神様のヒントでキャラメイク大成功!魔法も生産も頑張ります!

まるぽろ

文字の大きさ
56 / 86
第四章:諸国漫遊Ⅱ

はぐれダンジョンとルース

しおりを挟む
 スミスとルースが参入したグレゴリー一行は、ルースの足に合わせつつも深い森を足早に進み、ダンジョンの入り口へと辿り着いていた。

 なお、入り口付近はアベルの密偵が見張っていたが、近付いて来たのがグレゴリー達であったため、気配を消したまま見張りを続けている。

 シドだけは彼らの存在になんとなく気付いていたが、グレゴリー達は全く気にすることなくダンジョン前で野営の準備を始めた。目立たない場所であり、浅いとはいえ魔の森内部にあるため、火を使わずに簡易な食事をとろうとした時、ルースが収納袋からごそごそと何かを取り出す。

「フゴゴッ」(これにするか)

 ルースが取り出したのは、暴龍の森で狩った猪(生)とパン、塩を効かせた保存用の生ハムであった。ルースはナイフを使い、手慣れた様子で生ハムを薄めに切り、切り目を入れたパンに挟む。そして、血抜きすらしていない猪にかぶりつき、しかめ面をしながらほとんど噛まずに飲み込んだ。それから、生ハムサンドを少しかじり、味わうようによく咀嚼してフゴフゴと幸せそうに鼻を鳴らす。

「こいつは、間違いなくあいつの従魔だな」

 すっかり朔に感化されているルースの様子に、ギルバートとシドは苦笑しながら頷くのであった。



 翌日、グレゴリー達はダンジョンへと入り調査を開始した。道中ほとんど魔物に遭遇することもなく、数日もかからずにダンジョンの10階層へとたどり着く。しかし、彼らが扉を開けて中に入ると、本来中ボスがいるはずの場所では、アベルの私兵達が這いつくばって何かを探していた。

 ギルバートは中へと入り、兵士たちに声をかける。

「お前ら何やってんだ?」
「ん? これは、グレゴリー様、ギルバート様、シド様、スミス様に……オーク?」

 兵士の一人が立ち上がり、敬礼してから返事をしたが、ルースを見て一瞬だけ不思議そうな顔をした。

「こいつのことは気にするな。で、何をやってるんだ?」
「は! 地下へとおりる階段を探しております!」
「はあ? 階段がないのか?」
「はい! 2週間ほどダンジョン内部をくまなく探しましたが、怪しいところはありません! 7人で一斉に入ると呪いが発動するため、ダンジョンであることに間違いはないのですが……」

 兵士の説明で何かを思い出したギルバートがグレゴリーたちの方を見て小さな声で呟く。

「……ここもはぐれか」
「そうみたいだな」
「そうでやすね」

 グレゴリーとシドはギルバート同様思い当たるふしがあり、ギルバートに同意するように頷いた。しかし、スミスは理解しておらず、皆に尋ねる。

「あれとはなんなのですか?」
「スミスはSランクなのに、なんで知らねえんだよ……通称『はぐれ』、大陸中にいくつか存在する10階層しかないダンジョンだ。はぐれに共通するのが、ダンジョンコアは見当らないのに、低ランクの魔物が発生すること。そして、噂だ」

 ギルバートはやや呆れたようにスミスに説明し、スミスは言い訳をしながら、さらに説明を求める。

「私は戦闘時の壁役や雑務等、肉体を使うことが主な仕事で、頭を使うのは妻の役割でしたから。それで噂とは?」
「はあ……見慣れない装備を身に着けた奴らが入っていった、出てきたって噂だ。真偽はわからんがな」

 スミスの言い訳を聞いたギルバートは、盛大にため息をついてから説明した。説明は終わりだと言うかのようにスミスからルースへと視線を移し、収納袋から何かを取り出してルースの手の上に置いた。

「ルース、これを食え」
「フゴッ?」(なんだ?)
「スミス、通訳。ルース、Eランクの魔石とでかいのがDランクの魔石だ。ここで進化して、このダンジョンより奥の森で修業しな。街に用事があるときは、ここには誰かいるからここの奴らにどうにかしてもらえ」 
「だからお前は何を勝手に──」

 グレゴリーが口を挟もうとするが、ギルバートは真剣な口調で理由を話す。

「次、いつ魔の森が氾濫するかわからん。そん時、ルースのランクが上がってたら強力な味方になる。それに低ランクの魔石の価値が上がって、出稼ぎの冒険者が増えてるから全員を把握できてねえだろ? 暴龍の森にいるとルースが襲われる可能性が高く、高確率で襲った奴が負ける。そうなると討伐するのは誰だ? 悪いが、俺は御免だ」
「あっしも賛成ですぜ。ルースは他の従魔とは違うでやす。勘でやすが、ランクが上がってもきっと大丈夫ですぜ。ルースと戦うのは、あっしもお断りですぜ」
「私も賛成です! ルースが身を守る以外で人に牙を向けるとは思えません!」
「ったく、お前らは……でもまあ、そうだな。わかった。アベルには俺から話をしておく。それよりギル、お前俺よりギルマスに向いてんじゃねえか?」
「そんな肩書いらねえよ」

 ギルバートは会話を終わらせると、スミスに通訳、シドに鑑定でレベルを確認させながら、一つずつルースにEランクの魔石を食べさせた。そして、Eランクの最大レベルになったルースにDランクの魔石を食べさせると、ルースはシンやリトと同じように深い眠りについたのであった。


 ルースが目を覚ましたとき、彼のステータスは次のように変化していた。

Name:ルース
species:オークソルジャー←up!
Lv:1←down!
rank:D←up!
主君:リト

ステータス←up!
HP:1976+115(128)
MP:126+34(8)
STR:223+8(6)
VIT:256+8(7)
AGL:129+7(4)
DEX:118+4(4)
INT:127+5(4)
MAT:83+2(3)
MDF:88+6(3)

Talent:

Skill:身体強化Ⅱ、斧術Ⅲ←up!、格闘術Ⅱ、忍耐Ⅳ、手話Ⅱ←new!、突進Ⅰ←new!、悪食Ⅰ←new!、気配察知Ⅱ←new!、嗅覚強化Ⅰ←new!、咆哮Ⅰ←new!

──なお、ルースは王都での修行中に斧術Ⅱ、手話Ⅱ、突進Ⅰを習得していたため、今回ポイントを使用したのは、ステータスの才能値に9、斧術に20、悪食に5、気配察知に15、嗅覚強化に5、咆哮に5の計59。


 その後、ルースは魔の森のさらに奥へと向かい、グレゴリー達はスタットへの道を戻っていった。しかし、森の奥へと進んでいたルースがふと足を止める。

「フゴッ!」(あっ!)

 ルースはあわてた様子で収納袋からある物を取り出し、口に入れてガリガリと噛み砕いて呑み込んだ。

「フゴッ♪」(よし♪)

 ルースが呑み込んだものは、朔からEランクのレベルが最大になったら食べるようにと渡されていたDランクの魔石であった。当然、彼のレベルは一気に上昇する。

 体全体が熱くなり、力が漲るのを感じた彼は、フゴフゴと鼻を鳴らしながら再び歩き始めた。



※後書き※
 ルースの話はこれで一旦終了し、次回はラッキーフラワーの話です。遅くとも水曜日には投稿します。
 朔がバステトのために作ったものが出てきます。
しおりを挟む
感想 231

あなたにおすすめの小説

異世界召喚された俺の料理が美味すぎて魔王軍が侵略やめた件

さかーん
ファンタジー
魔王様、世界征服より晩ご飯ですよ! 食品メーカー勤務の平凡な社会人・橘陽人(たちばな はると)は、ある日突然異世界に召喚されてしまった。剣も魔法もない陽人が頼れるのは唯一の特技――料理の腕だけ。 侵略の真っ最中だった魔王ゼファーとその部下たちに、試しに料理を振る舞ったところ、まさかの大絶賛。 「なにこれ美味い!」「もう戦争どころじゃない!」 気づけば魔王軍は侵略作戦を完全放棄。陽人の料理に夢中になり、次々と餌付けされてしまった。 いつの間にか『魔王専属料理人』として雇われてしまった陽人は、料理の腕一本で人間世界と魔族の架け橋となってしまう――。 料理と異世界が織りなす、ほのぼのグルメ・ファンタジー開幕!

おっさん武闘家、幼女の教え子達と十年後に再会、実はそれぞれ炎・氷・雷の精霊の王女だった彼女達に言い寄られつつ世界を救い英雄になってしまう

お餅ミトコンドリア
ファンタジー
 パーチ、三十五歳。五歳の時から三十年間修行してきた武闘家。  だが、全くの無名。  彼は、とある村で武闘家の道場を経営しており、〝拳を使った戦い方〟を弟子たちに教えている。  若い時には「冒険者になって、有名になるんだ!」などと大きな夢を持っていたものだが、自分の道場に来る若者たちが全員〝天才〟で、自分との才能の差を感じて、もう諦めてしまった。  弟子たちとの、のんびりとした穏やかな日々。  独身の彼は、そんな彼ら彼女らのことを〝家族〟のように感じており、「こんな毎日も悪くない」と思っていた。  が、ある日。 「お久しぶりです、師匠!」  絶世の美少女が家を訪れた。  彼女は、十年前に、他の二人の幼い少女と一緒に山の中で獣(とパーチは思い込んでいるが、実はモンスター)に襲われていたところをパーチが助けて、その場で数時間ほど稽古をつけて、自分たちだけで戦える力をつけさせた、という女の子だった。 「私は今、アイスブラット王国の〝守護精霊〟をやっていまして」  精霊を自称する彼女は、「ちょ、ちょっと待ってくれ」と混乱するパーチに構わず、ニッコリ笑いながら畳み掛ける。 「そこで師匠には、私たちと一緒に〝魔王〟を倒して欲しいんです!」  これは、〝弟子たちがあっと言う間に強くなるのは、師匠である自分の特殊な力ゆえ〟であることに気付かず、〝実は最強の実力を持っている〟ことにも全く気付いていない男が、〝実は精霊だった美少女たち〟と再会し、言い寄られ、弟子たちに愛され、弟子以外の者たちからも尊敬され、世界を救って英雄になってしまう物語。 (※第18回ファンタジー小説大賞に参加しています。 もし宜しければ【お気に入り登録】で応援して頂けましたら嬉しいです! 何卒宜しくお願いいたします!)

うちの孫知りませんか?! 召喚された孫を追いかけ異世界転移。ばぁばとじぃじと探偵さんのスローライフ。

かの
ファンタジー
 孫の雷人(14歳)からテレパシーを受け取った光江(ばぁば64歳)。誘拐されたと思っていた雷人は異世界に召喚されていた。康夫(じぃじ66歳)と柏木(探偵534歳)⁈ をお供に従え、異世界へ転移。料理自慢のばぁばのスキルは胃袋を掴む事だけ。そしてじぃじのスキルは有り余る財力だけ。そんなばぁばとじぃじが、異世界で繰り広げるほのぼのスローライフ。  ばぁばとじぃじは無事異世界で孫の雷人に会えるのか⁈

異世界でのんびり暮らしてみることにしました

松石 愛弓
ファンタジー
アラサーの社畜OL 湊 瑠香(みなと るか)は、過労で倒れている時に、露店で買った怪しげな花に導かれ異世界に。忙しく辛かった過去を忘れ、異世界でのんびり楽しく暮らしてみることに。優しい人々や可愛い生物との出会い、不思議な植物、コメディ風に突っ込んだり突っ込まれたり。徐々にコメディ路線になっていく予定です。お話の展開など納得のいかないところがあるかもしれませんが、書くことが未熟者の作者ゆえ見逃していただけると助かります。他サイトにも投稿しています。 https://www.alphapolis.co.jp/novel/793391534/466596284/episode/5320962 https://www.alphapolis.co.jp/novel/793391534/84576624/episode/5093144 https://www.alphapolis.co.jp/novel/793391534/786307039/episode/2285646

『異世界ごはん、はじめました!』 ~料理研究家は転生先でも胃袋から世界を救う~

チャチャ
ファンタジー
味のない異世界に転生したのは、料理研究家の 私!? 魔法効果つきの“ごはん”で人を癒やし、王子を 虜に、ついには王宮キッチンまで! 心と身体を温める“スキル付き料理が、世界を 変えていく-- 美味しい笑顔があふれる、異世界グルメファン タジー!

辺境伯家次男は転生チートライフを楽しみたい

ベルピー
ファンタジー
☆8月23日単行本販売☆ 気づいたら異世界に転生していたミツヤ。ファンタジーの世界は小説でよく読んでいたのでお手のもの。 チートを使って楽しみつくすミツヤあらためクリフ・ボールド。ざまぁあり、ハーレムありの王道異世界冒険記です。 第一章 テンプレの異世界転生 第二章 高等学校入学編 チート&ハーレムの準備はできた!? 第三章 高等学校編 さあチート&ハーレムのはじまりだ! 第四章 魔族襲来!?王国を守れ 第五章 勇者の称号とは~勇者は不幸の塊!? 第六章 聖国へ ~ 聖女をたすけよ ~ 第七章 帝国へ~ 史上最恐のダンジョンを攻略せよ~ 第八章 クリフ一家と領地改革!? 第九章 魔国へ〜魔族大決戦!? 第十章 自分探しと家族サービス

料理スキルで完璧な料理が作れるようになったから、異世界を満喫します

黒木 楓
恋愛
 隣の部屋の住人というだけで、女子高生2人が行った異世界転移の儀式に私、アカネは巻き込まれてしまう。  どうやら儀式は成功したみたいで、女子高生2人は聖女や賢者といったスキルを手に入れたらしい。  巻き込まれた私のスキルは「料理」スキルだけど、それは手順を省略して完璧な料理が作れる凄いスキルだった。  転生者で1人だけ立場が悪かった私は、こき使われることを恐れてスキルの力を隠しながら過ごしていた。  そうしていたら「お前は不要だ」と言われて城から追い出されたけど――こうなったらもう、異世界を満喫するしかないでしょう。

バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します

namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。 マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。 その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。 「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。 しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。 「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」 公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。 前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。 これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。