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12.ディランの正体
しおりを挟むルシアは改めてディランのベッドの上で今日までのことをしっかりと思い出し、頭の中で整理をするとはぁとため息をついた。
本当に色々なことがあった。
特に昨日はひどく乱れて痴態を晒してしまった。ディランとそういった関係になったことは少し気恥ずかしくて、グラスの水を飲みながら、ディランもこんな気持ちでこの水をルシアのために用意したのだろうかと考えた。
いや、そんなことはないかもしれない。
気恥ずかしさなんて全く感じさせないほど、ディランの目は熱っぽくて一方的だった。
有無を言わさぬ力強さがあって、何がなんでも自分のものにしようとする強引さがあって、気恥ずかしいと言うよりもむしろ、ようやく願いが叶って達成感に満たされるようなそんな顔を行為中はしていた。
体を改めて見ると夜着は着ていたが隠しきれないほど赤い跡がたくさん付いていて、足の間はおそらくしっかり拭き取ってはくれたのだろうが、まだかなり湿っぽい感じがした。
記憶にあるだけでも何度も気持ち良くされて、何度も中にディランの欲を注がれた。一体どう言うつもりで注いだのか、性急に行為になだれ込んでしまったためよくわからなかったが、ディランからは只事ではない様子は伝わってきていて、生半可な気持ちではなさそうだなと言うことだけはわかっていた。
これからどうなるのだろう。
ディランはどうするつもりなのだろう。
正直ルシアはこのままディランとどんな形であれ一緒にいられたらと思ってはいたが、そんなことが許されるのかわからないし、そもそも舞踏会の途中で帰ってきてしまって、伯爵家がどのような反応を示すのか不安だった。
また拉致監禁されるのか。
はたまた国外追放か。もしかしたらもう邪魔だと言われて暗殺くらいされるかもしれない。どのみちディランに迷惑をかけることになるのなら、早いうちに別れを告げた方がいいのかと考えながらもディランから離れることを想像して感傷に浸っていると部屋の扉が開いた。
「起きましたか」
ディランの声が聞こえて顔を上げる。目が合うと眉を顰めてベッドに近寄ってくる。
「体調があまり良くなさそうですね」
「ん…少し腰は痛いけど」
ルシアが思いつめた顔をしていたせいかディランは勘違いしたようで、クッションをルシアの背中や周りに集めて寄り掛からせると水を注いだり頭を撫でて顔色を窺ったり、甲斐甲斐しく世話をして再び部屋を出て行ってしまった。
予想通り、恥ずかしそうな感じは全くなくて、むしろとてもご機嫌でいつもより積極的なくらいだった。ぽかんとしながら、継ぎ足してくれた水を飲んでいるとディランは食器の乗ったトレーを持ってきてサイドテーブルに置いた。
「朝食は食べれます?」
「うん」
いつもならこんな遅い時間に起きたら間違いなくだらしないと怒られるし、服を着替えずに食事を取るなんて絶対に許してくれないのに。寝坊した上にベッドの上で寝巻きのまま朝食を食べるのを許してくれるどころか手ずから食べさせようとしてくれてルシアは慌てて断った。
何が起きているのかいまいちわからず、ベッドの上では食べづらいし自分で食べるから寝室のソファとローテーブルに移動すると言うと、どこかしょんぼりとしつつもルシアのことを当たり前のように抱き上げてソファまで連れて行ってくれた。
大丈夫だと言ったのにトレーも水差しも一緒に持ってきてくれて、すぐにローテーブルの上で朝食が食べれるようにセッティングされる。
「あの…えっと」
「食欲がありませんか」
動揺してソワソワしているとその様子を見つめていたディランがじっれたそうな顔をしてソファに座ったままルシアを膝の上に乗っけた。
「ひぁ…ちょっと、待って」
ディランはスープの入ったボウルを手に取るとルシアに近づけた。
「食欲がなくても食べてください」
そう告げるとディランはじっとルシアのことを見ていた。いつも通りの涼しげなクールな表情なのだが、おそらくルシアの事を心配しているのだろうということはわかって、素直にスープを受け取って口に運ぶ。
温かいスープは疲労とはまた別の倦怠感を感じていたルシアの体にじんわりと染みていってぽかぽかとした。
「美味しい。…朝食ありがとう」
いつも通りとはいえルシアの寝ている間にご飯を作ってくれたり、恐らく行為の後も体を拭いたりシーツなども全て清潔なものに取り替えてくれたのだろう。ルシアが素直に礼を述べると、ディランはそっけなく答えた。
「好きでしているだけなので」
さも当たり前だと、それくらいできると言わんばかりに告げる。
無頓着なルシアはたくさんしてくれてありがたいなと素直に思うだけで煩わしいと思ったりはせず、ディランの行動を特に気に留めることはなかった。
朝食はデザートのフルーツまでしっかりと完食した。
空腹が満たされると少しぼんやりとしてほわほわとあくびをする。ディランの体に寄りかかると腹に回されていた手に力が入ってぎゅっと抱きしめられた。
数日前からしてみれば考えられない距離感なのに、何だかそれが当たり前に思えるほどにディランの腕の中は落ち着いてルシアは大人しく抱きかかえられていた。
「心配かけてごめんね」
今まで起きたことを思い出して、ルシアはディランにそう告げた。いろいろ、迷惑と心配をかけてしまった。
「悪いと思うならこれからはもう一人で抱え込まないでください」
「うん、気をつける」
「目の前で消えた時は肝が冷えました」
目の前で消えた日。誘拐された日のことを思い出してルシアは告げた。
「あの日、ディランに話そうとしていたこと、今話したい」
話すのがずっと怖かったはずなのに、ディランに抱きしめられて手を握られている今なら、全てを落ち着いて話せる気がして、言葉がするりとこぼれ出る。
「教えてください」
ディランはそう告げると、特別身構えたりすることなく、いつも通りたわいない会話をする時と同じ態度でルシアの様子を伺う。それがルシアはとても嬉しくて、変に緊張することなく自分のことを話すことができた。
ルシアは自分の生い立ちを全てディランに話した。
伯爵家に生まれたこと。
実母が亡くなり、父が後妻と結婚して妹が生まれたこと。
血筋の違いや魔草薬に強い興味を持ったことで家族とギクシャクしてルシアだけ別荘に一人で住むようになったこと。
ずっと交流がなかったのに最近呼び出されて、ルシアが開発した魔草薬の権利を全て譲るように言われたこと。
ルシアの口から話すと主観が混じった偏った話になってしまう気がして、初めはこれまであった嫌なことを全て話すと言うよりも掻い摘んで事情を説明するくらいで留めた。
でも、ディランはとても聞き上手で、基本的に物静かなのだが、何度も頷いてくれたり、時に鋭い質問をしてきて、素直に答えているうちにその当時、ルシアが悲しかった事や苦しかった事など誰にも言えずに押し堪えていたものを全て吐き出してしまった。
ディランに話を聞いてもらっているだけなのに、心の中でずっとモヤモヤしていたものがすっと消えてルシアはとてもスッキリとしたが、逆にディランの眉間には深い皺が刻まれていき、全て話し終えた頃には顔に出ないディランにしては珍しくとても不機嫌そうな顔をしていていた。
「別にだからどうこうしたいってわけではないの。ただ聞いてもらえただけで、とてもすっきりした」
ルシアはディランの胸にぽすと顔を埋めて告げると頭を優しく撫でてくれる。ディランの胸も手もとても暖かくて心がぽかぽかとして、ルシアは目を細めた。
なんて幸せなんだろう。
ずっとこのままで入れたらどんなにいいか。
そう思いながらも、妥協の上に成り立つ幸せはすぐに壊れてしまうと身をもって知ったルシアは不安な気持ちと戦いながらディランに問いかけた。
「ディランこそ、どうして舞踏会にいたの」
ルシアがディランに何も話していなかったようにディランにもおそらく隠していることがたくさんある。
今まではそれでよかったかもしれないが、これからもディランの側にいたいのであれば、きちんと向き合っていかなければならない。
それはルシアもわかっていた。
「ルシアを探して、たどり着いたのがあの場でした」
「舞踏会に参加するって知ってたの」
「はい」
「伯爵家に繋がるようなものは何も残していなかったのに」
ルシアが不思議そうに尋ねるとディランは淡々と告げた。
「ルシアの魔草薬の権利は今現在は僕が全て管理しています。数ヶ月前にルシアの持っている権利について魔草薬協会に照会をかけた人物がいたため不審に思って調べていました」
「照会をかけただけで?」
「ルシアはいくつもの権利を持っているので照会をかけられることは少なくありません。ですが商家でもその分野に知見のある貴族でもない伯爵家が照会をかけるのは違和感があって念のため調べていました。なので伯爵家がルシアの生家で、経営が傾いていてルシアの権利を狙っていることは知っていました」
「じゃあ誘拐された時も…」
「おそらく伯爵家だとすぐに王都に向かいました」
「そうなんだ」
いくらディランが有能だからと言って、伯爵家まで辿り着くのは難しいだろうと思っていたのに。ディランはルシアの想像以上に優秀だったようだ。
「ただ、流石に貴族の邸宅に理由もなしに乗り込むことはできないので、翌日の舞踏会を待っていました。待ちきれなくて夜に忍び込むことも考えましたが、それだとルシアを保護した後に騒がれると面倒だったので」
その言葉で、ルシアは今、舞踏会を途中で放棄して伯爵家にも何も告げず別荘に戻ってきてしまっていることを思い出した。
「ねえあれからどうなったの。私、ここにいてもいいの?」
慌てて尋ねるとディランはあっさりと告げた。
「伯爵家には婚約の申し入れをしておきました」
「こ、婚約…!?」
「もともとお見合いパーティのような舞踏会です。おかしくはないでしょう。始祖竜家系の竜人族が一目惚れして御令嬢を連れ去ったとしても」
ルシアは目を見開いた。
「竜人族だったんだ…それも、始祖竜系の」
薄々、竜人族ではないかとは思っていた。
舞踏会にはルシアの国貴族と帝国の貴族がいたが、ディランの体格は帝国貴族たちの中にいても見劣りしないものだったから。
むしろまだ成長期であることを踏まえると帝国貴族の中でも大柄な方かもしれない。ディランがどちらの種族か、言われるでは確信できなかったが、そうだと言われれば妙に納得してしまった。
それにしても始祖竜の家系だなんて。
ルシアは困惑しながら尋ねた。
「ねぇ、ディランの番って」
始祖竜の血を持つ竜人族は番い候補は作らず、初めから番いは一人と決まっている。
「僕の口から聞きたくてそうやって尋ねているんですか」
ディランは静かに告げるとどこか満足げな顔をして、ルシアの体に腕を絡みつける。ぎゅっと強く抱きしめられるとディランの甘い香りがしてルシアはぞくりとした。
間違いない。ルシアだ。
ディランの番はルシアだと体が言っていた。何がどうと言葉にするのは難しいが、本能的にそうだと頭や体、心までもが確信していた。
なんだか不思議な感覚だったが、疑う余地がなくてすとんと腹に落ちる。
ディランもこんな気持ちなのかと思って見上げると首筋に顔を埋められた。
「わかりましたか」
「な、何となく」
「ルシアも少しずつ実感が湧いてくると思います。僕は出会った時からずっとそんな感じでした」
そう言われてルシアはディランとの出会いを思い出した。
「森で倒れていた時から?」
「はい」
「もしかして、別荘の前で倒れていたのって」
「ルシアが出てくるのを待っていたら衰弱しました」
「そんな…」
ルシアは外に出るのが面倒で、一人暮らしをしている時は2週間に一回、外に出るか、出ないかと言う生活を続けていた。
「ずっと待ってたの?」
「はい。番いがこの家にいるのはわかっていたので」
ルシアは驚いた顔でディランの方を見た。
竜人族は基本的には番候補を作り、その中から正式に番となる相手を決めるが、始祖竜の系譜だけは少し違うと文献で読んだことがあった。
始祖竜の系譜はより竜の血が濃く、性質が竜に近いため、番は初めから1人しかおらず、相手がどこにいるかは年頃になればわかるのだと言う。
…年頃というのは第二次性徴が始まる思春期を指すのだが、出会った時はディランはまだ10歳ほどの少年で思春期というには少し早いように思えた。
「ディラン…?」
不思議に思ってディランの方を見ると気まずそうに逸らされる。
体つきはかなりがっしりとしていてほぼ大人のそれだが、顔つきはまだ少年と青年の狭間で揺れ動く幼さを残している。
出会ってから6年経った今、16歳の少年と言われてとてもしっくりくる見た目をしているが、ルシアは大切なことを忘れていた。
竜人族と人族では歳の取り方が違う。竜人族の方が人の2倍~3倍は歳を取るのが遅いのだ。
「ディランは今いくつ?」
もしかしてと思い尋ねるとディランは黙り込んでしまった。
「出会った時は10歳だって言っていたけど」
ルシアが詰め寄るとディランは観念したようで、ぼそりと告げた。
「竜人族の中でも始祖竜の系譜は初めから番いは決まっているので、番の側にいないと第二次性徴が始まりません」
「体が成長しないってこと?」
「はい。ルシアに会うまでは男性としての機能が一切発達しないので、幼い子供の姿でした」
それはつまり、いくら歳を取っても幼い姿のままだと言うことだろうか。
では、ディランは本当は今何歳なのだろうか。少なくとも16歳よりは上という認識でいいのだろうか。
そこまで間考えて、ルシアは今までディランにしてきたことを思い出して顔を赤く染めた。
お風呂こそディランに一緒には入らないと断られたが、ずっと同じ部屋で過ごしたり、添い寝をしたり、胸を押し付けて抱きしめたり、色んなことをしてしまった。
「子供扱いして、ごめんね」
素直に謝るとディランも少し気まずそうにして答えた。
「謝らないでください。困るようなことは何一つありませんでした」
「でも初めの頃は同じ部屋で窮屈だったよね」
「いいえ。部屋を分けるのを拒んだことを忘れましたか」
「…でも添い寝をしてしまったり」
「一緒のベッドで眠りにつけて幸せでした」
「……色々と撫で回して抱きしめたりしたような」
「ルシアに抱きしめてもらえて嬉しかったです」
全て切り返されてルシアはたじたじになってしまう。
「そうなの…嫌なことは無かった?私、ディランを傷つけたりしてない?」
恐る恐る尋ねるとディランは首を振った。
「何一つ辛いことなんてありませんてました。貴方を失いそうになる事以外は」
そう告げられてルシアは、あ…と声を漏らした。
ルシアは番を失った竜人族向けの薬を作っている。番を失うことがどれだけ辛いかは良く理解しているつもりだった。
ディランの言葉がルシアの胸にズシリとのしかかる。ルシアが湖に行った日、ディランはどんな気持ちで探していたのだろう。
湖に身を落とそうとしたとき、番いを目の前で失いかけたディランは、どんな気持ちでいたのだろう。
すぐに家の中から刃物が消えて、ルシアの開けられない鍵が増えて、ディランの監視が厳しくなって、ルシアは過保護だなんて軽い気持ちだったがディランは相当苦しんでいたのではないだろうか。
それなのにそうやって警戒していた直後に目の前で誘拐されるなんて。ディランはどんなにショックだっただろう。
ルシアはディランの手を掴むとぎゅっと握りしめた。
「ごめんね」
「もうその言葉は聞きたくありません」
湖に行った日も誘拐された日もディランにそう謝ったことを思い出してルシアは気まずそうに視線を漂わせた。
どうしたらディランを喜ばせられるだろう。
悲しい気持ちにさせてしまった分、何かしたくて考え込んでいるとディランはルシアをぎゅっと抱きしめて腕の中に閉じ込めた。
「もう、ひとりにしないでください。それだけで十分です」
「…うん」
その言葉がルシアの心に強く響いた。
ルシアはずっとひとりぼっちだと泣いてきた。
だから1人がどれだけ心細くて寂しいかわかっていたつもりだったのに、そんなルシアが知らず知らずのうちに、ディランを孤独にして悲しませていたなんて。
ルシアは間違っていたと強く反省した。
もう話すのが辛いなんて思うのはやめよう。辛い話を伝えるのにはとても勇気がいるけど、ディランはルシアのことを受け止めてくれる人だとわかったから。
全てどんな些細なこともディランと話し合って解決していこうとルシアは心に決めた。
「ひとりにしない」
ルシアは自身に言い聞かせるように、ディランに告げた。
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