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第二章:悪霊の目覚め
第二章:悪霊の目覚め 4
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すぐに背後を通り過ぎていくものだとすぐに意識を逸らしたが、それを裏切るように車は自分たちのいる細道へと左折してきた。
こんな早朝から一体何の用があって出てきたのかは知らないが、俺たち二人は邪魔にならぬよう、道の端に寄って車が通り過ぎるのを待つ。
徐行してきた車が横を通過しようとする辺りで、ふいに運転席の窓が開き見覚えのある顔がこちらを覗きこんできた。
「あれ? きみたち、こんな朝早くからどうしたの?」
丸坊主の頭を隠そうともせず、にこやかに声をかけてきたのは、藤美壮の料理人である渡辺さんだった。
ちらりと助手席の方を窺うと、何故かあの男まで座っている。口元だけに薄ら笑いを浮かべたこの男は、確か村長の甥の昇と言ったか。
どうにもまだ、名前と顔が覚えきれていない。
「たまたま早く目が覚めたんで、二人でちょっと散歩をしてました。勝手に出歩いたらまずかったですかね?」
訊くと、渡辺さんはあっさりと首を横に振った。
「別に、何もまずいことなんてないよ。好きなだけ探索して良いさ」
大したことでもないという風に答えると、渡辺さんは俺と蓮田を交互に見比べる。
「ところで、どこまで行くつもりだったの? まさか、今から巨大藤までってことはないよね?」
「いや、蓮田が藤守神社まで行きたいって言うから、それに付き合ってたんですけど……」
横目で後輩を見ると、まるで自分には無関係な話だとでも言うかのように、道の奥を眺めていた。
さすがにこんなときくらいはもう少し社交的な態度をとれよと思ったが、これが蓮田クオリティだと無理矢理自分を説得しておく。
「藤守神社? あんなとこ、朝っぱらから行こうとする人なかなかいないよ。ましてや、若い二人が行く場所じゃないと思うけど」
苦笑しながらそう言うと、渡辺さんは後部座席を指し示す。
「なんなら、乗って行くかい? 歩いて往復してたら、時間がかかっちゃうよ」
「え? 良いんですか?」
思わぬ申し出に、つい身を乗りだしそうになってしまう。
「構わないよ。ちょうどこれから昼食の食材を調達に行くところだったし、まぁそのついでってことで」
「昼食の? ああ、山菜ですか?」
「うん、そう。たまに竜久くんや昇さんにバイトしてもらって、一緒に採りに来たりしているんだよ」
そこで渡辺さんは、助手席を振り返る。
「あはは。貴重な収入源だからね、こっちとしてもありがたい話さ」
話を振られた昇さんが、歯を見せながら笑う。
「どうする? 乗ってくかい?」
再度訊いてくる渡辺さんの問いに、俺は蓮田の反応を確認する。
当たり前のように無反応だが、不満を浮かべる様子もないので特に反対するつもりもないのだろう。
そう勝手に判断して、俺は頷きを返した。
「それじゃ、お言葉に甘えて」
「よし、じゃあ後ろに乗って」
言われるまま、俺と蓮田は後部座席に座り込む。
「それじゃ、行こうか」
言って、渡辺さんはアクセルを静かに踏み込む。
そして、車は昨日と同じように薄暗い湿った道を走り始めた。
時間帯のせいか、昨日通ったときよりも若干肌寒く感じる。
もし渡辺さんが通りかからなかったら、こんな所を蓮田と二人きりで歩いていたのかと想像すると、今更ながらにかなりの冒険をしようとしていたのだと思い知る。
こんな早朝から一体何の用があって出てきたのかは知らないが、俺たち二人は邪魔にならぬよう、道の端に寄って車が通り過ぎるのを待つ。
徐行してきた車が横を通過しようとする辺りで、ふいに運転席の窓が開き見覚えのある顔がこちらを覗きこんできた。
「あれ? きみたち、こんな朝早くからどうしたの?」
丸坊主の頭を隠そうともせず、にこやかに声をかけてきたのは、藤美壮の料理人である渡辺さんだった。
ちらりと助手席の方を窺うと、何故かあの男まで座っている。口元だけに薄ら笑いを浮かべたこの男は、確か村長の甥の昇と言ったか。
どうにもまだ、名前と顔が覚えきれていない。
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訊くと、渡辺さんはあっさりと首を横に振った。
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大したことでもないという風に答えると、渡辺さんは俺と蓮田を交互に見比べる。
「ところで、どこまで行くつもりだったの? まさか、今から巨大藤までってことはないよね?」
「いや、蓮田が藤守神社まで行きたいって言うから、それに付き合ってたんですけど……」
横目で後輩を見ると、まるで自分には無関係な話だとでも言うかのように、道の奥を眺めていた。
さすがにこんなときくらいはもう少し社交的な態度をとれよと思ったが、これが蓮田クオリティだと無理矢理自分を説得しておく。
「藤守神社? あんなとこ、朝っぱらから行こうとする人なかなかいないよ。ましてや、若い二人が行く場所じゃないと思うけど」
苦笑しながらそう言うと、渡辺さんは後部座席を指し示す。
「なんなら、乗って行くかい? 歩いて往復してたら、時間がかかっちゃうよ」
「え? 良いんですか?」
思わぬ申し出に、つい身を乗りだしそうになってしまう。
「構わないよ。ちょうどこれから昼食の食材を調達に行くところだったし、まぁそのついでってことで」
「昼食の? ああ、山菜ですか?」
「うん、そう。たまに竜久くんや昇さんにバイトしてもらって、一緒に採りに来たりしているんだよ」
そこで渡辺さんは、助手席を振り返る。
「あはは。貴重な収入源だからね、こっちとしてもありがたい話さ」
話を振られた昇さんが、歯を見せながら笑う。
「どうする? 乗ってくかい?」
再度訊いてくる渡辺さんの問いに、俺は蓮田の反応を確認する。
当たり前のように無反応だが、不満を浮かべる様子もないので特に反対するつもりもないのだろう。
そう勝手に判断して、俺は頷きを返した。
「それじゃ、お言葉に甘えて」
「よし、じゃあ後ろに乗って」
言われるまま、俺と蓮田は後部座席に座り込む。
「それじゃ、行こうか」
言って、渡辺さんはアクセルを静かに踏み込む。
そして、車は昨日と同じように薄暗い湿った道を走り始めた。
時間帯のせいか、昨日通ったときよりも若干肌寒く感じる。
もし渡辺さんが通りかからなかったら、こんな所を蓮田と二人きりで歩いていたのかと想像すると、今更ながらにかなりの冒険をしようとしていたのだと思い知る。
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