世界図書館のラウ・ツェーイ

第１章

7.黒い悪夢

黒い悪夢。
リス・リス・リスはかつてそう呼ばれていた。
ある国の飼う暗部の人間の一人だったからでもあるし、黒髪に黒い目を持つリスは余りよく思われていなかったせいでもある。３０人の中でも珍しい経歴の持ち主だった。
その経歴のおかげで一番移動魔法がうまいのだ。

──ところ変わって森の中、くまさんにライたちは出会っていたかけらもうれしくない森のくまさんと遭遇していた。
森のくまさんの攻撃をよけながら、森の外を目指して走っていた。
ドンっ！
爆発のようなものが近くで起こって、ライたちは、宙を舞い森の外へと飛ばされた。
ライがとっさの判断で全員に風をまとわせたため、怪我人は出なかった。
「死人出なくてよかったあ。爆発って物騒だな、おい。原因は何なんだろう？なんかこころあたり、あったような」



「──っ殿下っ！御無事でしたかっ！」
「なにがあったのですかっ」
音におどろいて私たちを捜索していたであろう教師がこちらに気が付いたようで教師たちがさけぶようにいう。
王子が行方不明とあって、早期にそうさくにのり出していたのだろう。次にと教師かいでてくる。
「すまないね。少々もんだいが起こってしまってね」
ところで、思い出したんだが、さきほどの爆発では、知っている魔力の気配がした。知っているのは確実なんだがよく思い出せない。
いったい誰のしわざだろうか。王子の襲撃といい、ぶっそうなことだ。
しかし、さっきの爆発は王子をねらったものではなさそうだ。すくなくとも襲撃の犯人とは別物のはずだ。
どこのどいつがやらかしやがったのだろうか。
そいつのことどうしてくれよう。
私は、普通にいきていきたいだけだというのに。
あーっもう……森の爆発の原因をさがすのがさきだろう。
「ひっさしぶり～──ラウさん」
「っ！」
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