14 / 17
第14話
しおりを挟む
あれから7年の月日が経ち、ルイーザとレオンは17歳となっていた――
すっかり青年の顔付きになったレオンは、とうにルイーザよりも背が高くなり、声も以前より低く、ルイーザがゲーム画面越しに見ていた無駄に超絶美形の姿になっていた。
ゲームをやっていた時は、攻略キャラでもないのにこの顔面は無駄だと思っていたけど、今は私の婚約者で将来の夫なのよね……。今となれば、運営にお礼を言いたい気分だわ。
紅茶のカップを持つ姿も様になった超絶美形の婚約者は、私の視線に気が付くとカップを置いて、こちらを見て微笑んだ。
「あと一年で結婚だな」
「え?あ、うん……。そ、そうね……」
こちらに注がれる視線に思わず顔を逸らして、それを誤魔化すように紅茶のカップを手に取った。
「もうそんな歳になったのね。初めて会った時は、こんなに小さかったのに」
とルイーザは5歳の頃の身長を手で表して、安心したように笑った。
初めてレオンを見て、前世の事を思い出した時はどうなる事かと思ったけど、レオンは闇落ちしてないし、エヴァルト王子は生きていて、王位も彼が継ぐことになっているし、これはもう、全員救われるハッピーエンドルートって事で良いんじゃない!?
王宮では、エヴァルト王子を二度も救った事で、レオンに対するカルメラ王妃からの風当たりは弱まり、それに伴って、王宮の使用人達からも理不尽な事をされなくなっていった。そして、リヴァイト国王も行動力のあるレオンを見直し、以前のように接してくれるようになったそうだ。その証拠にレオンがリシェントを専属の魔術講師として雇いたいと言うと、すんなりOKが出たそうだ。そして、リシェントはレオンの魔術講師を足掛かりに王宮に他国の珍しい宝石や酒を持って行った所、リヴァイト国王もカルメラ王妃もそれを気に入り、リシェントはカルヴァ王族御用達の商人という泊を付け大商人となっていた――
「なあ、ルイーザ。その……、本当にこのまま僕と結婚して良いのか?」
レオンは答えを聞くのが怖くて視線を逸した。
「今更?嫌だったらとっくに婚約解消してるでしょう?」
とルイーザは笑い飛ばした。
「そ、そうだけどさ……。でも、その……結婚したら……色々と夫婦の……事とか……あるから……」
とレオンは赤い顔してゴニョゴニョと話し始めた。
「夫婦の事?ああ!大丈夫よ。いくらレストランが軌道に乗ってきたからって、第二王子の妃としての仕事もちゃんとするから!」
「え?」
ルイーザの言葉にレオンは疑問の声を上げた。
「え?だから、お米専門レストランが忙しいから、王宮での行事とかを心配してるんでしょう?」
私はあれから、王都の食堂で前世ぶりのお米を食べて大いに感動した。しかし、この国では、パンの代わりにご飯を食べるというくらいで、お米をメインにした料理がなかったので、そこに目を付け、リシェントに協力してもらって、平民向けのお米専門レストランを作る事を思い付いた。リシェントに醤油や味噌などの調味料を扱っている国を探して貰い、その結果、東の国で似たような調味料が使われている事が分かると早速取り寄せてもらった。そして、炊き込みご飯を中心としたお米専門のレストランを開業した所、これが平民の間でブームとなり、私は今、公爵令嬢でありながら、飲食店も経営していたのだった。
そんなわけで、レオンは私が最近忙しくて、結婚してから妃としての務めを果たせるか心配しているのだろうと思い、ちゃんと王子の妃としての仕事もするから大丈夫だと伝えたのだが……
「あ……、うん……、それもそうなんだけど……」
と歯切れの悪い返事が返ってきた。
「ん?まだ何かあるの?」
「ううん。何でもないよ」
そんな二人の様子を、ちょうど王宮に商品を納めにきたリシェントとラステックが目撃していた。
「あいつら、5歳から婚約してるって言ってたよな?」
「ああ、そうですよ。10年以上婚約してるのに、まだあんな段階なんすね」
「レオンが押し切れないからか、ルイーザが鈍すぎるせいか……。いや、どっちもだな」
「リシェントさん、レオンに魔術のコントロールだけじゃなく、女の口説き方も教えてやった方が良いんじゃないっすか?」
リシェントはラステックの顔を見て苦笑いで頷いたのだった。
すっかり青年の顔付きになったレオンは、とうにルイーザよりも背が高くなり、声も以前より低く、ルイーザがゲーム画面越しに見ていた無駄に超絶美形の姿になっていた。
ゲームをやっていた時は、攻略キャラでもないのにこの顔面は無駄だと思っていたけど、今は私の婚約者で将来の夫なのよね……。今となれば、運営にお礼を言いたい気分だわ。
紅茶のカップを持つ姿も様になった超絶美形の婚約者は、私の視線に気が付くとカップを置いて、こちらを見て微笑んだ。
「あと一年で結婚だな」
「え?あ、うん……。そ、そうね……」
こちらに注がれる視線に思わず顔を逸らして、それを誤魔化すように紅茶のカップを手に取った。
「もうそんな歳になったのね。初めて会った時は、こんなに小さかったのに」
とルイーザは5歳の頃の身長を手で表して、安心したように笑った。
初めてレオンを見て、前世の事を思い出した時はどうなる事かと思ったけど、レオンは闇落ちしてないし、エヴァルト王子は生きていて、王位も彼が継ぐことになっているし、これはもう、全員救われるハッピーエンドルートって事で良いんじゃない!?
王宮では、エヴァルト王子を二度も救った事で、レオンに対するカルメラ王妃からの風当たりは弱まり、それに伴って、王宮の使用人達からも理不尽な事をされなくなっていった。そして、リヴァイト国王も行動力のあるレオンを見直し、以前のように接してくれるようになったそうだ。その証拠にレオンがリシェントを専属の魔術講師として雇いたいと言うと、すんなりOKが出たそうだ。そして、リシェントはレオンの魔術講師を足掛かりに王宮に他国の珍しい宝石や酒を持って行った所、リヴァイト国王もカルメラ王妃もそれを気に入り、リシェントはカルヴァ王族御用達の商人という泊を付け大商人となっていた――
「なあ、ルイーザ。その……、本当にこのまま僕と結婚して良いのか?」
レオンは答えを聞くのが怖くて視線を逸した。
「今更?嫌だったらとっくに婚約解消してるでしょう?」
とルイーザは笑い飛ばした。
「そ、そうだけどさ……。でも、その……結婚したら……色々と夫婦の……事とか……あるから……」
とレオンは赤い顔してゴニョゴニョと話し始めた。
「夫婦の事?ああ!大丈夫よ。いくらレストランが軌道に乗ってきたからって、第二王子の妃としての仕事もちゃんとするから!」
「え?」
ルイーザの言葉にレオンは疑問の声を上げた。
「え?だから、お米専門レストランが忙しいから、王宮での行事とかを心配してるんでしょう?」
私はあれから、王都の食堂で前世ぶりのお米を食べて大いに感動した。しかし、この国では、パンの代わりにご飯を食べるというくらいで、お米をメインにした料理がなかったので、そこに目を付け、リシェントに協力してもらって、平民向けのお米専門レストランを作る事を思い付いた。リシェントに醤油や味噌などの調味料を扱っている国を探して貰い、その結果、東の国で似たような調味料が使われている事が分かると早速取り寄せてもらった。そして、炊き込みご飯を中心としたお米専門のレストランを開業した所、これが平民の間でブームとなり、私は今、公爵令嬢でありながら、飲食店も経営していたのだった。
そんなわけで、レオンは私が最近忙しくて、結婚してから妃としての務めを果たせるか心配しているのだろうと思い、ちゃんと王子の妃としての仕事もするから大丈夫だと伝えたのだが……
「あ……、うん……、それもそうなんだけど……」
と歯切れの悪い返事が返ってきた。
「ん?まだ何かあるの?」
「ううん。何でもないよ」
そんな二人の様子を、ちょうど王宮に商品を納めにきたリシェントとラステックが目撃していた。
「あいつら、5歳から婚約してるって言ってたよな?」
「ああ、そうですよ。10年以上婚約してるのに、まだあんな段階なんすね」
「レオンが押し切れないからか、ルイーザが鈍すぎるせいか……。いや、どっちもだな」
「リシェントさん、レオンに魔術のコントロールだけじゃなく、女の口説き方も教えてやった方が良いんじゃないっすか?」
リシェントはラステックの顔を見て苦笑いで頷いたのだった。
10
あなたにおすすめの小説
転生公爵令嬢は2度目の人生を穏やかに送りたい〰️なぜか宿敵王子に溺愛されています〰️
柴田はつみ
恋愛
公爵令嬢リリーはクラフト王子殿下が好きだったが
クラフト王子殿下には聖女マリナが寄り添っていた
そして殿下にリリーは殺される?
転生して2度目の人生ではクラフト王子殿下に関わらないようにするが
何故か関わってしまいその上溺愛されてしまう
雪解けの白い結婚 〜触れることもないし触れないでほしい……からの純愛!?〜
川奈あさ
恋愛
セレンは前世で夫と友人から酷い裏切りを受けたレスられ・不倫サレ妻だった。
前世の深い傷は、転生先の心にも残ったまま。
恋人も友人も一人もいないけれど、大好きな魔法具の開発をしながらそれなりに楽しい仕事人生を送っていたセレンは、祖父のために結婚相手を探すことになる。
だけど凍り付いた表情は、舞踏会で恐れられるだけで……。
そんな時に出会った壁の花仲間かつ高嶺の花でもあるレインに契約結婚を持ちかけられる。
「私は貴女に触れることもないし、私にも触れないでほしい」
レインの条件はひとつ、触らないこと、触ることを求めないこと。
実はレインは女性に触れられると、身体にひどいアレルギー症状が出てしまうのだった。
女性アレルギーのスノープリンス侯爵 × 誰かを愛することが怖いブリザード令嬢。
過去に深い傷を抱えて、人を愛することが怖い。
二人がゆっくり夫婦になっていくお話です。
「ご褒美ください」とわんこ系義弟が離れない
橋本彩里(Ayari)
恋愛
六歳の時に伯爵家の養子として引き取られたイーサンは、年頃になっても一つ上の義理の姉のミラが大好きだとじゃれてくる。
そんななか、投資に失敗した父の借金の代わりにとミラに見合いの話が浮上し、義姉が大好きなわんこ系義弟が「ご褒美ください」と迫ってきて……。
1~2万文字の短編予定→中編に変更します。
いつもながらの溺愛執着ものです。
完璧(変態)王子は悪役(天然)令嬢を今日も愛でたい
咲桜りおな
恋愛
オルプルート王国第一王子アルスト殿下の婚約者である公爵令嬢のティアナ・ローゼンは、自分の事を何故か初対面から溺愛してくる殿下が苦手。
見た目は完璧な美少年王子様なのに匂いをクンカクンカ嗅がれたり、ティアナの使用済み食器を欲しがったりと何だか変態ちっく!
殿下を好きだというピンク髪の男爵令嬢から恋のキューピッド役を頼まれてしまい、自分も殿下をお慕いしていたと気付くが時既に遅し。不本意ながらも婚約破棄を目指す事となってしまう。
※糖度甘め。イチャコラしております。
第一章は完結しております。只今第二章を更新中。
本作のスピンオフ作品「モブ令嬢はシスコン騎士様にロックオンされたようです~妹が悪役令嬢なんて困ります~」も公開しています。宜しければご一緒にどうぞ。
本作とスピンオフ作品の番外編集も別にUPしてます。
「小説家になろう」でも公開しています。
結婚前夜に婚約破棄されたけど、おかげでポイントがたまって溺愛されて最高に幸せです❤
凪子
恋愛
私はローラ・クイーンズ、16歳。前世は喪女、現世はクイーンズ公爵家の公爵令嬢です。
幼いころからの婚約者・アレックス様との結婚間近……だったのだけど、従妹のアンナにあの手この手で奪われてしまい、婚約破棄になってしまいました。
でも、大丈夫。私には秘密の『ポイント帳』があるのです!
ポイントがたまると、『いいこと』がたくさん起こって……?
前世を思い出しました。恥ずかしすぎて、死んでしまいそうです。
棚から現ナマ
恋愛
前世を思い出したフィオナは、今までの自分の所業に、恥ずかしすぎて身もだえてしまう。自分は痛い女だったのだ。いままでの黒歴史から目を背けたい。黒歴史を思い出したくない。黒歴史関係の人々と接触したくない。
これからは、まっとうに地味に生きていきたいの。
それなのに、王子様や公爵令嬢、王子の側近と今まで迷惑をかけてきた人たちが向こうからやって来る。何でぇ?ほっといて下さい。お願いします。恥ずかしすぎて、死んでしまいそうです。
死に戻りの元王妃なので婚約破棄して穏やかな生活を――って、なぜか帝国の第二王子に求愛されています!?
神崎 ルナ
恋愛
アレクシアはこの一国の王妃である。だが伴侶であるはずの王には執務を全て押し付けられ、王妃としてのパーティ参加もほとんど側妃のオリビアに任されていた。
(私って一体何なの)
朝から食事を摂っていないアレクシアが厨房へ向かおうとした昼下がり、その日の内に起きた革命に巻き込まれ、『王政を傾けた怠け者の王妃』として処刑されてしまう。
そして――
「ここにいたのか」
目の前には記憶より若い伴侶の姿。
(……もしかして巻き戻った?)
今度こそ間違えません!! 私は王妃にはなりませんからっ!!
だが二度目の生では不可思議なことばかりが起きる。
学生時代に戻ったが、そこにはまだ会うはずのないオリビアが生徒として在籍していた。
そして居るはずのない人物がもう一人。
……帝国の第二王子殿下?
彼とは外交で数回顔を会わせたくらいなのになぜか親し気に話しかけて来る。
一体何が起こっているの!?
婚約破棄歴八年、すっかり飲んだくれになった私をシスコン義弟が宰相に成り上がって迎えにきた
鳥羽ミワ
恋愛
ロゼ=ローラン、二十四歳。十六歳の頃に最初の婚約が破棄されて以来、数えるのも馬鹿馬鹿しいくらいの婚約破棄を経験している。
幸い両親であるローラン伯爵夫妻はありあまる愛情でロゼを受け入れてくれているし、お酒はおいしいけれど、このままではかわいい義弟のエドガーの婚姻に支障が出てしまうかもしれない。彼はもう二十を過ぎているのに、いまだ縁談のひとつも来ていないのだ。
焦ったロゼはどこでもいいから嫁ごうとするものの、行く先々にエドガーが現れる。
このままでは義弟が姉離れできないと強い危機感を覚えるロゼに、男として迫るエドガー。気づかないロゼ。構わず迫るエドガー。
エドガーはありとあらゆるギリギリ世間の許容範囲(の外)の方法で外堀を埋めていく。
「パーティーのパートナーは俺だけだよ。俺以外の男の手を取るなんて許さない」
「お茶会に行くんだったら、ロゼはこのドレスを着てね。古いのは全部処分しておいたから」
「アクセサリー選びは任せて。俺の瞳の色だけで綺麗に飾ってあげるし、もちろん俺のネクタイもロゼの瞳の色だよ」
ちょっと抜けてる真面目酒カス令嬢が、シスコン義弟に溺愛される話。
※この話はカクヨム様、アルファポリス様、エブリスタ様にも掲載されています。
※レーティングをつけるほどではないと判断しましたが、作中性的ないやがらせ、暴行の描写、ないしはそれらを想起させる描写があります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる