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第9話
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一人、自室に籠もったアンドレスは、ソファに力なく座るとため息を吐いた。
マリベルをちゃんと認識したのは俺が5歳の時だった。エリークが嬉しそうに双子の子供を連れて王宮へ来た時だ。その時のマリベルは、薄茶の大きな瞳で俺を見ると屈託のない笑顔でニコリと笑った姿が可愛いかった。
それから、たまにお母様のお茶会に母親に付いて来るようになり、いつも遠巻きに俺を見ていたマリベルが成長するにつれて、屈託のない笑顔から、頬を染めて俺を見つめるようになってきて、俺もそんなマリベルがだんだんと気になりはじめていた。
それから7歳の時、マルケルの様子を見る為に初めてウリオス家の屋敷に行くことになった。この時、マリベルとちゃんと話が出来る事に俺は少しに期待していた。いつも、遠巻きに俺を見つめて、頬を染めるマリベルがどんな女の子なのだろうと思っていたから……。
でもあの日、男のように剣を奮うマリベルにあ然としてしまった。
俺の中で、期待していたマリベルと全然違っていたからだ。
その後、ドレスに着替えてもう一度挨拶に来たマリベルはを見ても、さっきの剣を奮う姿が頭を過って、じゃじゃ馬だって言ってしまった。
俺も子供だったから、そんなマリベルの姿を受け止めきれなかったんだ。
それから、マリベルはお茶会にもあまり姿をみせなくなった。たまに来ても隅でつまらなそうにしているだけで、以前のように俺を見つめてはくれなくなってしまった。
代わりに俺はよくマリベルを見るようになっていた。俺が17歳の時、婚約者候補を選ぶ為の茶会に参加してくれたのは嬉しかった。久しぶりに見たマリベルは、凄く綺麗になっていて、驚いた。でも、もっと驚いたのは、会場から居なくなったと思ったら、木に登っていた。
いや、どんだけじゃじゃ馬なんだよ!って驚いたけど、そんな姿も幼い頃と変わってなくて、なんかそれが逆に面白くて、そして、俺に向かって飛び降りてくるマリベルが凄く可愛かった――
なのに――
どうして、今度の舞踏会に参加しないって……、俺と婚約したくないってどういう事なんだよ!?
俺は、この舞踏会でマリベルを婚約者にするつもりだったのに……――
◇
「なあ?どうしてマリベルは、俺と婚約したくないんだ?」
昨日、落ち込んでいたように見えたアンドレス王子は、翌朝にはいつものアンドレス王子に戻っていた。
そして、私にこの質問を投げ掛けてきたのだ。
「……アンドレス王子。お言葉ですが、女性なら誰でもアンドレス王子と結婚したいというわけではないと思いますよ?」
「そうか?幼い頃から、皆んな俺と結婚したいと寄ってきていたぞ」
その言葉にマリベルは、お茶会で令嬢達に囲まれ、自分は遠くから見ているだけだった事を思い出す。
「た、確かに大半の女性は、アンドレス王子に求婚されれば、受け入れるでしょうが……。人には好みというものもありますし……」
「ほう。ならば、マリベルの好みとはなんだ?」
「え!?わ……、マ、マリベルの好みですか?」
私の好みってどんな人だろう?顔……は、やっぱりアンドレス王子以上に好みのタイプなんて思いつかないし、仕事……もできるし、性格……も意外と優しい所あるし……。あれ?アンドレス王子って理想の相手過ぎない?
「おい、マリベルの好みは?」
「さ、さあ。聞いた事ないので」
「チッ!使えんな」
と悪態をつく、アンドレス王子にマリベルは苦笑いした。
それにしても王子は、どうしてそんな事を気にしてるんだろう?
もしかして……、私の事が好き……とか?いやいや、それは無いわよ。散々じゃじゃ馬だって馬鹿にしてきた女を好きとかあるわけないわ。
マリベルをちゃんと認識したのは俺が5歳の時だった。エリークが嬉しそうに双子の子供を連れて王宮へ来た時だ。その時のマリベルは、薄茶の大きな瞳で俺を見ると屈託のない笑顔でニコリと笑った姿が可愛いかった。
それから、たまにお母様のお茶会に母親に付いて来るようになり、いつも遠巻きに俺を見ていたマリベルが成長するにつれて、屈託のない笑顔から、頬を染めて俺を見つめるようになってきて、俺もそんなマリベルがだんだんと気になりはじめていた。
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俺の中で、期待していたマリベルと全然違っていたからだ。
その後、ドレスに着替えてもう一度挨拶に来たマリベルはを見ても、さっきの剣を奮う姿が頭を過って、じゃじゃ馬だって言ってしまった。
俺も子供だったから、そんなマリベルの姿を受け止めきれなかったんだ。
それから、マリベルはお茶会にもあまり姿をみせなくなった。たまに来ても隅でつまらなそうにしているだけで、以前のように俺を見つめてはくれなくなってしまった。
代わりに俺はよくマリベルを見るようになっていた。俺が17歳の時、婚約者候補を選ぶ為の茶会に参加してくれたのは嬉しかった。久しぶりに見たマリベルは、凄く綺麗になっていて、驚いた。でも、もっと驚いたのは、会場から居なくなったと思ったら、木に登っていた。
いや、どんだけじゃじゃ馬なんだよ!って驚いたけど、そんな姿も幼い頃と変わってなくて、なんかそれが逆に面白くて、そして、俺に向かって飛び降りてくるマリベルが凄く可愛かった――
なのに――
どうして、今度の舞踏会に参加しないって……、俺と婚約したくないってどういう事なんだよ!?
俺は、この舞踏会でマリベルを婚約者にするつもりだったのに……――
◇
「なあ?どうしてマリベルは、俺と婚約したくないんだ?」
昨日、落ち込んでいたように見えたアンドレス王子は、翌朝にはいつものアンドレス王子に戻っていた。
そして、私にこの質問を投げ掛けてきたのだ。
「……アンドレス王子。お言葉ですが、女性なら誰でもアンドレス王子と結婚したいというわけではないと思いますよ?」
「そうか?幼い頃から、皆んな俺と結婚したいと寄ってきていたぞ」
その言葉にマリベルは、お茶会で令嬢達に囲まれ、自分は遠くから見ているだけだった事を思い出す。
「た、確かに大半の女性は、アンドレス王子に求婚されれば、受け入れるでしょうが……。人には好みというものもありますし……」
「ほう。ならば、マリベルの好みとはなんだ?」
「え!?わ……、マ、マリベルの好みですか?」
私の好みってどんな人だろう?顔……は、やっぱりアンドレス王子以上に好みのタイプなんて思いつかないし、仕事……もできるし、性格……も意外と優しい所あるし……。あれ?アンドレス王子って理想の相手過ぎない?
「おい、マリベルの好みは?」
「さ、さあ。聞いた事ないので」
「チッ!使えんな」
と悪態をつく、アンドレス王子にマリベルは苦笑いした。
それにしても王子は、どうしてそんな事を気にしてるんだろう?
もしかして……、私の事が好き……とか?いやいや、それは無いわよ。散々じゃじゃ馬だって馬鹿にしてきた女を好きとかあるわけないわ。
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