雨に天国、晴に地獄

月夜猫

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第十話

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……帰りたい。
切実に帰りたい。
わたしは、どうしたらいいのかわからな過ぎて途方に暮れていた。
だれか、解決策がわかるなら教えてほしい。

ていうか、コレ、どうするの……?
昊が見えてるんだけど……?
直せるんだろうけど、どうすんだろう……?

「あのー……」
「しおり様。どうかなさいましたか?」
「あん?」
「「どうしたのー?」」
「いまさらですが、どちら様でしょう……?」
自己紹介以前にいろいろもうおこっちゃってるけど……。
「そういや、そうだな」
「そうですね」
「私はねーうりっていうのー!」
「私はねーまりっていうのー!」
なるほど。白い着物の子がうり、赤い着物の子がまり、か。
たぶん、覚えた。
正直なところ、ひとの名前覚えるの苦手なんだよねえ、わたし。
「俺はコウキ、よろしくな!」
コウキさんはさっき、昌祁しょうきさんに呼ばれてたから知ってる。
「わたしは、雨宮しおりといいます。えーと、よろしくお願いします?」
ふと、思った。
このひとたちとこれからよろしくするのかな……?
そう思った結果が最後についてしまった疑問符の正体なのだった。
「なんで最後疑問形にしたんだよ……」
「いやーだって…これから先お世話になるかわかりませんし……」
「ひどくね?!」
うん。いわれてみれば確かに……いや、言われてみなくてもひどいこと言ってたな、わたし。
「しおり様、このバカたちと関わる必要はありません」
まじですか。
昌祁しょうきもひどくね?!」
うん。ひどいと思う。
わたし、人のこといえないんだけど……。
「あなた方が関わるとなぜか簡単だったはずのことがなぜか、なーぜーか、面倒くさいことになるんですよ……!」
なんか、すごい色々こもってる気が……。
アレかな……?
さっきみたいなことがしょっちゅうおこってるのかな……?
そういえば双子の声がしない?

え?!
もういない?!
いついなくなったの?!
「あの、双子……うりさんとまりさんはどこいったんでしょうか?」
「「え」」
昌祁しょうきさんとコウキさんも今気が付いたらしく困惑…というか固まっている。
「「まずい……」」
いったい……?
「あーうん。やべーな昌祁しょうき。お疲れ様」
コウキさんがぽんっと昌祁しょうきさんの肩にてを置いた。
慰めてる……?
「コウキっ!あなた他人事ひとごとだと思って……!」
「実際他人事だしな!」
あっはっは

そう笑うコウキさんににっこり笑った昌祁しょうきさんがいった。いや、宣言した。
「こうなったら、コウキ、あなたも全力で巻き込みますからね?」
「え”」




____
ごめんなさい。間に合いませんでした。
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