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サーシャの姉
しおりを挟む「中に出すんじゃねえよ! 馬鹿っ! 」
ハブてた顔で怒っているサーシャ。
朝起きた時から、この調子で、なかなか機嫌を直してくれない。
昨日のセックス中はあれだけ好意的だったのに、一体何が悪かったのだろうか?
「でも、気持ちよかったろ?」
「し、知るかっ! 変態っ! もう絶対しないからな……」
気持ちよかったら全部OKだろうに。
それに、いい女に中出しするのは礼儀。
外に出すなんて失礼なまね、俺には出来ない。
またサーシャの弱い所をいっぱい虐めてやるか。
今度はもっと激しくしてやろう。
そう心に誓って、風呂へと向かった。
朝食を取る前に、綺麗にしておきたい。
荘月のお風呂は何時でも好きな時に入っていい。
さすが高級な宿だけの事はある。
◆◆◆
「はぁースッキリした。 丁度いい湯加減だった」
昨日はゆっくり堪能できなかった風呂を、じっくり味わった。
風呂から上がり、早々に食堂に行く。
サーシャは先にテーブルの席に居たので、俺も同じテーブルに着く。
「めっちゃ美味い! 早くセツナも食べてみろよ」
美味しい料理のお陰様で機嫌が直ってくれて良かった。
俺も夜に激しい事をしたせいで、お腹が減っている。
女将が運んできてくれた料理を楽しみながら食す。
食べながら奴隷が幾らぐらいするのかサーシャに聞いてみる。
「う~ん……何とも言えないけど、大体金貨30枚くらい……かな?」
彼女もあまり、よく知らないみたいだが、金貨30枚って日本円で300万円ぐらいか……一財産ぐらいあるな。
値段的に車と同じと考えたら、一般人が無理すれば手に入る。
そう考えると、奴隷はかなり高額だと思う。
「用途とかでも変わってくるから一概に言えねえ」
サーシャが言うには、戦闘奴隷、性奴隷、労働奴隷、犯罪奴隷と様々な用途があるらしい。
「姉ちゃんは美人だから高いかも……」
高いと言っても、たかが知れてる。
今の俺の財力なら余裕だ。
俺は考えるのを辞めて、朝食を楽しむのに集中する事にした。
◆◆◆
「こちらがヴィオラになります」
ローブを纏、フードで顔が鼻より下しか見えない怪しいオッサンが言う。
コイツがここ奴隷商のオーナー。
今目の前にある檻の中に居るのがサーシャの姉ヴィオラ。
妹と同じ赤い髪色が特徴的で、背中の真ん中位まである長い髪。
顔は美人でお淑やかな感じがする。
「姉ちゃん……」
「うそ……サーシャ!? サーシャ!」
「姉ちゃん、今助けるから!」
感動のご対面で、喜びたいところだが、俺は周りにいる他の奴隷達に気を取られてしまう。
檻の中にいる豚顔の大男や、獣の耳と尻尾を持つ人間? それから鱗を身体に纏う女性?
「そちらはオーク族、 獣人族、 トカゲ族になります。 ご覧になられますか?」
「いや、いい。 ちょっと気になっただけだ。 それよりもヴィオラを買いたい」
気を察して教えてくれた奴隷商のオーナー。
自分と違う種族が大分気になるが、目的と違うので遠慮した。
「はい、かしこまりました。 ヴィオラは性奴隷で、若くて顔も美しく、元ハンターですので戦闘も少しだけ出来ます。 普通の奴隷よりはお高く、金貨50枚となります」
不安げに俺を見つめる姉妹。
サーシャには俺がどれくらい宝石商で儲けたか、教えてないせいで本当に買えるのか疑っているのだろう。
「買う! 今すぐに檻からだして奴隷から解放してくれ」
「セツナ大好き♡」
サーシャの黄色い声援を受け。姉のヴィオラを購入した。
檻から出て、奴隷の証である首輪を外してもらう。
本来であれば契約に血を一滴、首輪に垂らして奴隷契約を結ぶのだが、最初から解放するのが目的なので関係ない。
「買っていただいただけでなく、解放までしていただいて、ありがとうございます。」
ヴィオラからも感謝された。
今のところ俺の目的は自由に、色んな場所を旅して回る事だから奴隷は不要。
そのうち、このラルームの町を出て別の町に行くつもりだ。
◆◆◆
姉妹の再開のお祝いに、宿泊してる荘月の自室でパーティーをする事にしたが何を出すか?
二人が何を食べたいか分からないから迷う。
「何が食べたい?」
「「何でも食べたい」」
聞いても無駄だった。
こういう答えが1番悩むんだよな。
パーティーで食べる物と言えば……
やはり、あれかオードブル形式にするか。
一個に絞るよりも、好きな物を選べる方がいい。
それと出来合いの物がいいな。
部屋の中でお肉とか焼くわけには、いかないから。
スキル【ネットショップ】を使い、色々出してみる。
……厚切りピザ、タコ焼き、焼き鳥、寿司、ハンバーグ、卵焼き、ウインナー、ギョーザ、オニオンサラダ……とりあえず、こんなところか?
「うそ!? アイテムボックス持ちなの?」
姉のヴィオラは俺のスキルに反応した。
何もない所から、いきなり現れたから勘違いしてるがスキル【アイテムボックス】を使ったわけではない。
でも勘違いを正すのが面倒くさいから、このままにしておく。
「そうなんだよ! セツナって、アイテムボックス使えるし、魔法も使えて凄え奴なんだ!」
「え!? 魔法も使えるの? そんなのズルよ!」
本当にズルなんだ。
あと正直【魔法】要らない。
スキルさえあれば何でも出来るから。
【魔法】無しでも【剛力】スキルのパワーのお陰で、素手で勝負しても勝てるはず……
「いいわね。 私達なんて何にも無いわよ、1個ぐらい才能が欲しかったわ」
「たまに言ってるけど才能って何だ?」
俺の疑問にサーシャが答えてくれる。
「才能ってのは、生まれた時から持ってるもので、スキルとは別のモノなんだ!」
ややこしいな……スキルとは別に才能が有るのか。
その才能が無いと魔法が使えない。
「色々あるのよ。 魔法の才能もあれば、農業、剣術、薬草、体術……まぁ~持ってる人なんて殆どいないけどね」
うーん……もしかしたらだけど……出来る気がするな。
確信は無いけど、【スキル作成】で、指定した相手にスキルを渡せるスキルを作れば、どうなるだろう。
気になるから食後にでも試してみるか!
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