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第三章 Fifty-Fifty. Despair of Whale.
3.
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『――Deliele Ga Full Flowa【BREAD】――Convert――』
『Thirt all Mistue Delive【BOTTLE】——Convert――』
わたしと八坂さんで二人、同時にそれぞれ言葉の違う詠唱を口にする。
言葉は違いつつも重なりあうその二つの詠唱はそれぞれの力へと変わり、わたしは硬く長い、フランスパンを焼き上げ、それ右手に強く握りしめる。
そして八坂さんは、十、二十、三十と――中身の詰まったガラス瓶を大量に、次々と生み出していく。
「――それじゃ、行くわよ!」
「――はいっ!」
各々の、個性の強い武器によって武装したわたしたちは、心の準備を整えて――川から飛び出し、離れたところで浮かび鎮座する巨大な敵、ネガエネミーへと、ゆっくりと近づいていく。
***
近くで見れば見るほど、その大きさによる威圧感がより強く感じられてくる。
他の都市伝説とは比べ物にならないほどに大きなネガエネミーを前にして……二人で普通に話し合ったところで、マトモに作戦が思い付くことはなかった。
では、どうするか。当然、多くの人々を喰らおうとするそれを黙って見過ごす訳にはいかない。そこで、二人は――ダメ元で、とりあえず攻撃を仕掛けてみることにした。
もちろん、普段から相手にしているようなネガエネミーなら、こんな無謀なことはしないだろう。しかし、
『どんな攻撃を仕掛けてくるかは分からないけれど……こちらの攻撃を当てるだけなら簡単そうね。あんな巨体に通用するのかは別として、だけど』
よく観察してみるとあのクジラは、身体が極端に大きい代わりにとにかく全体的な動きが遅い。川から飛び出してきた時に見せた、あのスピードが最高速度だとするならば――その攻撃を避けるのは容易いだろう。それこそ、普段から戦っている平均的なネガエネミーと比べても、だ。
水飛沫や大きさによるインパクトは確かに、初めて見た時には度肝を抜かれたが……速さに限って言えば、そうでもない。
まあ、あんな巨体をびゅんびゅん動かせという方が酷な話かもしれないけれど。
もちろん、ネガエネミー……中でも特に都市伝説という強敵が持つ、まだ明らかではない『固有能力』には気をつけなければならない。
なので、いつ、如何なる攻撃が来ても良いようにまずは――攻撃は二人交代で、一人ずつ行うという事に決めた。
「朝野さんが攻撃している間は私が。私が攻撃している間は朝野さんが、不測の事態に備えて待機する。これでどうかしら?」
「分かりました。八坂さんが守ってくれていたら、わたしも安心して戦えますっ」
もう一人はネガエネミーの迫る反撃に備え、サポート。いつでも迎え撃てるように待機する……というのが、わたしなんかよりも多くの経験を持つ彼女の提案だ。
「……それでは、行ってきます」
「何かあっても、私が絶対に守るから。朝野さんはとにかく、アレにどうすればダメージを与えられるか、色々と試してみて。並大抵の攻撃じゃ、全く通用しないでしょうし……何か突破口を見つけ出さなくちゃいけないわ」
はいっ、と返事を残し、わたしは先に前へと飛び出して――巨大な黒いクジラ、倒すべき敵であるネガエネミーの元へと向かった。
そして、その背後からは、わたしを追いかけるように八坂さんがついて来ている。
八坂さんのサポートがあると思うととても心強くて、こんなに大きな敵を前にしても、わたしは全然怖くなかった。
……さあ、心置きなく――人々を狙う強大な敵へと、わたしの『全力の一撃』を叩き込んであげるとしよう。
『Thirt all Mistue Delive【BOTTLE】——Convert――』
わたしと八坂さんで二人、同時にそれぞれ言葉の違う詠唱を口にする。
言葉は違いつつも重なりあうその二つの詠唱はそれぞれの力へと変わり、わたしは硬く長い、フランスパンを焼き上げ、それ右手に強く握りしめる。
そして八坂さんは、十、二十、三十と――中身の詰まったガラス瓶を大量に、次々と生み出していく。
「――それじゃ、行くわよ!」
「――はいっ!」
各々の、個性の強い武器によって武装したわたしたちは、心の準備を整えて――川から飛び出し、離れたところで浮かび鎮座する巨大な敵、ネガエネミーへと、ゆっくりと近づいていく。
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近くで見れば見るほど、その大きさによる威圧感がより強く感じられてくる。
他の都市伝説とは比べ物にならないほどに大きなネガエネミーを前にして……二人で普通に話し合ったところで、マトモに作戦が思い付くことはなかった。
では、どうするか。当然、多くの人々を喰らおうとするそれを黙って見過ごす訳にはいかない。そこで、二人は――ダメ元で、とりあえず攻撃を仕掛けてみることにした。
もちろん、普段から相手にしているようなネガエネミーなら、こんな無謀なことはしないだろう。しかし、
『どんな攻撃を仕掛けてくるかは分からないけれど……こちらの攻撃を当てるだけなら簡単そうね。あんな巨体に通用するのかは別として、だけど』
よく観察してみるとあのクジラは、身体が極端に大きい代わりにとにかく全体的な動きが遅い。川から飛び出してきた時に見せた、あのスピードが最高速度だとするならば――その攻撃を避けるのは容易いだろう。それこそ、普段から戦っている平均的なネガエネミーと比べても、だ。
水飛沫や大きさによるインパクトは確かに、初めて見た時には度肝を抜かれたが……速さに限って言えば、そうでもない。
まあ、あんな巨体をびゅんびゅん動かせという方が酷な話かもしれないけれど。
もちろん、ネガエネミー……中でも特に都市伝説という強敵が持つ、まだ明らかではない『固有能力』には気をつけなければならない。
なので、いつ、如何なる攻撃が来ても良いようにまずは――攻撃は二人交代で、一人ずつ行うという事に決めた。
「朝野さんが攻撃している間は私が。私が攻撃している間は朝野さんが、不測の事態に備えて待機する。これでどうかしら?」
「分かりました。八坂さんが守ってくれていたら、わたしも安心して戦えますっ」
もう一人はネガエネミーの迫る反撃に備え、サポート。いつでも迎え撃てるように待機する……というのが、わたしなんかよりも多くの経験を持つ彼女の提案だ。
「……それでは、行ってきます」
「何かあっても、私が絶対に守るから。朝野さんはとにかく、アレにどうすればダメージを与えられるか、色々と試してみて。並大抵の攻撃じゃ、全く通用しないでしょうし……何か突破口を見つけ出さなくちゃいけないわ」
はいっ、と返事を残し、わたしは先に前へと飛び出して――巨大な黒いクジラ、倒すべき敵であるネガエネミーの元へと向かった。
そして、その背後からは、わたしを追いかけるように八坂さんがついて来ている。
八坂さんのサポートがあると思うととても心強くて、こんなに大きな敵を前にしても、わたしは全然怖くなかった。
……さあ、心置きなく――人々を狙う強大な敵へと、わたしの『全力の一撃』を叩き込んであげるとしよう。
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