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始まり
行きたくない!
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私、春園はるぞの 凛花りんかは自分の部屋で篭城中だ。
この世界には魔法使いがいる。魔法使いは魔法因子と呼ばれる特殊な因子を使い、常識では考えられないことができる、らしい。会ったことも見たこともないから知らないけれど、何もないところから炎や水を出せたり、傷を治せたり、自然を操ったりできるらしい。つまり人間と同じ姿をしているけど、厳密には人間ではない人たちだ。
人間から100万人に1人の確率で生まれる魔法使いは、生まれてすぐの魔法因子測定で適性があると判断されたら、魔法使いが集まって暮らす、どこにあるかは誰も知らないイルドという場所に預けられる。
イルドに入ると、自分の意思では外に出られず、一生、人間のために生きるらしい。社会科でそう習ったから、そうなのだろう。もっと真面目に授業を聞いておけばよかった。
私は魔法使いなんて、遠い遠い別世界の話だと思っていた。なのに、中学卒業の適性検査で魔法因子が測定され、弁解する余地もなく魔法使いに認定され、イルドに行くことになってしまった。
だから私は部屋に閉じこもり、ベッドの上で布団を被って篭城中だ。外からお父さんやお母さんの声が聞こえるけど、出るつもりはない。外に止まっている、黒く高そうな車がどこかに行くまでは。
「凛花、出ておいで! もしかした魔法因子は誤診かも知れないだろ? それを証明するためにも、イルドに行くしかないんだよ!」
お父さんはドアを叩きながら、そう言った。魔法使いが生まれた家庭には、莫大なお金が入る。それに、もし私が本当に魔法使いなら一般社会で生きていけないと二人は思っているのだ。
検査の日、泣きながら帰った私を二人は慰めてくれた。だけど私が眠ったあと、二人はお酒を飲みながら、そう言っていたから知っている。
「凛花、お父さんもお母さんもあなたのために言っているのよ!」
「凛花さーん、出てきてください!」
お役所の人も一緒になって、私を呼ぶ。誰が出て行くもんですか! 扉の前には小さなタンスやイスを置いて、開けられないようにしているし、私の城は安全だ。
やけに大きな溜息が聞こえるまで、わたしはそう思っていた。
「皆さん、どいてください」
柔らかい口調だが、氷のような冷たさをもった声に、私の体はビクンと跳ねた。
私は昔から危ないことがすぐにわかった。例えば下校のときに、この道は危ないなと思って別の道を通って帰ったら、その道で大きな事故が起こっていた。もし道を変えなかったら、私は大怪我をしていただろう。
今、そのときに感じた感覚が私を襲った。私はベッドから跳ね起きると、逃走用に準備したカバンをもって扉の反対側にある窓へ向かった。
そして窓を乗り越えたとき、タンスとイスが、というか扉がぶっ飛んだ!
「ひいぃ! ヤバイやつだ、これ!」
扉があったところには、長身痩躯のかっちりとした黒スーツを着た男性がいた。
「春園 凛花、そろそろ諦めてイルドに来い。こっちもヒマじゃないんだ」
彼は嫌味なぐらいかっこいい声でそう言いながら、部屋に入ってきた。黒髪黒目、標準的な日本人らしい色をもった彼は、遠くから見ても、ものすごいイケメンで、普通の人間、いや芸能人かな、とりあえず普通の人に見える。しかし私の感覚は、彼が魔法使いだと認定した。
だから私は窓の近くにある木に飛び移った。子供のころに何度かこうして遊んだから、別に怖くはなかった。そして大急ぎで木を伝って、地面に降りようとする。
「あっ、こら! 猿か、お前は!」
「ふっふっふ、逃走経路は準備済みなんだな! やっぱり私って頭いい!」
地面の近くまで降りた私は、あとはジャンプしようと木から手を離し、飛び降りた。
「ふふ、可愛い子猫ちゃんを捕まえちゃった」
だけど足が地面に着く前に、抱きしめられてしまった。あまりのキザなセリフにいったいどんな人がいったのか見ようとして、抵抗しながらも勢いよく後ろを振り返る。
……思わず目を閉じてしまった。それぐらいキラキラしたハンサムがいた。ウェーブのかかった肩までの金髪に、少しタレ目の青い瞳、優男っぽい顔つきだけど、私を抱っこできるほどの筋力をもったタラシっぽいハンサム。キラキラハンサムとか、もうズルじゃん、と言いたくなった。
私は前を向き、抵抗をやめた。体から力を抜き、諦めたように見せる。
「あれ、大人しくなっちゃった。まあ、仕事が少なくてすんでよかったよ。さあ、イルドに帰ろうか」
ふふ、バカめ! これも策略の内だ!
思いっきり反動をつけて、首を下げ、上げる。ハンサムな顔に後頭部をぶつけるのは悪い気がしたけど、仕方ないよね!
「おわっ!」
しかし私の頭がキラキラハンサムの顔に当たることはなかった。キラキラしたハンサムはギリギリのところで顔を手でガードしたのだ。計画は失敗したけど自由になった私は、ダッシュで逃げた。
様々な路地裏を通って、追っ手を巻いてから走った。走って、走って、駅へと続く大通りまで、あと少し。
「さよなら、皆さん! 春園 凛花は別の場所で幸せになりま、ぐあぅ!」
しかし服の後ろ襟を掴まれて、大通りに出ることはできなかった。陸上部で鍛えた足には自慢があったのに、捕まってしまった!
ぜぇはぁ、という荒い呼吸が耳元で聞こえる。誰だと後ろを振り向くと、私の部屋を壊したイケメンが汗だくで、私の襟首を掴んでいた。賢そうなイケメンのくせして、私に追いつく体力はあったみたいだ。
そのイケメンは近くで見ると、想像よりずっとイケメンな顔をしていた。キメ細かそうだけど少し焼けた肌に、黒だと思ったけど本当はすみれ色の切れ長の瞳、通った鼻筋、セクシーな薄い唇、しゅっとした顎に、もうとにかく神様が美しく創造したような人だ。こんな彫刻あるのでは、と少し考えた。つまり、神イケメンだ。
「手間、かけ、させん、な」
息も絶え絶えに神イケメンはそう言った。つまり彼は疲労困憊状態、私はまだ走れる、なら勝てる!
「はーい、おいたはもうダメだよ、子猫ちゃん」
しかしいつの間にかに、私の前にキラキラハンサムが立っていた。
「ハルトくんも魔法を使えばよかったのに。律儀に走って追いかけるから、そんなになるんだよ」
やっぱりキラキラハンサムも魔法使いだったか! どうやって逃げるか考えるけど、時間が足らなかった。
キラキラハンサムは何もないところに、胸元から取り出した鍵を差し込む。すると扉が現れた。
あの扉はヤバイやつだ! 私は精一杯、ない頭を働かせて、言い訳を考えた。
「……あの、多分、私は魔法使いじゃないんで、あのう、えっと困ります。ほら誤診ってやつですよ、ねっ」
キラキラハンサムはものすごい、いい笑顔を浮かべた。やった、これは見逃してもらえるやつじゃない?
「ごめんねー。それを決めるのは、おれたちじゃないから」
うげっ、ダメだった!
「帰るよ、ハルトくん」
ハルトと呼ばれた神イケメンは、私がキラキラハンサムと話している間に、少しだけ呼吸を整えていた。私を引きずり、扉へ近づく。
「嫌だあ! 絶対、行きたくなあーい!!」
神様は無情だった。私は地面に足を突っ張ったが、頑張りもむなしく、扉を越えてしまった。
「ううっ、絶対に誤診だから! 絶対に証明してやるんだから!」
「はいはい、頑張ってねー」
「そろそろ静かにしろ」
「……はい」
キラキラハンサムの中途半端な慰めが、しゃくにさわったから何かを言おうとしたけど、神イケメンに襟首を絞められそうになったから黙ることにした。
この世界には魔法使いがいる。魔法使いは魔法因子と呼ばれる特殊な因子を使い、常識では考えられないことができる、らしい。会ったことも見たこともないから知らないけれど、何もないところから炎や水を出せたり、傷を治せたり、自然を操ったりできるらしい。つまり人間と同じ姿をしているけど、厳密には人間ではない人たちだ。
人間から100万人に1人の確率で生まれる魔法使いは、生まれてすぐの魔法因子測定で適性があると判断されたら、魔法使いが集まって暮らす、どこにあるかは誰も知らないイルドという場所に預けられる。
イルドに入ると、自分の意思では外に出られず、一生、人間のために生きるらしい。社会科でそう習ったから、そうなのだろう。もっと真面目に授業を聞いておけばよかった。
私は魔法使いなんて、遠い遠い別世界の話だと思っていた。なのに、中学卒業の適性検査で魔法因子が測定され、弁解する余地もなく魔法使いに認定され、イルドに行くことになってしまった。
だから私は部屋に閉じこもり、ベッドの上で布団を被って篭城中だ。外からお父さんやお母さんの声が聞こえるけど、出るつもりはない。外に止まっている、黒く高そうな車がどこかに行くまでは。
「凛花、出ておいで! もしかした魔法因子は誤診かも知れないだろ? それを証明するためにも、イルドに行くしかないんだよ!」
お父さんはドアを叩きながら、そう言った。魔法使いが生まれた家庭には、莫大なお金が入る。それに、もし私が本当に魔法使いなら一般社会で生きていけないと二人は思っているのだ。
検査の日、泣きながら帰った私を二人は慰めてくれた。だけど私が眠ったあと、二人はお酒を飲みながら、そう言っていたから知っている。
「凛花、お父さんもお母さんもあなたのために言っているのよ!」
「凛花さーん、出てきてください!」
お役所の人も一緒になって、私を呼ぶ。誰が出て行くもんですか! 扉の前には小さなタンスやイスを置いて、開けられないようにしているし、私の城は安全だ。
やけに大きな溜息が聞こえるまで、わたしはそう思っていた。
「皆さん、どいてください」
柔らかい口調だが、氷のような冷たさをもった声に、私の体はビクンと跳ねた。
私は昔から危ないことがすぐにわかった。例えば下校のときに、この道は危ないなと思って別の道を通って帰ったら、その道で大きな事故が起こっていた。もし道を変えなかったら、私は大怪我をしていただろう。
今、そのときに感じた感覚が私を襲った。私はベッドから跳ね起きると、逃走用に準備したカバンをもって扉の反対側にある窓へ向かった。
そして窓を乗り越えたとき、タンスとイスが、というか扉がぶっ飛んだ!
「ひいぃ! ヤバイやつだ、これ!」
扉があったところには、長身痩躯のかっちりとした黒スーツを着た男性がいた。
「春園 凛花、そろそろ諦めてイルドに来い。こっちもヒマじゃないんだ」
彼は嫌味なぐらいかっこいい声でそう言いながら、部屋に入ってきた。黒髪黒目、標準的な日本人らしい色をもった彼は、遠くから見ても、ものすごいイケメンで、普通の人間、いや芸能人かな、とりあえず普通の人に見える。しかし私の感覚は、彼が魔法使いだと認定した。
だから私は窓の近くにある木に飛び移った。子供のころに何度かこうして遊んだから、別に怖くはなかった。そして大急ぎで木を伝って、地面に降りようとする。
「あっ、こら! 猿か、お前は!」
「ふっふっふ、逃走経路は準備済みなんだな! やっぱり私って頭いい!」
地面の近くまで降りた私は、あとはジャンプしようと木から手を離し、飛び降りた。
「ふふ、可愛い子猫ちゃんを捕まえちゃった」
だけど足が地面に着く前に、抱きしめられてしまった。あまりのキザなセリフにいったいどんな人がいったのか見ようとして、抵抗しながらも勢いよく後ろを振り返る。
……思わず目を閉じてしまった。それぐらいキラキラしたハンサムがいた。ウェーブのかかった肩までの金髪に、少しタレ目の青い瞳、優男っぽい顔つきだけど、私を抱っこできるほどの筋力をもったタラシっぽいハンサム。キラキラハンサムとか、もうズルじゃん、と言いたくなった。
私は前を向き、抵抗をやめた。体から力を抜き、諦めたように見せる。
「あれ、大人しくなっちゃった。まあ、仕事が少なくてすんでよかったよ。さあ、イルドに帰ろうか」
ふふ、バカめ! これも策略の内だ!
思いっきり反動をつけて、首を下げ、上げる。ハンサムな顔に後頭部をぶつけるのは悪い気がしたけど、仕方ないよね!
「おわっ!」
しかし私の頭がキラキラハンサムの顔に当たることはなかった。キラキラしたハンサムはギリギリのところで顔を手でガードしたのだ。計画は失敗したけど自由になった私は、ダッシュで逃げた。
様々な路地裏を通って、追っ手を巻いてから走った。走って、走って、駅へと続く大通りまで、あと少し。
「さよなら、皆さん! 春園 凛花は別の場所で幸せになりま、ぐあぅ!」
しかし服の後ろ襟を掴まれて、大通りに出ることはできなかった。陸上部で鍛えた足には自慢があったのに、捕まってしまった!
ぜぇはぁ、という荒い呼吸が耳元で聞こえる。誰だと後ろを振り向くと、私の部屋を壊したイケメンが汗だくで、私の襟首を掴んでいた。賢そうなイケメンのくせして、私に追いつく体力はあったみたいだ。
そのイケメンは近くで見ると、想像よりずっとイケメンな顔をしていた。キメ細かそうだけど少し焼けた肌に、黒だと思ったけど本当はすみれ色の切れ長の瞳、通った鼻筋、セクシーな薄い唇、しゅっとした顎に、もうとにかく神様が美しく創造したような人だ。こんな彫刻あるのでは、と少し考えた。つまり、神イケメンだ。
「手間、かけ、させん、な」
息も絶え絶えに神イケメンはそう言った。つまり彼は疲労困憊状態、私はまだ走れる、なら勝てる!
「はーい、おいたはもうダメだよ、子猫ちゃん」
しかしいつの間にかに、私の前にキラキラハンサムが立っていた。
「ハルトくんも魔法を使えばよかったのに。律儀に走って追いかけるから、そんなになるんだよ」
やっぱりキラキラハンサムも魔法使いだったか! どうやって逃げるか考えるけど、時間が足らなかった。
キラキラハンサムは何もないところに、胸元から取り出した鍵を差し込む。すると扉が現れた。
あの扉はヤバイやつだ! 私は精一杯、ない頭を働かせて、言い訳を考えた。
「……あの、多分、私は魔法使いじゃないんで、あのう、えっと困ります。ほら誤診ってやつですよ、ねっ」
キラキラハンサムはものすごい、いい笑顔を浮かべた。やった、これは見逃してもらえるやつじゃない?
「ごめんねー。それを決めるのは、おれたちじゃないから」
うげっ、ダメだった!
「帰るよ、ハルトくん」
ハルトと呼ばれた神イケメンは、私がキラキラハンサムと話している間に、少しだけ呼吸を整えていた。私を引きずり、扉へ近づく。
「嫌だあ! 絶対、行きたくなあーい!!」
神様は無情だった。私は地面に足を突っ張ったが、頑張りもむなしく、扉を越えてしまった。
「ううっ、絶対に誤診だから! 絶対に証明してやるんだから!」
「はいはい、頑張ってねー」
「そろそろ静かにしろ」
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