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一旦立ち止まって振り返る
一方その頃②
しおりを挟むこの日のユーフェも頭がぱんぱんだった。
タバサさまが仕事で席をはずしている間、ユーフェは一人で復習の時間となる。最近ただでさえ頭にものを詰め込みすぎて熱が出そうなのに、それをすぐにおさらいして体に叩き込まないと、ユーフェの平凡な能力では向上など見込めない。記憶を取り戻すのが怖いとか考える暇もない。そもそも自分はどこまで思い出しているのか気にすることもなくなってしまった。
ただ、夜中にふっと振り返って、確かに失くした欠片を拾っていることに気づいて、泣きそうになることはある。母や父の名前とか、最後に見た祖母の気丈な顔。炭の匂いや、冷たい雨の音。お祈りの声が耳に響いたときは、どす黒く熱い感情が沸き立って、息が詰まって死ぬかと思った。
……そして、たまに、さらにその記憶の帳の向こうに、なにかがある気がしている。寒い闇から狼の息づかいが聞こえるときがあるのだ。よだれが垂れ、音のない足音がユーフェの背中を目指している。
帳を捲ろうとしたのははじめの一回だけ。
これは思い出さなくていい、と必死に止めた。
禍々しい気配。触らなくても害はないとわかる。だったら触らない。振り返ってはいけない。無駄に神経を削っては、明日の修行に響くから……。
ユーフェにとって、姫の顔はお守りのようになっていた。あの頑固にまっすぐ前しか見ない瞳が、柔らかく光を帯びることを知っている。暗殺しかけたユーフェのために手を差し伸べてくれたことを、もう思い出せていた。髪紐をユーフェの手首に結びつけたように、人が大切にしているものを尊重してくれる人だった。姫の顔を思い出せば悪夢は見なかった。早く、と気が急く。早く追いつきたい。
そんな風に日々を過ごすも、洗濯や掃除など実務にも手を抜かないユーフェにタバサの評価はかなり上々だ。相変わらず丁寧で堅実だ、と陛下に伝達しているが、常に隣に侍る側近が渋い顔をしている理由まではタバサは知らなかった。ただ、報告せよと陛下に命じられているので報告しているけれど。そもそも、陛下が気にするのも珍しいと言えば珍しい。
「その娘は、リエンのよき友になれると思うか」
はっと、タバサとベリオルは息をのむ。ベリオルはすぐに怒りで顔を染めたが、タバサは慎重に「おそらく」と告げた。タバサは友だちになれる方法までは教えられない。昔、自らエルサとの間に越えられない壁を作ってしまったタバサでは。
何より姫さま自身がそんなものを必要としていない。だからユーフェの努力次第であり、姫さまの心境の変化も考慮に入れるべきだった。
侍女長が報告を終えて退出したあと、ベリオルは「本気か」とたった一人の主に詰め寄った。まだ激情の冷めやらぬ青く燃える瞳で。強面が七割増しだが、アーノルドには屁でもない。
「本気もなにもない。リエンも言ったことだが、あれは貴重だ。暗殺の前から……全てわかった上でリエンが選んだ時点でな。根に持つ男は嫌われるぞ」
「リーナ嬢に背後霊よりしつこく憑きまとって結婚まで持ち込ませた奴が言うな」
アーノルドが否定できず沈黙すると、ベリオルはケッと空唾を吐いた。
「おれは認めない。――認めたくないからな。失敗したから……本人に悪気がなかったから許せって?そんなご都合展開あってたまるか」
「……それは、リエンの周りなら誰でも当てはまると思うが。当然そなたも」
「ああ。棚上げした上で言ってることだぜ、これは」
ベリオルは全く悪びれることなく言い切った。リエン姫は誰も許した覚えなどないと言い張るだろうが、自責の念を前提とした罰である以上、ほとんど許しているも同然だ。
どうもあの姫は、やってることと言ってることが一致しない。後宮を破壊したい全員血祭りに上げると言いながら、その処遇の甘さといったらなかった。しかし、あれが姫にとって、王子を優先して考えられる最善の一手だったのだろう。
ナヅミのことについてもそうだ。ナヅミの理不尽な運命に泣き、戦争なんかの弊害を恐れて弟たちに打ち明けられない。
……あの姫は、常に自分のことを二の次にする。自己中に見えるのは、単に決断してからの行動があまりに強硬過ぎただけだ。そこはもう仕方ない。その優しさも姫の長所なのだから、短所にしないようにこちらがカバーすればよい。
だがあの侍女は明らかに別種類の問題だ。
「誰も言わないならおれが言ってやる。何があっても許さん。絶対に許さん。一度裏切っておいて元の鞘に収まろうなんざ、呼び出しがあったから死なずにすんだだけでガルダのように直後に助けに走ったわけでもない。ただの運で命拾いしておいて、『反省しました』だのもなく記憶喪失でチャラにできると思ってるのか。ふざけやがって」
「……今の努力風景は無視か」
「ああそうだよ。今さらだぞ?それならなぜはじめの段階で姫に自白しなかった。与えられた恩情に何も考えずあぐらをかいていたからだろうが。己の味方を切り捨てる痛みを未来永劫負う覚悟をたったの五分で決めて姫の救援に行って、実際に今も苦しんでる王子より、よっっぽど質が悪いぜ」
そんなベリオルの怒りはアーノルドにもある。父親のお前がなぜ何も言わない。姫が最後に言うことを聞くのは王子とアーノルドのものだけだ。ならば泣き落としでも自虐でも何でもして、止めさせることはできたはずだ。
なのに目下のところ絶賛応援中とは、意味がわからない。
「貴重だあ?ああそりゃそうだろうな。そんくらい厚かましいやつなんだから。でも、だからなんだ?姫が傷つけられたことをなんで無視せにゃならん。ようやく……ようやく、後宮から、出られたのに……なんで、まだ姫は傷つかなきゃならんのだ。あの姫は脆い。弱い。でも進もうとするのをおれは止められん。それならおれはおれのやり方で姫を守る。後宮を破壊した以上、ナヅミとの約束ももう無効だからな」
――ねえ、私からも提案がある。
いつか後宮から出ていくとき、受け入れてやって。今この子を守れるのはあなたたちしかいない。手は貸さなくていい。手出しもダメ。でも、見守って。
この子のこれからやること全てを。
……ナヅミは、他でもないベリオルに、真正面からそう言ったのだ。
約束は後宮が潰れるまでだ。それ以降は見守れ、受け入れろ、姫の安心できる居場所を用意しろ。
それが、ベリオルにできる最大のことだ。傷をなかったふりにできるわけがない。強い姫を周りが守るなら、おれが弱さを肯定しよう。うっすら暗いその部分をちゃんと守ろう。
ナヅミがまともに対話したのはベリオルたった一人だけ、その願いはベリオルしか聞かなかった。
そこに意味を見いだしてもバチは当たらないだろう。
ナヅミにそんなつもりがなかったとしても、ベリオルは託されたのだ。
だから一生アーノルドにしかつかないはずの膝を姫についてみせた。あの姫はその意味を考えもしないだろうが。
おれの願いとナヅミの願いは違う。
だが、託されたからには背負わないとあまりにも情けなさすぎる。
……少なくとも、姫自身が侍女を欲しがらないことを全員念頭に入れろと叫びたい気分だった。
姫がこりごりだというくらいなのだ。なら、それでいいではないか。
「おれは、もうこれ以上、譲れんのだ」
そんな上司の決意を知らない宰相は、その渦中の娘の様子を観察していた。教育中とはいえ侍女の仕事もちゃんとある。その娘は真面目に全てをこなしているが、侍女長の目がないとわかると、邪魔をしに来る輩がごまんといた。
ハロルドはその連中と、あと自分を探しているだろう副官の目を避けるために隠れていた。
しかし、見るに耐えないというか、なんというか……。
(ネフィルさまが旅に合わせて入れ替え中だって言ってたけど、「影」も極端すぎるなぁ……)
ユーフェという侍女は、それはもう困りきった声をしていた。周りを貴族のお歴々が取り囲んでいるので顔が見えない。さっきからぼそぼそと漏れ聞こえているが、これがまた健気なものだった。旅の前に公衆の面前で愁嘆場を繰り広げたので、あの少女が姫ととても親しいとわかったのだろう。つまり少女を懐柔すれば姫やそれを慕う王子と繋がりを得やすいと。二人自身はアルビオンが防波堤になっているが、目下あの娘は見習い侍女であり、後ろ楯は侍女長しかいない。漬け込む隙しかないのだ。
それに対処するのは、彼女を監視している「影」が追い払うのが一番に手っ取り早く正しい方法だと思うのだが、放置しているから、ユーフェという少女は現在詰め寄られているのだろう。姫を第一に守ろうとする「影」も、だからこそ一枚岩ではない証拠だった。
(……あ、助けが入った)
貴族服の少年が忽然と現れ、その包囲網にするりと入り込んで、侍女を救出していった。止めようとする大人たちを無視して少女の手を引っ張り、強引に連れ去っていく。追いかけるめげない大人たちは何か言われて絶句し、立ち止まった。
毅然と歩いていく少年は、前髪が長かった。
どこかに空いていた部屋に娘を押し込めて、イオンも中に入って扉を閉めた。振り返ると、目を見開いた娘がいる。ほっとしたように見えたのは間違いじゃないだろう。
イオンの方は、少し苛々していた。思わず舌打ちすると娘が肩を震わせたが、娘が悪いわけではない。ぐしゃ、と前髪をかきあげて、心を落ち着けようとした。
「……イオンさんのその格好、初めて見ました」
「あー。だって、あのかっこで人前に出れるわけないでしょ。不審者だよただの」
「それもそうですね……」
力なく笑うユーフェをちらりと見て、イオンはため息をついた。
「悪かった、ごめん。ちゃんと同僚たちに言っておく」
「……へ……?」
「ほんとは、あんたの監視の連中があいつらを追い払うはずだった。でもやっぱり本家は引きこもってた分停滞してるな……あんたを引きずり下ろしたくてたまらないらしい」
「……どういうことです?」
正直、身内の恥以外の何者でもないが、イオンは言うことにした。己にも噛み締めさせなくてはなるまい。
「今王都にいるのはボスじゃなくてその息子。これまでずっと領地に引っ込んでたのを、王女サマたちの旅に合わせて入れ替わりに呼んだんだけど……王女サマと直接関わってないから頭が固い。邪魔者は徹底排除の一択」
聡いユーフェはすぐに気づいた。……だから「引きずり落とす」のだと。
「甘いだのなんだの言うけどさ。おれだってやりたくないことはしないし主さまだって認めてることだ。で、誰もやらないなら誰かにやってもらうのが一番手っ取り早い。主さまに明確な処分を認めさせるために、あんたから蟻を排除しないで、破滅を待つ。色々言われたろ?見返りにこれこれをあげるから内偵になれとか、王女サマに便宜を図れとかさ。うんと頷いたらあんたはお仕舞い。二度目になったらさすがに王女サマも諦めざるを得ない。あんたがそんなのに靡くと考えてるのも、まあ……さすが石頭だよって感じ」
「あたしは絶対に頷きませんよ?」
「それがわかってないの、本家の連中は。とにかくあんたを排除したくてたまらない。だから変などつぼに嵌まらないようにしてよ。そうすれば王女サマが困る。主さまも困る。いいな?痛いとこ突かれても知りませんわかりません本人に言ってください、で全部受け流して。今回みたいにおれがいつでも止められるわけじゃない」
ユーフェは俯いた。決意を軽んじられることよりも、裏切りの重さを再び見せつけられた方が重大だった。失った信頼は取り戻せない。もしかしたら姫さまも、と考える。だから頑ななのかと。
「だーかーらー、あんたは既に選ばれたんだって」
ばちこん、とデコピンの音が容赦なく響いた。
イオンは右の人差し指を振りながらほとほと呆れ果てていた。石頭はこっちもだ。いい加減開き直ってほしい。
「だいたい王子サマ命のあの方が、信用してないならあんたを王子サマ付きの侍女に推薦するわけないだろー?うじうじ面倒くさいな。キノコ生えるっての。うっとうしい。……そろそろ侍女長サマも帰ってくる時間だな、さっさと部屋に戻って……」
扉に目を向けたイオンは真顔に戻って、呟いた。
「……外でお待ちの宰相サマは、この侍女に用件あるんですか?」
ユーフェがでこを擦りながらぎょっとしている内に、扉が勝手に開いていく。その向こうから、見覚えがあるようなないような顔が現れた。ハロルドは部屋に入って扉をぱたりと閉じた。
「意外。ちゃんとまともな『影』もいたんだね」
「いますよちゃんと。一人でうろついてると宰相補佐サマにまた首絞められますよ」
「君が言わないならばれないと思うよ。……うん、こっちもまあ、ましな方かな。顔をあげなさい」
「…………」
宰相に頭を垂れて侍女の礼を行っていたユーフェは、恐る恐る顔を上げた。黒髪黒目の若き宰相は、柔和そうに笑っていながら、どこかぴりついていた。
面倒な予感がして立ち去ろうとしたイオンを呼び止めて、ハロルドは言った。
「君たち二人に確認したいことがあって。……バスクを知ってるね?私の預かる領地の一つだ」
「知ってますけど?」
「リエン王女さまと一緒に、北からの帰還中に通ったね?その時、あの方は何か騒動を起こさなかった?」
「…………」
ハロルドは、黙ったイオンから視線を移して少女を見つめた。睨むわけではないが、そこには「言え」という無言の圧力があった。ユーフェはこれに堪える力を持っていなかった。しかしイオンさんからは言うなという圧力を感じる。ユーフェが冷や汗だらだらになっている内に、ハロルドはふっと笑った。自然とこぼれた笑みだった。
「なるほど、たしかに忠実なのは忠実らしいね。……けどね、融通が利かないと意味がないよね、そこの彼のお仲間のように」
イオンは眉をひそめた。なよなよとした見た目に反し、ここまで真正面から揶揄するとは思っていなかった。
主さまが前に「ハロルドは逃げ出した私たちを嫌っている。しかしどこも間違えていない。無駄に構うな」と言っていたのは、本当なのかもしれなかった。それよりも、ここまで率直に言ってのける胆力は、さすが宰相と呼べるだろう。
「私はもう確信してる。これはただの確認事項だ。――髪を赤に染めて、一つ、ならず者たちの組織を潰したね?君たちはそれを知っていて黙っていたわけだ。あの方に口止めされたから。……でもそのお陰であの方は増長したようでね。ハヤンでも似たようなことをしでかした。知ってるかい?巷では変な通り名までついたらしいよ?」
「……通り名?」
「君も知らないか。さすがセルゲイさまだな……」
そう言われると矜持が疼くイオンだったが、さすがに黙ったままでいた。王女サマ、また何やらかしたの、と思ったが、宰相直々に説明されて、何も言えなくなった。……あの方はほんとに。『風の商人』サマのためにそこまでやっちゃったか……。
「……それで、黙ってたら悪かったんです?騎士サマがいる以上、あの方に危険はないでしょ」
「それを世間一般で慢心と言うんだよ。覚えておくといい」
ハロルドは人殺しの少年の眼光など柳のように受け流した。とりあえず、そんな風に「作られた」少年はひとまず置いていてもいい。しかし、と少女を見やる。この少女は普通の娘。
「私はベリオルさまのように止めてやる気持ちはない。君がもう二度と裏切ることがないと思ってる訳じゃなくて、純粋に、私が二度とそんなことをさせるつもりはないからだ。わかるね?それを踏まえた上で聞きたいんだけど、君さ、ほんとにあの方の侍女に返り咲きたいの?」
「……え?」
「ガルダ殿はね、彼は王女さまを守るのが仕事だからそれでいい。あの方にどこへでもついていける力があるからね。けど侍女ってねぇ……何でも唯々諾々と頷いて、主に盲従してればいいと思ってる?思考判断全て己の主人に丸投げしてただ尽くすことだけ、君はしたいのかな?それなら私は君を排除する。害悪にしかならないからね」
この宰相サマは怒っているのだと、今更ながらにイオンは気づいた。烈火の如く怒っている。訳がわかっていない様子の侍女を見つめて、さらにさらに怒りが増している。容赦ない言葉がざくりざくりとユーフェの心に鉈を振るっていった。
「他国じゃ諌言も命がけだけど、この国はそんなことないからね。ベリオルさまを筆頭に、最悪腕ずくで止めようとまでする。君はそれをしてない。止めようとすら、思ってこなかっただろう?黙っていたんじゃ背中を押してるも同然だ。それで王女さまを危険に晒しているのに、ガルダ殿にそれすら丸投げしていたら、君に存在する理由はあるの?」
「……で、でもあたしは、戦えないし……」
「それを丸投げって言うんだよ」
ぴしゃりとハロルドは言った。目の前の娘が泣きそうな顔をしていても構わない。ハロルドは、それよりも最悪な事態を想定したからこそ、この娘の前に立っているのだ。
「君の脳みそは空っぽなのかな?記憶と一緒に全部落としてきた?まだ以前の方がましだったかもね、毎日必死で頭を働かせて追いかけていたそうじゃないか。……ねえ、まだわからない?木偶の坊はこの城にいる必要がないんだよ?君はなぜ止めなかった。なぜ諌めなかった?仕方ないと諦める前に、なにかをやった?それすら心がけなかったら、ほんとうにただの能無しだ。君の存在意義は何?」
「…………」
「答えなさい。君は一体何を目指してこの城にいる?」
「……あ、あたし、は」
ユーフェはこれ以上なく混乱していた。侍女としてならあの方のそばにいられると思った。けど、違う?どうすればいいの?
止めるってどうやって。諌めるって。あたしにそんな力はないのに。
「あの方はそれでなくても生き急いでる。ガルダ殿だけじゃ足りないんだよ。実際にそれで、あの方は君の毒杯をあおぎかけたんだ。守り方はたくさんあるんだって、どうして気づかない?そこの彼はなるべくガルダ殿を補うように動いてるけど、制約も多いみたいだしね」
ハロルドは不自然に言葉を切った。どうしたのかと二人が思わず見つめる目の前で、彼は、普段の穏和な顔を止め、瞳を荒ませ、自嘲の笑みを口に刻んでいた。
「……一人で完璧に守れるなら、私も陛下には必要なかったはずだった」
囁かれたそこに、込められた思いは。
しかし一つの瞬きのあとには、能面のような笑みに戻っていた。そして、鋭く少女を見つめ返すのだ。
「――君は?どこまであの方を盲信して、死なせようとしているの。君のその不作為も罪だと知りなさい」
たくさんある、守り方。
守ろうと思うことすら、今、初めてだった。唐突に頭を殴られたように感じて、記憶がどっと奔流のように行き過ぎる。ユーフェの出す毒杯を飲みかけた人。なんでか泣いた痕が残る顔で、泣き崩れるユーフェの体を立たせようとする。
……守る?それが必要なようには見えなかった。どこも。
「今すぐ決めなさい。城から出るか、残るか。王女さまがなんと言おうと、返答次第では私は宰相の権限で強行する。主を死なせたがる配下なんて獅子心中の虫同然だ。――さあ、どっちだ?」
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