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やったのは誰だ?
しおりを挟む「アイツは、有名な婚約詐欺師兼女性専門の殺人鬼でな。 肉体を改造する魔法で整形を行い、手に入れた容姿と元々の口の上手さでターゲットに婚約話を持ち掛け女という女を騙しては大金を貢がせ用済みになったら殺すを繰り返していた悪どく残酷で猟奇的な奴なんだ」
そう言ってから、紡ぐ言葉を一旦止める。
殺人鬼に殺されなかった唯一の生存者である少女を数秒見つめる瞳は、被害者達を思い出してか悲しみに満ちていた。
「………………心を動かされそうになるぐらいに格好良くて話も面白い人でしたけど、彼に婚約のことを言われたときにアレッ? と思ったんです。その後はなんとなく怪しくて胡散臭い感じがしたので、魔法警察に通報したのですが………………やっぱり、悪い人だったんですね………………」
「それは、女の勘というものかい? とにかく、君だけでも被害に合わなくて良かったよ。本当に」
「今後、どうなるんですか?」
「叩かなくても埃がボロボロ出てくるような奴だ。アイツには終身刑か死刑の二択しかないな」
「………………」
「………………? どうしたんだい?」
「──────あっ、いえっ。その、なんでもありません」
魔法警察に通報した本当の理由は、結婚詐欺師で殺人鬼の男に被害者の霊達が付いていたのが見えたからなのだが。
────────そのことは、結局やっぱり言えなかった。
そのことを言ってしまえば、
幽霊専門の魔法使いによって強制的に浄霊もしくは除霊されて、怨みつらみで悪霊となってしまった彼女達は復讐の機会を失ってしまう。
…………………………それでは、可哀想だと思ったから。
後日、婚約詐欺であり連続女性殺人鬼である男は牢屋の中で殺された。
死因は、なんと自殺ではなく何者かによる他殺。
しかし、強固なセキュリティが破られたり誰かが侵入した形跡といった犯人の痕跡は何一つ分からずじまい。
最終的に結局は謎の密室殺人事件として処理されたという。
………………やったのは、恨んでいたあの幽霊達だろうか。
それとも、もしかしたら家族を殺された遺族によるものかもしれない。
────────わたしには、真実は分からない。
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