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第4章 後宮潜入編
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三日前。
秀英は用事で実家に戻っていた。
「お兄様お帰りなさいませ!最近お姉様とどうなってますの?」
「開口一番それか?」
近寄ってきたと思えば晏寿との仲を尋ねられたので、妹の言動に呆れてしまう。
「だって私もお姉様にお会いしたいのに、お兄様だけずるいですわ」
「ずるいも何も俺も最近会っていない」
「そうなんですか?」
「あいつとは別の仕事になったからな」
「えぇ~、せめてお兄様からお姉様の話を聞こうと思ってたのに。そんなにお仕事がお忙しいのなら、私も何かお手伝いがしたいです」
秀英は何を言いだすんだとびっくりする。
けれど紅露は本気だったようで、はっと閃いたように秀英を見た。
「そうだわ、お兄様!お兄様が話をつけてくださいませんこと?そしたら私、お姉様のもとでお手伝いができるわ!」
「無理を言うな。俺にそんな権限はない」
「も~、お兄様のケチ!」
そう言って紅露はむくれて走っていってしまった。そんな自分の妹の姿を見ていて、ため息をつく。
そして、嫁ぎ先は大丈夫なのだろうかと勝手な心配をするのだった。
そんな兄の思いも届かず、紅露の行動は早かった。
父に嘆願し、晏寿の場所を突き止めて、見事に宮中へと潜り込んだのだった。
「晏寿お姉様、お久しぶりにございます」
楓茗が別の仕事に行っているので、紅露は普通に晏寿に話しかけた。
「紅露、ごめんね。ここでは私は『安里』なの。誰がどこで聞いてるかわからないから、その名前は呼ばないでほしい」
「あ、そうですよね…申し訳ございません」
咎められ、しゅんとする紅露。晏寿はその姿を見て慌てる。
「そ、それにしてもどうしてここに?」
「どうしても安里様のお手伝いがしたくて、お父様に頼みました」
けろっと答える紅露に晏寿は伯家の威力をまざまざと感じていた。唖然とする晏寿とは対照的に紅露は晏寿と会えたことが嬉しくて、にこにこしていた。
けれど何かに気付いたように眉を下げた。
「安里様は、お兄様ではない殿方の所に嫁がれてしまわれたのですか?」
「そこで秀英が出て来るのはよくわからないけど…」
晏寿は時間を確認してから紅露に話す。
今の時間は京雅は公務だからいきなり部屋には来ないだろう。それでも声を抑えていた。
「ですが、ここは後宮ですから、言わば国王の妃になられたということではないのですか?」
紅露の言うことは正しいし、表向きには晏寿は皇太子妃だ。
しかしそこには裏の事情があり、暗黙の了解で他言無用となっている。
このことをこれ以上広めることは避けたかったが、それでは紅露が納得しないだろうと思い、晏寿は話すことを決めた。
「私の仕事は殿下の妃になって殿下の世話や教育をすることなの。表向きには『皇太子妃』だけど、名前も素性も全く明かしてないわ。ちなみに殿下も知らないことよ」
「そんな大きな話だと思わなかったです…安里様、申し訳ございません。私のわがままで安里様を追いかけてきてしまって…」
「あー、これに関しては紅露も黙っててくれればいい話だから。そんなに追い詰めないで?」
「お姉様、なんてお優しいの…私駄目人間になってしまいますわ!」
「大げさな…」
感情の起伏の激しい紅露に若干の疲れを感じながら、次の文には秀英に紅露のことを書こうと思う晏寿だった。
秀英は用事で実家に戻っていた。
「お兄様お帰りなさいませ!最近お姉様とどうなってますの?」
「開口一番それか?」
近寄ってきたと思えば晏寿との仲を尋ねられたので、妹の言動に呆れてしまう。
「だって私もお姉様にお会いしたいのに、お兄様だけずるいですわ」
「ずるいも何も俺も最近会っていない」
「そうなんですか?」
「あいつとは別の仕事になったからな」
「えぇ~、せめてお兄様からお姉様の話を聞こうと思ってたのに。そんなにお仕事がお忙しいのなら、私も何かお手伝いがしたいです」
秀英は何を言いだすんだとびっくりする。
けれど紅露は本気だったようで、はっと閃いたように秀英を見た。
「そうだわ、お兄様!お兄様が話をつけてくださいませんこと?そしたら私、お姉様のもとでお手伝いができるわ!」
「無理を言うな。俺にそんな権限はない」
「も~、お兄様のケチ!」
そう言って紅露はむくれて走っていってしまった。そんな自分の妹の姿を見ていて、ため息をつく。
そして、嫁ぎ先は大丈夫なのだろうかと勝手な心配をするのだった。
そんな兄の思いも届かず、紅露の行動は早かった。
父に嘆願し、晏寿の場所を突き止めて、見事に宮中へと潜り込んだのだった。
「晏寿お姉様、お久しぶりにございます」
楓茗が別の仕事に行っているので、紅露は普通に晏寿に話しかけた。
「紅露、ごめんね。ここでは私は『安里』なの。誰がどこで聞いてるかわからないから、その名前は呼ばないでほしい」
「あ、そうですよね…申し訳ございません」
咎められ、しゅんとする紅露。晏寿はその姿を見て慌てる。
「そ、それにしてもどうしてここに?」
「どうしても安里様のお手伝いがしたくて、お父様に頼みました」
けろっと答える紅露に晏寿は伯家の威力をまざまざと感じていた。唖然とする晏寿とは対照的に紅露は晏寿と会えたことが嬉しくて、にこにこしていた。
けれど何かに気付いたように眉を下げた。
「安里様は、お兄様ではない殿方の所に嫁がれてしまわれたのですか?」
「そこで秀英が出て来るのはよくわからないけど…」
晏寿は時間を確認してから紅露に話す。
今の時間は京雅は公務だからいきなり部屋には来ないだろう。それでも声を抑えていた。
「ですが、ここは後宮ですから、言わば国王の妃になられたということではないのですか?」
紅露の言うことは正しいし、表向きには晏寿は皇太子妃だ。
しかしそこには裏の事情があり、暗黙の了解で他言無用となっている。
このことをこれ以上広めることは避けたかったが、それでは紅露が納得しないだろうと思い、晏寿は話すことを決めた。
「私の仕事は殿下の妃になって殿下の世話や教育をすることなの。表向きには『皇太子妃』だけど、名前も素性も全く明かしてないわ。ちなみに殿下も知らないことよ」
「そんな大きな話だと思わなかったです…安里様、申し訳ございません。私のわがままで安里様を追いかけてきてしまって…」
「あー、これに関しては紅露も黙っててくれればいい話だから。そんなに追い詰めないで?」
「お姉様、なんてお優しいの…私駄目人間になってしまいますわ!」
「大げさな…」
感情の起伏の激しい紅露に若干の疲れを感じながら、次の文には秀英に紅露のことを書こうと思う晏寿だった。
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