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ガラクタの日々
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あれから数ヶ月。
あの日を境に、廉はまるであたしの存在を居ないものとするかの様に避け続けていた。
毎朝の日課も、廉の家に迎えに行けば結芽さんが申し訳なさそうに謝られ、先に行ってしまった事を告げられ続けていた。
教室で話し掛けようとすれば上手くすり抜けられ、帰りに下駄箱で待ってみれば、男子生徒と楽しそうに笑う廉があたしの前を通り過ぎる・・・。
廉の視界から、完全にあたしはいなくなってしまった。
そして、そんな状態が続いたまま、季節は間もなく夏休みへ突入しようとしていた。
まこ「柚月、今日こそはマックに寄って帰ろうよ!!」
柚月「ごめんね、まこ。今日も予定があって・・・。」
まこ「未定の予定でしょ?・・・あたしだって心配してるんだよ?柚月、ずっと上の空だし、何を言っても「そうだね」しか言わないし。」
柚月「ごめん・・・。」
まこ「とにかく!今日は強制です!!たまにはあたしに付き合いなさい!!」
柚月「うん、分かった。」
もぬけの殻になってしまっていた。
今までずっと一緒にいた廉に突如として関係を切られてから、たしは「自分」という存在の価値が見出せなくなってしまっていた。
まこ「あ、そうだ。柚月、バイトしない?」
柚月「バイト?」
まこ「そう!今の柚月には、最高の気分転換になると思うんだよね。お金も稼げるし、バイト代が入ったら沢山遊ぼうよ!!」
柚月「バイト・・・かぁ。」
まこ「ねっ!?その話も進めたいし、マックでゆっくり・・・痛っ!」
桂太「陣内・・・、俺は断然テリヤキバーガー派だけど、今は授業中な。」
どのクラスでも人気者な桂太先生。最近は昼休みになると体育館で沢山の生徒とバスケやバレーをしているらしい。
廉は・・・、相変わらず歴史の授業になると姿を消し、桂太先生もそれに関してそっと見守る様な形で見て見ぬ振りをし続けていた。
桂太「あ、そうだ、古川。授業が終わったら職員室まで来なさい。」
柚月「分かりました。」
呼び出された内容は分かっていた。むしろ、呼び出されるのを待っていた。
テストの時、あたしは敢えて廉の名前を書いて提出していた。授業に参加しない事によって歴史の単位が足りなくなり、廉が留年なんて事になるのが怖かった。
文字を見れば一目瞭然だろうし、廉との事を話し合いたいと思っていた所だった。
授業が終わり、職員室へ向かっていると、突然後ろから肩を叩かれた。
振り向くと、そこには桂太先生が立っていた。
柚月「今、ちょうど職員室に向かっていたんですけど・・・。」
桂太「古川、二時間だけ俺に時間をくれないか?」
柚月「二時間も?・・・どういう意味ですか?」
桂太「古川に会いたがってる奴がいるんだよ。本当は学校が終わってからと思っていたんだけど、陣内との約束もあるだろうし。」
柚月「会いたがってる人って誰ですか?あたし、今他の人とあまり関わり合いたくないんです。」
「ガラクタの日々。」
あの日、あたしの何が廉をこうさせてしまったのか。記憶に残っている欠片全てをかき集め、自分の心に耳を澄ませてみても何の返事もない。
どんなに頑張って廉に歩み寄ろうとしても届かない。あたしは、自分自身すら見失っている状態だった。
桂太「無理強いはしない。でも、あいつも廉と古川を心配してるんだ。」
柚月「誰なんですか?」
桂太「拓と結芽ちゃんを嫌と言う程、知ってる仲間だよ。・・・廉のことも。」
「何か、手助けがしたいんだ。」
桂太先生のその言葉に甘えてしまいそうになる自分が情けない。
でも、今のあたしにはプライドも何も残っていないただのポンコツ。
願いはただ一つ。
「廉と、また話がしたい。」
柚月「・・・会わせてください。」
桂太「ありがとう、古川。」
学校を抜け出し、あたしは桂太先生の車に乗り込む。
お互い無言のまま車を走らせ、二十分程が経過した時。桂太先生はとある一軒家の前に車を停めた。
あの日を境に、廉はまるであたしの存在を居ないものとするかの様に避け続けていた。
毎朝の日課も、廉の家に迎えに行けば結芽さんが申し訳なさそうに謝られ、先に行ってしまった事を告げられ続けていた。
教室で話し掛けようとすれば上手くすり抜けられ、帰りに下駄箱で待ってみれば、男子生徒と楽しそうに笑う廉があたしの前を通り過ぎる・・・。
廉の視界から、完全にあたしはいなくなってしまった。
そして、そんな状態が続いたまま、季節は間もなく夏休みへ突入しようとしていた。
まこ「柚月、今日こそはマックに寄って帰ろうよ!!」
柚月「ごめんね、まこ。今日も予定があって・・・。」
まこ「未定の予定でしょ?・・・あたしだって心配してるんだよ?柚月、ずっと上の空だし、何を言っても「そうだね」しか言わないし。」
柚月「ごめん・・・。」
まこ「とにかく!今日は強制です!!たまにはあたしに付き合いなさい!!」
柚月「うん、分かった。」
もぬけの殻になってしまっていた。
今までずっと一緒にいた廉に突如として関係を切られてから、たしは「自分」という存在の価値が見出せなくなってしまっていた。
まこ「あ、そうだ。柚月、バイトしない?」
柚月「バイト?」
まこ「そう!今の柚月には、最高の気分転換になると思うんだよね。お金も稼げるし、バイト代が入ったら沢山遊ぼうよ!!」
柚月「バイト・・・かぁ。」
まこ「ねっ!?その話も進めたいし、マックでゆっくり・・・痛っ!」
桂太「陣内・・・、俺は断然テリヤキバーガー派だけど、今は授業中な。」
どのクラスでも人気者な桂太先生。最近は昼休みになると体育館で沢山の生徒とバスケやバレーをしているらしい。
廉は・・・、相変わらず歴史の授業になると姿を消し、桂太先生もそれに関してそっと見守る様な形で見て見ぬ振りをし続けていた。
桂太「あ、そうだ、古川。授業が終わったら職員室まで来なさい。」
柚月「分かりました。」
呼び出された内容は分かっていた。むしろ、呼び出されるのを待っていた。
テストの時、あたしは敢えて廉の名前を書いて提出していた。授業に参加しない事によって歴史の単位が足りなくなり、廉が留年なんて事になるのが怖かった。
文字を見れば一目瞭然だろうし、廉との事を話し合いたいと思っていた所だった。
授業が終わり、職員室へ向かっていると、突然後ろから肩を叩かれた。
振り向くと、そこには桂太先生が立っていた。
柚月「今、ちょうど職員室に向かっていたんですけど・・・。」
桂太「古川、二時間だけ俺に時間をくれないか?」
柚月「二時間も?・・・どういう意味ですか?」
桂太「古川に会いたがってる奴がいるんだよ。本当は学校が終わってからと思っていたんだけど、陣内との約束もあるだろうし。」
柚月「会いたがってる人って誰ですか?あたし、今他の人とあまり関わり合いたくないんです。」
「ガラクタの日々。」
あの日、あたしの何が廉をこうさせてしまったのか。記憶に残っている欠片全てをかき集め、自分の心に耳を澄ませてみても何の返事もない。
どんなに頑張って廉に歩み寄ろうとしても届かない。あたしは、自分自身すら見失っている状態だった。
桂太「無理強いはしない。でも、あいつも廉と古川を心配してるんだ。」
柚月「誰なんですか?」
桂太「拓と結芽ちゃんを嫌と言う程、知ってる仲間だよ。・・・廉のことも。」
「何か、手助けがしたいんだ。」
桂太先生のその言葉に甘えてしまいそうになる自分が情けない。
でも、今のあたしにはプライドも何も残っていないただのポンコツ。
願いはただ一つ。
「廉と、また話がしたい。」
柚月「・・・会わせてください。」
桂太「ありがとう、古川。」
学校を抜け出し、あたしは桂太先生の車に乗り込む。
お互い無言のまま車を走らせ、二十分程が経過した時。桂太先生はとある一軒家の前に車を停めた。
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