六道プリンセス!~世界一民度の低い町で、人類を守るために闘う魔法少女たち~

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第5章 卑劣な妖魔神界の作戦

第51話 アンラッキーパネル

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「もしもし!」

 国生さんが六道ホンに出た。
 電話の相手は誰なのか。

 国生さんは六道ホンに出ながら

 ハイ、ハイ

 と相槌を打った。
 そして驚愕の表情を浮かべ

 続けて

「私のメルアドは……」

 国生さんが自分のメルアドを相手に伝えて
 電話を切った。

 すると

 ブブッ、と振動音がして。

 国生さん、自分のスマホを取り出して

「藤上さん! これを見てー!」

 それを掲げるように持って突き出し。

 動画を再生した。

 こういうのを。



 そこはコンクリート打ちっ放しの部屋で。
 3人の男女が居た。

 1人は咲さんで。
 いつものブレザー姿ではなく研究者が着そうな白衣姿で仁王立ち。

 残り2人はおじさんおばさんで。床に転がされてて。
 2人とも手術を受けるときに着るような青い薄手の衣服を着せられてて。
 おばさんの方が藤上さんにかなり似ていた。

 そこで気づく。
 このおじさんおばさん、遺伝上の藤上さんの両親か。

 自分たちの醜い恋愛を、真実の愛、純愛だなんてほざいた醜悪な生き物。
 それが拉致されたのか、転がされてた。

 おばさんは起きていて。
 おじさんはまだ寝てた。

 そしておばさんが咲さんに訊いたんだ。

「な、何の御用でしょうか阿修羅様」

 おばさんの声は上擦っている。

 すると咲さんは

「えーと……ちょっとアンタらにゲームをやって欲しいんだよね」

 咲さんは面倒そうに、頭を掻きながらそう言った。

 ……ゲーム?
 どんなゲームなの?

「ゲームですか?」

「そ、そこに寝ている彼氏さんと一緒に、対戦して欲しいの」

 何でもないような口調で、咲さん。

 そこで

 うーん、と言いつつ。
 おじさんが起きて来た。

「ここは……?」

「しっ! 法律を超えた存在の腕力家様の御前よ!」

 2人とも覚醒したからか。

「よし。じゃあゲームの説明をはじめるよ」

 極めて事務的に、咲さんは説明をはじめた。

「キミらに遊んでもらうゲームは……名付けて『アンラッキーパネル』……簡単に言えば神経衰弱よ」

 言いながら、咲さんはトランプみたいなカードを繰り始めた。

 そのまま、説明を続ける。

「ルールは簡単。52枚の罰ゲームが書かれたカードを互いに捲り合って、ゼロになるまで続けるだけ」

 説明しながら、カードを並べていく。

「注意点は、ペアの揃った罰ゲームを受けるのは対戦相手だってことと……」

 テキパキ、並べていく

「10秒以内に捲らなかったら、その度に太腿の肉を削ぐってことかな」

 そうして……

 咲さんはカードを全て並べ終えた。

「準備完了。じゃあ、アンタからはじめて」

 そしてすかさず。
 初手はおばさんが指名された。



「嬉しい……私の考案したゲームを再現してくれるなんて」

 国生さんが動画を見ながら感涙している。
 そうなんだ……これ、国生さんのアイディアなんだ……。

 すごいね。
 ちょっと聞いただけで、互いの信頼、思いやりが問われるゲームだって分かるもん。

 ……どうなるんだろうね?

 おっと

 いきなり、1枚目ですごいの来た。

『硫酸風呂』

 おお……
 おばさん、真っ青になってガタガタ震えてる。

「罰ゲームはね、だいぶ一生懸命考えたんだー」

 国生さん、嬉しそう。

 このゲームの進行役が咲さんなのも分かってるよね。
 こういうゲームの進行を、変身ヒーローがやっちゃいけないからね。
 左翔太郎だって、クズの一般人殴るときは変身を解いたわけだし。

 だから、法律の外の存在の咲さんしか無理だよね。

 そんなことを国生さん。
 そうなんだ……

「他にはね……生殖器切除、ピラニア水槽、万力五指圧殺、ハンマー抜歯なんてのがあるんだよ!」

 目をキラキラさせながら。

 国生さん、頑張ったんだなぁ……

 そして見てたら。
 10分後くらいかな。

『硫酸風呂』

 このカードが揃っちゃった。
 揃えたのは、おじさん。

 おばさんは悲鳴をあげて泣き喚いて「酷い! 最低!」を繰り返していた。

 進行役の咲さんは、むんずとおばさんの髪の毛を掴んで、そのままズルズル引っ張っていく。
 最初は髪の毛を掴まれて引きずられる苦痛で悲鳴をあげていたけど。

 別室に用意されていた硫酸風呂に沈められたら、その比じゃ無い悲鳴が響き渡ったよ。

「あぎゃああああああああああ!!」

 大音量。
 まあ、当然だよね。

 バスタブいっぱいの濃硫酸に、身体中の水分を奪われて。焼き尽くされて。

 数分持たず、おばさんは死亡する。

 ……で。

 そこに。

「私の出番ね」

 デウスプリンセスに変身した天野先輩が登場し。
 その死亡したおばさんに手を当てて。
 おばさんを蘇生させる。

 デウスプリンセスは、天候を操ることと生命を操ることが出来るので。

 硫酸に焼かれながらも、ギリギリ生命維持ができるレベルまで回復し、蘇生するおばさん。

 で、ゲーム続行。

 このときのデウスプリンセスの言葉が印象的だったよ。

「……本来は軽々しく人の命を蘇らせるのは、奪うのと同じくらい許されないことなの。でもま、これはいいでしょ。……人じゃ無いんだし」

 だって。
 そうだよね!

 こいつら人間じゃ無いから、命の尊厳なんて無いもんね!

 気軽に殺していいし、蘇生させていいよね!

「ケモノの悲鳴は気分がいいね!」

 国生さんも嬉しそう。

 良かったね!
 国生さん!

 そして見てたら

 次はおばさんがカードを揃えた。

『性器切除』

 ……あらー。
 男の人のアレなんて、お父さんのものしか見たこと無いけど。

 ちょっと見てはいけないんじゃないのかな?
 私は目を手で覆ったけど。

 ……指の間からしっかり見ていた。

「やめてくれえええええ!」

 悲鳴が喧しかったけど。
 咲さんは無事、植木ばさみでおじさんのアレを取り除いて、女の子にしてあげてた。

 まあ、そんな感じで淡々とゲームは続き。

 カードが全て無くなったときには

「オマエナンテキエテナクナレエエエエ!!!」

「シネゴキブリイイイイ!!」

 金目的で想い人以外と結婚し。托卵計画まで立てるほど愛し合っていたはずの不倫カプは。
 互いを罵り合い、掴み合う大変残念な生き物に変わっていた。

 ……えーと。
 あなたたち、純愛だったんだよね?
 真実の恋愛だったんだよね?

 脆いなー。
 あなたたちの純愛。

 うぷぷぷっ
 笑える!
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