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第二章:悪霊の目覚め
第二章:悪霊の目覚め 28
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【8】
五月二十二日、土曜日。
浅い眠りの果てに迎えた朝は、気分として最悪だった。
時刻はまだ、午前六時をほんの少し過ぎたばかり。
首を曲げると、憎たらしいほど気持ち良さそうに部長が寝息を立てている。
――さすがに、今朝は散歩はねぇよな。
あったとしても付き合う気はないが、そんなことを思い浮かべる。
夜中に目を覚ました回数は何回だったか。一時間に一度は、目を開けていたかもしれない。
昨夜、全員が風呂を済ませた後。
またしても男性陣の部屋へ集まっていた俺たちの元に、由奈さんが夕食の用意ができたと告げに来たのは午後八時頃だった。
事件を理由に手を抜くのは悪いからと、渡辺さんが用意してくれたのは、初日の夜に引けを取らない豪華な和食だった。
食事の最中、部長が由奈さんを引きとめて事件について訊いていたようだが、あまり状況は芳しくないらしい。
新たにわかったこととは、事件解決には重要性のないことがいくつか。
とりあえず、殺された碧さんの遺体は村長宅の敷地内にある蔵へ置かれることとなった。
いつ助けが来るのかわからない以上、遺体の腐敗を少しでも防ぐ意味で一番適した場所がそこなのだという。
そして、切断されていた電話線。
村の家全てに確認を取ったところ、間違いなく固定電話を所有する民家全てが被害に遭っていることが明確になった。
この所有者の中には、比較的山奥に住んでいる老夫婦などもおり、枝橋さん曰く村に詳しい人物の犯行である可能性がより高まったと言っていた。
確かに、ただでさえ人里から離れた集落の、さらに奥に建つ孤立したような家まで把握しているのであれば、そうかもしれない。
犯人は夜中に碧さんを殺害して神社へ吊るし、橋を燃やして村中の電話線を切断するという、ハードなスケジュールをこなしているのだ。
これがよそ者なら、山中に建つ孤立した家まで都合よく見つけ、電話線を切りに行くなどとてもできないだろう。
――後は、碧さんが殺された状況か。
これもまた、枝橋さんが簡単に遺体を確かめてわかったことらしいが、碧さんはまず首を絞められて殺された後、あの場所に吊るされた。
包丁を刺したのも、あの鳥居に吊るしてからではないかと考えているようだった。
ただ、何のために遺体を刺したのか。言い伝えに見立てられているとして、それが何のためなのか。
これらに関しては、枝橋さんを含めた村民たちも思いつくことは現時点において皆無だという。
犯人の正体も掴めず、動機も不明。
――やっぱり、ちゃんと警察が来なきゃ無理があるよな……。
村にいるのはほとんどが老人。若い人たちだって、殺人事件に対応するスキルなどあるはずもない。
むくりと身体を起こし、首を回す。やはり疲れは取れていないらしい。
身体のダルさが気分を重くする。
もう少し横になろうかと考えがよぎるも、どうせ寝付けるものでもないと判断して立ち上がる。
とりあえず歯を磨こうと、バッグから歯ブラシを取り出し、静かに部屋を出る。
元が学校というだけはあり、その名残でもあるのだろう。廊下には、洗面所代わりに使用できる場所が設けられていた。
昔はここで児童たちが、うがいや手洗いをさせられていたのだろうと想像する。
五月二十二日、土曜日。
浅い眠りの果てに迎えた朝は、気分として最悪だった。
時刻はまだ、午前六時をほんの少し過ぎたばかり。
首を曲げると、憎たらしいほど気持ち良さそうに部長が寝息を立てている。
――さすがに、今朝は散歩はねぇよな。
あったとしても付き合う気はないが、そんなことを思い浮かべる。
夜中に目を覚ました回数は何回だったか。一時間に一度は、目を開けていたかもしれない。
昨夜、全員が風呂を済ませた後。
またしても男性陣の部屋へ集まっていた俺たちの元に、由奈さんが夕食の用意ができたと告げに来たのは午後八時頃だった。
事件を理由に手を抜くのは悪いからと、渡辺さんが用意してくれたのは、初日の夜に引けを取らない豪華な和食だった。
食事の最中、部長が由奈さんを引きとめて事件について訊いていたようだが、あまり状況は芳しくないらしい。
新たにわかったこととは、事件解決には重要性のないことがいくつか。
とりあえず、殺された碧さんの遺体は村長宅の敷地内にある蔵へ置かれることとなった。
いつ助けが来るのかわからない以上、遺体の腐敗を少しでも防ぐ意味で一番適した場所がそこなのだという。
そして、切断されていた電話線。
村の家全てに確認を取ったところ、間違いなく固定電話を所有する民家全てが被害に遭っていることが明確になった。
この所有者の中には、比較的山奥に住んでいる老夫婦などもおり、枝橋さん曰く村に詳しい人物の犯行である可能性がより高まったと言っていた。
確かに、ただでさえ人里から離れた集落の、さらに奥に建つ孤立したような家まで把握しているのであれば、そうかもしれない。
犯人は夜中に碧さんを殺害して神社へ吊るし、橋を燃やして村中の電話線を切断するという、ハードなスケジュールをこなしているのだ。
これがよそ者なら、山中に建つ孤立した家まで都合よく見つけ、電話線を切りに行くなどとてもできないだろう。
――後は、碧さんが殺された状況か。
これもまた、枝橋さんが簡単に遺体を確かめてわかったことらしいが、碧さんはまず首を絞められて殺された後、あの場所に吊るされた。
包丁を刺したのも、あの鳥居に吊るしてからではないかと考えているようだった。
ただ、何のために遺体を刺したのか。言い伝えに見立てられているとして、それが何のためなのか。
これらに関しては、枝橋さんを含めた村民たちも思いつくことは現時点において皆無だという。
犯人の正体も掴めず、動機も不明。
――やっぱり、ちゃんと警察が来なきゃ無理があるよな……。
村にいるのはほとんどが老人。若い人たちだって、殺人事件に対応するスキルなどあるはずもない。
むくりと身体を起こし、首を回す。やはり疲れは取れていないらしい。
身体のダルさが気分を重くする。
もう少し横になろうかと考えがよぎるも、どうせ寝付けるものでもないと判断して立ち上がる。
とりあえず歯を磨こうと、バッグから歯ブラシを取り出し、静かに部屋を出る。
元が学校というだけはあり、その名残でもあるのだろう。廊下には、洗面所代わりに使用できる場所が設けられていた。
昔はここで児童たちが、うがいや手洗いをさせられていたのだろうと想像する。
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