ケットシーな僕とはじまりの精霊

結月彩夜

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第2章

14.

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 奥へ奥へと歩いていくと僕らの目の前にそれは現れた。
 それは、ものすんごい大きな骸骨だった。
 なんていうのだろう・・・。
 なんかこう、しっているような・・・?
 僕の記憶に引っ掛かった。
 ・・・餓者髑髏・・・?
 わあ。異世界って餓者髑髏いるんだあ・・・。(遠い目)
 ていうか、どうするのがいいんだろう…?
 ねえ。大きくない…?大きすぎない…!?
 まさか、オズはこれを僕1人にやらせるつもりじゃないよね…?
 そんな気持ちを込めてオズを見るとニッコリと微笑まれた。
 つまり、オズはこれを僕1人にやらせるつもりなのだ…。
 この、骸骨どうしたら倒せるのかな…。
 あれかな。アンテッド倒す感覚でやればいいのかな?
 そうしたら、倒されてくれるかな?…倒されてくれるとものすんごくうれしいなあ。

 僕は1人、無造作に骸骨に近づいて行く。
「「アスッ!?」」
 ウールストとヴィンジットの焦るような叫びがきこえた。

 僕が、骸骨に近づいて行くと骸骨もこちらをいや、それは骸骨なのだから、と言うには語弊があるだろう。本来、目があるはずの空洞をこちらに向けてきたのだ。
 最も近く、骸骨のその行動を表すならばそれはなのだ。
 そして骸骨は、大きな手を振り下ろした。
「よっと。」
 僕は軽く右にずれてその手を躱した。
「──凍れ」
 僕は骸骨の足元を凍らせて骸骨が動けないようにした。
「───終焉の───。」
 終焉それは最期おわりのこと。命の終わりを指す言葉。
これは世界のルールなのだとオズは、この魔法を教えてくれた時に言っていた。

『──ほぼ全ての詠唱は、無詠唱にすることが出来ます。ですが、出来ないものもまたあるのです。世界の決まり事ルールなのです。消して変えられないものなのです。』
『──この終焉の祝福をってのもそのひとつなの?ていうか!どうして祝福なんだろう?』
『──ええ。この詠唱は決まり事なのです。あとは…。アスにはことを理解してほしくはないのですが…。』
そうですねえ…
『あまりにも長く生きていると、疲れてしまうのですよ。なのだから祝福と呼ばれるのです。』
そのときのオズはなんだかひどく寂しそうだったのを良く覚えている。


骸骨の周囲がぶわりと光に包まれる。
「──祝福をっ!」






________________________________________
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