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第1章 官吏試験編
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その日、三人は日中の疲れがそのまま出てすぐに寝てしまった。
そして翌日。
起床時間に晏寿が起きると秀英がすでに起きていて、身支度を済ませていた。
景雲はまだ夢の中のよう。
「おはよう」
「おはよう。早いんだね」
晏寿が起きたことに気付いた秀英が挨拶をしてくる。
冷たい印象を受ける秀英だが、礼儀作法はしっかりしている。
よって挨拶もその一つに含まれているのだった。
「寝坊はしたくないからな」
「朝弱いんだ?」
「寝起きはよくない」
そう言う秀英がおかしくて、晏寿はこれから生活していくなかで見れることをひそかに楽しみにしておくことにした。
「なんだなんだ…、おれがねている、あいだに、なかをふかめようと、しているのか…?」
急に景雲の声がして驚いて景雲を見る。
「え…?寝てる?」
「んぅ…ねて、ない…」
そう言っている景雲だが、目はしっかり閉じている。
しかも声はたどたどしい。
「寝言か?」
「そうみたい」
二人で不思議な感じで見ていた。
そんな中、まだ景雲は「おれ、おきてる…ぞ」と寝ぼけていた。
時間が迫ってきたので、景雲を叩き起こす。
晏寿と秀英は景雲に寝ている時のことを聞いてみたが、何も覚えていなかった。
ふざけているのかとも思ったが、景雲がいたって真面目だったので二人は景雲の妙な癖ということで納得した。
「二人して…俺をからかいやがって」
むくれる景雲を余所に、朝食を摂る晏寿と秀英。
そんな二人の態度が景雲の機嫌を更に損ねることになったのだった。
昨日説明を受けた部屋へ行った三人。
そして厠の場所を教えてもらい、バラバラに散って掃除をすることにした。
「よし」
晏寿は気合をいれて掃除をすることにした。
床を掃き、壁を拭いて、便器を磨く。
晏寿は手なれた感じで掃除をしていく。
そうして必死に掃除をしているが、ふと思いつくのは秀英・景雲のこと。
彼らは晏寿とは違い、身分も高い。
掃除なんてしたことがないのではなかろうか。
そんな二人に掃除が務まるであろうか。
晏寿は不安になりながらも手を動かした。
いくつかの厠掃除を終えて出たところで、王宮に仕えている男と鉢合わせになった。
晏寿はびっくりして面喰ってしまう。
向こうもまさか女が出てくるとは思ってなかったらしく驚いていたが、すぐにふっと小馬鹿にした笑みを浮かべた。
「官吏に受かったとはいえ、女に与える仕事はやはりそんなものか」
それだけを残して、男は厠へと消えていった。
(…主席の伯秀英だって厠掃除してるんだから!)
秀英だけでなく、上位三人が厠掃除をしているのだ。
晏寿は心の中で文句を言うのだった。
厠掃除も割り振った分を終え、午後からは配属された仕事場で仕事をこなす。
仕事の内容は部屋の掃除、書類整理、墨の補充、上司の肩もみ等々…
よもや官吏試験上位三名がこんな雑用をしているなど、同室の者しか知り得ないことであった。
景雲は最初は黙って仕事をしていたが、だんだんとそれが雑になっていった。
そして、その尻拭いを晏寿がやる。
だから晏寿は人の倍働いていることになった。
終業時間となり、晏寿はぐったりしながら食堂に向かった。
少し前を歩く景雲は仕事内容に納得がいかず、
ぶつぶつと文句を言っている。
晏寿は秀英はどうなのだろうと横を歩く秀英を覗き見ると、さして疲労感も見せず、朝と変わりなかった。
そんな秀英を見て
「化け物なんじゃないのか?」
と失礼なことを思うのだった。
食堂で夕食が配布され、朝と同様に三人で食事を摂る。
晏寿は昨日の夕食は精神的な理由で物が喉を通らなかったが、今日は疲労感から食事がなかなか進まない。
けれど、明日のことを考えれば
食べないときっと今日より辛いことになるので、やはり無理やり食事をするのだった。
そして翌日。
起床時間に晏寿が起きると秀英がすでに起きていて、身支度を済ませていた。
景雲はまだ夢の中のよう。
「おはよう」
「おはよう。早いんだね」
晏寿が起きたことに気付いた秀英が挨拶をしてくる。
冷たい印象を受ける秀英だが、礼儀作法はしっかりしている。
よって挨拶もその一つに含まれているのだった。
「寝坊はしたくないからな」
「朝弱いんだ?」
「寝起きはよくない」
そう言う秀英がおかしくて、晏寿はこれから生活していくなかで見れることをひそかに楽しみにしておくことにした。
「なんだなんだ…、おれがねている、あいだに、なかをふかめようと、しているのか…?」
急に景雲の声がして驚いて景雲を見る。
「え…?寝てる?」
「んぅ…ねて、ない…」
そう言っている景雲だが、目はしっかり閉じている。
しかも声はたどたどしい。
「寝言か?」
「そうみたい」
二人で不思議な感じで見ていた。
そんな中、まだ景雲は「おれ、おきてる…ぞ」と寝ぼけていた。
時間が迫ってきたので、景雲を叩き起こす。
晏寿と秀英は景雲に寝ている時のことを聞いてみたが、何も覚えていなかった。
ふざけているのかとも思ったが、景雲がいたって真面目だったので二人は景雲の妙な癖ということで納得した。
「二人して…俺をからかいやがって」
むくれる景雲を余所に、朝食を摂る晏寿と秀英。
そんな二人の態度が景雲の機嫌を更に損ねることになったのだった。
昨日説明を受けた部屋へ行った三人。
そして厠の場所を教えてもらい、バラバラに散って掃除をすることにした。
「よし」
晏寿は気合をいれて掃除をすることにした。
床を掃き、壁を拭いて、便器を磨く。
晏寿は手なれた感じで掃除をしていく。
そうして必死に掃除をしているが、ふと思いつくのは秀英・景雲のこと。
彼らは晏寿とは違い、身分も高い。
掃除なんてしたことがないのではなかろうか。
そんな二人に掃除が務まるであろうか。
晏寿は不安になりながらも手を動かした。
いくつかの厠掃除を終えて出たところで、王宮に仕えている男と鉢合わせになった。
晏寿はびっくりして面喰ってしまう。
向こうもまさか女が出てくるとは思ってなかったらしく驚いていたが、すぐにふっと小馬鹿にした笑みを浮かべた。
「官吏に受かったとはいえ、女に与える仕事はやはりそんなものか」
それだけを残して、男は厠へと消えていった。
(…主席の伯秀英だって厠掃除してるんだから!)
秀英だけでなく、上位三人が厠掃除をしているのだ。
晏寿は心の中で文句を言うのだった。
厠掃除も割り振った分を終え、午後からは配属された仕事場で仕事をこなす。
仕事の内容は部屋の掃除、書類整理、墨の補充、上司の肩もみ等々…
よもや官吏試験上位三名がこんな雑用をしているなど、同室の者しか知り得ないことであった。
景雲は最初は黙って仕事をしていたが、だんだんとそれが雑になっていった。
そして、その尻拭いを晏寿がやる。
だから晏寿は人の倍働いていることになった。
終業時間となり、晏寿はぐったりしながら食堂に向かった。
少し前を歩く景雲は仕事内容に納得がいかず、
ぶつぶつと文句を言っている。
晏寿は秀英はどうなのだろうと横を歩く秀英を覗き見ると、さして疲労感も見せず、朝と変わりなかった。
そんな秀英を見て
「化け物なんじゃないのか?」
と失礼なことを思うのだった。
食堂で夕食が配布され、朝と同様に三人で食事を摂る。
晏寿は昨日の夕食は精神的な理由で物が喉を通らなかったが、今日は疲労感から食事がなかなか進まない。
けれど、明日のことを考えれば
食べないときっと今日より辛いことになるので、やはり無理やり食事をするのだった。
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