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第二章:悪霊の目覚め
第二章:悪霊の目覚め 22
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「やぁ、どうも」
いつの間に現れたのか、部屋の入り口から遠慮がちに中を覗き込んでいたのは村長の次男、竜久さんだった。
「野島さんが、夕食少し遅くなるから先に風呂入ったらどうかって。まだみんなバタバタしてるから、準備が遅れてるみたいでさ」
しっかりしたイメージの晴也さんとは対照的に、なよなよした物腰でそう言ってくる竜久さんへ、部長が笑顔で返事をする。
「わざわざありがとうございます。こんなことになってしまった以上、僕たちも我がままを言うつもりはありません。僕たちのことは気にしなくて良いと、由奈さんに伝えておいてください」
「うん、わかった。それじゃ……」
「あ、ちょっと待ってください」
適当な頷きを返し早々と扉を閉めようとする竜久さんを、慌てて部長は呼び止めた。
「……何?」
扉を掴む手を止め、どこか面倒そうな面持ちで竜久さんは返事を返す。
「今、この村にはここ以外にパソコンがないとおっしゃいましたけど、それは本当なんですか?」
「ああ、うん。そうだよ」
閉めかけた扉をまた僅かに開け、竜久さんは頷く。
「いつの時代だよって感じだけど、所有者がいないのが現実。農家とかやってる家でも、今はパソコン使うなんて当たり前でしょう? でもこの村の年寄りたちは使いこなせないからって、全然興味がないみたいだよ。絶対、起ち上げ方もわからないだろうね」
呆れたような含みでそう言いながら、鼻を鳴らす竜久さん。
「そっか。じゃあやっぱり、外との連絡は完全に取れなくされちゃってるわけだ」
顎に手をやりながら、部長は納得したように一人呟くとまたすぐに村長の息子へ顔を戻した。
「竜久さん、この村に伝わる話について詳しかったりはしますか?」
「言い伝えのこと? まぁ、詳しいかどうかはわからないけど、ここの人間だから一通りのことは知ってるつもりだけど」
「それじゃあ、もう一つ教えてほしいことがあるんです。実は、碧さんの殺された状況が、村の言い伝えに酷似してるって話をたまたま聞いたんですけど、それってどういう意味なのかわかります?」
事件の話に触れたせいか、僅かに竜久さんの表情が曇った。
「少年探偵団の真似事かい? あんまり危ないことには関わらない方が良いと思うけど……」
「いえ、僕たちはあくまで言い伝えが気になっているだけです。殺人事件にまで首を突っ込むつもりはありません」
反射的に、俺と桜は部長を見やる。さっきと言ってることが全く逆だ。
澄ました様子で嘘をつく部長に、桜は完璧に呆れ顔になってしまっていた。
「うーん、まぁ……それなら良いけど。言い伝えに関しては、どこまで知ってるの?」
困ったように頭を掻きながら、竜久さんは渋々といった風に話に付き合ってくれた。
「えっとですね――」
してやったりと言わんばかりの得意面で、部長が自分たちの知る範囲の言い伝えを説明する。
それを一通り聞き終えると、竜久さんは何度か小さく頷いてみせた。
「なるほど、言い伝えの一部分を聞いてないんだな」
「一部分?」
「そう。村娘が自殺した後、村へ男が来ると不幸が起きるようになった、までしか知らないみたいだけど、ちょっとだけ続きがあってね。その不幸ってのが村人が首を吊って死んでいたり、身体中を切り裂かれて変死体で見つかったりしたっていうオチがある。あとは確か……、女の幽霊に襲われてノイローゼになった人もいるとかってのもあったな」
いつの間に現れたのか、部屋の入り口から遠慮がちに中を覗き込んでいたのは村長の次男、竜久さんだった。
「野島さんが、夕食少し遅くなるから先に風呂入ったらどうかって。まだみんなバタバタしてるから、準備が遅れてるみたいでさ」
しっかりしたイメージの晴也さんとは対照的に、なよなよした物腰でそう言ってくる竜久さんへ、部長が笑顔で返事をする。
「わざわざありがとうございます。こんなことになってしまった以上、僕たちも我がままを言うつもりはありません。僕たちのことは気にしなくて良いと、由奈さんに伝えておいてください」
「うん、わかった。それじゃ……」
「あ、ちょっと待ってください」
適当な頷きを返し早々と扉を閉めようとする竜久さんを、慌てて部長は呼び止めた。
「……何?」
扉を掴む手を止め、どこか面倒そうな面持ちで竜久さんは返事を返す。
「今、この村にはここ以外にパソコンがないとおっしゃいましたけど、それは本当なんですか?」
「ああ、うん。そうだよ」
閉めかけた扉をまた僅かに開け、竜久さんは頷く。
「いつの時代だよって感じだけど、所有者がいないのが現実。農家とかやってる家でも、今はパソコン使うなんて当たり前でしょう? でもこの村の年寄りたちは使いこなせないからって、全然興味がないみたいだよ。絶対、起ち上げ方もわからないだろうね」
呆れたような含みでそう言いながら、鼻を鳴らす竜久さん。
「そっか。じゃあやっぱり、外との連絡は完全に取れなくされちゃってるわけだ」
顎に手をやりながら、部長は納得したように一人呟くとまたすぐに村長の息子へ顔を戻した。
「竜久さん、この村に伝わる話について詳しかったりはしますか?」
「言い伝えのこと? まぁ、詳しいかどうかはわからないけど、ここの人間だから一通りのことは知ってるつもりだけど」
「それじゃあ、もう一つ教えてほしいことがあるんです。実は、碧さんの殺された状況が、村の言い伝えに酷似してるって話をたまたま聞いたんですけど、それってどういう意味なのかわかります?」
事件の話に触れたせいか、僅かに竜久さんの表情が曇った。
「少年探偵団の真似事かい? あんまり危ないことには関わらない方が良いと思うけど……」
「いえ、僕たちはあくまで言い伝えが気になっているだけです。殺人事件にまで首を突っ込むつもりはありません」
反射的に、俺と桜は部長を見やる。さっきと言ってることが全く逆だ。
澄ました様子で嘘をつく部長に、桜は完璧に呆れ顔になってしまっていた。
「うーん、まぁ……それなら良いけど。言い伝えに関しては、どこまで知ってるの?」
困ったように頭を掻きながら、竜久さんは渋々といった風に話に付き合ってくれた。
「えっとですね――」
してやったりと言わんばかりの得意面で、部長が自分たちの知る範囲の言い伝えを説明する。
それを一通り聞き終えると、竜久さんは何度か小さく頷いてみせた。
「なるほど、言い伝えの一部分を聞いてないんだな」
「一部分?」
「そう。村娘が自殺した後、村へ男が来ると不幸が起きるようになった、までしか知らないみたいだけど、ちょっとだけ続きがあってね。その不幸ってのが村人が首を吊って死んでいたり、身体中を切り裂かれて変死体で見つかったりしたっていうオチがある。あとは確か……、女の幽霊に襲われてノイローゼになった人もいるとかってのもあったな」
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