六道プリンセス!~世界一民度の低い町で、人類を守るために闘う魔法少女たち~

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第6章 出現! 悪魔のプリンセス!

第63話 真理愛の正体

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「ゴォォォル! ゲームセット!」

 女の生首が赤チームのゴールのネットを揺らす。
 髪が長いからドリブルが上手くいかなくて試合がだいぶ難儀した。
 斬首の時点では髪の毛まとまってたんだけどね。
 試合の激しさで解けちゃって。
 
 トラブルだったよ。

 前のときと同様、勝ったチームが負けたチームから罰金1万円を受け取って。
 固く握手とハグを交わし。

 爽やかな空間。

 その横で役所の職員さんが、ゴミ袋を用意して生首を拾い、回収。
 そしてその前に、斬首されて50メートルを走り切った死体も、既に回収済み。

 今頃は内臓を全て抜かれて、肉を豚の餌にされ、骨も砕かれて道路工事のお供のアスファルトに混ぜられているはずだ。

 ……職員さん、縁の下の力持ちだなぁ。

 そんなことを思い、春香ちゃんのお父さんがお役所の職員さんだったことを思い出し。
 大変だな、と。
 頭の片隅で考えた。

 さて

「では本日最後の処刑を」

 号令。

 いよいよだよ。
 本日の処刑の大ボス。

 大量殺人犯・阿鼻素あびもと真理愛まりあの処刑だよ!



 阿鼻素あびもと真理愛まりあは死刑囚だったけど。
 髪の毛はサラサラストレートロングヘア―で。
 手入れは十分されているみたいに見えた。
 そして年齢が本当に分からない。

 で、他の死刑囚同様、センターサークルに腕を取られて引っ張られそうになったんだ。

 2人の職員さんの手で。

 だけど……

 その職員さんが突然、一回転して脳天から地面に落ちたんだ。

 えっ? と思ったよ。

 その場の空気が固まった。

 ……やったのは

「控えよ……血に飢えた卑しい愚民ども」

 どう考えても、阿鼻素あびもと真理愛まりあだった……



「これぞ阿比須族滅流奥義・脳惨凝泥のうざんぎょうでい……」

 奥義名を口にしつつ、ゆらりと立ち上がる死刑囚・阿鼻素あびもと真理愛まりあ
 彼女は使った奥義の説明をする。

「闘気により敵対者を投げ、地面に頭部を叩きつけた瞬間、その脳を泥のように変えてしまう奥義よ」

 まともに喰らえば死を免れぬ。
 死にたい奴から掛かってくるが良い。

 彼女はそう言った。

 阿比須族滅流……?
 咲さんと同じ流派……?

 どういうこと?
 咲さんのところの門下生なの?

 でも、だったら……

 動揺して硬直している私を他所に、他の武装職員さんが取り押さえに向かうんだけど

「阿比須族滅流奥義・膀胱破裂闘気」

「あぎゃああああ!」

「ぐっはああああ!」

「ぐええええ!」

「うげええええ!」

 両手を広げて奥義を発動させた女の前に、職員さんたちが倒れ伏してもがき苦しんでいる。

 まずい……!

 グチャグチャ考えている場合じゃない!

 私は飛び出した。

「阿比須真拳奥義! 前歯粉砕!」

 私は阿鼻素あびもと真理愛まりあの間合いに飛び込んで、前歯をへし折ることに特化した右突きを繰り出した。

 だがギリギリで、阿鼻素あびもと真理愛まりあは右腕で払って私の突きの軌道を崩し、回避する。

「阿比須真拳奥義! 肋骨崩壊!」

 だけど

 前歯粉砕を回避された場合に備え、連撃するのは当然だから。
 左足を跳ね上げ、阿鼻素あびもと真理愛まりあの肋骨を狙う。

 けれども

「阿比須族滅流奥義・鉄身五身てつみごしん

 瞬時に阿鼻素あびもと真理愛まりあは身体を闘気で鋼鉄の強度にし、私の肋骨崩壊を受けきった。

 そこで阿鼻素あびもと真理愛まりあはバックステップで距離を離し。

 私も追撃を諦めて、会話の間が出来る。

「あなたなんなの!? 何故阿比須族滅流を!? まさか技を盗んだの!?」

 油断なく構えながら、私。
 だけど、阿鼻素あびもと真理愛まりあ

 さっきまで落ち着いた笑みを浮かべていたのに。

 私の「盗んだの!?」発言を聞いた瞬間

「ぬかしたなッッ!」

 激昂。
 え? と思った。

 阿鼻素あびもと真理愛まりあはこう続けた。
 呪いの視線を発しながら

「私の真の名は阿比須あびす真理愛まりあッッ! 私こそ阿比須夕子前の血を正統に引く阿比須の正当継承者よッッ!」
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