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第4章 後宮潜入編
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晏寿はこの休暇をほとんどを紅露と過ごした。
紅露に
「明日からは仕事だから」
と伝えると涙ながらの別れをされた。
けれど、
「お兄様のこと、くれぐれもよろしくお願いいたしますね!」
と熱い視線を向けられながら言われたのだった。
久々に王宮にあがり、身の締まる思いである。
大臣の儀円のところに向かう途中で杜補佐と出くわし、声をかけられた。
「ああ、晏寿君。休みはどうだった?」
「杜補佐、お疲れ様です。良い休暇をとれました」
「それはよかった。そうだ、大臣が今回は君だけ違う仕事を用意したみたいだから、君だけ先に行ったらいいよ。
まだ秀英君も景雲君も来てないから」
「わかりました。失礼します」
杜補佐に一礼してその場をあとにする。
そして儀円のもとへと向かった。
儀円のいる部屋の前に立ち、声をかける。
「李大臣、柳 晏寿です。入室してもよろしいでしょうか」
「入れ」
「失礼します」
部屋に入ると沢山の書類に囲まれた儀円が部屋の中心にいた。
まずは休暇の謝辞を述べて、杜補佐に言われたことを尋ねる。
「一週間の休暇をありがとうございました。
先程杜補佐からお聞きしまして、私だけ違う仕事があるとか」
「あー、そうなんだが。今回はお前が女だからという理由での仕事だ。
お前にはあるお方の教育係をしてもらう」
「あるお方、ですか」
いつも横柄な態度の儀円がかしこまった言い方をするので、晏寿はそこに引っかかった。
地位の高い人なのかと、思案する。
儀円は書類から目をはなさずに話し続ける。
「そのお方なんだが…宝 京雅殿下だ」
「京雅殿下?」
この国に住んでいる者なら知らない者はいないというほどの有名人であった。
宝 京雅。
父はこの国の国王であり、次期国王になる人物である。
しかしこの宝 京雅という男、放蕩者である。
政治に全く関心がなく、毎日ふらふらとしていて本当にこの者に継がせていいものかと議題にあがるほどである。
けれど今の王に他に後継ぎはいないので、京雅が第一継承者になっているのだった。
あまりの人物に晏寿は度肝を抜かれた。
「あ、あの、私などがお会いしてもよろしいのでしょうか!?」
「お前も知ってるだろ、あの方の放蕩ぶりは。
それを正してほしいとの国王からの仰せだ。形としては仮の妃として後宮にあがって、後は殿下の教育指導をしてもらう」
「仮の妃…教育指導…そんな大役、私に務まるでしょうか…」
「務まるか、じゃない。やるんだよ」
いつもの儀円節に内心、これも久しぶりだなと感じながらも仕事をする頭に切り替えていた。
「それで具体的にはいつからでしょうか?」
「今日から後宮にあがるための準備だ。
殿下との対面は明日。それからはおいおいやってくれ」
「いつもながら適当ですね」
「俺は実力主義だ。できない奴はいらない」
ここでようやく儀円が晏寿の目を見た。
「お前はできないのか」という試すような視線である。
その目で見られると晏寿は負けたくないという気持ちがふつふつと湧きあがってくる。
「わかりました。やる前にできないと言うのは嫌いなんです。
やりきってみせます」
「上等だ」
すごむ晏寿ににやりと笑う儀円。
乗せられたのはわかっていたが、きっとこの先も敵わないのだろうなと感じる晏寿であった
紅露に
「明日からは仕事だから」
と伝えると涙ながらの別れをされた。
けれど、
「お兄様のこと、くれぐれもよろしくお願いいたしますね!」
と熱い視線を向けられながら言われたのだった。
久々に王宮にあがり、身の締まる思いである。
大臣の儀円のところに向かう途中で杜補佐と出くわし、声をかけられた。
「ああ、晏寿君。休みはどうだった?」
「杜補佐、お疲れ様です。良い休暇をとれました」
「それはよかった。そうだ、大臣が今回は君だけ違う仕事を用意したみたいだから、君だけ先に行ったらいいよ。
まだ秀英君も景雲君も来てないから」
「わかりました。失礼します」
杜補佐に一礼してその場をあとにする。
そして儀円のもとへと向かった。
儀円のいる部屋の前に立ち、声をかける。
「李大臣、柳 晏寿です。入室してもよろしいでしょうか」
「入れ」
「失礼します」
部屋に入ると沢山の書類に囲まれた儀円が部屋の中心にいた。
まずは休暇の謝辞を述べて、杜補佐に言われたことを尋ねる。
「一週間の休暇をありがとうございました。
先程杜補佐からお聞きしまして、私だけ違う仕事があるとか」
「あー、そうなんだが。今回はお前が女だからという理由での仕事だ。
お前にはあるお方の教育係をしてもらう」
「あるお方、ですか」
いつも横柄な態度の儀円がかしこまった言い方をするので、晏寿はそこに引っかかった。
地位の高い人なのかと、思案する。
儀円は書類から目をはなさずに話し続ける。
「そのお方なんだが…宝 京雅殿下だ」
「京雅殿下?」
この国に住んでいる者なら知らない者はいないというほどの有名人であった。
宝 京雅。
父はこの国の国王であり、次期国王になる人物である。
しかしこの宝 京雅という男、放蕩者である。
政治に全く関心がなく、毎日ふらふらとしていて本当にこの者に継がせていいものかと議題にあがるほどである。
けれど今の王に他に後継ぎはいないので、京雅が第一継承者になっているのだった。
あまりの人物に晏寿は度肝を抜かれた。
「あ、あの、私などがお会いしてもよろしいのでしょうか!?」
「お前も知ってるだろ、あの方の放蕩ぶりは。
それを正してほしいとの国王からの仰せだ。形としては仮の妃として後宮にあがって、後は殿下の教育指導をしてもらう」
「仮の妃…教育指導…そんな大役、私に務まるでしょうか…」
「務まるか、じゃない。やるんだよ」
いつもの儀円節に内心、これも久しぶりだなと感じながらも仕事をする頭に切り替えていた。
「それで具体的にはいつからでしょうか?」
「今日から後宮にあがるための準備だ。
殿下との対面は明日。それからはおいおいやってくれ」
「いつもながら適当ですね」
「俺は実力主義だ。できない奴はいらない」
ここでようやく儀円が晏寿の目を見た。
「お前はできないのか」という試すような視線である。
その目で見られると晏寿は負けたくないという気持ちがふつふつと湧きあがってくる。
「わかりました。やる前にできないと言うのは嫌いなんです。
やりきってみせます」
「上等だ」
すごむ晏寿ににやりと笑う儀円。
乗せられたのはわかっていたが、きっとこの先も敵わないのだろうなと感じる晏寿であった
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