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偽りの恋人
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柚月「廉!!どうしたの?」
廉 「迎えに行く。」
柚月「迎えに・・・って、あたしが今何処にいるか知ってるの?」
廉 「光希君から電話が来て、ある程度の話は聞いた。」
柚月「光希さんが!?」
幸恵「幸恵さん、どうかしたの?」
柚月「え?あ、いえ・・・。」
廉 「柚月。もう母さんの運転で向かってる。陣内も一緒だ。」
柚月「まこも?」
『柚月ちゃんを迎えに行って欲しい』
光希さんは、いつも全てを計算しながら動いてくれる。
時刻はもう夕方。でも、このまま光希さんの連絡を待たずに帰る訳にもいかない。幸恵さんとの話も中途半端なままで、何をしに来たのか分からなくなってしまう。
『きっと、長丁場になる』
光希さんは、あたしの性格を見込んだ上で廉に連絡をしてくれた。
ただ・・・。
柚月「どうしてまこも?」
廉 「「もう隠す事じゃない。」って。それ以外の事は光希君本人から聞け。
『必ず行くから待ってろ。』
そう言われ、電話は切られてしまった。
幸恵「柚月さん?大丈夫?」
柚月「あ・・・、大丈夫です。」
幸恵「お友達?」
柚月「あ、あの廉はあたしの恋・・・」
違う。そうじゃない。
あたしは今、譲さんの「恋人」なんだ・・・。
柚月「あたしの・・・幼馴染みなんです。」
幸恵「・・・そう。そういえば、今何時なのかしら?柚月さん一人で帰れるの?バスの時間は・・・」
柚月「大丈夫です。その幼馴染みが母の運転で迎えに来てくれるそうです。」
幸恵「とても優しい幼馴染みなのね。廉さんて方。」
柚月「あの、それから光希さんの恋人も一緒に来るんですが、構いませんか?」
幸恵「まぁ、光希さんの!?全然、むしろ大歓迎よ。ずっと一人での生活だったから、こうして誰かと会話をするのはとても嬉しいの。」
柚月「失礼じゃなければ、幸恵さんのお話も聞きたいです。」
幸恵「・・・そうよね。柚月さんは譲の恋人ですもの。色々と疑問に思うでしょうね。私が全てを失い、こうなってしまった病気・・・」
『網膜色素変性症』
夜盲が初期症状である事が多いと言われており、暗い場所で見えづらい状態で、「鳥目」とも呼ばれている。
その後、病症がが進行すると視力低下や色覚異常が生じ、最終的には「失明」する事もあり、進行度には個人差があるという。
幸恵「自覚症状を感じたのは、当時譲がまだ二歳だった頃。夏の夜に夜泣きをする譲を抱きながら外を散歩していたの。・・・ちゃんと歩いてるつもりだったのだけど、田んぼに落ちてしまって。」
柚月「泣いてる譲さんに気を取られていたとか?」
幸恵「私も最初はそう思ったの。でも、些細なミスが続き、どんどん酷くなって・・・。病院に行って検査をしてもらったの。その診断結果がそれよ。」
『いずれ失明するでしょう』
医師に言われ、幸恵さんは悩んだ。
一番頼りたい相手であった和也さんは、幸恵さんのサポート無しでは生活が困難な状態。
そして、幼かった譲さんはまだまだ手が掛かる。
「治療」
そう考えたが、お金が必要。
・・・それ以前に生活するお金すら、底をついていた。
幸恵「初めて恐怖を感じたの。これから自分がどうなって行くのか、いつ視力が奪われてしまうのか・・・。」
柚月「そうだったんですね・・・。」
幸恵「途方に暮れていた時だった。近所の人達が私達の様子がおかしいと、役場の方に相談してくれたみたいで。」
幸恵さんは、役場の人達の指示に従うしかなかった。そうする事でしか、今の状況から・・・。「死」という言葉が頭をよぎる現状から抜け出す方法は無かった。
「旦那様の症状が落ち着くまで』
その約束で和也さんは入院。
そして、幸恵さんは譲さんの「幸せ」を考えた。
廉 「迎えに行く。」
柚月「迎えに・・・って、あたしが今何処にいるか知ってるの?」
廉 「光希君から電話が来て、ある程度の話は聞いた。」
柚月「光希さんが!?」
幸恵「幸恵さん、どうかしたの?」
柚月「え?あ、いえ・・・。」
廉 「柚月。もう母さんの運転で向かってる。陣内も一緒だ。」
柚月「まこも?」
『柚月ちゃんを迎えに行って欲しい』
光希さんは、いつも全てを計算しながら動いてくれる。
時刻はもう夕方。でも、このまま光希さんの連絡を待たずに帰る訳にもいかない。幸恵さんとの話も中途半端なままで、何をしに来たのか分からなくなってしまう。
『きっと、長丁場になる』
光希さんは、あたしの性格を見込んだ上で廉に連絡をしてくれた。
ただ・・・。
柚月「どうしてまこも?」
廉 「「もう隠す事じゃない。」って。それ以外の事は光希君本人から聞け。
『必ず行くから待ってろ。』
そう言われ、電話は切られてしまった。
幸恵「柚月さん?大丈夫?」
柚月「あ・・・、大丈夫です。」
幸恵「お友達?」
柚月「あ、あの廉はあたしの恋・・・」
違う。そうじゃない。
あたしは今、譲さんの「恋人」なんだ・・・。
柚月「あたしの・・・幼馴染みなんです。」
幸恵「・・・そう。そういえば、今何時なのかしら?柚月さん一人で帰れるの?バスの時間は・・・」
柚月「大丈夫です。その幼馴染みが母の運転で迎えに来てくれるそうです。」
幸恵「とても優しい幼馴染みなのね。廉さんて方。」
柚月「あの、それから光希さんの恋人も一緒に来るんですが、構いませんか?」
幸恵「まぁ、光希さんの!?全然、むしろ大歓迎よ。ずっと一人での生活だったから、こうして誰かと会話をするのはとても嬉しいの。」
柚月「失礼じゃなければ、幸恵さんのお話も聞きたいです。」
幸恵「・・・そうよね。柚月さんは譲の恋人ですもの。色々と疑問に思うでしょうね。私が全てを失い、こうなってしまった病気・・・」
『網膜色素変性症』
夜盲が初期症状である事が多いと言われており、暗い場所で見えづらい状態で、「鳥目」とも呼ばれている。
その後、病症がが進行すると視力低下や色覚異常が生じ、最終的には「失明」する事もあり、進行度には個人差があるという。
幸恵「自覚症状を感じたのは、当時譲がまだ二歳だった頃。夏の夜に夜泣きをする譲を抱きながら外を散歩していたの。・・・ちゃんと歩いてるつもりだったのだけど、田んぼに落ちてしまって。」
柚月「泣いてる譲さんに気を取られていたとか?」
幸恵「私も最初はそう思ったの。でも、些細なミスが続き、どんどん酷くなって・・・。病院に行って検査をしてもらったの。その診断結果がそれよ。」
『いずれ失明するでしょう』
医師に言われ、幸恵さんは悩んだ。
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そして、幼かった譲さんはまだまだ手が掛かる。
「治療」
そう考えたが、お金が必要。
・・・それ以前に生活するお金すら、底をついていた。
幸恵「初めて恐怖を感じたの。これから自分がどうなって行くのか、いつ視力が奪われてしまうのか・・・。」
柚月「そうだったんですね・・・。」
幸恵「途方に暮れていた時だった。近所の人達が私達の様子がおかしいと、役場の方に相談してくれたみたいで。」
幸恵さんは、役場の人達の指示に従うしかなかった。そうする事でしか、今の状況から・・・。「死」という言葉が頭をよぎる現状から抜け出す方法は無かった。
「旦那様の症状が落ち着くまで』
その約束で和也さんは入院。
そして、幸恵さんは譲さんの「幸せ」を考えた。
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