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episode.3
ウィード探偵事務所の空気は、完全に沈んでいた。主に直美のせいで。
項垂れる彼女に、誰もうかつに声をかけられずにいた。
しかし、いつまでも黙ったままではいられない。空気を払うように、エースが努めて明るい声を出す。
「あ、あー、残念だったね。でも、どんな不思議な現象にも、原因があるはずだ。それが分かれば……」
「……どうやって、調べるんですか? それは、あなた方に依頼すれば、解決しますか……?」
「それは……」
絞り出すような疑問に、困り果てるエース。
約束はできない。特定の人間だけが通れない空間阻害など、どうやったらできるのか、エースの知識では見当もつかなかった。安請け合いはできない。
じりじりとした空気に、苛立ったようにレオが割って入った。
『ヘイ、それより報酬はどうなるんだよ。オレ達はちゃんと仕事をしたんだぜ。船に乗れなかったのはコイツの事情だ、オレ達には関係ねぇ』
『レオ、それはないだろ。俺達の仕事は彼女を日本に送り届けることだ。確かに準備はしたけど、彼女は日本に帰れてないんだから無効だろ』
もめている気配を察知して、直美はエースに通訳を頼んだ。
渋々、エースはレオが報酬を求めていることを説明する。
「おっしゃる通り、皆さんはきちんと仕事をしてくださいました。街から出られなかったのは、私の問題です。仕事をしていただいた以上、その報酬はきちんとお支払いします」
エースが訳した直美の発言に、レオは上機嫌に手を打った。
『よっしゃ! そうこなくっちゃな。話の分かるヤツは好きだぜ』
「ただし、もう一つ、お仕事を追加してもいいでしょうか」
「え?」
覚悟を決めたような顔で、直美はエースを見据えた。
「ロックレオンから出られない以上、私は……ここで、どうにか、生きていかなくてはいけません。無茶なことは承知で、言葉が不自由な日本人でも雇ってくれそうな仕事を、紹介していただけないでしょうか。可能なら、住むところも。勿論、最初の依頼とは別に、この依頼の分の報酬もお支払いします」
「……ここで働かせてくれとは、言わないんだな」
「甘えたいところですけどね。そこまでエースさんに負担はかけられませんよ。レオさんの様子を見てればわかります。私が居座るのは、納得しないでしょう。皆さんのチームワークを乱す気はありません。色々と、難しいお仕事をされているようですから」
「察しが良くて助かるよ」
苦笑したエースに、直美も微笑み返す。
直美の依頼に応えるべく、エースは頭を巡らせた。
「そうは言っても、この街にろくな仕事なんて……。あ」
『なっんっでっウチなんだよ!!』
直美がエースに連れてこられたのは、【feast bar】という酒場だった。
西部劇に出てきそうな古めかしい酒場で、店主は中国系アメリカ人だった。
『頼むよリーさん! 酒場だったら、多少言葉が不自由でも、酒を運んだり洗い物をするくらい出来るだろ?』
『それにしたって、なんだってわざわざ厄介ごとを引き受けなきゃならないんだ!』
喚きたてるリーに、言葉がわかっていないとは思いつつ、エースは直美に聞こえないよう声を潜めた。
『ここなら中立地帯だから、特定の勢力に彼女を引き込まれることもないし、俺達も顔を出しやすい。それに、リーさんだって悪いばっかりじゃないだろ。彼女は自分の身を守ることにかけては天下一品だ。どんなドンパチが起きても死なない従業員が、一人くらい居たっていいんじゃないか? いつだって人手は足りてないだろ』
『それはそうだが……』
エースはあの日目撃した直美の能力を、ローズにもレオにも伝えていた。それも込みで、ウィード探偵事務所に置いておくわけにはいかない、という結論になったのだ。
彼女はいとも容易く【能力者】と言ったが、果たしてそれが公言していい情報なのかどうかも、エースにはわからなかった。深く聞いても良い事柄なのかどうかも。
ただ、彼女が武器も持たずにこのロックレオンを平然と歩ける理由はわかった。薬だの催眠だのの搦手を使う輩ならともかく、この街の大半を占める瞬間沸騰で手が出るチンピラ相手なら無敵と言っていい。
故に、そんな彼女が特定の組織に属することは、避けた方がいいと判断した。
ウィード探偵事務所は、このロックレオンにおいてそれなりに顔がきく。そこが超能力者を有したなどという情報が流れれば、街の均衡が崩れる可能性がある。
ここfeast barは、あらゆる勢力が睨みをきかせる街での中立地帯と言えた。酒場とは、情報交換の場でもある。そんな場所が特定の勢力に肩入れするとなると、情報の価値が失せる。
なのでこの場所では、争いはご法度なのである。本来は。
勢力争いはともかく、ゴロツキだらけの街で、争うななどというルールを律儀に守る者などいるわけがない。
だからこの店はしょっちゅう破壊されているし、従業員はしょっちゅう辞めている。人生ごと辞めるはめになった者もいる。実質店主のリーが一人で切り盛りしていると言えた。
しかしここは酒場。酒を出すのも、つまみを作るのも、人手がいる。更に二階は宿になっている。主な使用用途は娼婦を連れ込むための部屋だが、それにも管理の目がいる。人手があって困ることはなかった。
リーが納得しかけているのを見て、エースは思い出したように条件を付け加えた。
『それと、住むところもないから、上の部屋を一つ彼女に貸して欲しいんだ』
『厚かましいな!?』
『でも彼女が住むってことは、この店を守ってもらえるだろ? ……ある程度は』
荒くれ者が集う酒場の店主ではあるが、リーはどちらかというと荒事に強いタイプではない。逃げ足は速いが。
店を破壊されても、修繕費など払う連中ではない。リーはいつも泣き寝入り状態である。
『まぁ……そうだな。噂の天使が働いてくれるってんなら、多少は抑止力にもなるだろ。いいぜ、請け負うさ』
『ありがとう、リーさん』
交渉が成立したことで、エースが直美に結果を説明する。
住居と仕事が一挙に得られたことに、直美はぱっと顔を輝かせた。
「よろしくお願いします、リーさん!」
『おう、よろしく。不便だから言葉はおいおいなんとかしてくれ』
握手を求めた直美に、リーが応じる。
雰囲気だけは感じ取ったが、何と言われたのかわからなかった直美は、笑顔で誤魔化した。
こうして直美は、feast barのウエイトレスとなった。
ちなみに制服は、リーの趣味でミニスカメイドとなった。直美は嫌がったが、英語でうまく意思が伝えられないことを逆手に取られ、そのまま押し切られた。
新しく入った若い女に、酒場に来る輩達は当然のように絡んだ。しかし、誰も直美に触れることすらできなかった。中には怒って暴力を振るおうとしたり、発砲する者すらいたが、それらは全て本人に返った。誰も直美に勝てないため、いつしか酒場に来る者で、彼女に逆らう者はほとんどいなくなった。
酒場の看板娘である直美は、ある渾名で呼ばれていた。それは酒場で働き始める前から、一部では囁かれていた。
皮肉も込められたその名は【純白の天使】。真っ白な服を着ていても、傷一つ負わず、返り血を浴びることすらないまま相手を敗北させる様子からつけられた。
幸か不幸か、本人はそんな中二病みたいな名前で呼ばれていることを知らずにいる。
「や、直美さん。調子はどうだ?」
「エースさん!」
様子を見に酒場を訪れたエースに、直美は見るからにぱっと顔を明るくした。
仕事中だから、とうずうずする直美を見兼ねて、リーが休憩の許可を出す。直美はエースの酒を出すと、自分もグラスを持ってカウンター席の隣に腰掛けた。
「随分評判になってるな」
「え、それどういう評判なんですか……?」
「なんだ、聞いてないのか?」
怖々と問いかけた直美は、ちびりとグラスの酒を飲んだ。
「たまに【Angel】って呼びかけられるんですけど……謎なので放置してます」
「相変わらず、ヒアリングは苦手か?」
「もう全然です……! こういう場所で働けば、否が応にも英語が身につくと思ってましたが……。そういうわけにはいかないんですね……」
げっそりとした直美に、エースも困ったように頭を掻いた。
確かに英語が苦手な日本人は多く、留学したからと言ってそう簡単に身につくものでもない。
「直美さんは、どうにも英語に対する苦手意識が強いからなぁ……。まぁ、ここに来るような奴はスラングばっかり喋ってたりするから、必ずしも君の問題じゃないんだけど」
訛りが酷かったり、普通使わないような単語を使ったりもするため、一概に英語力が低いせいだとも言い切れない。それにしても、直美の英語力は低い。
本人もそれはわかっているようで、ごつりとカウンターに額を打ちつけた。
「うー……。そうだ、エースさん。また英語を教えてもらえませんか?」
「俺が?」
「勿論、お時間のある時だけで構いません。授業料もお支払いしますから、どうですか?」
「いいよ。君と話すのは、俺にとってもいい気分転換になるしね」
「やった! ありがとうございます」
屈託のない笑顔を浮かべる直美に、思わずエースも顔が綻ぶ。この街で、こんな無邪気な笑顔が見られることはなかなかない。
けれど、エースは知っている。彼女もまた、純真無垢なだけの女性ではないということを。
授業料を払うと言った、その金の出所が、綺麗なものではないということも。
直美の噂は知れ渡っているが、ちょっかいをかける者はゼロではない。
故に、今も彼女は【慰謝料】とやらをたまに徴収している。
勿論酒場での給料もあるだろうが、それだけでは生活がぎりぎりだろう。
自分に降りかかる火の粉を払うこと。それによって、相手が死に至っても割り切れること。損得勘定ができること。
彼女の振る舞いからは、修羅場を潜ってきた猛者の気配がする。
いつしか自分が彼女の信頼を十二分に得られたのなら、その時は全てを知ることができるだろうか。
そんなことを考えながら、エースはグラスを傾けた。
項垂れる彼女に、誰もうかつに声をかけられずにいた。
しかし、いつまでも黙ったままではいられない。空気を払うように、エースが努めて明るい声を出す。
「あ、あー、残念だったね。でも、どんな不思議な現象にも、原因があるはずだ。それが分かれば……」
「……どうやって、調べるんですか? それは、あなた方に依頼すれば、解決しますか……?」
「それは……」
絞り出すような疑問に、困り果てるエース。
約束はできない。特定の人間だけが通れない空間阻害など、どうやったらできるのか、エースの知識では見当もつかなかった。安請け合いはできない。
じりじりとした空気に、苛立ったようにレオが割って入った。
『ヘイ、それより報酬はどうなるんだよ。オレ達はちゃんと仕事をしたんだぜ。船に乗れなかったのはコイツの事情だ、オレ達には関係ねぇ』
『レオ、それはないだろ。俺達の仕事は彼女を日本に送り届けることだ。確かに準備はしたけど、彼女は日本に帰れてないんだから無効だろ』
もめている気配を察知して、直美はエースに通訳を頼んだ。
渋々、エースはレオが報酬を求めていることを説明する。
「おっしゃる通り、皆さんはきちんと仕事をしてくださいました。街から出られなかったのは、私の問題です。仕事をしていただいた以上、その報酬はきちんとお支払いします」
エースが訳した直美の発言に、レオは上機嫌に手を打った。
『よっしゃ! そうこなくっちゃな。話の分かるヤツは好きだぜ』
「ただし、もう一つ、お仕事を追加してもいいでしょうか」
「え?」
覚悟を決めたような顔で、直美はエースを見据えた。
「ロックレオンから出られない以上、私は……ここで、どうにか、生きていかなくてはいけません。無茶なことは承知で、言葉が不自由な日本人でも雇ってくれそうな仕事を、紹介していただけないでしょうか。可能なら、住むところも。勿論、最初の依頼とは別に、この依頼の分の報酬もお支払いします」
「……ここで働かせてくれとは、言わないんだな」
「甘えたいところですけどね。そこまでエースさんに負担はかけられませんよ。レオさんの様子を見てればわかります。私が居座るのは、納得しないでしょう。皆さんのチームワークを乱す気はありません。色々と、難しいお仕事をされているようですから」
「察しが良くて助かるよ」
苦笑したエースに、直美も微笑み返す。
直美の依頼に応えるべく、エースは頭を巡らせた。
「そうは言っても、この街にろくな仕事なんて……。あ」
『なっんっでっウチなんだよ!!』
直美がエースに連れてこられたのは、【feast bar】という酒場だった。
西部劇に出てきそうな古めかしい酒場で、店主は中国系アメリカ人だった。
『頼むよリーさん! 酒場だったら、多少言葉が不自由でも、酒を運んだり洗い物をするくらい出来るだろ?』
『それにしたって、なんだってわざわざ厄介ごとを引き受けなきゃならないんだ!』
喚きたてるリーに、言葉がわかっていないとは思いつつ、エースは直美に聞こえないよう声を潜めた。
『ここなら中立地帯だから、特定の勢力に彼女を引き込まれることもないし、俺達も顔を出しやすい。それに、リーさんだって悪いばっかりじゃないだろ。彼女は自分の身を守ることにかけては天下一品だ。どんなドンパチが起きても死なない従業員が、一人くらい居たっていいんじゃないか? いつだって人手は足りてないだろ』
『それはそうだが……』
エースはあの日目撃した直美の能力を、ローズにもレオにも伝えていた。それも込みで、ウィード探偵事務所に置いておくわけにはいかない、という結論になったのだ。
彼女はいとも容易く【能力者】と言ったが、果たしてそれが公言していい情報なのかどうかも、エースにはわからなかった。深く聞いても良い事柄なのかどうかも。
ただ、彼女が武器も持たずにこのロックレオンを平然と歩ける理由はわかった。薬だの催眠だのの搦手を使う輩ならともかく、この街の大半を占める瞬間沸騰で手が出るチンピラ相手なら無敵と言っていい。
故に、そんな彼女が特定の組織に属することは、避けた方がいいと判断した。
ウィード探偵事務所は、このロックレオンにおいてそれなりに顔がきく。そこが超能力者を有したなどという情報が流れれば、街の均衡が崩れる可能性がある。
ここfeast barは、あらゆる勢力が睨みをきかせる街での中立地帯と言えた。酒場とは、情報交換の場でもある。そんな場所が特定の勢力に肩入れするとなると、情報の価値が失せる。
なのでこの場所では、争いはご法度なのである。本来は。
勢力争いはともかく、ゴロツキだらけの街で、争うななどというルールを律儀に守る者などいるわけがない。
だからこの店はしょっちゅう破壊されているし、従業員はしょっちゅう辞めている。人生ごと辞めるはめになった者もいる。実質店主のリーが一人で切り盛りしていると言えた。
しかしここは酒場。酒を出すのも、つまみを作るのも、人手がいる。更に二階は宿になっている。主な使用用途は娼婦を連れ込むための部屋だが、それにも管理の目がいる。人手があって困ることはなかった。
リーが納得しかけているのを見て、エースは思い出したように条件を付け加えた。
『それと、住むところもないから、上の部屋を一つ彼女に貸して欲しいんだ』
『厚かましいな!?』
『でも彼女が住むってことは、この店を守ってもらえるだろ? ……ある程度は』
荒くれ者が集う酒場の店主ではあるが、リーはどちらかというと荒事に強いタイプではない。逃げ足は速いが。
店を破壊されても、修繕費など払う連中ではない。リーはいつも泣き寝入り状態である。
『まぁ……そうだな。噂の天使が働いてくれるってんなら、多少は抑止力にもなるだろ。いいぜ、請け負うさ』
『ありがとう、リーさん』
交渉が成立したことで、エースが直美に結果を説明する。
住居と仕事が一挙に得られたことに、直美はぱっと顔を輝かせた。
「よろしくお願いします、リーさん!」
『おう、よろしく。不便だから言葉はおいおいなんとかしてくれ』
握手を求めた直美に、リーが応じる。
雰囲気だけは感じ取ったが、何と言われたのかわからなかった直美は、笑顔で誤魔化した。
こうして直美は、feast barのウエイトレスとなった。
ちなみに制服は、リーの趣味でミニスカメイドとなった。直美は嫌がったが、英語でうまく意思が伝えられないことを逆手に取られ、そのまま押し切られた。
新しく入った若い女に、酒場に来る輩達は当然のように絡んだ。しかし、誰も直美に触れることすらできなかった。中には怒って暴力を振るおうとしたり、発砲する者すらいたが、それらは全て本人に返った。誰も直美に勝てないため、いつしか酒場に来る者で、彼女に逆らう者はほとんどいなくなった。
酒場の看板娘である直美は、ある渾名で呼ばれていた。それは酒場で働き始める前から、一部では囁かれていた。
皮肉も込められたその名は【純白の天使】。真っ白な服を着ていても、傷一つ負わず、返り血を浴びることすらないまま相手を敗北させる様子からつけられた。
幸か不幸か、本人はそんな中二病みたいな名前で呼ばれていることを知らずにいる。
「や、直美さん。調子はどうだ?」
「エースさん!」
様子を見に酒場を訪れたエースに、直美は見るからにぱっと顔を明るくした。
仕事中だから、とうずうずする直美を見兼ねて、リーが休憩の許可を出す。直美はエースの酒を出すと、自分もグラスを持ってカウンター席の隣に腰掛けた。
「随分評判になってるな」
「え、それどういう評判なんですか……?」
「なんだ、聞いてないのか?」
怖々と問いかけた直美は、ちびりとグラスの酒を飲んだ。
「たまに【Angel】って呼びかけられるんですけど……謎なので放置してます」
「相変わらず、ヒアリングは苦手か?」
「もう全然です……! こういう場所で働けば、否が応にも英語が身につくと思ってましたが……。そういうわけにはいかないんですね……」
げっそりとした直美に、エースも困ったように頭を掻いた。
確かに英語が苦手な日本人は多く、留学したからと言ってそう簡単に身につくものでもない。
「直美さんは、どうにも英語に対する苦手意識が強いからなぁ……。まぁ、ここに来るような奴はスラングばっかり喋ってたりするから、必ずしも君の問題じゃないんだけど」
訛りが酷かったり、普通使わないような単語を使ったりもするため、一概に英語力が低いせいだとも言い切れない。それにしても、直美の英語力は低い。
本人もそれはわかっているようで、ごつりとカウンターに額を打ちつけた。
「うー……。そうだ、エースさん。また英語を教えてもらえませんか?」
「俺が?」
「勿論、お時間のある時だけで構いません。授業料もお支払いしますから、どうですか?」
「いいよ。君と話すのは、俺にとってもいい気分転換になるしね」
「やった! ありがとうございます」
屈託のない笑顔を浮かべる直美に、思わずエースも顔が綻ぶ。この街で、こんな無邪気な笑顔が見られることはなかなかない。
けれど、エースは知っている。彼女もまた、純真無垢なだけの女性ではないということを。
授業料を払うと言った、その金の出所が、綺麗なものではないということも。
直美の噂は知れ渡っているが、ちょっかいをかける者はゼロではない。
故に、今も彼女は【慰謝料】とやらをたまに徴収している。
勿論酒場での給料もあるだろうが、それだけでは生活がぎりぎりだろう。
自分に降りかかる火の粉を払うこと。それによって、相手が死に至っても割り切れること。損得勘定ができること。
彼女の振る舞いからは、修羅場を潜ってきた猛者の気配がする。
いつしか自分が彼女の信頼を十二分に得られたのなら、その時は全てを知ることができるだろうか。
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