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学園編 3章

第98話 依頼

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「チッ、何で僕があんな依頼を受けないといけないんだよ!」

僕は不平不満を垂らしながら歩く。

目的の村に着いたはいいものの、案内を頼んだ村長に何故か拒否をされた。

この僕に向かってなんて無礼な!!!!と怒りたかったがオールドに諌められた。

どうやら他の貴族が伝承の地を荒らしたため警戒しているらしい。

そんなの知らない、と言いたかったが案内がなければ恐らくたどり着くことのできない深い森だ。

ただでさえ、昨晩泊まった屋敷の主である貴族に散々第一皇子派に誘われてうんざりしていたのだ。

余計腹が立ったが、三人に止められる。

結局村長のお願い、というより依頼を受けることになった。

「ルイ様、落ち着いてください。依頼を受けるだけですから」
「それが気に入らないのだ!何であんな平民を助けなくちゃいけないんだ」

村の子供でも人質にするか?

「やめてください、ルイ兄様。流石に公爵家の名前が・・・」
「分かっている。高貴なる僕がそんな野盗じみたことをするわけないだろ」

僕はアルスの方を見て聞く。

「で、依頼とは何なんだ?」
「どうやら近くの廃墟屋敷を十人ほどの盗賊が根城にしているらしく。それを退治してほしいと」
「何だ、そんな簡単なことか」

もっとめんどくさいことを言われると思ったが。

「ルイ様はここで待っていてください。私が討伐してきますよ」

オールドが提案してくる。が、僕は却下する。

「その必要はない。僕自ら殺ってやるぞ」

ちょうど鬱憤も溜まっている。

憂さ晴らしにちょうどいい。

「ルイ様、何故笑っているのですか?」

レーナに指摘され、僕は上がった口角を必死に下げた。



馬車で三十分ほどした所。

森のすぐ近くにボロボロとなった大きな屋敷があった。

「作戦は?、って、ルイ様!!」

近くの死角となっている廃民家に入る僕ら。
オールドが作戦を立てようとするが、そんなものはいらない。

僕は堂々と屋敷へと向かう。

どうやら見張りがいるらしく、入口手前まで来た時、十五人のいかにも臭そうな男たちが現れた。

「おお、馬鹿なガキが来たぜ。身なりのいい貴族のガキがよ!」

僕が子供だと舐めてくさっている盗賊どもは、さも嬉しそうに歓声を上げる。

僕はそんな下衆い奴らに、ためらいなく上級魔法を放つ。

「【ウィンスウォルド】」

ザクッ ザクッ ザクッ

唱えながら右から左へと手を振ると、風の鎌が一気に三人の首を刈り取る。

「「「はぁ!!!!」」」

「【ウィンスウォルド】」

ザクッ ザクッ ザクッ

更に三人死亡。

「こ、このクソガキが―」
「【ウィンスウォルド】」

ザクッ ザクッ ザクッ

「「「ヒッ!!!」」」

残った奴らが悲鳴を上げる。

「【ウィンスウォルド】」

ザクッ ザクッ ザクッ

「た、頼む!命だけは―」

こいつらが何をやったか知らないが、とりあえず依頼だから仕方ない。めんどくさいけど殺る。

憂さ晴らしも兼ねて。

「【ウィンスウォルド】」

ザクッ ザクッ ザクッ

十五個の首が屋敷入口前に転がる。

他に生き残りがいないか探知魔法で調べる。

「よし、これで全員だな」

事の成り行きを遠目から見ていた三人がこちらへと向かってくる。

「もう少し早く来てくれないか。僕はお前らが守るべき対象なのだぞ」
「いや~~あんな一方的な戦いを見てたら、助ける必要は無いと思いますよ」

からからと笑うオールド。

「これでいいんだな」
「ええ、ルイ兄様。証は必要ないようです」
「そうか・・・ん?何か落ちているぞ」

立ち去ろうとした時、ふと盗賊の死体の傍に落ちている高価な物を手に取る。

「罰が当たりますよ」
「ふん、僕に当たるはず無いだろ」

それをポケットにしまい、来た道を戻った。


早く帰ってきた僕たちを最初は訝しんでいた村長だが、盗賊を成敗した事実を村人から伝えられると、明日案内すると約束した。
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