【完結】私にだけ当たりの強い騎士様と1メートル以上離れられなくなって絶望中

椿かもめ

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15.変わる関係※

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 その光景を見て気がつく。
 彼が私の中に入れることなく、己の発情を解消しようとしていることを。頭がおかしくなるほどの熱情を患っているはずなのに、コルネリウスは私の身体のことを考えて挿入しない選択をしたのだ。
 
「……っんんっ、!」

 稀に勃起した陰核を掠めることがあり、その度に脳がびりりと揺れる。次第に私もそれを求めて腰をくねらせていた。

「……はぁっ、もっと、欲しいか? ならお前もっ、気持ちよく、してやるよっ」

「……ぁ」

 コルネリウスの掛け声ともにまとめ上げられた足首をぎゅっと掴まれ、折り畳むように私の頭上へと運んでいく。まるでおむつを変えられる赤子のような姿勢にかっと頬が熱くなった。だが抵抗する間も無く、コルネリウスは先と同様に太腿の間に己の性器を挟み、前後に腰を振った。
 片腕でまとめ上げられた両足を抱きかかえられ、ベッドはギシギシと激しく音を立てる。

 空いた手が私の閉じた蜜壺へと向かい、つぷっと指が一本挿入させられる。最初は違和感のあったそれも、敏感に快楽を拾い続ける陰核からの刺激によって打ち消されていく。ぬぷぬぷと入り口付近を抜き差しされれば、思わずその太ましい指に食いついてしまうほどぎゅっと力が入った。

「……んんっ、はぁ、なかっ、がっ……んんっ、へんな、かんじっ!」

 少しずつ物足りなくなってきているのを悟ったのか、強弱をつけながら腰を動かし続けていたコルネリウスは指の本数を増やしていった。
 
 固く閉ざされていた膣はゆっくりとふやけるように広がっていき、肉壁を擦られれるだけで腰が浮いてしまうほど慣れていく。最初は慎ましやかだった動きがどんどん加速し、厚かましいほどに激しくなっていく。長い指が奥の方をとんとんと叩き、くるくるとかき混ぜるよう動かされていた。

 コルネリウスは「うっ」と小さく唸り、眉間の皺を深くした。彼自身がそろそろ限界に近いようで、接着する股座は漏らしたかのようにびしょびしょに濡れていた。

 彼の腰の動きが大胆になり、同時に動かされる指のストロークも激しく深くなっていく。膨らみ切った陰核もごしごしと磨かれ、二箇所を同時に刺激され、肉欲がその先を追い求めるように脳を支配していた。

 ぱちゅぱちゅと腿をたたく破裂音が部屋に響き、その激しさにシーツを掴んで耐えていく。

「……っ、くっ、そろそろ……っ」

「ぁっ、んんっ、はぁっ、わた、しも……っ、んんっ」

 彼の動きが一層激しくなり、一気に突き上げる。中の指作も最奥の1番いいところを叩きつけたその瞬間。全てが弾けた。

「んんんんっ!!」

「……っく!!」

 頭がおかしくなりそうなほどの圧倒的な悦楽が波のように押し寄せてくる。目の前でぱちぱちと星が弾け、真っ白な世界が広がった。痙攣が止まらず、喉が潰れてしまいそうなほど甲高く喘いだ。

 白濁が腹の上を飛び散り、その温かさがなぜか狂わしいほど切ない気持ちにさせた。
 私はそのまま全身を弛緩させ、ベッドに崩れ落ちる。ばくばくと耳まで届く自分の心臓はまるでオルゴールの音色のように心を穏やかにさせていく。
 ぼんやりとしながら天井を眺めていれば、突如自分よりも大きな身体が覆い被さってきた。

 どうやらコルネリウスはぱったり意識を失ったようで、前回の私と同じだなと反射的に苦笑する。

 胸元に頭を寄せて眠っているコルネリウスの吐息が心地よい。体重の違いに息苦しさもあった。彼の背中に抱きつくよう手を回し、ごろりと自分の隣へと転ばせた。そのまま全身の力を抜き、瞼を閉じる。
 そして私は睡魔に抗うことができず、眠りについた。


・・・


 意識が戻ったのはコルネリウスが最初だったようだ。
 肩を揺すられる感覚に私は瞼を開けた。

「おい起きろ!」

「……んんー、……おはようございます」

「おはようじゃない! 今はもう夜だ!」

 コルネリウスの怒鳴り声が頭に響き、私は周囲を見渡してようやく自分たちが置かれた状況を悟った。心臓が跳ね上がり、ばっと体をその場から起こす。

「仕事! 抜け出した感じになってて!」

「ああそうだ。巡回の途中だったな。……もうすでに外は暗くなっているが」

 彼のその言葉に思わず窓を見れば、外は既に日が落ち、深い黒が広がっていた。途端に冷や汗がでてくるが、目の前のコルネリウスはというとなぜだか落ち着いた様子だった。自分より焦る人間を見て冷静になったのかなどと一瞬考えていれば。

「巡回はいい。あれはトラブルがつきもので、途中で抜けて別の任務につくこともあるからな。仲間が消えることもざらだ。だが──」

 そう呟いたコルネリウスは視線を逸らし、なにかを言いたそうに口をもごもごさせていた。その尻込んだ様子に私は彼をじっと注視する。その視線を受けてか、彼の耳は次第に赤くなっていき、首元まで熱を帯びた色合いへと変化していった。
 思わず目を瞬き、戸惑いを訴える。

「えっと……どうされたんですか」

「…………っ」

 それでもなおコルネリウスはむっつりと口をつぐみ、視線をきょろきょろと右往左往させている。そこでようやく私は察した。

「もしかして照れて──」

「ちっ、違う! 断じてそのようなことはない!」

 いつにも増して表情豊かな彼が珍しく、私の中に小さな嗜虐心が芽生えた。思わず口元が緩みそうになるのを堪え、しれっと無表情を演じる。

「そうですか。ではどうしてそんなに顔を真っ赤にさせてらっしゃるのでしょうか、隊長殿?」

「……くっ、五月蝿い! これはそうだ、部屋が暑いだけだ!」

「ふーん、そうですか? 私は少し肌寒いくらいだと感じてますが」

 飄々と言い募るわたしを前にコルネリウスは砂を噛むような面持ちで鋭く睨みつけてきた。常であればその視線にすくみ上がるのだが、今の私は無敵だった。

 なにせあの天下のコルネリウス・ホーエンハルトが己の行為や言動を恥じ、耳や首までをも真っ赤に染めているからだ。

「そういえばコルネリウス様、行為の最中私のことを綺麗だ、かわいいって──」

「うるさいうるさい! お前の聞き間違えだ! 俺がそんなこと口に出すはずがないだろう!」

「えええ! そんなはずないと思いますが……」

 断固否定の意を示し、腕を組んで鼻であしらうコルネリウス。だがやはりその耳は赤かった。

 話しかけようとしても取り付く島もない様子に私はとうとう諦め、『ここは私が大人になりましょう』と言って首を振る。

 このからかいによりコルネリウスが翌朝まで臍を曲げ続けることになると、この時の私は思いもしなかったのだった。
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