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第一部
閑話:夕立けぶり
しおりを挟む「へぇーえ、けっこう惜しいところまでいったんだな」
クラウスと入れ替わるように、柏梶宮に扉も通らず忽然と出現した少年は、しばらく歩き回った後、火もなく明るい宮内の奥にこびりつく闇をしみじみと見下ろして、そう言った。
シェリアは腕を組んで柱の一つにもたれて、横目に闇の端切れで遊ぶクレアを見た。外では雨が降りはじめ、激しく水滴の打つ音が柱を通して伝わってくる。瞼を下ろせば、在りし日の出来事が動く絵のように浮かび上がってきた。
開いた扉から光とともに飛び込んできた王子と王女。閉まりゆく扉、必死に叫ぶ王子の向こうに立つ黒髪の少年。
闇に閉ざされてなお王子は諦めず扉と格闘し、その腕から床に置かれた王女は、真逆の深淵の最奥を見つめ、近寄っていく……。
誰が見たものでもない、柏梶宮そのものが記憶している過去のことだ。
柏梶宮は、その成り立ちからして特殊だった。地理的には王国の中心に王城があるが、本当の中心はこの柏梶宮に当たる。
文字通りのこの世界の中心。心臓だ。
異層の結び目、封印の要。柏梶宮の在り方は全てそこに収斂する。
しかし、王家の失伝と同時に、政治の荒波に揉まれた果てに柏梶宮の番人の名目だけはかろうじて残されたユクァムでさえ、「なに」から王家を守っているのか、真に理解できないほどに知識を喪失している。祭祀だけならばサレンディアも同じものを司っているのだが、ユクァムはそれ以上を持ちえない。
甚大な欠落は勘のいい神祇官らの危機感だけで無理くり補っている状態だ。
「惜しいというか、あと一歩、王子が間に合わなければおしまいだったんじゃないの。王女は封印を解く『鍵』そのものだった。本人も、周りも一切そうは思ってないけど」
「王子も一緒だったからな。まあ王子がちゃんと捕まえといたから結局はなんともなく王女のままでいられたわけだ」
シェリア同様、柱に刻まれた紋様を通し過去を視たクレアは皮肉げに笑った。
「にしても笑える。たった一人先祖返りしてる王族が継承権なしとか!いっちばん王座に縛り付けとかなきゃいけないやつなのに、これ決めたやつ、国滅ぼしたいの?そういや虐殺王とか言われてたんだっけ?せめて城から放り出すならともかく、目と鼻の先に柵の壊れた毒沼があるこの城内で飼い殺しって。滅亡カウントダウンかけてんじゃん。人間ってやっぱりやらかす時盛大にやるよなぁ」
「今朝も危うかったわね。サレンディアの子が表の封印をこじ開けたのに釣られかけてたわ」
シェリアはその時、ミアーシャやランファロードにも知られず彼らを観察していた。クレアがサレンディアに遊びに行ったので柏梶宮の扉が開くのは予想済みだった。
ランファロードがミアーシャを止めるところも見ていた。こじ開けられた「門」から漏れた古く淀んだ澱を祓ったことで、魔の手を退けた。もちろん、澱に囚われたミアーシャにも、それをぶち壊したランファロードにもそんな自覚は欠片もない。
「んっとにぎりぎりだよな」とクレアがけらけら笑っている。朝ぼらけ、一日の始まる瞬間に世界が滅亡していたかもしれないなんて、人間どもは全く想像もしていないだろう。
他人事なのは、たとえそうなったところで、シェリアたちには別段影響がないからだ。
『それは、必要になったら掘り返すという意味で?』
クラウスのやわに見えてふてぶてしい声が脳裏を走った。
必要?人外のシェリアたちは人間が滅亡しようと死ぬことはない。
誰にとって?シェリアの友人はもう全員死んで、王に仕える気ももうない。
それでも今なお、城から離れないのは。
――どいつもこいつも人間に転んでんのか?
「そういえば、伝言があったわ。さっきまでここにいたクラウスから、あんたへ」
「おれ?」
「甥っ子の首飾りを拾って届けてくれて感謝している、だそうよ」
クレアとしては、己を長い眠りから叩き起こした術師を突き止めて報復かなにかしようとして、あの屋敷に踏み込んだだけだろうが。珍しく今回は腰を上げるのが早かった。
その後、サレンディアの本拠地へ顔見せに行くにちょうどいい手土産だと首飾りを持っていったクレアは、あー、と視線を宙に投げた。
「あんたにしちゃ親切ね。落とし物は持ち主へ?そんな殊勝なこと考えもしてなかったくせに」
「あの術式、けっこう質がいいぜ。組んだ本人が死んでるっぽいのはもったいないくらいだ。正直サレンディアの奴ら、そのまま掻っ払うかと思ってた。新たな神器にふさわしい出来だった」
「そのクラウスの妹よ。術式を組み立てるだけで寿命をかなり削ったらしいわね」
「ま、人間がやるならそうなるか」
もったいないとか言いつつ惜しむそぶりは欠片もないクレアは、軽い頭を何度も頷かせた。話題に出たから応じただけなのがわかるくらい適当な態度だ。神器というのも人の世のことなのだから当然だった。
「シェリア」
クレアではない少年の声がシェリアを呼んだ。同時にひたひたと忍び寄っていた闇が、シェリアの足元から一斉に払われる。ふと視線を向ければ、そこには同胞のレーデが佇んでいた。ずいぶん可愛らしい格好で。
クレアがおっと声を上げた。
「レーデ。仕事終わりか?」
「ついさっき。雨が降ったから早く上がれた」
王都下町の酒場で、普通の人間の子どものふりをして働くレーデだ。サイズの合わないシャツは色褪せ、半ズボンの上にあちこち汚れた前掛けを付けた姿そのままでここに飛んできたらしい。愛想はなくても端正な顔立ちと有能な仕事ぶりでそこそこ可愛がられているのだが、今のこの眉間の皺といい、片手に酒瓶を無造作にぶら下げた様子といい、見た目通りの子どもっぽくない貫禄があった。ちなみに酒瓶にはなみなみと中身が揺れていた。クレアがうきうきと虚空から陶製の酒器を三つ出して、レーデがそこに酒を注いだ。とろりとした血の色のような果実酒だ。
「悩むのはいいがぼうっとするなよ」
レーデがじろりとシェリアを睨みながら、酒の注がれた器を差し出した。
シェリアは無言で受け取って口をつけた。同じように酒を舐めたクレアが「そうそう」と至って朗らかに言い始めた。
「サレンディアの本殿の結界、見事に弾かれてきた」
シェリアとレーデの呆れた視線が同時に向いた。
「それ、自慢のつもり?」
「自分で張った結界に拒まれてちゃ世話ないな」
「千年ものだぜ?そこまで寝かせた酒の味が気になってきた」
「……まさか本当にあるわけじゃないでしょうね」
「ないない。多分」
多分なのか。二人の内心が一致した。
「もう確かめようはないけど。人間以外は拒むように組み立ててたの、弾かれてから思い出した」
「だからそのまま帰ったって?」
「それよりは、フィリスと会ったからだな」
レーデとクレアは話しながら酒をどんどん飲んでいる。見た目未成年飲酒な絵面である。しかしそれならと過った考えにシェリアは顔をしかめた。
端から見ればシェリアがこの二人の保護者。めちゃくちゃ嫌だ。
忘れるためにシェリアも喉へ酒を流し込んだ。酸味と甘味が舌を通り、酒気が喉を焼いていく。白い器の底肌が見えたところにレーデがすかさずおかわりを注いできた。三人とも酔うどころか顔が赤くなりもしないが、そこは気分というものだ。
「おれらの末裔のとこにちゃんと還り着くと思ってなかった。あいつが死ぬまではまだ滅ばなくていいな」
シェリアはまじまじとクレアを見た。まさかクレアがそう言い出すとは思っていなかった。
同じように珍しげに瞬いたレーデは少し考えてから頷いた。
「……ああ、フィリスって真正の赤の子のことか。なるほど」
真正の、と付くのは、唯一無二のはずの赤色をレーデが他者に分け与えて、それが受け継がれてしまったからだ。
その者が嫁いだファクサのザラーク一族は今や零落しきっているが、それでもつい二十年ほど前に、曾祖母の血を濃く継いで赤を持つ者が誕生した。シェリアたちからすれば紛い物同然でも人間には際立つようで、シュランツガルドが城に引き抜いてきたのも優秀さを買ってこそだそうが、半分は保護のためだろう。国王の代替わりで勢力に穴開きは出来ているが、セレノクール姉弟が表と裏に手を広げて取りこぼしを減らしている。邪なものが出入りしやすい彼の地よりは守りやすい。
そういえばシュランツガルドは、可愛がっている義弟が当代の「玄」とは今になっても知らない。カイトがそもそも姉にすら言っていないし、先王には教える気が欠片もなかった。王家の歴史として存在だけは知っていても、伝説だと思っている。それでいて赤の他人のクラウスやランファロードがしっかり察しているのは、彼らだからとしか言いようがなかった。
もちろんシェリアにだって教えてやるつもりはない。そんな気はないが……。
「なあ、シェリア」
シェリアが知らず下げていた視線に靴の先が入り込む。ただでさえ子どもの低い背丈をひょいっとしゃがんで低くして、クレアがシェリアの顔を覗き込んだ。腰に巻いたコートの裾が床に広がり、にやにやと笑う顔を両手で支えている。
「そんなに悩むくらいなら、お前も寝ちまったらどうだ?おれとレーデで適当にやっとくから心配すんなよ」
「勝手におれを巻き込むな」
「でも、おれらと違ってシェリアはずっと寝てないんだろ?起き続けて頭ぼやけるんだったら寝てすっきりしたらいいじゃん」
人外が数十年、百年単位で寝ることを普通の人間の思考の働きと同じにしてはいけないのだが、レーデも一人だけ寝不足だからと聞いて意見がそちらに傾きはじめたようだった。シェリアは深々とため息を吐いた。
「眠たいわけじゃないし、ぼけてもないわ」
「でもさ、見ろよこいつ。喰い時だと思われてるぞ?」
先ほどまで遊んでいた闇の切れ端を無造作に引っ掴んで見せてきた。まるでミミズか魚のようにびたんびたんと身を捩っているのを、クレアはぽいっと後ろに放った。光の届かない場所で影と混ざり合い輪郭が消える。しかしぞろりぞろりと蠢いている気配だけはわかりやすかった。
「まだ血の穢れが残ってるおれや、人身御供で喰われかけたレーデまで差し置いて狙われてるって相当だぞ」
「いつの話だ」
「人間の頃だから千年以上前?回復しても食い意地張った奴らは味を忘れないだろ。偽の赤の子が出てきたのもそのせいなんじゃないか?お前がうっかり力を入れすぎたってよりましな可能性だと思うぜ」
「…………そうだな」
レーデは痛いところを突かれたのかそっと目を逸らし、レーデが力を与えたその場面に居合わせたシェリアは初めて口元を緩めた。
すかさず察知したレーデがこっそり睨んでくるので、思い出し笑いを隠すように酒器を傾け、また一口飲んだ。
諦め悪く近寄ってくる闇を、今度はシェリア自身の手で邪険に追い払った。
元々封印が人間のためでしかないことを思えば、異層から漏れる闇はむしろ人外のシェリアたちに近しいものだ。
初代国王らが築いた人間のための世界の、はみ出しもの同士というわけだ。
(同士?)
千年以上も経つのに封印にかすり傷も残せず、隙間からちろちろ舌を出しても柏梶宮からは決して出られない。こんなものと、シェリアたちが同じものだと?
無性に加虐心が湧いてきて、追い打ちに指で虚空を弾いた。
シェリアの薄い色の髪がぶわりと浮き上がった。つられて白い光が柱の紋様を辿って天井まで迸り、花火のように広く大きく弾けた。
柏梶宮の内部を覆いつくす影が全て粉微塵に消え去り、宮の外の雨垂れの音がいやにはっきりと宮内に響き渡る。
レーデが眩しそうに目を細めながら、やっぱり寝なくても問題ないだろとぼやいてまた酒を呷った。雨の音を肴にするのもなかなか風情があっていい。やかましい気配が散ってなおさらよく聞こえてくる。
「お前はおれらの中じゃ一番生真面目だからなぁ。一番強いのにひたすら悶々と悩んでばっかでいたらもったいないってもんだ。――いやぁ楽になったぜ」
そう呵々と笑って言ったクレアの体は、すっかり成人男性の大きさになっている。ついでに血の穢れまでシェリアが祓ったので、完全復活というわけだ。腰に巻いていた上着に袖を通して、あぐらまで掻いているが、人にやらせておいて満足気なのはなんなのか、シェリアはちょっと気になった。
しかし、まあまあすっきりしたのは確かだ。適度な発散は大事だが、そこまで自分が行き詰まっていたのは自覚していなかった。新たな心持ちで酒を口内に転がす。気が変われば味まで変わったように感じるから面白い。いや、元々からこの酒、かなりの逸品ではあった。
「これ、どこの?」
「サレンディアの酒蔵からせしめてきた」
「あんたも行ってたの」
「別口だ。おれは本殿に近づく気はなかった。うまい酒を飲もうと思えば、あそこ以上にいい出来のところはないからな」
「そりゃ、聖域産なんだからそうなるよな。おれも数を取ってくりゃよかった。何年ものだ?」
「四年かそこらだった」
間違っても千年も経ったものではないと言外に言ってレーデは鼻で笑った。口調も態度も手癖も悪いが三人の中で一番気が利くのはレーデだ。クレアはずぼらで気まぐれ屋。最も人間嫌いなのはレーデだが、クレアの場合は同胞意識が強すぎて排他的。一度やる気になればとことんまで徹底的に敵対する者を潰すクレアが、今朝、サレンディアへとわざわざ足を運んだのだ。そこでレーデが救出に走ったのが酒だけというのがなんとも言えない。とはいえサレンディアはやる気になったクレアがたった唯一意志を曲げる例外を持っていて、ゆえに滅亡を免れたので、結果的には無問題だ。
『あいつが死ぬまではまだ滅ばなくてもいいな』
新しい赤の子の寿命を考えれば五十年かそこらか。報復を先延ばしにしたのかもうやる気は霧散したのか、わかるのはクレア本人だけだ。
(五十年……)
千年近くも王家の傍にい続けたのだ。その時間程度は離れてただ様子を眺めていていいかもしれない。うだうだ悩むのはその後でもいい。クレアが己の猶予を呈示したのはそんな理由もあってのことだろうと、今になってすとんと納得した。
ぼけてはないが鈍くはなっていたらしい。そんな自分にこっそり苦笑いしながら、酒に舌鼓を打った。
「雨が止むな」
やがて、レーデがぽつりと言った。しとどに降っていた雨は足を鈍らせ、雨滴の弾く音がまばらに聞こえるようになった。
レーデに言われてシェリアとクレアも耳を澄ませた。
雨があがればもう夜だ。きれいに洗われた夜空には半分切り分けられた月が傾き、星が幾多も散りばめられているだろう。
一番に腰を上げたのが、人間の間ではお子さま設定のレーデだ。別に徹夜でも仕事に差し支えはないが、けっこう気遣われているらしく、それっぽく振る舞っているという。
親戚だと言い張って半ば押しかけて居候しているクレアがそれに続いて立ち上がる。今では大人の身なりなのをどうごまかすのやら、そこら辺はシェリアの知ったことではない。レーデはものすごく鬱陶しそうな顔でクレアを見ていたが。
「泊まるんならシェリアのとこに泊まれ」
「お前んちまだまだ酒があるんだろ?」
クレアは遠慮なく酒盛りを続けるつもりらしい。しかも大人が子どもにたかっている絵面。見た目完璧な甲斐性なしである。
「おれはもう寝るって言ってんだよ。飲み足りないなら今からサレンディアの酒蔵に忍び込め」
「面倒」
「シェリア」
「いやよ。邪魔」
「お前ら酷くね?」
シェリアはそれ以上押し付け合いなど不毛なことはしたくなかったので、逃げるが勝ちと柏梶宮を出ることにした。扉を開けずに入ってきたのだから、出るのももちろん同じように。
瞬きの間に移動したシェリアは、柏梶宮の屋根に靴先を下ろしていた。こつりと白い石材が鳴らされる。湿った温い風が肌にまとわりつくようだが、空は思ったとおりに晴れていた。月光が濡れた石材をきらきらと照らして眩しい。
星読みでなくても、息を呑むようなこの夜空は誰もが見上げたがるだろう。どうせならこれから夜明けまで、じっくりと眺めるのもいいかもしれない。
レーデの発言に倣うわけではないが、一番よく空を見られるのはサレンディアの本拠地だし、眺めるだけなら酒を飲みながらの方が今の気分だ。酒蔵からもう少し失敬してもいいだろう。サレンディアが滅ぼされるよりましだと諦めてもらって。
シェリアはレーデたちが追いかけてくる前に夜空へと身を躍らせた。
落陽を隠しきった夕立は、黎明に穢れなき清らかな曙光をもたらす。
何事もなく始まる一日を、人間たちはどれほど貴重なのかろくに知らない。
ーーー
そろそろ折り返し地点に来たので、世界の舞台裏のお話。
というわけで、この国世界に一つだけの国家なので国境という概念なし、もちろん外交とかそんなもんない。
物語の本筋として、ローナやミアーシャは別に世界を救ったり滅ぼしたりはしないです。人間社会でなんとか頑張っていく話がメイン。
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この作品は感想を受け付けておりません。
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