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第84話 上司の帰還
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今日の俺は朝から浮足立っていた。シバがこの城へ帰ってくるのだ。
しかし、それとともに緊張もしている。
(最後の電話。あれって本気の声だったよね?)
自分達は恋人同士だと、シバがそう言ったのだ。たしかにキスはした。しかしシバがそれを恋人にするキスと思っていたとは全く知らなかった。
「第一、告白もされてないし、してないし」
思い出を掘り起こしてみても、そのような記憶はない。俺はもやっとしながら文官棟へ向かった。
今日はシバとの約束通り休みの申請を出している。彼を出迎えた後はどちらかの部屋で話し合いをすることになるだろう。
トボトボと財政班の部屋へ入ると、シュリが元気いっぱいに話しかけてきた。
「セラ! 今日休みじゃなかった?」
「うん。そうなんだけどアインラス様のお出迎えに行こうかなって思って」
「今から行こうって先輩達と話してたとこだよ!」
「良かった」
一人もんもんとした顔でシバと会うよりは、仲間達と明るくお出迎えしたかった。俺はホッとしながら、シュリ達と共に正門へ向かった。
一度、アックスの遠征の出迎えで、城門の前にシバと並んだことがある。小さいイベントの一つであり、あの日は夕食に誘ってくれようとしていたシバに酷い態度を取ってしまった。
そして、思い返せば、今までの俺はシバを振り回してばかりいる。
(せっかく仲良くなれたのに、勝手に好きになって、キスもしてて、でも恋人じゃないです……とか。シバからしたら意味分かんないよね)
もしかしたらこちらの世界では、告白することの方が珍しいのかもしれない。そもそもネックレスが告白という意味合いを持っている国だ。言葉よりは物の受け渡しが重要視されるのだろうか。
(でも、ネックレスも貰ってないし)
とりあえず、彼の言葉の意味をしっかり聞くためにも、恋人にはなれないと伝えるためにも、二人きりで話をする必要がある。
「セラ、聞いてる? 」
「え? なんて?」
「も~、ぼーっとしてたの? だから、今日はアインラス様のお帰りをお祝いするんだって!」
シバは文官長に挨拶だけしてすぐに宿舎へ戻ると聞いている。明日明後日は週末で休みであり、確かに、お祝いの会をするなら今日がベストだ。
「セラは参加できる?」
「うん、できるよ。」
「やった! きっとアインラス様も喜ぶよ。良かったら、プレゼントの茶葉を持ってきてくれない?」
「うん、了解」
一度、シュリと一緒に街に行って買ったお茶は、あれから滞在が二か月先になるというシバの報告を受けて、班の皆で飲んだ。そして、新しいものを先日シュリと買いに行ったのだ。
(あ、今日キャンドルも渡そうかな)
俺はずっと前に購入したキャンドルも一緒に渡そうと思った。休みの間に使ってくれたら疲れも少しは取れるだろう。
正門の前は、シバが帰ってくるとあって少しの間、待ちわびた文官達でざわざわと騒がしかった。
「あ、見えた! わぁ~久しぶりのアインラス様だね!」
シュリはキャッキャと喜んで跳ねている。俺はシバの乗る馬車が近づくにつれ、ドキドキとしてきた。
(本当に久しぶりだ)
馬車が止まり、扉が開いた。
久しぶりに見るシバはこちらを出る前と変わらない威厳溢れる佇まいだ。そんな上司の姿に歓声が上がった。
シバは馬車から降りると、荷物も持たず俺の方へ歩いてくる。
(え、こっちに来る。どうしよう。どうしてこっちに来るんだろ)
「マニエラ」
「シ、アインラス様」
電話でずっとシバと呼んでいたからか、間違えて彼の名前を呼びそうになってしまう。シバは皆の見ている前であるにも関わらず、俺だけを見つめる。
「執務室に行こう」
俺は周りを気にして焦るが、皆は俺が騎士棟へ職場体験に行ったことを知っており、その話だろうと特に何も思っていない様子だった。
「皆、長らく席を空けてすまなかった。来週から各班の報告を聞かせてくれ」
「「「はい!」」」
シバは皆の返事を聞いて頷くと、俺を連れて文官棟へ戻った。
バタン……
「あの、アインラス様?」
扉を閉め鍵をかけると、シバが俺の方を向いた。
「セラ、会いたかった」
「……あの」
シバは俺の方を向き、ぎゅっと抱きしめてくる。大きな胸板を頬に感じ、久しぶりの体温に胸がトクトクと鳴る。
「こうやって触れたいと思っていた。セラはどうだ?」
「私は……あの、同じ、です。シバに会いたくて、こうしたかったです」
(わー、何言ってんだ俺! こういう俺の発言が誤解を生むって分かったばかりだろ!)
自分を叱りつつもこの温もりを求めていたのは確かだ。俺はシバの胸の中でしばしじっとしていた。
「あの、シバ? 話があるんですが」
まだシバは俺をぎゅーっと抱いたままだ。しかし、いつまでもこうしているわけにはいかない。電話で解決しなかった話をしようとしたところで、扉がトントンと控えめに叩かれた。
「アインラス様、お帰りになってすぐにすみません。今日予定している食事会の件だけお伝えしても良いでしょうか?」
扉の向こうからは、眼鏡先輩の声がする。どうやら祝いの会の幹事は彼のようだ。
シバは俺を名残惜しそうに離すと、鍵を開けに扉の前へと移動した。
「すみません。後でお伺いしようかと思ったんですが、すぐ宿舎にお帰りになると聞いたので」
「ああ、かまわない」
それから眼鏡先輩は場所と時間を告げ、「もし疲れているのであれば後日にしましょう」との気遣いも忘れない。
「おい、セラがいつまでも居たら、アインラス様が帰る事ができないだろう」
眼鏡先輩は俺を無理矢理引きずって部屋から出た。
「結局、言えなかったな」
俺は今この話をするのは諦め、とりあえず一旦、自分の宿舎に戻ることにした。
しかし、それとともに緊張もしている。
(最後の電話。あれって本気の声だったよね?)
自分達は恋人同士だと、シバがそう言ったのだ。たしかにキスはした。しかしシバがそれを恋人にするキスと思っていたとは全く知らなかった。
「第一、告白もされてないし、してないし」
思い出を掘り起こしてみても、そのような記憶はない。俺はもやっとしながら文官棟へ向かった。
今日はシバとの約束通り休みの申請を出している。彼を出迎えた後はどちらかの部屋で話し合いをすることになるだろう。
トボトボと財政班の部屋へ入ると、シュリが元気いっぱいに話しかけてきた。
「セラ! 今日休みじゃなかった?」
「うん。そうなんだけどアインラス様のお出迎えに行こうかなって思って」
「今から行こうって先輩達と話してたとこだよ!」
「良かった」
一人もんもんとした顔でシバと会うよりは、仲間達と明るくお出迎えしたかった。俺はホッとしながら、シュリ達と共に正門へ向かった。
一度、アックスの遠征の出迎えで、城門の前にシバと並んだことがある。小さいイベントの一つであり、あの日は夕食に誘ってくれようとしていたシバに酷い態度を取ってしまった。
そして、思い返せば、今までの俺はシバを振り回してばかりいる。
(せっかく仲良くなれたのに、勝手に好きになって、キスもしてて、でも恋人じゃないです……とか。シバからしたら意味分かんないよね)
もしかしたらこちらの世界では、告白することの方が珍しいのかもしれない。そもそもネックレスが告白という意味合いを持っている国だ。言葉よりは物の受け渡しが重要視されるのだろうか。
(でも、ネックレスも貰ってないし)
とりあえず、彼の言葉の意味をしっかり聞くためにも、恋人にはなれないと伝えるためにも、二人きりで話をする必要がある。
「セラ、聞いてる? 」
「え? なんて?」
「も~、ぼーっとしてたの? だから、今日はアインラス様のお帰りをお祝いするんだって!」
シバは文官長に挨拶だけしてすぐに宿舎へ戻ると聞いている。明日明後日は週末で休みであり、確かに、お祝いの会をするなら今日がベストだ。
「セラは参加できる?」
「うん、できるよ。」
「やった! きっとアインラス様も喜ぶよ。良かったら、プレゼントの茶葉を持ってきてくれない?」
「うん、了解」
一度、シュリと一緒に街に行って買ったお茶は、あれから滞在が二か月先になるというシバの報告を受けて、班の皆で飲んだ。そして、新しいものを先日シュリと買いに行ったのだ。
(あ、今日キャンドルも渡そうかな)
俺はずっと前に購入したキャンドルも一緒に渡そうと思った。休みの間に使ってくれたら疲れも少しは取れるだろう。
正門の前は、シバが帰ってくるとあって少しの間、待ちわびた文官達でざわざわと騒がしかった。
「あ、見えた! わぁ~久しぶりのアインラス様だね!」
シュリはキャッキャと喜んで跳ねている。俺はシバの乗る馬車が近づくにつれ、ドキドキとしてきた。
(本当に久しぶりだ)
馬車が止まり、扉が開いた。
久しぶりに見るシバはこちらを出る前と変わらない威厳溢れる佇まいだ。そんな上司の姿に歓声が上がった。
シバは馬車から降りると、荷物も持たず俺の方へ歩いてくる。
(え、こっちに来る。どうしよう。どうしてこっちに来るんだろ)
「マニエラ」
「シ、アインラス様」
電話でずっとシバと呼んでいたからか、間違えて彼の名前を呼びそうになってしまう。シバは皆の見ている前であるにも関わらず、俺だけを見つめる。
「執務室に行こう」
俺は周りを気にして焦るが、皆は俺が騎士棟へ職場体験に行ったことを知っており、その話だろうと特に何も思っていない様子だった。
「皆、長らく席を空けてすまなかった。来週から各班の報告を聞かせてくれ」
「「「はい!」」」
シバは皆の返事を聞いて頷くと、俺を連れて文官棟へ戻った。
バタン……
「あの、アインラス様?」
扉を閉め鍵をかけると、シバが俺の方を向いた。
「セラ、会いたかった」
「……あの」
シバは俺の方を向き、ぎゅっと抱きしめてくる。大きな胸板を頬に感じ、久しぶりの体温に胸がトクトクと鳴る。
「こうやって触れたいと思っていた。セラはどうだ?」
「私は……あの、同じ、です。シバに会いたくて、こうしたかったです」
(わー、何言ってんだ俺! こういう俺の発言が誤解を生むって分かったばかりだろ!)
自分を叱りつつもこの温もりを求めていたのは確かだ。俺はシバの胸の中でしばしじっとしていた。
「あの、シバ? 話があるんですが」
まだシバは俺をぎゅーっと抱いたままだ。しかし、いつまでもこうしているわけにはいかない。電話で解決しなかった話をしようとしたところで、扉がトントンと控えめに叩かれた。
「アインラス様、お帰りになってすぐにすみません。今日予定している食事会の件だけお伝えしても良いでしょうか?」
扉の向こうからは、眼鏡先輩の声がする。どうやら祝いの会の幹事は彼のようだ。
シバは俺を名残惜しそうに離すと、鍵を開けに扉の前へと移動した。
「すみません。後でお伺いしようかと思ったんですが、すぐ宿舎にお帰りになると聞いたので」
「ああ、かまわない」
それから眼鏡先輩は場所と時間を告げ、「もし疲れているのであれば後日にしましょう」との気遣いも忘れない。
「おい、セラがいつまでも居たら、アインラス様が帰る事ができないだろう」
眼鏡先輩は俺を無理矢理引きずって部屋から出た。
「結局、言えなかったな」
俺は今この話をするのは諦め、とりあえず一旦、自分の宿舎に戻ることにした。
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