星に恨みを

谷川ベルノー

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星に恨みを

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 お前とはただの遊びだったんだと、真実の愛を探し続けると、そんなふざけたことを言って彼はわたしから足早に去っていった。


「…………なによ…………それ…………」
 互いに誓いあっていた将来は無くなり、婚約は破棄されてしまった。



 一人ぼっちにされたわたしは、暗い海を眺めていた。
 心の内に怒りと恨みを煮え滾らせて。


 なにが真実の愛を探しているよ!
 これからじゃんじゃん浮気をし続けますって宣言してるものじゃない!
 あの馬鹿は最低行為をそう言い換えたらカッコイイと本気で思ってんの!?

 もうアイツ、馬鹿で屑で最低で──────あぁ、もう思い返すのも本当にムカつく!!


「あの勘違い最低男に天罰でもなんでも落ちて痛い目に会っちゃえええええぇぇぇぇ──────!!」


 女性が心からの恨みを海に向かって叫んだ瞬間。
 夜空にキラリと一筋の流れ星が瞬いた。
 それは怪しく毒々しい色をした、おかしな流れ星。


「────ふぅっ。思いっきり叫んだら、ちょっとだけスッキリした」
『人の子よ、汝が願いを聞き届けたり』
「えっ?」


 突然の荘厳に満ちた神々しい声に辺りをキョロキョロ見渡すが、当然ながら誰もいない。


「…………えっ、なに今の空耳? …………なんか気味が悪いし、帰るか…………」




 翌朝、自分を捨てた浮気男に隕石が落ちたというニュースがテレビで流れていた。
 不思議なことに周囲への被害だけは全くなかったという。


「…………本当に…………願いが叶っちゃった…………」
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