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階段をのぼる
経過報告②
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少し詳しく、私の「夢」についても話しておきます。
後宮を破壊し、女王陛下をはじめとした後宮に巣食うごみくずたちを捻り潰す目標は、姉さまが消えてしまっても変わらない。むしろ、私を貶す=姉さまを否定するということになるので報復の激しさは増します。
少なくとも私を虐めたことを通り越して、生きていること自体を後悔させてやるのは決定事項。
何だかんだで王さまも手を出すつもりはないらしいから、お披露目前に考えていた計画は続行。
ただ、姉さまが消えて代わりにヴィーが懐に飛び込んできたので、方針は変えた。私を一人にしないでくれたヴィーや、みんな怒ってるだろうに私にその権利を譲ってくれ、何かと手を貸してくれたネフィル、ベリオル、エルサ、サームに恩返しは必要。とのことで。
ヴィーは私の手で立派な王さまに仕上げることにする。
……よって、目下の目標をまとめるとこうなった。
ヴィーを王子として、この国の後継者として育てることに手を貸しつつ、女王陛下たちを叩き潰した時に息子であるヴィーに火の粉が降りかからないよう、年月も力加減も調整して、徹底的に後宮を破壊すること。
潰した後はおさらば。その時には私の中ではヴィーは立派な王子として国民に認められてるから私は必要ない。
つまり、「後宮を破壊するまで」ここに留まるのではなく、「ヴィーが一人前になるまで」ここにいるということ。この方がやる気がわく。「守り手」だった姉さまの影響なら、とても嬉しいこと。
……それに、他の有象無象とは違う枠に入っているヴィーではあるが、あまり甘やかしたくないのだ。
姉さまを失ったときのことを考えると、もうたくさんだ。依存関係はとことん人を駄目にすると学習した。ヴィーにとってというより、私のためだけど。
大切なものを大切にするにも、寄りかかるのは駄目。与えられるのをいつか返すのではなく今返すんじゃないと負債はたまる一方だから。それで絆されてたら二の舞どころの話じゃなくなる。
王さまは、いつ私が堕ちるのか、楽しみにしている感がある。父親としていいのかと思うが、本当に今さらだ。私が踏みとどまっているうちにヴィーが成人してくれたらいい。ちなみにこの国の成人は18歳と、わりと遅め。
と、こんな感じで計画していることだけど、お披露目で私の「病弱」説が広まってくれたのがその一助となっている。
以前いった通り、外宮でも後宮でも「病弱」説が出たことで、私に対する目は蔑みか哀れみかの二択で、ルシェル派に目をつけられたり、その反対派に変に利用されかけたりされることもない。外宮に自由に赴けるタグをもらったけど「病弱」説があるから、全然外宮で「リエン姫」の姿を現さなくても問題にはならない。
……ここが『ブラフ』といっていた意味。
身分証をもらって、自由に後宮から出入りできるようにはなったけど、そんな目立つ真似はたまにしかしないつもりだった。大抵外宮の図書館に行くときくらい。それ以外は「リィ」の格好をしてうろつくつもり。
それに、お披露目で社交界参加の権利を得たけど、王さまは強制していないので「病弱」を理由にして必要以上に表に出なくて済む。
エルサ、ナイスアシスト。
王さまの「優しい父親」説は玉突き事故だから気にしない。エルサはなにも悪くない。それに便乗した王さまは後でシメとくから気にしないでね。
……と、こんな感じに、お披露目の後、私は時間を歩いていってます。
まとめると。
――未来の果てまで、大切なものを大切にしていきたい。
これに尽きるということです。結局変わらないということで。
後宮を破壊し、女王陛下をはじめとした後宮に巣食うごみくずたちを捻り潰す目標は、姉さまが消えてしまっても変わらない。むしろ、私を貶す=姉さまを否定するということになるので報復の激しさは増します。
少なくとも私を虐めたことを通り越して、生きていること自体を後悔させてやるのは決定事項。
何だかんだで王さまも手を出すつもりはないらしいから、お披露目前に考えていた計画は続行。
ただ、姉さまが消えて代わりにヴィーが懐に飛び込んできたので、方針は変えた。私を一人にしないでくれたヴィーや、みんな怒ってるだろうに私にその権利を譲ってくれ、何かと手を貸してくれたネフィル、ベリオル、エルサ、サームに恩返しは必要。とのことで。
ヴィーは私の手で立派な王さまに仕上げることにする。
……よって、目下の目標をまとめるとこうなった。
ヴィーを王子として、この国の後継者として育てることに手を貸しつつ、女王陛下たちを叩き潰した時に息子であるヴィーに火の粉が降りかからないよう、年月も力加減も調整して、徹底的に後宮を破壊すること。
潰した後はおさらば。その時には私の中ではヴィーは立派な王子として国民に認められてるから私は必要ない。
つまり、「後宮を破壊するまで」ここに留まるのではなく、「ヴィーが一人前になるまで」ここにいるということ。この方がやる気がわく。「守り手」だった姉さまの影響なら、とても嬉しいこと。
……それに、他の有象無象とは違う枠に入っているヴィーではあるが、あまり甘やかしたくないのだ。
姉さまを失ったときのことを考えると、もうたくさんだ。依存関係はとことん人を駄目にすると学習した。ヴィーにとってというより、私のためだけど。
大切なものを大切にするにも、寄りかかるのは駄目。与えられるのをいつか返すのではなく今返すんじゃないと負債はたまる一方だから。それで絆されてたら二の舞どころの話じゃなくなる。
王さまは、いつ私が堕ちるのか、楽しみにしている感がある。父親としていいのかと思うが、本当に今さらだ。私が踏みとどまっているうちにヴィーが成人してくれたらいい。ちなみにこの国の成人は18歳と、わりと遅め。
と、こんな感じで計画していることだけど、お披露目で私の「病弱」説が広まってくれたのがその一助となっている。
以前いった通り、外宮でも後宮でも「病弱」説が出たことで、私に対する目は蔑みか哀れみかの二択で、ルシェル派に目をつけられたり、その反対派に変に利用されかけたりされることもない。外宮に自由に赴けるタグをもらったけど「病弱」説があるから、全然外宮で「リエン姫」の姿を現さなくても問題にはならない。
……ここが『ブラフ』といっていた意味。
身分証をもらって、自由に後宮から出入りできるようにはなったけど、そんな目立つ真似はたまにしかしないつもりだった。大抵外宮の図書館に行くときくらい。それ以外は「リィ」の格好をしてうろつくつもり。
それに、お披露目で社交界参加の権利を得たけど、王さまは強制していないので「病弱」を理由にして必要以上に表に出なくて済む。
エルサ、ナイスアシスト。
王さまの「優しい父親」説は玉突き事故だから気にしない。エルサはなにも悪くない。それに便乗した王さまは後でシメとくから気にしないでね。
……と、こんな感じに、お披露目の後、私は時間を歩いていってます。
まとめると。
――未来の果てまで、大切なものを大切にしていきたい。
これに尽きるということです。結局変わらないということで。
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