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第8章 無駄な経費削減編
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不満げな鈴に対して、昂全はぽろりとこぼした。
「…若はちやほやする側じゃない。ちやほやされたい側」
「は?」
「…若は構われたくて、人に構ってる」
「…何それ。あなたの言う若君はそうであっても、他の人は違うかもしれないじゃない。苦労を知ってるようで、あの人は実際は苦労を知らないのよ」
思わず出してしまった言葉で鈴を怒らせてしまい、昂全は黙ってしまう。その態度が鈴は気に食わなかったのか、更に突っかかってくる。
「あなたもよ、そんなに口下手でこれからここでやっていくのにどうするの?指示もまともに出せなければここに来た意味ないじゃない。私はあくまで調理の補佐なのよ。
ここを仕切っていくのはあなた。これからあの人がいなくなって回らなければ意味がないんだからね!?」
思っていたことが爆発したのか、顔を真っ赤にして不満をぶちまける鈴。それに対して昂全は特に表情も変えず聞いていた。
黙っていることが今度は癪に障る。
「何か言ったらどうなの!?」
「…俺は上手く話せない」
「だから?」
「だから、組んだ相手がそれだけ話せると助かる」
「…は?」
「不安はそれだけか?」
「ふ、あん?」
「俺は気の利いたことも言えないし、頭も回らない。だが聞くだけならできる。不満や不安があるなら俺に話せばいい」
「…何よ、それ…」
真っ直ぐに鈴に向けられる切れ長の双眼の説得力に、鈴は言葉を無くす。
そして勢いよく茉莉花茶を飲み干すと、びしっと指をさして昂全に向かって叫んだ。
「あの人があっと驚くくらい活気付けてやりましょ!この仕事続ければよかったって羨むくらいの!いい!?」
「…ああ」
威勢のいい鈴に対して昂全はふっと微笑むのだった。
「俺は厠に寄って帰るから先に行っててくれ」
秀英と景雲の迎えで仕事に戻る晏寿であったが、景雲が突然離脱し気まずい秀英と二人きりになってしまった。
秀英も秀英で特に話をするでもなく、2人並んで歩く。
「あの、私が不在の間の業務の進みは?」
「この三日間の晏寿の業務は景雲が片付けた」
「景雲が…後でお礼言わなきゃ」
晏寿が苦し紛れに出した仕事の話はあっという間に終わってしまう。
あれこれ考えている晏寿の横で、秀英は景雲に言われた通り晏寿が話しかけて来るまでじっと待つ姿勢をとっていた。
「その、秀英?」
「なんだ」
暫くして、晏寿がおずおずと話しかけてくる。
それに対して秀英は短く返事をした。
「私は秀英の生い立ちを知ったからといって、同情することも可哀想な人だとも思いたくないの。今まで通りに接するけど、いい?」
「構わない。俺とは違うが晏寿も父上がいなくなって今日まで苦労をしているから、下手な情けはかけないと思っている。同情は不要だ」
秀英らしい言葉に晏寿は思わず苦笑する。
どう接していいのかわからなかったが、いつも通りでいいのかとほっとしていた。
「それにしても」
秀英がぽつりと呟く。
「二人きりなのに、あの名で呼ばないのだな」
秀英の発言に晏寿は一気に赤くなり、
「ここは公共の場よ!」
と叫ぶ晏寿を秀英は笑っているのだった。
「…若はちやほやする側じゃない。ちやほやされたい側」
「は?」
「…若は構われたくて、人に構ってる」
「…何それ。あなたの言う若君はそうであっても、他の人は違うかもしれないじゃない。苦労を知ってるようで、あの人は実際は苦労を知らないのよ」
思わず出してしまった言葉で鈴を怒らせてしまい、昂全は黙ってしまう。その態度が鈴は気に食わなかったのか、更に突っかかってくる。
「あなたもよ、そんなに口下手でこれからここでやっていくのにどうするの?指示もまともに出せなければここに来た意味ないじゃない。私はあくまで調理の補佐なのよ。
ここを仕切っていくのはあなた。これからあの人がいなくなって回らなければ意味がないんだからね!?」
思っていたことが爆発したのか、顔を真っ赤にして不満をぶちまける鈴。それに対して昂全は特に表情も変えず聞いていた。
黙っていることが今度は癪に障る。
「何か言ったらどうなの!?」
「…俺は上手く話せない」
「だから?」
「だから、組んだ相手がそれだけ話せると助かる」
「…は?」
「不安はそれだけか?」
「ふ、あん?」
「俺は気の利いたことも言えないし、頭も回らない。だが聞くだけならできる。不満や不安があるなら俺に話せばいい」
「…何よ、それ…」
真っ直ぐに鈴に向けられる切れ長の双眼の説得力に、鈴は言葉を無くす。
そして勢いよく茉莉花茶を飲み干すと、びしっと指をさして昂全に向かって叫んだ。
「あの人があっと驚くくらい活気付けてやりましょ!この仕事続ければよかったって羨むくらいの!いい!?」
「…ああ」
威勢のいい鈴に対して昂全はふっと微笑むのだった。
「俺は厠に寄って帰るから先に行っててくれ」
秀英と景雲の迎えで仕事に戻る晏寿であったが、景雲が突然離脱し気まずい秀英と二人きりになってしまった。
秀英も秀英で特に話をするでもなく、2人並んで歩く。
「あの、私が不在の間の業務の進みは?」
「この三日間の晏寿の業務は景雲が片付けた」
「景雲が…後でお礼言わなきゃ」
晏寿が苦し紛れに出した仕事の話はあっという間に終わってしまう。
あれこれ考えている晏寿の横で、秀英は景雲に言われた通り晏寿が話しかけて来るまでじっと待つ姿勢をとっていた。
「その、秀英?」
「なんだ」
暫くして、晏寿がおずおずと話しかけてくる。
それに対して秀英は短く返事をした。
「私は秀英の生い立ちを知ったからといって、同情することも可哀想な人だとも思いたくないの。今まで通りに接するけど、いい?」
「構わない。俺とは違うが晏寿も父上がいなくなって今日まで苦労をしているから、下手な情けはかけないと思っている。同情は不要だ」
秀英らしい言葉に晏寿は思わず苦笑する。
どう接していいのかわからなかったが、いつも通りでいいのかとほっとしていた。
「それにしても」
秀英がぽつりと呟く。
「二人きりなのに、あの名で呼ばないのだな」
秀英の発言に晏寿は一気に赤くなり、
「ここは公共の場よ!」
と叫ぶ晏寿を秀英は笑っているのだった。
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