鬼畜過ぎる乙女ゲームの世界に転生した俺は完璧なハッピーエンドを切望する

かてきん

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何でも良いなら*

「そんなに気に入ったのか?」
「はい!とっても!」

馬車へ乗って城へ戻った俺達は、シバの宿舎へと歩く。
その道すがらもずっと袋に入った誕生日プレゼントを見ていた。

「これが祝いの品で良かったのか?」
「はい。だってそろそろ植物園のスパイスが届く頃ですから。」
「そうだったな。おそらくあと2,3日後だろう。」
「調合していろんな味を試してみたいんです。シバ、付き合ってくださいね。」

街を歩きながら「好きな物を選んでよい」と言われ、俺はそれならばとスパイスを挽くミルが欲しいと頼んだ。
シバはもっと高価な物で良いと怪訝そうな顔をしたが、「今欲しいものは?」と聞かれて一番に思い浮かんだのがそれだった。付き合う前にシバに連れて行ってもらった植物園のハーブ達は、そろそろ加工が終わって発送すると連絡があった。あちらの世界でも料理は頻繁にしていたが、スパイスから用意して作ったことはない。
実験でもする気持ちで、いろいろな料理にチャレンジしたいと今からワクワクしていた。
シバはそんな俺の様子に、「分かった。」と言って微笑んだ。

部屋に帰り、荷物を机に置く。一息つこうと座椅子の方へシバを引くと、素直に付いて来た。

「疲れたか?」
「いえ。でもお腹いっぱいで、ちょっと苦しいです。」
「はは、デザートは持って帰れば良かったな。」

昼は俺のリクエストでテイクアウトの店で買った物を公園で食べた。いつかシバと訪れた公園で並んでドーナツを食べた時のことを思い出す。可愛らしいイチゴ味を選んだ彼を、その後何度もからかって拗ねられた。ふふ…と笑っていた俺に、シバはいろいろと察したようで、じとっとこちらを見ていた。
そして、誕生日のプレゼントを買ってもらってからは、シバのチョイスとしては珍しく派手な外観のレストランに連れられた。
街でも一際目立つ大きな建物に華美な装飾。この店の存在を知ってはいたが一度も足を踏み入れたことは無く、シバがここに入ろうとするのに少し驚いた。
しかし、ここはシバが幼い頃に訪れた思い出深い店だと言う。

『父に強請って誕生日に連れてきてもらったんだ。中が遊技場のように賑やかで、当時はずっとここに居たいと思った。』

そして、俺をこの店へ連れてきたいと思っていたのだと告げた。

『恋人になるまでは、静かな場所で話してお互いを知ろうと思ったんだ。あとは、君に恰好良く見られたかった。』

(つまり、ちょっとかっこつけて店を選んでたってこと?)

シバが毎回、大人で落ち着いた雰囲気の店を選んでいた理由を知り、その可愛さに胸がときめいた。

店の内装は賑やかで、時間になると踊りが始まったりとまるでお祭りのようだった。料理も美味しく、俺は終始笑顔でシバとの食事を楽しんだ。
今日一日を振り返ると笑みが零れる。

「シバ、今日はありがとうございました。」
「もう満足なのか?まだしたいことがあれば、何でも叶える。」

シバは隣に座る俺の肩を抱いて楽し気にそう言った。十分すぎるくらいに祝われ、照れくさい気持ちすら感じていた俺だが、『したいこと』と言われて、あることが頭をよぎる。

「それって、何でもですか?」
「ああ、どんなことでも良い。」

「じゃあ…」と言って隣のシバを上目遣いに見る。言うか言うまいか少し悩んだが、「遠慮するな」と言われ、勇気を出して口を開いた。

「…セックスしたいです。」

言い切ってカァアアと顔を赤くする俺に、シバは少し動揺した声で「セ…ッ」と発した後、固まってしまった。


隣のシバはしばらく無言になり、俺は「まだ早かったかな…。」と羞恥心で俯く。

(付き合ってまだ1ヶ月も経ってないし……早すぎた?!)

普通の付き合いというものを知らず、今日というタイミングが早いのか遅いのかさえ分からない。映画では目が合って好きになった夜にはそういう行為をしていたし、決して早くはないと思っていたが、世間一般では違うのかもしれない。

(触り合いとセックスは、また違うものなのかも…。)

「えっと…やっぱりもう十分です。もうお風呂に入って寝まし、」
「いや、」
「…シバ?」

俺の言葉を食い気味にシバが否定する。一体なんだと彼の顔を見上げると、少し頬が蒸気する緊張した顔で「…する。」と小さく言った。





「準備できたか?」
「…た、多分。」

(生まれて初めてあんな薬飲んだ。)

セックスをしようと誘ったものの、知識も経験もない俺は、シバの指示するままに薬を飲んだ。そして数分後にはトイレに籠りっきりになり、無事第一段階の準備が終わった。

「風呂が出来ているから一緒に入ろう。」
「え、一緒に…?」
「ああ、次の準備がいる。」

(そうだ、これから洗ってほぐして…。)

男同士の性交には段階があると言っていた。とりあえずは知識のあるシバに従っておこうと、手を引かれるままに風呂場へ向かった。


「ふぁ~…。」
「気持ちいいか?」

今からここで…と構えていたが、シバは先に風呂で温まろうと湯舟に2人で浸かった。シバにもたれかかるような体勢で息を吐きながら湯を堪能していると、後ろからフッと笑う息がかかった。

「はい。なんか寝ちゃいそうです。」
「それは困る。今夜は起きていてくれ。」

そう言われると、ほんの一瞬忘れていた今からの行為を思い出す。

「寝ません。シバも寝たら駄目ですよ。」
「ああ。」

シバはそう言って俺のおでこにかかる髪を後ろへ撫でつけた。

ちゃぷ…
よしよしといった風に何度も前髪を後ろへ梳かれ、本当に眠気が襲ってきた。

(って…寝たら駄目だ!)

俺は身体を起こし、後ろのシバを振り返ると問いかけた。

「あの、準備は…。」
「分かった。湯から出ようか。」

シバは俺を支えつつ立ち上がると、洗い場の椅子に俺を座らせた。
向かいに膝をついて座るシバの身体をチラッと見る。鍛えられた身体は、ベッドで何回か見たもののまだ見慣れることはない。
かっこいい理想の身体に嫉妬する気持ちも多少あるが、それよりもこの身体に組み敷かれた夜を思い出し顔が火照る。

(だ、ダメだろ俺、まだ準備なんだから。)

興奮しては良くないと、俺は静かにシバの指示を待った。


「私が洗ってもいいか?」
「洗う…?」
「後ろをだ。」

シバに言われてその意味がはっきりと分かり少し狼狽える。

(え、俺の中を洗うってこと?シバが?今から?!)

それは普通なのだろうか…と焦りつつも、自分でしろと言われても出来そうにない。俺はコクリと頷いた。

「膝に乗ってくれ。」

了承したのを確認してシバが立ち上がると、バスタブの淵に座り、俺にその膝へ向かい合って乗るよう誘導した。

「…こうですか?」
「ああ。腕を首に回してくれ。」

シバに言われるまま、彼の首に両手を回す。凄く恥ずかしい体勢だが、これが準備の際の格好なのだろうか。

「セラ、シャワーを当てるから、熱かったら言ってくれ。」
「へ…。は、はい!」

緊張してシバの首にしがみつく。シャァアア…と水の音がして、ぬるま湯が俺の尻に当てられた。

「…あ、熱くないです。」

(どっちかっていうと、ぬるいんだけど。)

シバが俺の腰から双丘に掛けて水を掛ける。静かにそれを受け入れていると、シャワーヘッドが後ろに近づき、水が中へ入ってきた。

「…ひッ!」
「セラ、大丈夫か?」
「あ、な、中に入って…ッ!」
「少し我慢してくれ。」

中に入ってくるぬるい水の感覚に、俺はぞわっと鳥肌が立つ。

(え、ちょっと待って…これ入れたってことは出すってこと?!)

シバの足によって広げられた俺の両足は閉じることができずに水を受け入れる。お腹が張ったような気分になり、下半身に力を入れる。

「あ、あ、どうしよ…出そう…ッ」
「いいぞ。」

(「いいぞ」じゃないんだよ!俺が嫌なんだ!)

水が入ってくる感覚がなくなり、シバはシャワーの向きを変え再び背中に当てた。

「え、本当にッ、出ます…。」
「出していい。」
「ひぅ…あ、や、やだ。見ないでッ」

シバの目を片手で覆うと、力を入れていた下腹部が限界を迎え、我慢できずに漏らしてしまった。

「…ぁ、」

たらーっと流れていく水の感覚にじっと全てが流れ出るのを待つ。そして、中にある水が全て出きると、安心してシバの目元を外した。

「セラ、可愛い声を出すな。」

シバは眉間に皺を寄せながら低い声でそう言うと、シャワーの栓をひねって止めた。

「あの、俺すっごく恥ずかしくて。声が出ちゃって…ごめんなさい。」
「……分かっている。私は余裕がないみたいだ。その、次の準備をしていいか?」

俺が、もじもじしつつ言い訳をすると、シバは自身を落ち着けるように息を吐き、すまないと言いたげに俺の頬を撫でた。

(人生で一番ってくらい恥ずかしかったけど、これで第2段階まで終わったってこと…だよね。)

少しだけ安心しつつシバに向けて頷くと、彼は後ろ手に何かを取って手に出した。
容器に入った透明な液体に、これはなんだと見ているとシバがそのぬめった指で俺の窄まりに触れた。

「ッあ、」
「今から解すが、大丈夫か?」

無知すぎて大丈夫かどうかすら分からないが、これを終えなければセックスはできない。
小さな声で「お願いします。」と告げ、彼に身を任せた。
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