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第一章:隔離された村
第一章:隔離された村 7
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【2】
「試練だと思うのよね。あたし的には」
藤美荘に到着してから一時間半。適度な休息を取った俺たち四人は、約束通り由奈さんの案内で村内を見て回ることとなった。
再び車に乗り込み、午後の田舎道を緩やかなスピードで散策する。
藤の木を見る前にと、由奈さんがいろいろと案内してくれたのだが、正直なところ景色にそれほどの代わり映えがなく、際立って面白いことがあるわけでもなかった。
「それじゃあ、そろそろメインの場所に行きましょうか」
そんな言葉が由奈さんの口から吐き出されたのが、散策を開始して三十分ほど経過した頃。今から十分前のことになる。
そうして藤の木へ向かう車の中、エンジン音だけが響いていたその空間で、桜がポツリと呟いた台詞が最初の一言だった。
「試練て、何が?」
どうせくだらない話だろうとは思いつつ、俺は仕方なく会話に付き合う。
「この旅行に決まってるでしょ。乃亜ちゃんと二人きりだったさっきまでの一時間。部屋の中がまるでお通夜状態よ」
耳元に口を近づけ、囁くように言ってくる桜。
俺を挟んだ隣にその本人がいるというこの圧迫された空間で、果たして囁くことに効果はあるのかと疑問が浮かぶ。
しかし、横目で確認する限りでは、蓮田は話を聞く素振りもなさそうに窓の外を眺めているだけだった。
「まぁ……、そうだな。頑張れ」
話の当事者が横にいるこの状況でへたなことを言える訳もなく、俺には無難に言葉を返すことしかできない。
「他人事だと思って余裕ぶってんじゃないわよ、バカ雄治。今夜にでも二人きりになる時間作ってあげようか? あたしの心労がどれほどのものになろうとしてるのか、思い知らされるわよ」
「いや、隣に本人いる前でそういう話は……」
どうやら、こちらが想像するよりもかなりご立腹のようだ。
「もうちょい楽しいメンバーならねぇ。あたし一人でお通夜しなくて済むっていうのに。そもそも、何でこの部って人が集まらないのかしら?」
顎に指を当て、考え込むように目を細める幼なじみ。
「ん? お通夜って、誰か親戚でも亡くなったの?」
「部長はどうでも良いので前向いててください」
桜の呟きに反応した部長だったが、じと目で睨まれ即座に顔を前方に戻す。
「どうして僕だけがいつもこんな扱いを……」
ボソボソとした呻きを漏らしつつ、部長も顎に手をやりながら神妙な様子で何かを悩み始める。
「みんな、もう少しで着くよ。ここの一本道を登っていけば到着だから」
由奈さんの明るい声が車内に響いた。
見ると、車はちょうど細い山道へ曲がろうとするところで、その先は密集する木々や雑草に周囲を覆われ、日中だというのにどんよりと薄暗い小道が不気味に伸びていた。
小道に入る直前、チラリと首を横に向けると、藤美荘と梅木家が見えたことに気がつく。
距離にして百五十メートルあるかどうかといった感じか。
――こんなに近くだったのかよ……。
少しばかり拍子抜けしたが、目的の場所が宿から近いのならばそれに越したことはない。
その気になれば、メンバーだけででも足を運ぶことができるということだ。
「試練だと思うのよね。あたし的には」
藤美荘に到着してから一時間半。適度な休息を取った俺たち四人は、約束通り由奈さんの案内で村内を見て回ることとなった。
再び車に乗り込み、午後の田舎道を緩やかなスピードで散策する。
藤の木を見る前にと、由奈さんがいろいろと案内してくれたのだが、正直なところ景色にそれほどの代わり映えがなく、際立って面白いことがあるわけでもなかった。
「それじゃあ、そろそろメインの場所に行きましょうか」
そんな言葉が由奈さんの口から吐き出されたのが、散策を開始して三十分ほど経過した頃。今から十分前のことになる。
そうして藤の木へ向かう車の中、エンジン音だけが響いていたその空間で、桜がポツリと呟いた台詞が最初の一言だった。
「試練て、何が?」
どうせくだらない話だろうとは思いつつ、俺は仕方なく会話に付き合う。
「この旅行に決まってるでしょ。乃亜ちゃんと二人きりだったさっきまでの一時間。部屋の中がまるでお通夜状態よ」
耳元に口を近づけ、囁くように言ってくる桜。
俺を挟んだ隣にその本人がいるというこの圧迫された空間で、果たして囁くことに効果はあるのかと疑問が浮かぶ。
しかし、横目で確認する限りでは、蓮田は話を聞く素振りもなさそうに窓の外を眺めているだけだった。
「まぁ……、そうだな。頑張れ」
話の当事者が横にいるこの状況でへたなことを言える訳もなく、俺には無難に言葉を返すことしかできない。
「他人事だと思って余裕ぶってんじゃないわよ、バカ雄治。今夜にでも二人きりになる時間作ってあげようか? あたしの心労がどれほどのものになろうとしてるのか、思い知らされるわよ」
「いや、隣に本人いる前でそういう話は……」
どうやら、こちらが想像するよりもかなりご立腹のようだ。
「もうちょい楽しいメンバーならねぇ。あたし一人でお通夜しなくて済むっていうのに。そもそも、何でこの部って人が集まらないのかしら?」
顎に指を当て、考え込むように目を細める幼なじみ。
「ん? お通夜って、誰か親戚でも亡くなったの?」
「部長はどうでも良いので前向いててください」
桜の呟きに反応した部長だったが、じと目で睨まれ即座に顔を前方に戻す。
「どうして僕だけがいつもこんな扱いを……」
ボソボソとした呻きを漏らしつつ、部長も顎に手をやりながら神妙な様子で何かを悩み始める。
「みんな、もう少しで着くよ。ここの一本道を登っていけば到着だから」
由奈さんの明るい声が車内に響いた。
見ると、車はちょうど細い山道へ曲がろうとするところで、その先は密集する木々や雑草に周囲を覆われ、日中だというのにどんよりと薄暗い小道が不気味に伸びていた。
小道に入る直前、チラリと首を横に向けると、藤美荘と梅木家が見えたことに気がつく。
距離にして百五十メートルあるかどうかといった感じか。
――こんなに近くだったのかよ……。
少しばかり拍子抜けしたが、目的の場所が宿から近いのならばそれに越したことはない。
その気になれば、メンバーだけででも足を運ぶことができるということだ。
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