虹色の約束。時を越えて~

yume

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捕獲

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柚月「これからどうしよう・・・。家に帰ったらお母さんに早退したのバレちゃうしな・・・。」
桂太「あれ?古川さんじゃない?何してるの?」

靴に履き替え、学校の昇降口を出ようとした時、背後からあたしの名前を呼ぶ声が聞こえた。

柚月「桂太先生。」
桂太「サボり?」
柚月「サボりというか、逃げたというか・・・。」
桂太「あ、分かっちゃった。」

桂太先生は、相変わらず俯いたままのあたしに笑いながらこう言った。

桂太「廉と喧嘩したんでしょ(笑)
柚月「えっ?」

ズバリ的中。まるで心を見透かされいる様に感じ、驚いたあたしは思わず顔を上げてしまった。

桂太「あのガキ、女の子を泣かせるなんて最低だな。」
柚月「これは、別に泣いてないです。」
桂太「いやいや、完全に泣いてるでしょ」
柚月「さっき、鼻うがいしたら口からじゃなくて目から出てしまって。衝撃映像です。」
桂太「あはははっ!!」

女たるもの、常に鞄の中にはハンカチやティッシュを入れておくべし。
なーんていう概念を持ち合わせていないあたしは、制服の袖で涙を拭った。

桂太「古川さん、ごめんね。俺と廉の言い合いに巻き込んじゃって。」
柚月「大丈夫じゃないけど、気にしないで下さい。」
桂太「ところで、帰るの?教室には戻らないんでしょ?」
柚月「そうだった。どうしよう・・・。」

悩んでいたあたしに、桂太先生はこう言った。

桂太「俺もサボろーっと!!」
柚月「はい?」
桂太「だって、俺基本勉強嫌いだし。あ、
そうだ!裏にある公園に行こうよ!懐かしいなぁ、まだあるよね?公園」
柚月「ありますけど・・・。どうして桂太先生が知ってるんですか?」
桂太「だって、この高校の卒業生だから」
柚月「えっ!?そうなんですか!?」
桂太「流石に知ってる先生はもういないけど、校舎は相変わらずボロだね(笑)」

校舎を見上げ、桂太先生は懐かしそうに校舎全体を見渡した。
きっと色々な思い出が沢山詰まっているのだろう。桂太先生の表情は、どことなく切なそうに見えた。

桂太「古川さん。俺ね、タイムスリップしに来たの。」
柚月「タイムストリップですか?」
桂太「古川さんって、下ネタ好きなの?(笑)とりあえず公園に行ってみよう。人生、勉強なんかよりも大事な事が沢山あるんだからさ。息抜き!」

「俺が高校の頃、よく仲間で行ってたんだ。」
桂太先生は歩きながらそうあたしに教えてくれた。
「親友」と呼び合える唯一の仲間。友達なんて沢山いなくてもいい。
上辺だけの生温い関係なんて必要ない。
必要なのは、ピンチの時に手を差し伸べてくれる人が一人いれば、それは一生の宝になる。
そして、最愛の人も同じ。
運命の相手はどんなに離れていても、いずれ必ず出逢う。ただ、あたし達はその相手に気付いて恋に落ちるか、気付かずに通り過ぎてしまうか。
「古川さんも、もしかしたら出逢っているのかもね。運命の相手に」
桂太先生は空を見上げながらそう呟いた。
そして、公園に到着したあたし達はベンチに腰を下ろし、先生から手渡されたジュースに口をつけた。
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