白薔薇の紋章

サクラ

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第一章 血を受け継ぐ者

第8話

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「これから私が完全にこの鬼の力をこの刀に封印します」



「待て、あんな強靭な力をどうやって封印するつもりか!」


陰陽師ですら鬼の力の前では太刀打ちできないのに
この女はたった数日で鬼の力を刀に封じ込めた。
それだけではなく、その力を完全に封印しようとしている。
一体どのように、そしてこの女は何者なんだろうか。



「私の血をもって封印を完成させます。私の血にはそれだけの力があります。」


「血で封印?」

そんな話は聞いたことがない
陰陽師よりも優れた術師がいるということなのか?



「あなたにお願いがあります。鬼の力が再び解放されぬように見守ってほしいのです。私の子供と一緒に・・・」



そう言って女は
祠に奉っている刀を手にとって
自分の胸を貫いた。

彼女の周りも、その刀も彼女の血で真っ赤に染まった。



「命に代えて守ったこの世界、どんなことがあろうとも、絶対に守って見せよう…」


それから陰陽師は四霊である、応竜、麒麟、霊亀、鳳凰の力を宿した4人の青年を集め、ことの流れを説明した。

これからこの都を守っていくのに、彼らの力が必要だった。
その話に感銘を受けた4人は、陰陽師とともに刀を守り、そしてあの女が抱いていた子供を大事に育てていった。


命に代えて鬼の封印をした女を陰陽師たちは彼女の持っていた刀に刻まれた白い薔薇の紋章から「白薔薇姫」と呼び、鬼との決戦の地を「鬼封山」と名づけた。





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