72 / 115
貴方とダンスを
しおりを挟む
「セラはどこか見たいところはあるか?」
「特に無いです。本当に、散歩ついでに買い物でもしようと部屋から出たので。」
「それにしては、いつもと雰囲気が違う服を着ているな。」
「これは、新しいので着てみたくて。」
「とても似合っている。」
彼がこの格好を気に入るか少し不安だったが、アックスが微笑みながらそう言ってくれたことで胸を撫で下ろした。
街は祭の時のように多くの人がいる。その多くは広場へ歩いており、その波に飲まれて自然と同じ方へ向かった。
「あれ?音楽が聞こえますね。」
俺達が飲食店の通りを歩いていると、大きな音楽が聞こえてきた。
「ああ。セラは覚えてないだろうが、この時期は毎年中央広場でダンスパーティーがあるんだ。パーティーとはいっても敷居の高いものじゃない。音楽が1日中流れて、誰でも自由に参加できる。」
「へぇ~!見に行ってみたいです。」
「行こうか。俺も久々だ。」
思ったよりも乗り気なアックスを少し意外に思った。
ゲームの会話では「ダンスは苦手じゃない。」と言っていたので嗜む程度かと思っていたが、この様子だとアックスはダンスが好きなのではないだろうか。
「あの、アックスは踊れますか?」
「ダンスは苦手じゃない。父と母が好きで家でよく相手をさせられていた。妹ともさんざん踊ったから下手ではないはずだ。」
「妹さんは学校に通われてるんですよね?最近は会われているんですか?」
俺とアックスは馬小屋でお互いの事をよく共有している。
そして未来の恋人なのだ。俺は彼の家族構成から交友関係まで、教えてもらったことは全て頭に入れている。
「ずいぶん会っていないな。学校も厳しいところだからそうそう外出できないようだ。」
「寂しいですね。」
「そうだな。だが良いさ、毎年春には家族で王都に遊びに来るんだ。」
「へぇ、もうすぐですね。」
(春になったら告白イベントもあるし、家族が来る頃にはラブラブに……なってるのかな?)
横に並ぶ英雄騎士を見上げる。こうやって歩いているだけでも、彼は絵になるほどにかっこいい。それに強くて優しくて、きさくで……
(彼に俺なんかは、もったいないと思う。)
「どうしたセラ。」
アックスが立ち止まって少し屈む。
「えっと、俺はダンスをしたことないから、どうしようって……、」
「はは。忘れてるだけで身体が覚えてるんじゃないか?この国では踊れない者の方が珍しいぞ。」
(え、そうなんだ。知らなかったけど、父さんもラルクさんも?……駄目だ、イメージが湧かない。)
父は大工仕事一筋であまり遊びに出かけなかったし、ラルクもダンスとは無縁に見える。そしてシバは……
(いったいどんな顔して踊るんだ。)
仕事中の仏頂面を思い浮かべる。しかし、好きな相手であるからか勝手に脳内フィルターがかかってしまい、クールに踊りをリードするシバの姿がポワワンと浮かんできた。
(だ、ダメダメ!今日はアックスとのイベントなんだから、シバの事は封印しないと。)
俺はシバを忘れるために、さっさと中央広場へ歩きだした。
「わぁ~!凄く本格的ですね!」
広場に設置されたステージ上には10名程の楽器隊が陽気な音楽で会場を盛り上げている。そしてそれに合わせて皆が思い思いに社交ダンスのような踊りをしていた。
まだ少し肌寒い日が続くが、今日は天気も良く、皆の熱気で上着はいらないくらいだ。
俺達が会場の入口に向かうと、スタッフの1人が話し掛けてきた。
「すみません、ドレスコードチェックをお願いします。」
(これこれ。この為に俺はシャツを着てきたんだ。)
ゲームでプレイしていたので俺は知っていたが、アックスは、そんなのあっただろうかと不思議そうにしている。
「今年からドレスコードが設けられたんですよ。サンダル、襟無しでは入場できませんのでご注意下さい。」
「そうか。俺とセラは、大丈夫みたいだな。」
アックスは自分達の姿を確認し、スタッフの男から入場のチケットを受け取った。
入口には男女様々なサイズの靴が並び、またその横では付け襟やシャツを販売していた。
(なるほど。ドレスコードを設けてパーティの雰囲気は損なわずに、これらを売って利益にしているのか。)
商魂逞しい主催者に感心しつつ、俺とアックスはハリボテの門をくぐった。
入ってすぐは場内を見て歩いたり、屋台で食べ物を買って踊りを眺めていた。
「どうだ?ステップは思い出せそうか?」
「それが……全く自信が無くて、もしかしたら本当に踊ったことないのかもしれません。」
「うーん、前後左右の動きさえ覚えれば出来るから、教えよう。」
そう言って立ち上がるアックスに、申し訳ないと思いつつ礼をする。
「男女の動きにあまり差はないが、リードする側とされる側はある。今日は俺がリードしよう。」
「はい、お願いします。」
アックスは目の前に立ち、俺の両手を取ると初心者用と思われるステップについて話し始めた。
「主な動きは3つだ。それさえ覚えたら後はリード側に任せればいい。まずは右足から出してみろ。」
「こうですか?」
俺は言われた通りに右足を出す。そして向かい合っているアックスは左足を後ろに引いた。そして右足を元に戻した後は左足を後ろに引く。そしてそれを元に戻したらまた右足を前に出す。
「お、上手いじゃないか。」
「えっと、ダンスっぽくはないですが。」
俺の動きは固く、ロボットの方がまだスムーズだろう。
「曲とリードがあればこれだけでも踊りっぽくなるぞ。さ、次は横の動きだ。」
アックスの教え方は分かりやすく、また俺もあちらの世界の体育等でダンスは履修済みだ。ペアでのダンスはしたことがなく、最初は不安であったがなんとかなりそうだ。
「おさらいして、できそうなら1曲踊ってみるか。」
最後に、と全ての動きを復習し、いよいよ踊ることになった。俺達は会場の隅、座っている人達がまばらにいる場所で手を取り合った。
「さ、次の曲が始まったら右足から前に出すんだ。そして後は俺が手を引いた方向へ動けばいい。」
(ざ、ざっくり。……できるかな。)
えっと……と頭でステップを確認していると、ピアノの音楽が鳴り、次の曲が始まった。
3、2、1というアックスのカウントの後で右足を前に出す。アックスは俺の手と腰に手を回すと軽い力で動かしたい方へ俺を誘導した。
(右、戻る、左、戻る……)
頭がステップでいっぱいになり自分の足元を見てしまう。一生懸命付いていこうと必死になっていると、上から笑い声が聞こえた。
「セラ、そんなに完璧にしようとしなくていいぞ。パートナーが下を見ていては寂しい。」
「あ、すみません。」
俺がガバッと顔を上げる。アックスは楽し気にこちらを見ていた。
「セラ、上手だ。俺の引く方へ適当に足を運んだらいい。」
「は、はい。」
アックスはそう言うと俺の腰を掴み、引き寄せたり左右に動いたりとリードを続けた。
(アックスって、本当に上手なんだ。素人の俺でも、踊れてるって勘違いしちゃうよ。)
ステップを踏み間違えた時も、足同士がぶつからないように上手くかわして動きやすい方向へ引いてくれる。間違ってもいいんだという安心感で、俺は見事に1曲踊り切った。
「アックスのおかげで、すごく楽しかったです!」
「そうか?セラは素直でリードしやすいから、俺も楽しいよ。」
話す間もアックスとは手を取り合ったままだ。俺は初めての体験に心が躍り、そのまま大きな手をきゅっと握る。
「セラ、もう1曲どうだ?」
「はい!」
さっきよりもアップテンポな曲が流れる。アックスは音楽を聴きながら、3、2、1とカウントをし、俺は先程と同じく右足をアックスの方へ出した。
「特に無いです。本当に、散歩ついでに買い物でもしようと部屋から出たので。」
「それにしては、いつもと雰囲気が違う服を着ているな。」
「これは、新しいので着てみたくて。」
「とても似合っている。」
彼がこの格好を気に入るか少し不安だったが、アックスが微笑みながらそう言ってくれたことで胸を撫で下ろした。
街は祭の時のように多くの人がいる。その多くは広場へ歩いており、その波に飲まれて自然と同じ方へ向かった。
「あれ?音楽が聞こえますね。」
俺達が飲食店の通りを歩いていると、大きな音楽が聞こえてきた。
「ああ。セラは覚えてないだろうが、この時期は毎年中央広場でダンスパーティーがあるんだ。パーティーとはいっても敷居の高いものじゃない。音楽が1日中流れて、誰でも自由に参加できる。」
「へぇ~!見に行ってみたいです。」
「行こうか。俺も久々だ。」
思ったよりも乗り気なアックスを少し意外に思った。
ゲームの会話では「ダンスは苦手じゃない。」と言っていたので嗜む程度かと思っていたが、この様子だとアックスはダンスが好きなのではないだろうか。
「あの、アックスは踊れますか?」
「ダンスは苦手じゃない。父と母が好きで家でよく相手をさせられていた。妹ともさんざん踊ったから下手ではないはずだ。」
「妹さんは学校に通われてるんですよね?最近は会われているんですか?」
俺とアックスは馬小屋でお互いの事をよく共有している。
そして未来の恋人なのだ。俺は彼の家族構成から交友関係まで、教えてもらったことは全て頭に入れている。
「ずいぶん会っていないな。学校も厳しいところだからそうそう外出できないようだ。」
「寂しいですね。」
「そうだな。だが良いさ、毎年春には家族で王都に遊びに来るんだ。」
「へぇ、もうすぐですね。」
(春になったら告白イベントもあるし、家族が来る頃にはラブラブに……なってるのかな?)
横に並ぶ英雄騎士を見上げる。こうやって歩いているだけでも、彼は絵になるほどにかっこいい。それに強くて優しくて、きさくで……
(彼に俺なんかは、もったいないと思う。)
「どうしたセラ。」
アックスが立ち止まって少し屈む。
「えっと、俺はダンスをしたことないから、どうしようって……、」
「はは。忘れてるだけで身体が覚えてるんじゃないか?この国では踊れない者の方が珍しいぞ。」
(え、そうなんだ。知らなかったけど、父さんもラルクさんも?……駄目だ、イメージが湧かない。)
父は大工仕事一筋であまり遊びに出かけなかったし、ラルクもダンスとは無縁に見える。そしてシバは……
(いったいどんな顔して踊るんだ。)
仕事中の仏頂面を思い浮かべる。しかし、好きな相手であるからか勝手に脳内フィルターがかかってしまい、クールに踊りをリードするシバの姿がポワワンと浮かんできた。
(だ、ダメダメ!今日はアックスとのイベントなんだから、シバの事は封印しないと。)
俺はシバを忘れるために、さっさと中央広場へ歩きだした。
「わぁ~!凄く本格的ですね!」
広場に設置されたステージ上には10名程の楽器隊が陽気な音楽で会場を盛り上げている。そしてそれに合わせて皆が思い思いに社交ダンスのような踊りをしていた。
まだ少し肌寒い日が続くが、今日は天気も良く、皆の熱気で上着はいらないくらいだ。
俺達が会場の入口に向かうと、スタッフの1人が話し掛けてきた。
「すみません、ドレスコードチェックをお願いします。」
(これこれ。この為に俺はシャツを着てきたんだ。)
ゲームでプレイしていたので俺は知っていたが、アックスは、そんなのあっただろうかと不思議そうにしている。
「今年からドレスコードが設けられたんですよ。サンダル、襟無しでは入場できませんのでご注意下さい。」
「そうか。俺とセラは、大丈夫みたいだな。」
アックスは自分達の姿を確認し、スタッフの男から入場のチケットを受け取った。
入口には男女様々なサイズの靴が並び、またその横では付け襟やシャツを販売していた。
(なるほど。ドレスコードを設けてパーティの雰囲気は損なわずに、これらを売って利益にしているのか。)
商魂逞しい主催者に感心しつつ、俺とアックスはハリボテの門をくぐった。
入ってすぐは場内を見て歩いたり、屋台で食べ物を買って踊りを眺めていた。
「どうだ?ステップは思い出せそうか?」
「それが……全く自信が無くて、もしかしたら本当に踊ったことないのかもしれません。」
「うーん、前後左右の動きさえ覚えれば出来るから、教えよう。」
そう言って立ち上がるアックスに、申し訳ないと思いつつ礼をする。
「男女の動きにあまり差はないが、リードする側とされる側はある。今日は俺がリードしよう。」
「はい、お願いします。」
アックスは目の前に立ち、俺の両手を取ると初心者用と思われるステップについて話し始めた。
「主な動きは3つだ。それさえ覚えたら後はリード側に任せればいい。まずは右足から出してみろ。」
「こうですか?」
俺は言われた通りに右足を出す。そして向かい合っているアックスは左足を後ろに引いた。そして右足を元に戻した後は左足を後ろに引く。そしてそれを元に戻したらまた右足を前に出す。
「お、上手いじゃないか。」
「えっと、ダンスっぽくはないですが。」
俺の動きは固く、ロボットの方がまだスムーズだろう。
「曲とリードがあればこれだけでも踊りっぽくなるぞ。さ、次は横の動きだ。」
アックスの教え方は分かりやすく、また俺もあちらの世界の体育等でダンスは履修済みだ。ペアでのダンスはしたことがなく、最初は不安であったがなんとかなりそうだ。
「おさらいして、できそうなら1曲踊ってみるか。」
最後に、と全ての動きを復習し、いよいよ踊ることになった。俺達は会場の隅、座っている人達がまばらにいる場所で手を取り合った。
「さ、次の曲が始まったら右足から前に出すんだ。そして後は俺が手を引いた方向へ動けばいい。」
(ざ、ざっくり。……できるかな。)
えっと……と頭でステップを確認していると、ピアノの音楽が鳴り、次の曲が始まった。
3、2、1というアックスのカウントの後で右足を前に出す。アックスは俺の手と腰に手を回すと軽い力で動かしたい方へ俺を誘導した。
(右、戻る、左、戻る……)
頭がステップでいっぱいになり自分の足元を見てしまう。一生懸命付いていこうと必死になっていると、上から笑い声が聞こえた。
「セラ、そんなに完璧にしようとしなくていいぞ。パートナーが下を見ていては寂しい。」
「あ、すみません。」
俺がガバッと顔を上げる。アックスは楽し気にこちらを見ていた。
「セラ、上手だ。俺の引く方へ適当に足を運んだらいい。」
「は、はい。」
アックスはそう言うと俺の腰を掴み、引き寄せたり左右に動いたりとリードを続けた。
(アックスって、本当に上手なんだ。素人の俺でも、踊れてるって勘違いしちゃうよ。)
ステップを踏み間違えた時も、足同士がぶつからないように上手くかわして動きやすい方向へ引いてくれる。間違ってもいいんだという安心感で、俺は見事に1曲踊り切った。
「アックスのおかげで、すごく楽しかったです!」
「そうか?セラは素直でリードしやすいから、俺も楽しいよ。」
話す間もアックスとは手を取り合ったままだ。俺は初めての体験に心が躍り、そのまま大きな手をきゅっと握る。
「セラ、もう1曲どうだ?」
「はい!」
さっきよりもアップテンポな曲が流れる。アックスは音楽を聴きながら、3、2、1とカウントをし、俺は先程と同じく右足をアックスの方へ出した。
9
あなたにおすすめの小説
悪役神官の俺が騎士団長に囚われるまで
二三@冷酷公爵発売中
BL
国教会の主教であるイヴォンは、ここが前世のBLゲームの世界だと気づいた。ゲームの内容は、浄化の力を持つ主人公が騎士団と共に国を旅し、魔物討伐をしながら攻略対象者と愛を深めていくというもの。自分は悪役神官であり、主人公が誰とも結ばれないノーマルルートを辿る場合に限り、破滅の道を逃れられる。そのためイヴォンは旅に同行し、主人公の恋路の邪魔を画策をする。以前からイヴォンを嫌っている団長も攻略対象者であり、気が進まないものの団長とも関わっていくうちに…。
魔界最強に転生した社畜は、イケメン王子に奪い合われることになりました
タタミ
BL
ブラック企業に務める社畜・佐藤流嘉。
クリスマスも残業確定の非リア人生は、トラックの激突により突然終了する。
死後目覚めると、目の前で見目麗しい天使が微笑んでいた。
「ここは天国ではなく魔界です」
天使に会えたと喜んだのもつかの間、そこは天国などではなく魔法が当たり前にある世界・魔界だと知らされる。そして流嘉は、魔界に君臨する最強の支配者『至上様』に転生していたのだった。
「至上様、私に接吻を」
「あっ。ああ、接吻か……って、接吻!?なんだそれ、まさかキスですか!?」
何が起こっているのかわからないうちに、流嘉の前に現れたのは美しい4人の王子。この4王子にキスをして、結婚相手を選ばなければならないと言われて──!?
【完結】冷酷騎士団長を助けたら口移しでしか薬を飲まなくなりました
ざっしゅ
BL
異世界に転移してから一年、透(トオル)は、ゲームの知識を活かし、薬師としてのんびり暮らしていた。ある日、突然現れた洞窟を覗いてみると、そこにいたのは冷酷と噂される騎士団長・グレイド。毒に侵された彼を透は助けたが、その毒は、キスをしたり体を重ねないと完全に解毒できないらしい。
タイトルに※印がついている話はR描写が含まれています。
異世界転移した元コンビニ店長は、獣人騎士様に嫁入りする夢は……見ない!
めがねあざらし
BL
過労死→異世界転移→体液ヒーラー⁈
社畜すぎて魂が擦り減っていたコンビニ店長・蓮は、女神の凡ミスで異世界送りに。
もらった能力は“全言語理解”と“回復力”!
……ただし、回復スキルの発動条件は「体液経由」です⁈
キスで癒す? 舐めて治す? そんなの変態じゃん!
出会ったのは、狼耳の超絶無骨な騎士・ロナルドと、豹耳騎士・ルース。
最初は“保護対象”だったのに、気づけば戦場の最前線⁈
攻めも受けも騒がしい異世界で、蓮の安眠と尊厳は守れるのか⁉
--------------------
※現在同時掲載中の「捨てられΩ、癒しの異能で獣人将軍に囲われてます!?」の元ネタです。出しちゃった!
公爵家の末っ子に転生しました〜出来損ないなので潔く退場しようとしたらうっかり溺愛されてしまった件について〜
上総啓
BL
公爵家の末っ子に転生したシルビオ。
体が弱く生まれて早々ぶっ倒れ、家族は見事に過保護ルートへと突き進んでしまった。
両親はめちゃくちゃ溺愛してくるし、超強い兄様はブラコンに育ち弟絶対守るマンに……。
せっかくファンタジーの世界に転生したんだから魔法も使えたり?と思ったら、我が家に代々伝わる上位氷魔法が俺にだけ使えない?
しかも俺に使える魔法は氷魔法じゃなく『神聖魔法』?というか『神聖魔法』を操れるのは神に選ばれた愛し子だけ……?
どうせ余命幾ばくもない出来損ないなら仕方ない、お荷物の僕はさっさと今世からも退場しよう……と思ってたのに?
偶然騎士たちを神聖魔法で救って、何故か天使と呼ばれて崇められたり。終いには帝国最強の狂血皇子に溺愛されて囲われちゃったり……いやいやちょっと待て。魔王様、主神様、まさかアンタらも?
……ってあれ、なんかめちゃくちゃ囲われてない??
―――
病弱ならどうせすぐ死ぬかー。ならちょっとばかし遊んでもいいよね?と自由にやってたら無駄に最強な奴らに溺愛されちゃってた受けの話。
※別名義で連載していた作品になります。
(名義を統合しこちらに移動することになりました)
希少なΩだと隠して生きてきた薬師は、視察に来た冷徹なα騎士団長に一瞬で見抜かれ「お前は俺の番だ」と帝都に連れ去られてしまう
水凪しおん
BL
「君は、今日から俺のものだ」
辺境の村で薬師として静かに暮らす青年カイリ。彼には誰にも言えない秘密があった。それは希少なΩ(オメガ)でありながら、その性を偽りβ(ベータ)として生きていること。
ある日、村を訪れたのは『帝国の氷盾』と畏れられる冷徹な騎士団総長、リアム。彼は最上級のα(アルファ)であり、カイリが必死に隠してきたΩの資質をいとも簡単に見抜いてしまう。
「お前のその特異な力を、帝国のために使え」
強引に帝都へ連れ去られ、リアムの屋敷で“偽りの主従関係”を結ぶことになったカイリ。冷たい命令とは裏腹に、リアムが時折見せる不器用な優しさと孤独を秘めた瞳に、カイリの心は次第に揺らいでいく。
しかし、カイリの持つ特別なフェロモンは帝国の覇権を揺るがす甘美な毒。やがて二人は、宮廷を渦巻く巨大な陰謀に巻き込まれていく――。
運命の番(つがい)に抗う不遇のΩと、愛を知らない最強α騎士。
偽りの関係から始まる、甘く切ない身分差ファンタジー・ラブ!
転生悪役弟、元恋人の冷然騎士に激重執着されています
柚吉猫
BL
生前の記憶は彼にとって悪夢のようだった。
酷い別れ方を引きずったまま転生した先は悪役令嬢がヒロインの乙女ゲームの世界だった。
性悪聖ヒロインの弟に生まれ変わって、過去の呪縛から逃れようと必死に生きてきた。
そんな彼の前に現れた竜王の化身である騎士団長。
離れたいのに、皆に愛されている騎士様は離してくれない。
姿形が違っても、魂でお互いは繋がっている。
冷然竜王騎士団長×過去の呪縛を背負う悪役弟
今度こそ、本当の恋をしよう。
【本編完結】最強魔導騎士は、騎士団長に頭を撫でて欲しい【番外編あり】
ゆらり
BL
帝国の侵略から国境を守る、レゲムアーク皇国第一魔導騎士団の駐屯地に派遣された、新人の魔導騎士ネウクレア。
着任当日に勃発した砲撃防衛戦で、彼は敵の砲撃部隊を単独で壊滅に追いやった。
凄まじい能力を持つ彼を部下として迎え入れた騎士団長セディウスは、研究機関育ちであるネウクレアの独特な言動に戸惑いながらも、全身鎧の下に隠された……どこか歪ではあるが、純粋無垢であどけない姿に触れたことで、彼に対して強い庇護欲を抱いてしまう。
撫でて、抱きしめて、甘やかしたい。
帝国との全面戦争が迫るなか、ネウクレアへの深い想いと、皇国の守護者たる騎士としての責務の間で、セディウスは葛藤する。
独身なのに父性強めな騎士団長×不憫な生い立ちで情緒薄めな甘えたがり魔導騎士+仲が良すぎる副官コンビ。
甘いだけじゃない、骨太文体でお送りする軍記物BL小説です。番外は日常エピソード中心。ややダーク・ファンタジー寄り。
※ぼかしなし、本当の意味で全年齢向け。
★お気に入りやいいね、エールをありがとうございます! お気に召しましたらぜひポチリとお願いします。凄く励みになります!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる