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第二章 あの悪魔を退治しよう
14 知ってしまった真実は
しおりを挟むある日、わたしは知らない場所にいた。右も左も分からない世界。行く宛も無く、彷徨っていた。
朧げな記憶。違う自分。見知らぬ世界。
何もかもが怖くて、心細くて仕方がない。そんな時、ある村に辿り着いた。
「どうした、嬢ちゃん。一人でこんなところに来て」
麦わら帽子に無精髭。農作業を終えたばかりなのか汗だくで、見たことがあるようでない野菜の入った籠を運んでいた男性に声を掛けられた。
「……わたし、迷子……」
そう言った時、ぐぅ~とお腹が鳴りだして、急に空腹を訴えてきた。知らない他人でも、悪い人には見えなくて、安心したせいかもしれない。
「おいおい、若い子が腹ペコのままかい?そいつぁ、いけねえな。よかったら、俺っちの家でカミさんの美味い飯を食ってみねぇか?」
「……いいの? わたし、怪しいよ……?」
「良いって、良いって。困った時はお互い様。助け合うのがウチの村の流儀よ」
荷物を持っていない、身なりの綺麗な少女が一人旅。怪しさしかないわたしを、ニカッと明るく笑って、迎え入れてくれた。
そうして、「俺っちの家に可愛いお客さんが来たぞ~! 」と彼は村人達に言って、歓迎パーティが開かれることになった。
知らない料理。知らない音楽。知らない踊り。
────気付けば、知らない館。
あの親切は嘘?あの笑顔は偽り?
どうしても、知りたかった。だから、わたしは行くことにした。
村の入口近くに、奇妙な水溜まりがあった。黒いインクかと思う程に真っ黒。中には、麦わら帽子と服が落ちている。
今さっき、落ちたばかりなのだろう。徐々に染み込み始めている。
それは、クリスにひどく見覚えがあるものだった。
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