抱かれたいアルファの憂鬱なる辞令

七天八狂

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第一章 憂鬱なる辞令

1.アルファの憂鬱

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 ヒエスラ国。俺の生まれ育ったここは、ユートピアと呼ばれている。何百年も繰り返された技術的、そして政治的な改革の果てに生み出された極楽世界だ。
 衣食住は保証され、医療も充実し、労働はわずかばかりで済むうえに余暇は多く、娯楽は消費しきれないくらいにある。死ぬまで苦痛を感じることはなく、誰もが幸福に、楽しんで暮らしていける。
 そんな絵空事みたいなユートピアを可能としているのは、明確に差別化された階級社会がゆえだった。

「お兄さん、ベータ?」

 首都キーンズの歓楽街は深夜も昼間のごとくの賑わいを見せている。しかし、俺がいるのは表通りから一本裏へ引っ込んだ魔窟だ。声をかけてきたのは娼婦の……中年に差し掛かっているからおそらくオメガだろう。
 人の欲はどこまでも深い。物品を売り買いしたり、パートナーに飽きた者が相手を買ったり、極楽世界と言えどスラムも存在している。

「……そうだ」
「いい子がいるよ? まだ降りてきたばかりだから、アルファにしか抱かれたことのない子。お兄さんイケてるから五百にまけておくよ?」
「いや……俺は買いに来たわけじゃないから」

 やはりと落胆し、俺はその場を逃げ出した。
 嘘と見破られることを恐れたからじゃない。俺を見て当然のように抱く側だと認識され、まずもって話にならないと思ったからだ。

「お兄さん、オメガ? うちで雇ってあげようか?」

 進んだ先で今度は足を止めそうになる。オメガなら抱かれる側だ。ふと思うも、雇われるわけにはいかないと、足を進めた。
 抱いてもらうために金を払う者はほとんどが女だ。稀にベータの中に同性同士で恋愛する者もいるようだが、基本的に男で抱かれるのはオメガしかいない。そのオメガは相手に事欠かないため、必ずパートナーがいるし、相手を失ったときは身を持ち崩すことになり、買うどころか雇われる側へとなり下がらなければならない。
 国最大規模の歓楽街にやってきても、アルファの男が抱かれるのは難しい。
 何時間もさまよい歩いたあげくにたどり着いた答えに、俺は戦慄した。
 国の防衛機関のトップに立とうという俺が、基本的な欲求さえ満たせないとは。
 どっと疲れが出て、表通りへと戻り、適当に見えたバーへと入った。

「あいにくこんなのしか出せない。もうすぐ閉めの時間だからね」

 疲れた様子の店主が、カウンターにグラスを置き、いそいそとまたキッチンのほうへ消えていった。
 確かにもう何時間もすれば朝日の見える頃だ。店内も俺の他に客は一人しか見当たらない。グラスはウィスキーソーダのようで、飲むと喉は潤ったが、楽しめるような味じゃなかった。
 
「悪かったな。もう行くよ」

 飲食は基本無料だが、ベータの世界ではチップなるものをやり取りする習慣があると聞く。成り切っている俺は特権階級であることに気づかれてはまずいので、金をカウンターに置いた。

「もう行くのかよ……せめて飲み終えてからにしろよ」

 あきらかに泥酔している声で呼び止められた。当然ながらキッチンにいるはずの店主ではない。一人でいた客だ。
 声や身体つきから察するに、どうやら若い男らしい。よく一人でこんな時間に泥酔していられたものかと呆れる。

「そうだな……」

 反論するほうが面倒なことになる。俺は男を見ないよう椅子に座り直し、グラスを煽った。

「いいねえ。もっといけそうだ」

 しかし、飲み干したら見送ってくれるどころか、男はボトルを持ち上げ、さらにはにやりと笑みを浮かべてきた。俺はグラスを片手に口の端をひきつらせた。

「もういい、十分だ」
「へえ。アルファの騎士様は酒に弱いんだな」

 ぴたりと、踏み出した足を止めた。
 なんでわかるんだ?
 俺はベータに見えるよう変装していた。騎士の制服は着ていないし、偽装任務の経験から演技力も悪くないとの自負がある。当然ながら騎士の命である剣も携えていない。

「まあ、飲めよ……一人でこんなとこにいるんだから、暇してるんだろ?」

 暇ではない。何時間も無駄足を踏んで疲れているし、酔客の相手をするなんて御免だ。
 ただ、明日は休暇を取っているため、時間的な余裕がないわけでもない。逡巡したあげく、なぜ気づかれたのかが気になり、少しくらいならと男の隣に席を移動した。

「わるい」

 グラスに注がれたため、口をつけた。

「別に……どうせ無料なんだ。アルファがこんなところにいるのは珍しいな。この店は裏通りに近いから、ベータすらあんまり寄り付かないっていうのに」
「……あんたは、オメガなのか?」
「オメガに見えるか?」
「見えるというか……」

 常連のような物言いで、ベータすらなんて言葉を使ったからオメガなのかと考えた。しかも華奢で、陰鬱げな表情をしている。しかし、妊娠ができず捨てられたにしては若く見える。

「名前より先に第二の性を聞くってのは、おかしな話だよな」
「確かに……わるかった」
「……別に。ここでは普通のことだから。だいたいが見てわかるけど」
 
 見てわかるというのは、服装なり顔つき、体格などから察することができるからだろう。俺が推察したように。
 
 この世界には、性別とは別の第二の性というものがある。生まれた直後に判明し、それによって人生が大きく左右される。
 アルファは男女ともに逞しく精悍で、なにより美しい。特権階級がゆえに服装も上等なものを身にまとっている。
 ベータとオメガに関しては、一見した違いは見分けられないが、表情や服装でわかる。アルファと番った場合や子を産んだオメガは自身の功績を誇示するため着飾るのが一般的だ。そして三十までに子を成せなかった場合、アルファとの番は解消され、捨てられる。贅沢三昧で生きてきたオメガは、必要最低限の生活には物足りなくなり、金を求めて……いや、相手を求めて歓楽街の裏へと堕ちる。
 オメガは誇らしげにしているか、堕ちて辛酸を嘗めた顔つきをしているので、真面目に生きてきたベータとは表情が違うのだ。

「……俺はオメガじゃないよ。言っとくけど」

 じっと見つめていたからか、男は恥ずかしげにぷいと顔を背けた。

「わかったよ。わるかったって」
「謝って欲しかったわけじゃない。いつもオメガに間違われるし……まあ、誤解されたままでいいんだけど。ただ、アルファには先に言っとかないと、襲われたらたまったもんじゃないからな」

 自嘲したように笑うのは、勘違いされた経験があるからだろうか。だとしたら首を傾げざるを得ない。アルファがこんなところへ来るのは稀だ。ましてや相手を探しにくるなどあり得ない。
 酔狂なやつがいたのだろうか?

「……なんで俺がアルファだとわかったんだ?」
 
 以前にも、俺のように。

「あ、じゃあやっぱアルファだったんだ」
「は?」
「いや、カマ掛けたら正解だったみたい」
「……カマ? じゃあ、騎士ってのも」
「そう。騎士っぽいなあって。剣が似合いそうな顔してるし」
「どんな顔だよ、それ」
 
 まともに受け答えをするから忘れていた。こいつ泥酔していたんだった。

「事実なら滲み出てるってことじゃん。んで、士官様はなんでこんなとこにいんの? 摘発のための隠密捜査?」
 
 アルファの騎士だと知って怯まないのは酔っているせいなのだろうか。

「……抱いてくれる男を探していた」

 ならば、チャンスなのではないか。ふと思いつき、ろくに考えもせず口にした。徒労感からヤケになっていたせいでもあるかもしれない。

「ごめん。何だって? よく聞こえなかった……」

 男は面食らった顔をしている。しかし聞こえていたはずだ。耳を疑って、信じられないからだろう。

「俺のこと、抱いてくれないか?」
「ちょ……本気で言ってんの? なんで俺? アルファだったら相手なんていくらでも見つけられるだろ」

 おっしゃるとおり、抱く側としてなら探す必要はない。
 アルファに抱かれたい者は、男女問わずにいくらでもいる。それは、あらゆる点でアルファが選ぶ側にいるからだ。
 アルファは生まれながらに優秀な資質を持っている。国の中枢で世界のシステムを動かす要人となるべくの教育を受け、ベータはアルファの指揮のもと手足となってあらゆる労働に励む。
 優秀なアルファは、さらに特権的な能力も生まれながらに持っている。ベータの異性か、オメガなら男女問わずに子を孕ませることができるというものだ。
 仕事も生活もアルファは選ぶ側であり、アルファを中心に世界は動いている。
 俺は、だからアルファであることを隠してここへやってきた。

「見つけられないから、こんなところで酒を飲んでるんだ。金はいくらでも払うし、なんでもする。今夜だけでいいから」
「ふざけんな、俺は男娼じゃない」
「わかってるよ。それに、やらせろって言ってるんじゃない。抱いてくれって言ってるんだ」

 男の顔が怪訝そうに曇っていく。当然だ。アルファの男が男に抱かれたいなんて、普通はあり得ない。
 しかし、朝とも言える深夜に、ベータの男と二人きりだ。見知らぬ他人で、二度と会うこともない。泥酔しているのだから忘れてくれるはずで、応えてくれたら儲けものだと期待が顔を覗かせてしまった。
 
「……いい加減にしてくれ。よくわかんないけど、やるってことは、男娼と同じじゃん」
「かもしれない……ただ、抱く側の男娼は、女しか相手にしないだろ? 男は抱いてくれない」
「そ……わかんないだろ。探せばいるかもしれないし」
「探していなかったんだ。変装してまでこんなところに来て、何時間も探して見つからなかった」
「……何時間?」
「そうだ。どこにもいないんだよ。だから、一度でいいから……頼むよ」
 
 言いながら、羞恥と惨めさに耐えきれず涙が滲んできた。他人とはいえベータを相手に弱音を吐くなどアルファにあるまじきことだ。だとして、もうどうでもいい。涙を堪えきれないくらいに参っていた。
 来週には騎士団長の地位に昇格する。二十五という年では異例だが、アルファでありながら努力も惜しみなく注いだ結果なので、自他ともに納得の人事だ。
 騎士団最高の地位に就けば、おいそれと自由行動はできなくなる。だからそのまえに念願を叶えようと意を決してやってきたのに、無駄足だった。
 アルファには頼めないし誘えない。気づかれただけで蔑みの対象となり、爪弾きにされるからだ。さすがに仕事や生活に支障をきたすようなことまではできない。

「泣くなよ……酒に弱いアルファなんて聞いたことないって」

 鼻をすすりながら男を見ると、頬を赤く染めて目を泳がせていた。バカにしているでもなく、蔑んでもいないようだ。どちらかと言えば、初心ともいえる反応で、誘われ慣れていない動揺が透けて見える。

「抱かれたいアルファも珍しいだろ?」

 深夜に一人、裏通りにほど近い場末のバーで飲んでいたというのに、この反応はなぜなのか。透かした態度から真逆の反応を想像したのに、演技ではない気がした。

「……だからって、なんで俺なんだよ」
 
 赤みは頬だけでなく顔中にまで広がっていた。信じてくれたらしい。それに、嫌がっていないように思える。
 得体の知れなさに怯むところだが、なぜか俺は好ましく思えた。

「あんたがいい。男を抱くなんて嫌かもしれないけど、助けるつもりで一度だけ頼まれてくれないか?」

 興味と言えるかもしれない。抱いてくれるなら誰でもよかったが、男の意外な反応を見て、こいつがいいという気になってきた。

「嫌っていうか……」

 男はもごもごと反論の口を動かした。もう一押しだと感じた俺は、アルファにあるまじき手をさらに使うことにした。

「頼む。二度はない。今夜だけだ。酔った勢いで一度だけ」

 懇願の口調で頭を下げた。誰かに見られたら憤死ものだが、仕方がない。他の人間には無理だったが、なぜかこいつにならできる気がして、試したらややもあっさりとできた。
 男は当然のごとくに息をのみ、しかし耳まで真っ赤にしながらぽつりとつぶやいた。

「……いいよ」

 変装して魔窟にまで来て、何時間もの徒労を得たのちに、泥酔したベータに向かって涙ながらに懇願した。舌を噛みちぎりたいほどの恥辱だ。ここまでしなければならなかったとは、なんとも厄介な欲望を抱えていたものだと呆れるが、それも今夜で解消できる。
 俺は屈辱と喜びの入り混じる複雑な感情を抱きながら、緊張した足取りで男とともに店を出た。
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