵夫人の弟君ね?」
「はい。姉を助けるために参りました」
「それで、わたしにも手を貸して欲しいということね?」
「セリーヌ王女になんの利もありません。むしろ不利益を被らせる恐れのある話でありますが、今の立場からでは、ただそのお慈悲にすがる他ないのです」
「ええ。わたしでお力になれることがあれば、なんでもおっしゃって」

 セリーヌ王女は微笑みを絶やさないまま、あっさりと請け負ってくれた。嘘や謀など微塵も感じ取れず、利他心や同情心から、ただ助けになろうとしてくれているらしい。アンドレイは胸がじんとして、まるで聖女のごとくだと、涙を滲ませた。

「なんと感謝を申し上げたらよいか……」
「そういったのは不要よ。それより時間がないの。状況の説明と、わたしにできることをおっしゃって」
「承知いたしました」

 アンドレイは簡単に、ワルワーラが無実であること、逮捕の経緯、クロードたちは真犯人の目星がついていることや、オービニエ伯爵の名を告げられたことなどを説明した。

「ソレル卿ね……」

 セリーヌ王女はオービニエ伯爵ではなくクロードのほうに感心を示した。

「ソレル卿は、姉上ともお親しくしていたようです」
「…………そう」

 何かを考え込んでいる様子だ。途端に深刻げな表情になったセリーヌ王女は、扇子で口元を隠して宙の一点を見つめている。

「……何か不審な点がございますか?」
「まず、オービニエ伯爵は策略を巡らせるような方ではないわ。伯爵は表向きの不遜さと違って、実は愛妻家なのよ」
「愛妻家、でいらっしゃいますか?」
「ええ。奥方のこと以外どうでもいいようなお方よ。出世やお金はすべて、身体の弱い奥方の治療費のためにしていることだと思う。危険を犯してまで利を追う方じゃないわ」

 それが事実なら、確かに謀反を画策するとは思えない。セリーヌ王女の見る目は確かのように感じられるし、とすれば、なぜクロードがオービニエ伯爵の名を出したか、その目的を考えるべきだろう。
 アンドレイもセリーヌ王女と揃って思考に耽り始めたとき、ドアがノックされて王女の護衛騎士が顔を出した。

「セリーヌ王女、ソレル卿とダラス卿がいらっしゃっております」

 アンドレイとセリーヌ王女は二人揃ってはっと顔を上げた。

「わたしは就寝していることにするよう命じたはずよ」
「申し訳ございません。ボルネフェルト卿がいらっしゃっているはずと申し付けられまして、お約束をしていたのかと……」

 なぜクロードに気づかれたのか。アンドレイは答えを求めてセリーヌ王女へ目を向けると、王女は顔を青ざめさせていた。

「アレクセイ皇子、もしかしたら彼も──」
「失礼いたします」

 セリーヌ王女の声に被せるよう声が響いて、全身真っ黒の出で立ちのクロードが現れた。
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