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第2章 北楊村編
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はっきりとした声で皆に聞こえるように秀英が言った。
すると、周りが少しざわつき始め
「村長、村長」
という声が聞こえた。
秀英は一番近くにいた人に声をかける。
「この村の村長は?」
「…奥に行った所にある家にいる」
「そうか、ありがとう」
訝しげに村人は答えたが、その態度に機嫌を悪くすることもなく秀英は礼を言った。
「村長がいるのね」
晏寿が秀英に話しかける。
「そうみたいだ。一度会ってみたほうがいい」
秀英の言葉に頷いて、村長に会うために三人は歩きだした。
村長の家だという場所に着くまで、三人は居心地の悪い視線に苛まれることになった。
この荒んだ村で立派な物を身につけているのだ。
好奇の目にさらされるのは仕方のないことだった。
そして村長の家という場所まで辿りついた。
扉と呼べるかどうかわからない戸を開けて中に入る。
「いきなりの訪問申し訳ない。
ここに北楊村の村長が御在宅と聞き、話をすべくはせ参じた。私は伯 秀英と申す」
秀英が先陣を切って名乗る。
すると、よろよろと村長と思われる初老の男が現れた。
「何用か」
村長は警戒している様子で晏寿達は肌でそれをひしひしと感じた。
「我々は今日付けでこの北楊村の担当となったのでその報告と、今の村の状況を伺いたく参った次第である。何とぞ話をさせていただきたい」
「話さずとも見ればわかろう。
この村は王からも国からも身捨てられた。
ここでは貴様らはただの厄介者なだけ。今すぐ出ていけ」
口調は激しくはないが、一つ一つの言葉に憎悪が込められている。
それを聞いていて、晏寿はだんだんと辛くなっていった。
そして、秀英がまた何かを言おうとしたがそれを制して晏寿が話す。
「今回はこの村の復興のために私達が派遣されたのです。
今までの担当者がどうであったかはわかりませんが、私達は違います。
ひとまず、この村の現状を知るために村を見て回ってもよろしいでしょうか?」
「…勝手にしろ」
晏寿は膝をつき、恭しい態度をとったのでまさか自分のような身分の低い者にそういう行為をとるとは思っていなかったのか村長も驚いていた。
とりあえずの村長からの許可も出たので、晏寿達は家を出て村を回ることにした。
家を出てすぐ晏寿は、秀英に先程の言動をたしなめた。
「秀英、ああいう高圧的な態度は相手を刺激するからよくない」
「…すまない」
「ふっ、怒られている秀英なんて良いものを見れたな」
「何もしてない景雲は何も言えないんだよ」
「…悪かった」
しっかり二人は晏寿から怒られた。
まずは村の水の確保はどうなっているのかを調べるために井戸を見に行った。
近くにいた村民の子供に頼み、連れていってもらう。
「お役人さん、なんでこの村に来たの?」
「偉い人からこの村を豊かにしてくれって言われたから、ここに来たんだよ」
やはりこういうときは女の身である晏寿のほうが安心するのか、子供は晏寿の傍を歩く。
晏寿も子供は好きなので、丁寧に接していた。
「お役人さん達、これが井戸だよ」
そう言われた井戸の水を釣瓶で掬い取って三人は唖然とした。
「これ…泥…」
景雲が思わず口にしてしまったが、すぐさま秀英が頭をひっぱたいた。
なんとか子供には聞こえてないみたいだった。
「この村に他に井戸は?」
秀英は先程晏寿に怒られたことを教訓に子供にも優しく接することを心がけ、しゃがんで尋ねた。
「ないよ、これだけ」
「そうか。
ならこれから言うものを集められるか?」
「何?」
「底の深い桶と砂利と砂、小さめの石、灰を皆で集めてもらえないか?
もちろん、俺達も協力する。できたらすごいものが見れる」
「本当?皆呼んでくる!」
すると、周りが少しざわつき始め
「村長、村長」
という声が聞こえた。
秀英は一番近くにいた人に声をかける。
「この村の村長は?」
「…奥に行った所にある家にいる」
「そうか、ありがとう」
訝しげに村人は答えたが、その態度に機嫌を悪くすることもなく秀英は礼を言った。
「村長がいるのね」
晏寿が秀英に話しかける。
「そうみたいだ。一度会ってみたほうがいい」
秀英の言葉に頷いて、村長に会うために三人は歩きだした。
村長の家だという場所に着くまで、三人は居心地の悪い視線に苛まれることになった。
この荒んだ村で立派な物を身につけているのだ。
好奇の目にさらされるのは仕方のないことだった。
そして村長の家という場所まで辿りついた。
扉と呼べるかどうかわからない戸を開けて中に入る。
「いきなりの訪問申し訳ない。
ここに北楊村の村長が御在宅と聞き、話をすべくはせ参じた。私は伯 秀英と申す」
秀英が先陣を切って名乗る。
すると、よろよろと村長と思われる初老の男が現れた。
「何用か」
村長は警戒している様子で晏寿達は肌でそれをひしひしと感じた。
「我々は今日付けでこの北楊村の担当となったのでその報告と、今の村の状況を伺いたく参った次第である。何とぞ話をさせていただきたい」
「話さずとも見ればわかろう。
この村は王からも国からも身捨てられた。
ここでは貴様らはただの厄介者なだけ。今すぐ出ていけ」
口調は激しくはないが、一つ一つの言葉に憎悪が込められている。
それを聞いていて、晏寿はだんだんと辛くなっていった。
そして、秀英がまた何かを言おうとしたがそれを制して晏寿が話す。
「今回はこの村の復興のために私達が派遣されたのです。
今までの担当者がどうであったかはわかりませんが、私達は違います。
ひとまず、この村の現状を知るために村を見て回ってもよろしいでしょうか?」
「…勝手にしろ」
晏寿は膝をつき、恭しい態度をとったのでまさか自分のような身分の低い者にそういう行為をとるとは思っていなかったのか村長も驚いていた。
とりあえずの村長からの許可も出たので、晏寿達は家を出て村を回ることにした。
家を出てすぐ晏寿は、秀英に先程の言動をたしなめた。
「秀英、ああいう高圧的な態度は相手を刺激するからよくない」
「…すまない」
「ふっ、怒られている秀英なんて良いものを見れたな」
「何もしてない景雲は何も言えないんだよ」
「…悪かった」
しっかり二人は晏寿から怒られた。
まずは村の水の確保はどうなっているのかを調べるために井戸を見に行った。
近くにいた村民の子供に頼み、連れていってもらう。
「お役人さん、なんでこの村に来たの?」
「偉い人からこの村を豊かにしてくれって言われたから、ここに来たんだよ」
やはりこういうときは女の身である晏寿のほうが安心するのか、子供は晏寿の傍を歩く。
晏寿も子供は好きなので、丁寧に接していた。
「お役人さん達、これが井戸だよ」
そう言われた井戸の水を釣瓶で掬い取って三人は唖然とした。
「これ…泥…」
景雲が思わず口にしてしまったが、すぐさま秀英が頭をひっぱたいた。
なんとか子供には聞こえてないみたいだった。
「この村に他に井戸は?」
秀英は先程晏寿に怒られたことを教訓に子供にも優しく接することを心がけ、しゃがんで尋ねた。
「ないよ、これだけ」
「そうか。
ならこれから言うものを集められるか?」
「何?」
「底の深い桶と砂利と砂、小さめの石、灰を皆で集めてもらえないか?
もちろん、俺達も協力する。できたらすごいものが見れる」
「本当?皆呼んでくる!」
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