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J-Side

僕の半分(J-Side)3

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ハソプさんが作ってくれた簡単な朝食は凄く美味しくて、煎れてくれたアメリカーノも美味しくて、僕は笑ってばかりなのを自覚していた。
二人で食器を洗って、小さな商店街に買い出しに出掛けて、そこでお弁当も買って、帰りに小さな水たまりみたいな湖に寄った。
キャンプ用の椅子を並べて、暫くぼんやりと水面と緑の木々と眺めながら鳥の囀りや虫の声を堪能した。
「ステキな場所ですね。でも、冬は寒いのかな・・・」
「四季、いつ来てもいい所が沢山あるよ。今度は紅葉の時期に来れたらいいね。」
「また、連れて来てくれるんですか?」
「君次第。君の休み次第。」
「ああ・・・秋夕(チュソク)前の地獄期間があった・・・秋夕は全員強制連休だから、次に取れる休みは・・・秋を過ぎちゃうかも!」
「・・・じゃあ、秋は来年に取っておく?俺が、君の来年の秋の予約入れておこうかな。」
たわいのない雑談での冗談だと分かっていても、妙にドキドキしてしまうのは何故だろう・・・
ハソプさんは何というか、大人なんだろう。全て自然で小慣れ感がある。
もしかして気付かなかっただけで、今までの会話でも知らないうちに僕の何かを引き出されていたのかな。余計な事言ってなければいいけど。
「ねえ、君さ、」
「・・・はい?」
ぼんやりしてたから、見られていたのに気付かなかった。びっくりした。
「君、知ってる?」
「何を、ですか?」
「車の中からずっと・・・俺の顔見てぼんやりして笑ってる。ずっと、そうしてる。」
「え!あ、ごめんなさい!」
「どうして、謝るの?俺は嬉しいけどな。でも、俺が笑い返してるのに、俺の顔を見てる筈なのに、君は全然気付かない。どういう事?」
首から上が真っ赤になったのが、自分でも分った。僕は顔を背けて、手の甲を両頬に当てて冷ますのに必死になった。
「嫌なら、掴まなくていい。」
声に振り向くと、椅子に座ったままでハソプさんが僕に手を差し出していた。僕はまだ恥ずかしくて、顔をまともに見れないでいる。
「誰も居ない場所で、男同士で、手を繋ぎたい・・・って意味を、君が受け入れてくれるなら。」
「あ・・・はい・・・・」
僕は水面を見たまま、ハソプさんの手をそっと握った。すぐに強く握り返されたから、びっくりして顔を見た。今度はハソプさんが前を向いたままだった。
「あの・・・ちょっと、急展開過ぎて・・・」
僕の声が震えていたのを、ハソプさんは聞き分けてしまったかな。
「俺は、急展開、でも無い。君には急展開なら、スピード緩める。どう?」
「あ、は、ううん・・・分かりません。」
僕の答えにハソプさんの手が離れていく気配があったから、慌ててその手を引き留めた。
「いえ、嬉しい・・・んです。でも、こういうの、初めてで。」
「俺も初めてだよ?」
嬉しかったけれど、言葉の真意を問えるほどの余裕は僕には無かった。
こんなにドキドキする告白は初めてって意味で、男同士が初めてなわけじゃなかったから。
僕がその手の人種で、初めてじゃないと知ったら、ハソプさんは僕を嫌いになるのかな。興味を無くすのかな。そもそも、僕を好き、なのかな?揶揄われているだけ、じゃないのかな。
「どうしたの?今度は、そんなに苦しそうな顔して。」
「・・・洗濯物が気になって。雨が降ったら嫌だなあって。」
「ふふっ、そうか。じゃあ、帰って取り込もう。」
ハソプさんが離した僕の掌は汗びっしょりで、きっとハソプさんにも着いてしまった筈。気持ち悪く無いかな?椅子を片付けるハソプさんを盗みしたけど、別に手を拭う仕草はしていないから安心した。
家路の車中でも別に変った様子は無くて、ハソプさんはいつもの感じで僕に話しかけてきたけれど、僕は短い返事しか出来なかった。
今更、ここに数日間居る意味を知って、緊張してきたせいだ。当然・・・そうなるんだよね・・・
初めからその目的だけで、わざわざ辺鄙なこの家に、僕は連れて来られたんだろうか?
僕が逃げられないように?そんな、監禁みたいな事を?
いや、そんな訳は無い・・・無い、筈。
前の時みたいに、優しいのはそうなる前だけで、後は便利に、粗雑に、扱いが変わってしまうのだろうか。
僕の好意を餌にして・・・?僕は久々の出来事に浮かれて、軽率だったのかも。もっと慎重にすべきだったのかな。もう、ここまで来て、遅いけれど。



家に着いて急いで洗濯物を取り込んで、僕が畳んでいる間にハソプさんはコーヒーを入れてくれて、小さなベランダのテーブルセットでそれを飲んでいると、隣に座ったハソプさんが僕の顔を覗き込んでいた。
「タバコ、吸っていい?」
「あ、はい。」
「君は?」
「吸った事、ありません。」
「じゃあ、初体験、してみる?」
ワザとだろうか、そんな言葉使うだなんて。僕は然して興味も無かったけれど、頷いた。
「初めてだから、肺に入れずに吹かすだけ。火を点けたら、そっと吸って口の中に煙溜めて、飲み込まないで吹き出して?そうしたら、咽ないと思うから。」
僕は言われる通りにした。咽なかったけれど、美味しいわけが無い。ハソプさんはすぐに僕の指に挟んだタバコをそっと取り上げて、自分で吸った。
「どう?初体験の味は?」
「・・・美味しくありませんでした。僕はもう、いいや。」
「そっか。」
ハソプさんは数回吸って、まだ長いままなのにその煙草を灰皿にもみ消して、後は僕の前では吸わなかった。
夜、ハソプさんが折角腕を振るってくれたのに、僕は余り食が進まなかった。
これから起きるだろう事に、緊張しているからだろう。
それと、さっき湧いてしまった疑念を、払拭する事が出来ないでいるせいだ。
こうして僕に優しくするのは、身体だけが目的だった可能性も否めない。抵抗する力の無い、小柄な体格を選んで嬲り者にする計画があったかもしれない。
でも・・・もう、どうでもいいや。もし、ここで僕が心身ともに傷付けられたとしても、さっきまでのどきどきや嬉しさや、恋するような気持ちをもう一回味わえたから。5年前のあの苦しい日々に、上書きされる記憶が苦しさか楽しさか、何れにしても僕から5年前の事は、やっと遠ざかってくれるだろうから。
バスタブに張ってくれたお湯にはハーブ入浴剤を入れてくれて、僕は身体を丹念に洗って・・・余りにも久しぶり過ぎて自分で指を入れるのを躊躇ったけれど、念のために中も綺麗にして、灯りを薄暗く落とした寝室に入った。
既にハソプさんが裸で横たわっているから気恥しくなったけれど、僕はベッドの前でハソプさんに聞いた。
「僕も・・・脱ぎますか?」
黙って頷くのが見えたから、僕も下着以外全部脱いでベッドに腰掛けた。突然腕を掴まれて、寝転んでいる裸のハソプさんの上に僕は乗った。本当に人肌が久しぶり過ぎて、鳥肌が立つ程に身震いした。
「怖いの?」
僕の顔を引き寄せてキスしようとするから、僕は首に力を込めて鼻先だけをくっ付けた。
「僕の・・・過去のあれこれを・・・ハソプさんが知った後が、怖いです。幻滅されるかもしれないから。僕は・・・ハソプさんが初めてじゃありません、男の人は。」
「なに、君、遊び人なの?」
冗談めかして言うハソプさんに、僕は小さく吹き出した。ちょっとだけ緊張が解けた。
「遊び人でも構わないよ?俺、男と寝るの、初めてだから。指南受けるのに丁度いい。」
「そこまで経験豊富じゃないですよ。あの・・・揶揄われてるわけじゃ、無いんですよね?」 
「どうして、そんな事言うの?俺が好奇心だけでこうしてるとでも?ワンナイト相手なら、いちいち身バレさせて家まで連れて来ないよ?」
叱られてるわけでも、責められてる訳でも無いと知りながら、僕は少し怖くなった。やっぱり、浮かれたりせず、もっと慎重にすべきだったのかな。
「キス、してくれないの?」
「僕・・・始まりを言葉で示して貰えないと・・・キスは・・・本当に好きな人とするものだと思うから。」
「言葉が、大事?」
「はい。関係が終わる時・・・言葉が無いと、いつ、終わりだか分からなくて、僕だけいつまでもそこに居なきゃならなくなっちゃうから・・・」
「・・・辛い恋ばかりだったの?」
「今思えば、恋、かどうかも分かりません。ただ、置いてけぼりばっかりだった・・・かな。それと・・・」
僕は聞くのが怖かったけれど、どうせ同じように傷付くのなら、この際だからハッキリさせたい。
「僕は、ハソプさんにこうされる目的で、ここに、連れて来られたんでしょうか?」
暫く無言で見詰め合っていたのは、ハソプさんが上手い言い訳を考えているせいなのかな。
「言葉足らずなら、聞けって・・・ハソプさんが。」
「うん。君の身体目的?それも当然あったよ。男だから。いつだって狼に豹変する。信じて貰えないかもしれないけれど、君とこうなるのは目的ってよりも、オプション。」
「オプション?じゃあ、何が目的で?」
「君の心を俺に向けて、君の心を捕まえるのが目的・・・君が自然が大好きだと言ったから、君に気に入られたくて、此処に連れてきた。君は、俺が、好き?」
僕は笑って鼻を鼻に押し付けた。流石は大人、狡猾だ。僕に先に言わせようとしている。
でも少し、安心した。言葉巧みに騙されているかもしれないけれど、僕の心のときめきは多分・・・本物だと思うから。
「ハソプさんが何も言わないのに、どうして僕が先に言うんですか?」
「ふふっ、そうか。じゃあ、教えてくれる?男と寝るやり方。」
「いいですよ。ハソプさんはどうしたいですか?入れたい?入れられたい?それとも、それはナシ?」
「君は?」
「だから、どうして僕が先に言わなきゃならないんです?」
またハソプさんが笑った。今度は、溜息混じりだ。
「男同士で男女みたいにしたいなら、それなりに準備が必要なんですよ。」
「うん。ネットで調べた。」
「準備がいいですね。」
「仕事柄ね。」
「準備も何も無いですから、今夜は・・・入れるのは無しにしましょう。」
「うん。」
「入れなければ、前戯は女性を抱くのと同じですよ。ただ、ここは、同じ男同士なんだから、気持ち良い方法は分かるでしょう?」
僕は初めてハソプさんの下半身に手を伸ばした。びっくりした。顔はクールな無表情なのに、物凄く勃っていた。触るのも躊躇う位に。
「男と寝るのが初めてで、こんなになるものですか?」
僕の問いに肩を震わせてまで笑っているのを見て、何だか癪に障った。余裕有りすぎだろう。
「ああ、ごめん。勃ったのは、相手が男女関係無く、君だから、じゃない?」
「え?僕とこうなりたかったんですか?」
「そりゃあそうでしょう。じゃなきゃ、勇気を振り絞って君に声掛けたりしないよ。」
「だったら、強引に抱けばいいでしょう?」
「強引にされたいのか?」
見詰め合ったまま、無言になってしまった。今までに見た事が無い位、ハソプさんの目が真剣に見えたから返す言葉が無かった。やっぱり、少し、怖い。
「俺は・・・君の目にどう映っているか分からないけど、精一杯自制している。君の嫌がる事は、したくない。君を・・・傷付けたくない。」
僕は少し考えて、何度か頷いてみせた。ここまで来て、僕の気持ちを優先してくれるのなら、さっき言ってた目的とオプションの話は、きっと本音なんだろう。
「じゃあ、続き、しますね。」
僕はぎこちなくハソプさんの身体を抱き締めて、首筋からキスをして、どんどん下に下げていった。そして・・・今まで見た事も無い位のサイズと、何というか、力強さだった。恐る恐る両手で握って、強弱を付けながら上下に降って、頭上から深い溜息が何度も聞こえてきたから、僕も興奮した。僕の手で、ハソプさんが翻弄されているんだと思えば、嬉しくない分けが無い。
「舐めて、いいですか?」
チラとハソプさんを見上げたら、頷きながら上体を起こして来た。
「見てても、いい?君が、そうしてくれるところ。」
僕は頷いて、ハソプさんの両足の間に身体を置いて、そこに蹲った。
太くて固くて顎が外れそうだったけれど、目一杯喉奥までストロークを頑張った。どんどん粗くなるハソプさんの息遣いが「気持ちいい」と代弁しているのだと思えば、幾らでも頑張れた。僕の唇で、口の中に広がる味が変わって行くのが嬉しかった。苦しくて涙も鼻水も涎も垂れまくりだったけど、夢中になって吸い付いた。
「待って、もう、いい、待って、止めて。」
僕の額を押してそこから引き離そうとするから、何だか意固地になってまで離したくなかった。
「ダメだって。」
顔を両手で抑え込まれ、釣り針に掛かった魚みたいになっている僕の口端に両親指を突っ込まれ、上の奥歯を押し上げられて、自然にハソプさんの猛りはポロンと外に出た。
「こんなになるまで・・・ありがとう。」
ハソプさんは大きな掌で僕の涙と鼻水と涎を拭ってくれた。手がびちょびちょになったから、それは流石に枕元のティッシュで拭き取っていたけれど。
「だいたい分った。凄く気持ち良かった。ありがとう。じゃあ、一緒にいこう。」
僕の身体を軽々と引き寄せて、ハソプさんの膝の上で彼の身体を挟むようにして座らせられた。
「邪魔、だね。」
僕の下着を取られて、まるで背丈の違いみたいなハソプさんと僕の猛りがくっ付いていた。
「これは、俺にやらせてくれる?」
大きな掌で二人分を一緒に包まれて、ゆるゆると扱き始めた。
僕はもう限界が近かったけれど、ハソプさんの掌と、首筋に当てられた唇と、重なる肌の心地よさを少しでも長く味わいたくて、唇を噛みしめて頑張って耐えた。
「どうして、そんなに我慢してるの?いっていいんだよ?」
「まだ、大丈夫です。」
ハソプさんは、僕の耳をチロチロ舐めて低い声で囁いた。
「俺の背中に爪立てて、そんなに可愛く鳴かれたら、俺が限界でしょう。」
不意打ちだった。呆気なく果ててしまった。そこから、ハソプさんは僕の放ったそれを塗り付けるようにして、いやらしい音を発てながら手を激しく降った。
果てたばかりでこんな事されたら、痛みに近い刺激にどうにかなりそうだった。もしかして、悲鳴を上げたかもしれない。ここが一軒家で良かった。
「うっ。」
ハソプさんの動きが止まって、僕達が重なる肌の間にじわりと生暖かさが広がった。嬉しくて、気持ち良くて、凄く疲れて、後始末を全部ハソプさんに任せてしまい、僕はベッドに倒れ込んだ。
どれ位眠っていたのかな。ふと目覚めると、隣にハソプさんが居なかった。
部屋の灯りを全部消していたから、窓から差し込む月明かりしか無かったけれど、目が慣れてしまえばそこにハソプさんが佇んでいるのが分ったから、僕もベッドをそろりと降りて、窓の床板に手を掛けているハソプさんの手にそっと手を重ねた。
「どう・・・しましたか?眠れませんか?」
黙って僕を抱き寄せようとするから、僕もハソプさんの首に両手を回した。
「キス、したい。」
「・・・ダメですよ。本気で好きじゃなきゃ。」
「始まりは、言葉が要るんだったな?」
「はい。終わる時が来たら、僕がちゃんとそれに分かるように。」
「始まる前から、終わりの話か?」
「全てに、最初と最後がありますよ。」
ハソプさんは呆れたような溜息を漏らした。
「随分、用心深い。君は・・・今まで、辛い思いを沢山したんだな。」
「・・・きっと、勘違いした僕が悪かったんです。」
「勘違い?どんな?」
僕の腰に回したハソプさんの手に力が入って、僕を少しずつ近付けているのが分った。
ここで流されてしまったら、また、同じ辛さの繰り返しになってしまう。それだけは、もう、嫌だ。
僕は床に着いている両足に少し力を入れて、踏ん張った。
「好かれて、愛されている思い込み。セックスは、興味や欲望だけでも出来る・・・感情が無くても出来ると・・・知らなかったから。」
「俺は・・・感情が無ければ、セックスなんて出来やしないぞ。」
「・・・そうなんですか。」
顔を近付けて来るから、僕は後ろに顔を引いた。
「君も頑固だな。分かっている癖に。」
「僕は、勘違いしない為にも、ちゃんとお伝えしましたよ?始まりの言葉と・・・本当に好きじゃなきゃ、キスはしないって。」
少し間があったけれど、ぐいっと身体を引き寄せられて、少しだけ僕の身体が宙に浮いた。
「ずっと好きだった。何年も、ずっと。ジユル、君が好きなんだ。」
「何年?」
僕の言葉ごとハソプさんの唇に飲み込まれてた。
ああ、キスってこんなに甘いものだったんだ。知らなかった。本気のキスなんか、2~3回しか経験無かったしな・・・
こんなにゆっくりと何かを確かめるように、探るように、包むように、忍び込むように舌が踊るものなんだ・・・飲み込む唾が、誰のものかも分からない位に溶け合って・・・さっきより気持ちいいんじゃないのかな・・・
「ジユル、君は?」
唇を離されたけど、まだ、上唇が微かに触れ合ってる。離れている事が惜しくて、僕からハソプさんの唇を奪っていた。
「おい、ずるいぞ。俺にばかり言わせて。」
また唇を離された。今度は顔を両手で抑えつけられた。
「ちゃんと、言って。ジユル。」
「はい。キスがこんなに気持ち良いと、知りませんでした。」
「なんだって?」
ハソプさんは笑って僕を抱き締めた。
「明日、買い出しして、サンドイッチやチュモッパを沢山作り置きしよう。準備の品・・・何を買えばいいのかな?」
「こんな田舎に準備の品なんか、きっと、ありませんよ。」
僕も笑っていた。けれど、明日、僕はこの人に抱かれるんだ。胸が熱くなった。色んな疑惑は残ったままでも、僕はこの人が好きなんだ。
「薬局に行けば何かしらは・・・潤滑剤って言えばいいのか?」
「僕は一緒に行きたくありません。恥ずかしい。」
「じゃあ、いいよ。俺一人で行くから。俺は、恥ずかしくなんかない。必死。」
凄く嬉しかったけれど、本当に恥ずかしいから一人で行って欲しかった。
「しっかり寝て、体力温存。」
ハソプさんは僕をベッドに押し倒して、そのまま腕枕してくれた。そっと抱き寄せてくれたけど、すぐに身体を押し退けられた。
「ダメだ。くっ付いてると勃ちっぱなしになる。手を繋いで寝よう。」
僕は笑ったけど、身体はハソプさんの言う通りだったから、大人しく従った。いつの間にか、眠っていた。
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